【自分との信頼関係の構築が全てのスタート】

ある日のこと。

 

私はあるキーワードを目にする機会があり、そのキーワードからなぜ営業トークを練習すべきなのかを思い返していました。

 

そのキーワードというのは「メラビアンの法則」というものです。

 

メラビアンの法則とは、心理学者のアルバートメラビアンが提唱した概念で、人は情報のほとんどを視覚情報から得ているという考え方です。

 

メラビアンがいうには、視覚情報(見た目、表情、しぐさ)が55%、聴覚情報(声の速さ、大きさ、口調)が38%、そして言語情報(話の内容そのもの)が7%の割合で情報をキャッチしていると説明しています。

 

要は、情報への影響力は視覚情報が最も大きく、そのため売上アップ、営業力アップのためにマナーや礼節などを教育する研修講師がいるのです。

 

※私も以前、こういった系の研修を受講したことがありますが、とにかく厳しくしつけられます。

そしてなぜかこれ系のセミナーに出ると講師から目の敵にされることが多いです・・・

 

このメラビアンの法則は、ある限定された状況下で行われた実験であるため一般的なコミュニケーションでは当てはまらないと批判もされています。

 

しかし、ロバート・チャルディーニの研究(「影響力の武器」参照)にも示されている通り、外見が人の判断に大きな影響力を及ぼしていることは間違いないことであり、視覚情報は説得に大きな力をもたらすのです。

 

そこでメラビアンの法則が成り立つという前提に立ってみると、言語情報、いわゆる営業トークの内容は、売上アップ、営業力アップにあまり意味がないという結論になりますが、はたしてそうなのでしょうか?

 

≪自信は練習量に比例する≫

 

確かに同じトーク内容であったとしても、それを話している態度に自信があるかないかでその影響力は大きく変わってきます。

 

この状況は視覚情報に大きく影響されているという事ではありますが、それではこの自信をどうやって手に入れることができるのでしょうか?

 

私はこの自信と言語情報には密接な関係があると考えています。

 

私も以前は苦手なものがありました。

 

それが何かというとセミナーです。

 

今となっては人前で話すことは当たり前になってきたのですが、アタックスに入社して初めてセミナーを開催した時は緊張してまともに話せませんでした。

 

営業のような1対1のコミュニケーションには自信があったのですが、1対多は全く別物でガチガチのカミカミでした。

 

このヘタさ加減はかなりのもので、聞いていただいた方々に多大なる苦痛を与えたようです。

 

今でも覚えていますが、最初に行ったセミナーのアンケートには厳しいコメントが残されていたのです。

 

「誰でも知っている内容でつまらなかった・・・」と。

 

しかし、現在、当時のネタを使ってセミナーをすることがありますが、今では、

 

「このセミナーはもっと(参加費が)高くても良いと思います」

 

と言ってもらえるようになったのです。

 

この違いが出てきた理由としては視覚情報が大きく影響していると思います。

 

同じコンテンツでも自信のある態度か否かで大きく伝わり方が変わります。

 

では、私はどのように自信をつけたのでしょうか?

 

それは言語情報を「これでもか!」というぐらい練習し、修正したからです。

 

当時、セミナーに苦手意識を持っていた時は、自宅近くの貸し会議室(といっても6畳ほどの小さなスペース)を借りてプレゼンの練習を1人で行っていました。

 

その練習内容は、プレゼン内容を録音し、自分のプレゼンの何が悪いのかを聴衆となって確認し、話す内容を修正していったのです。

 

自分の声を録音して聞いたことがある方は分かると思いますが、最初は自分の声を聞くのが何か恥ずかしく、居ても立ってもいられなくなります。

 

しかし、何度か自分の声を聞いている内に第三者の立ち位置で聞けるようになります。

 

そしてプレゼンしては録音、録音した内容を聞いては、何を話すのか、その構成などを修正していったのです。

 

そしてここまで事前準備を行うと、さすがに自信が持てるようになります。

 

そしてセミナーでは「ここまでやったのだから」という自信が湧いてくるのです。

 

この事前準備の活動というのは言語情報を磨くことであり、言語情報を磨いたからこそ自信が湧いてきました。

 

そして何よりもこの事前準備こそが「自分を信じる」、言い方を変えると「自分への信頼関係の構築」の作業であり、自分を信じることができて初めて相手に響く話ができるようになるのです。

 

営業トークの練習はうまく話せるようになるためというよりは、自分自身への信頼関係の構築のためにやるもの。

 

そして自分自身の信頼関係が構築できればそれが自信へとつながり、結果的に相手に響くトークになっていくという事なのです。

 

 

2016年09月24日コラム営業