【無料は知識や価値を紹介するだけのものに留める】

「10万円の給付金・・・」

 

無料でお金を配布する政策であり、バラマキと揶揄されているようです。

 

この政策には多くの批判があるようですが、街頭インタビューでの市民の生の声はこんな感じだったようです。

 

もらえる人「もらえない人に対してなんか申し訳ない」

 

もらえない人「困っている人が助かるならそれで良いのではないですか」

 

このコメントを発したのは30代~50代の子育て世帯の方々。

 

このコメントだけを見ると特にもらえる人も、もらえない人も不満はない様子。

 

確かに生活支援のために今回の給付金はあるといわれると、多くの人が批判のしようがありません。

 

「それはそうだ」となってしまいます。

 

(目的が生活支援ならクーポンの意味はよく分かりませんが)

 

しかし、これをもう少しマクロ的な観点から見るとどうなるのでしょうか?

 

今回、18歳以下の子供に10万円が給付される。

 

18歳以下の子供は日本全国に約2000万人。

 

このうち報道では10%程度が年収960万以上とのことであったため、対象となる人数は単純計算ではあるが1800万人。

 

1800万人に対して10万円を支給する訳なので、全体の金額を見積もると1.8兆円。

 

ではその財源は何かというと税金。

 

そして単純に考えると今回の給付金は、子供を持ってない世帯から子供を持っている世帯への財源移転。

 

高齢者世帯から若者世帯への資金移動と考えることもできます。

 

日本の金融資産の65%程度は60歳以上が握っているということを考えると、この財源移転はある意味スジが通っている。

 

日本全体を家族と考えると、高齢者から子育て世帯へのちょっと早めのお年玉と言い換えることができます。

 

しかし、この政策をして最も得をするのは誰なのか?

 

子育て世帯は高齢者に感謝するのか?

 

その意識が芽生えているようには思えません。

 

それでは誰が最も得をするのか。

 

それは政治家。

 

人のお金を使って恩を感じてもらえる立場。

 

そう考えると生活困窮者に資金援助とキレイごとを言っておきながら票集めに動いているだけのような気がしてならない。

 

こんな邪推をしてみましたが、無料というのは結構取り扱いが難しく、その背景を見透かそうとする行為が働きます。

 

無料には人を惹きつける強い力がありますが、その取り扱いにも気を付けなければならない。

 

ビジネスに転換するとそんな気づきがあるのかもしれません。

 

 

無料の取り扱い説明書

 

 

 

 

 

ビジネスにおいても無料の取り扱いは至って難しい。

 

例えば、無料で一旦提供してしまうと、その提供したものに再度価値をつけることは難しい。

 

例えば、ラーメン屋のライス無料などはそうであろう。

 

一旦、ランチの集客用としてライスを無料にする。

 

そうすると夜のライスに値段をつけると、昼に無料という意識があるので、お金を取られる夜には行きたがらない。

 

昼に需要が集中すれば、ハコモノ特有の稼働率という観点から儲かりづらい店となる。

 

では、何を無料にすれば良いのだろうか。

 

それを少し想像してみると以下の3点が思い浮かぶ。

 

まずは「見返りが期待できるもの」。

 

スーパーなどでの試食がそうであり、返報性の原理で思わず買ってしまう衝動に駆られる。

 

そして「サービスの理解を深めるもの」。

 

コンサルタントがノウハウを公開したり、住宅販売の業界で良い家選びのノウハウを提供するのがまさにそれにあたる。

 

知識が増えれば増える程、高価なものを買いたくなる心理を刺激する。

 

そして「常習性のあるもの」。

 

差し詰め化粧品のサンプルなどが該当するか。

 

一度、使ってよければまた使いたくなる。

 

毎日使うものなので、スイッチングコストは高いが、一度ひっくり返すと大きな収益を見込める。

 

このようなところであろうか。

 

無料というものは、人を惹きつける強力な力を有するが、その反面、価値あるものを無価値にしてしまうリスクもはらむ。

 

そうならないように慎重に取り扱うべき施策なのである。

 

 

2021年11月14日コラムマーケティング