【内向きだから売れない?それは大きな勘違いです】
今年最後のブログアップ!
最後は、来年のⅮⅩを見据えてイノベーションをテーマに書いてみたいと思います。
今、ちょうど私はイノベーションをテーマにした本を読んでいます。
その本の名は・・・
「君の名は。」みたいでいいですね。
いいから早く言え?
まぁ、そんな反応が是非ほしい。
横文字が入るとそれだけで嫌になる人もいるようですので。
そんなことはさておき、私が今、読んでいる本は、、、
クレイトン・クリステンセン氏の「イノベーションの解」。
イノベーションのジレンマで有名なクレイトン・クリステンセン氏。
ここ最近ではジョブ理論(3年前を最近とは言わないか?)という本が出ていますが、私はジョブ理論から逆行していく形でイノベーションの解を読んでいます。
この本は事業戦略のような印象を受けますが、私はマーケティングの本として捉えています。
この本で語られていることは、イノベーションを起こすためにはこれまでのような「属性」による市場細分化ではなく「状況」にフォーカスしなければならないと書かれてあります。
ターゲット顧客を絞り込むときに多くのマーケティング担当者は「40代男性」のような「属性」でターゲットを絞ります。
これには4つの理由があって1つは「的を絞ることの恐れ」、2つ目は「定量分析の要求」、3つ目は「多くの小売チャネルが属性に基づく構造になっている」そして4つ目が「広告の経済学」です。
詳細は書籍にお任せして掻い摘んで話をすると、上記4つの理由で属性を元にターゲットを絞ることがあたり前になっていますが、人が商品を購入する動機は属性では切り分けられないという事。
クリステンセン氏の言葉を借りると、「片付けなければならない用事」のために「商品を雇う」ため、「状況」による市場細分化を行わなければならないという事なのです。
この例としてこの書籍ではミルクシェークの話を題材として挙げています。
あるレストランチェーンで市場細分化を行い、今売れている商品、そしてどのような顧客層が購入しているのかという分析のもと、ミルクシェークが40代男性に売れていることが浮き彫りになりました。
しかも平日の早朝に40代男性がミルクシェークをよく買っている。
このデータをもとに売上を更に上げるために、そのミルクシェークのチョコ味を作ったり価格を安くしたりしましたが、売上には一向に反映しなかった。
そしてアプローチを変え、顧客に実際にインタビューしてみると以下のようなことが発覚しました。
・車での通勤時間が長く退屈なので暇つぶしに
・運転しているので片手で処理できるもの
・空腹ではないが少し腹を満たしたい
・退屈な通勤時間を解消するために長く持つもの
味にあまりこだわりを持っている人はいなかったのです。
そして更に、夕方にミルクシェークを購入する40代男性の意図は違っていて、その意図は何かというと「子供をあやすため」。
夕食前におやつを食べさせるわけにはいかない。
しかし、一日中ダメというだけでなく、物分かりの良い親として子供に愛されたい。
そんな時にミルクシェークは都合の良い商品だったのです。
同じ40代男性であっても購入意図は状況によって全く違う。
そして、この状況を把握することで本当に行うべき商品改良が見えてくるのです。
観察力が決め手
顧客の購入意図というのは、どのような状況で買っているのかという観察力が必要です。
この観察力というのはセールスにおいても同じ。
顧客がなぜ今、あなたの商品に興味を示しているのかを深く観察しなければならない。
ここで話は変わりますが、内向型の人と外向型の人というのが世の中にいます。
セールスに向いているのは一般的に外向型と思われがちです。
外向型は口が達者で、社交的なため一見するとセールス向きに見えます。
しかし、セールスで必要なのは口達者なプレゼン能力というよりは、顧客の真のニーズを見極める観察力。
アメリカの発達学者ケーガンによると外部からの刺激(音、振動、光など)に敏感な赤ん坊は成長すると内向型になり、鈍感な赤ん坊は成長すると外向型になるそうです。
内向型の人は外部の変化に敏感に反応し、なかなか自分を出せないというところに内向型になる要素があるようですが、敏感が故に人を観察する能力にたけています。
そしてその観察力で顧客の真のニーズを捉えることができるため、最も顧客が必要としている商品を提案することができるのです。
内向向きだから売れない?
それは今日、大きな勘違いだという事が分かったと思います。
口達者でなくても売れます。
そして口達者じゃない方が顧客を喜ばせる能力があります。
内向型だから売れないと思っているあなた。
是非、この事実を知っておいてもらいたいと思います。