【見返りが期待できない場合は、値下げに踏み切ってはならない】

先日、あるラーメン屋でのこと、、、

 

ある日、事務所で仕事をしていると昼に差し掛かりました。

 

普段は12時のピークタイムを避けて食事をとるのですが、その日は13時から打合せがあり、今を逃すと食事を取るのが随分と遅くなると思ったため、ピークタイムの12時に食事を取ることにしました。

 

食事は事務所近くのラーメン屋。

 

何度も通っている食べログ3.5以上のラーメン屋です。

 

いざ、入店すると券売機があり、食券を購入。

 

そして細い通路を通り、テーブルのある方に向かおうとすると店員が、

 

「お昼のサービス何にしますか?」

 

との質問。

 

この店はお昼に「味玉」か「ごはん」か「麺大盛」のサービスを提供していたのです。

 

卵好きな私は、迷わずに味玉をチョイス。

 

そして程なくしてラーメンが到着し、黒マーでコーティングされたスープをすすり始めました。

 

僅か10分程度で、そのラーメンを完食。

 

「あ~、今日もなかなかうまかった!」

 

かなりの満足感を覚え事務所に帰っていきました。

 

このランチタイムに多くの店がサービスという名の実質値下げを行っています。

 

これはランチ激戦区にはよくある話だと思いますが、トッピング無料って本当に効果があるのだろうか?と職業柄よくこんな事を考えてしまいます。

 

通常、サービス業のマーケティング戦略からすると何かがおかしい。

 

通常、サービス業では需要の平準化を図るため、閑散期に値下げや無料提供などを行います。

 

例えば、カラオケやゴルフであれば平日割があったり、居酒屋であれば17:00~18:00はビール半額など。

 

しかし、このラーメン屋はピーク時間に無料トッピングを提供している。

 

おそらく集客のためにそうしているのだと思いますが、オフィス街のピーク時に本当にそれが必要なのか?

 

それに食べログ3.5をつけている店の集客がトッピング1つでそんなに変わるとも思えない。

 

それならトッピングを今すぐ止めるべきだ!と結論付けましたが、実はこの一旦つけてしまったサービスというのが大きな罠。

 

例えば、このトッピングサービスをやめて提供するとどうなるのか?

 

おそらく多くの消費者が損した気分になるはず。

 

元々ついていたサービスがなくなり味玉をつけないラーメンが提供される。

 

「以前は味玉がついていたのに・・・・」

 

こんな不満の声がどこからともなく聞こえてきそうです。

 

そして味玉をつけると以前よりも高い金額を支払うことになる。

 

比較対象が他店とではなく、過去との比較になってしまう。

 

そうなることで、常に損した気分になり、顧客の満足感は確実に落ちていくのです。

 

その影響で少なからず集客に影響があると思います。

 

一度行ったサービス(実質値下げ)は、簡単にやめることができない。

 

そんなジレンマに陥っているのだと思います。

 

それではなぜ、このラーメン屋はサービス(実質値下げ)を行ってしまったのでしょうか?

 

それは顧客がこなくなるという幻想が、多くの経営者をそうさせているのです。

 

 

顧客がこなくなるという幻想

 

 

 

 

 

 

目の前の顧客が顔を曇らせると、すぐに値下げを口にする営業マンは多くいます。

 

値下げの裁量権を持たせると、最大限まで値を下げ、顧客に感謝されることで満足を覚える。

 

しかし、その値下げは経営に大きな負のインパクトを与えます。

 

例えば、100万円の商品を売っていたとします。

 

その商品を95万円に下げることは、そんなたいしたことは無い。

 

もしかしたら、あなたはそう思うかもしれません。

 

しかし、その商品を年間100個売っていたとすれば、その金額差は1億-9500万=500万円。

 

その500万は売上ではなく利益。

 

その商品が粗利率が30%だとすると1台当たりの利益は30万円。

 

先程500万の利益を埋めるためには500万÷30万円=16.7個追加で売る必要があります。

 

年間100個で目標達成していた商品が116.7個(117個)売らなければ目標達成しなくなるのです。

 

僅か5万円の値引きが、1.2倍近くの商品を売らなければならない羽目になるのです。

 

あなたは顧客と金額交渉する時に、何を考えていますか?

 

「顧客の笑顔」と答えたあなたは、少し気を付けなければなりません。

 

その顧客の笑顔が、あなたを苦悶の表情に変える存在とならないように。

 

 

 

2019年05月18日コラム営業