【考えなければならない時とはうまくいきすぎている時】
先日、マネーショートという映画をみました。
これは「世紀の空売り、世界経済の破綻に賭けた男たち」の本を原作に映画化された作品であり、リーマンショックが起きる前に経済破綻の危機に気付いた男たちの実話が描かれたものでした。
大逆転劇というのはフィクションでもそれなりのハラハラ感がありますが、それがノンフィクションとなると更に凄みが増します。
最後の結末に、「おおおー!」と興奮した後に、「しかもこれ現実にあった話だよね???」と二度楽しむことができる・・・
こんなことを期待してアマゾンプライムから映画を再生したのです。
そして再生するとほどなくストーリーがスタートしました。
そのストーリーとはこんな感じです、、、
ある日、投資家であるマイケルが当時普及していたCDO(債務担保証券)の数字を眺めていると、ある異変に気付きます。
異変に気付いたマイケルは、その真意を確かめるために目論見書を取り寄せ、債権の中身を確認したのです。
そうすると不動産ローンの支払いに対して遅延をしていたり、返済ができなくなっている状態を目の当たりにします。
その実態を見たマイケルは、安全と思われていたCDOにはリスクが潜んでおり、いずれ破綻することを予想するのです。
そしてマイケルは動き出します。
銀行にCDS(クレジットデフォルトスワップ)という債務不履行保険を提案したのです。
(簡単に言うとこれから値が下がる方に賭ける空売りです)
当時銀行関係者は、CDOは安定しており、まず破綻する可能性はないと考え、マイケルの提案を半分バカにするように受け入れます。
そしてマイケルの異様な行動を知り調査を始めるものや、マイケルと同様にCDOにリスクがあることに気づいた人物などが動き出します。
調査が進むとその異様な実態が明らかになり、銀行がとても返済できそうにない低所得層にローンを組ませていたことが判明しました。
これは確実に破綻する・・・
それに気づいた登場人物たちは全て空売りにbet。
しかし債権の実態は焦げ付いているのになかなか値が下がらない・・・
一体どうなっているんだ?銀行が隠ぺいに動いている?
そんなシーンもありましたが、最後はリーマンショックが起こり次々と企業が破綻。
マイケルやCDOのカラクリに気づいた人物たちも大儲けしましたが、結局は破綻の上に成り立った資金。
大儲けした裏には、何の罪もなく損失を被っている一般の人たち、そして実質詐欺のような金融商品を作り出した金融機関は税金によって救済される。
それに気づいた登場人物たちも多額の資金を手に入れたにも関わらず、やるせない気持ちでラストを迎えるのです。
うまくいっている要因を紐解く
営業も市場と同じように、何かよく分からないけど結果は出ているというシーンがあります。
なぜ、うまくいっているのか?
よく分からないけどうまくいっているから良いんじゃないの?
しかし、その中身を紐解くとサブプライムのような爆弾的な問題を抱えており、それが良い結果に隠されて今は顕在化していないだけ・・・
こういったことが営業組織にもよくある話です。
一部のトップセールスだけが売っている。
大口取引のほとんどに主導権がない。
売上上位の取引先は与信上、極めて危険など。
コロナが収束に向かい、新たな局面に差し掛かろうとしています。
そんな時に取引先の企業・業界はフタを開けてみたらディスラプト(破壊)される企業だった・・・
そんな事にならないように、景気が回復しつつある今だからこそ改めて考えてみるタイミングだと思います。