週末の一行語録解説【5/27号】

■商品のデモンストレーションは、商品を上下に動かすことを意識せよ

世の中に心理学を活用した営業テクニックは山のようにあり、それを知っているかどうかで営業への取り組み方も変わってくる。

 

今回の一行語録の解説を行う上で、まず前提として知っておいてほしい営業テクニックはYESセット話法である。

 

YESセット話法で有名な話は相手が承諾しやすい環境を作るために、まずは天気の話をするというものだ。

 

天気の話はあまり否定されることはない。

 

なぜなら、

 

「今日はいい天気ですね」

 

という事実を突き付けられて

 

「いいえ、天気は悪いと思います」

 

という反応にはなりづらいからだ。

 

なので多くの書籍やセミナーなどで「まずは当り障りのない天気の話をして最初のYESを取れ」というのは、ほとんどの営業マンがご存じだと思う。

 

ではここで、なぜ最初にYESを取ることが良いのかを解説すると、

 

それは「一貫性の法則」という心理が大きく関わっている。

 

一貫性の法則とは、人は一貫した行動を取り続けてしまうという心理であり、心理学者であるロバート・チャルディーニが多くの実験結果を「影響力の武器」という著書で紹介している。

 

例えば、「100円貸してほしい」と最初にお願いし、承諾を得た時点で「もう1000円貸してもらえないかな?」とお願いすると、最初から1000円貸してほしいとお願いするよりも承諾率が上がる。

 

この一貫性の法則という現象がなぜ起こってしまうかというと、我々の意識の中に「一貫性のない人間=信用のない人間」という教育が施されており、信用のない人間になることを回避するために、無意識に一貫性を保とうとしてしまうのだ。

 

その心理をうまくつき、YESという回答になりやすい質問を積み重ね、最後に売りたい商品の話に誘導していくのがYESセット話法である。

 

しかしこのYESセット話法は、実は「YES(ハイ)」という返事をしなくても効果があることが分かってきたのである。

 

それはどういう事かというと「YES(ハイ)」という返事をしなくとも「YES(ハイ)」と同様のしぐさを繰り返せばYESセットは成立するという事なのである。

 

「YES(ハイ)」と同様のしぐさとは一体何かというと、それは『うなづき』である。

 

これはヴュルツエンブルグ大学 イェンスフォスター教授の研究によるものであるが、コンピューターの画面を通して商品を見せ、一方は首が水平方向に動くように商品を見せ、もう一方では垂直方向に首が動くように商品を見せたのである。

 

その結果、水平方向(首を振る)の動作をさせた場合より、垂直方向(うなづき)の動作をさせた方が商品に対する評価は高く、購入する確率も高かったことが判明したのである。

 

うなづきによって無意識に好感を抱く理由は、幼少期の頃にあると考えられており、赤ちゃんが母親の母乳を探す時に頭を縦に振りながら探し、飲み終わると頭を左右に振ることからきているとのことだ。

 

要は、うなづき=賛成、首を振り=反対という一種のルールが幼少期の頃から既にできあがっているのだ。

 

確かによくよく考えてみると、セミナーを受講している時を想像して、うなづきながら話を聞いた場合と、首を横に振りながら話を聞いた場合では、そのセミナーの評価は違ってくるように思える。

 

そこから考えると「うなづき」という動作自体が潜在意識に何かしらの働きかけをしていると考えられるのではないだろうか。

 

 

2016年05月28日コラム営業