【「どんな商品が儲かるか」ではない、「どんなマーケットが儲かるか」だ】
「経営哲学・・・そろそろ深く学ぶべき分野か・・・」
昨日、弊社の代表パートナーである丸山のある講義を受講しました。
その内容は弊社の経営理念であるアタックスウェイを理解するために、その背景となっている哲学を学んだのです。
その中で一番印象に残った話は「稲盛和夫」の経営哲学。
これまで稲盛氏が開催してきた盛和塾は今年末で解散。
多くの経営者が盛和塾で、経営哲学を学びに行ったといわれる有名な塾です。
ちなみに私の前職に勤めていたブラック企業の社長も、稲盛氏の考え方を非常に取り入れており、「値決めは経営」という考え方を社員に叩き込んでいました。
(高利貸しを正当化するには都合の良い言葉だったのでしょうか?)
私もその教えを徹底し、安易な値引きをしない習慣は前職で培ったといっても過言ではありません。
この「値決めは経営」というのは、経営12か条の1つで、他にも11の哲学があります。
この経営12か条の基礎となっている稲盛氏の考え方は
「人として正しいことをする」
という考え方です。
このような講義が進められる中、急に丸山パートナーがこのような質問をされたのです。
「人として正しいとはどういう事ですか?」
人として正しいこと??
そして受講者がそれぞれ当てられ1人1人答えていきます。
「困った人を助ける」「周囲に貢献する」など、いくつかの意見が出てきました。
そしてそのいくつかの意見が出た後、丸山パートナーが、
「人として正しいことをする」というのは『子供の頃に親から言われたことを実践する』という意味です。
といわれ思わず唸ってしまいました。
確かにその言葉は「人が正しいことをする」という言葉から連想される全ての言葉を包含するベストな言葉です。
「約束を守る」「嘘はつかない」「人をだまさない」「欲張らない」などなど・・・
全てを包含するまさにぴったりの言葉。
そしてその後、流れるように「忘己利他(もうこりた)」という話が展開されました。
忘己利他とは、自分の利益を忘れ相手のために尽くすという考え方です。
顧客のために尽くす、社員のために尽くす・・・
超リアリストの私にとっては、あまりこのような考え方は好きではありませんでした。
人は結局自分のことしか考えない。
相手のために、とか口にする人間はあまり好きではない・・・
何となくこう思っていたのですが、この話を今になって改めて聞くと違った印象を受けました。
多くの偉大な経営者が、そのような感覚で経営している。
そこには何か成功する要素があり、だからこそ今もなお語り継がれているのではないか?
そう思えるようになってきたのです。
他者視点がなければ人を動かすことはできない
このような考え方を、超リアリストな私は営業やマーケティングに置き換えると非常に納得がいきます。
よく営業やマーケティングの世界で言われていることは「プロダクトアウトではなくマーケットインで考えること」。
このような言葉を耳にすることは多いと思います。
しかし、多くの人間はプロダクトアウトが先行します。
「どんな商品を売ろうか?」
しかし、得てして商品が先行してしまうとうまくいかない。
それよりも先にどこに売れるマーケットがあるのかを考える。
そして売れるマーケットを見つければ、そのマーケットにあった商品を作る。
実はこの手順が重要。
「何を売るか」の前に「誰に売るか」を先行させる。
これはまさに自分視点ではなく、他者視点。
マーケティングも、営業も、経営も他者視点でなければ『人を動かす』ことはできない。
少し抵抗のあった言葉も、こう考えると急に腹に落ちる。
何となくそう思えた週末でした。