営業

週末の一行語録解説【6/25号】

■注目されないからといって結果が出ないとは限らない

見込み客を追いかけていると「なかなか電話が繋がらない」「メールを打っても返信がない」ということはよくあります。

 

そしてなかなか反応がない顧客に「これ以上追いかけても意味がないのでは・・・」という心理になります。

 

そして上司などからも時間の無駄と言わんばかりに「別の顧客を追え」という指示が入ることもよくあります。

 

しかし、本当になかなか捕まらなくなった顧客を追いかける行為は無駄なのでしょうか?

 

営業で行う行為が無駄なのかどうかを判断する上で、顧客の立場になることは非常に重要なことです。

 

というのも営業マンの立場で考えてしまうと、その行為の良し悪しを、効果があるかないかではなく、やりたいかやりたくないかで考えがちだからです。

 

新規開拓で一度断られたら二度と行かないという思考は、まさにその典型的な例だと思います。

 

今回もこの追客を客観的に評価するために顧客視点で考えてみようと思います。

 

過去、私がお客の立場で“粘る”営業に出会ったのは生涯3回ぐらいではないかと思います。

 

その内の一人は住宅販売の営業、そしてもう一人は太陽光の営業、そして最後の一人は人材紹介会社。

 

※光回線はよく営業はありますが、毎回人が変わるため“粘る”営業には該当しません。

 

まず一人目の住宅販売会社の営業マンです。

 

その営業マンは住宅展示場でアンケートに答えたことをきっかけに頻繁に家に通ってくれるようになりました。

 

私が不在の時によく来ていたため大半は妻が対応していたのですが、内覧会のチラシやカタログ、パンフレットなどをよく持ってきてくれていました。

 

住宅展示場で家を見た時は、特に魅力的だった訳ではなく気にもしていませんでした。

 

しかしあまりにも熱心に通ってくれるため何度かパンフレットを見直した記憶があります。

 

そして「この家も悪くない・・・」と思い始めてもいました。

 

そして太陽光の営業。

 

家を購入した直後に、太陽光の営業が頻繁に顔を出すようになりました。

 

最初の営業ではトークがうまかったため、太陽光がどうのこうのというよりも営業トークの分析のために話を聞いていました。

 

しかし、その営業マンは私を見込み客と判断したのか頻繁に通ってくるようになったのです。

 

そして何度かは話したのですが、途中で面倒くさくなり居留守を使うこともしばしばありました。

 

しかし、その営業マンが来る度にパンフレットには目をやっていたのです。

 

そして最後の1人は人材紹介会社の営業。

 

この営業との出会いは転職の時。

 

当時、人材紹介会社の一括登録というサイトがあり一括で登録した覚えがあります。

 

この登録サイトは一度登録するとあらゆる人材紹介会社からメールで勧誘がありました。

 

来社を促す企業、求人をいきなり送ってくる企業とありましたが、返信をせずにある程度放っておくと連絡が来なくなります。

 

しかし、その内の1社が返信をしないにも関わらずしつこくメールしてきたのです。

 

その期間は1週間、2週間と続きました。

 

そして結局私はその求人会社に足を運んだのです。

(実はその人材紹介会社との出会いが今の仕事につながっています)

 

過去を振り返りお客という立場で考えると、無視されていたとしても効果があると考えられます。

 

「マイナスの印象でも単純接触効果を行うべきか?」

 

よくこんな質問をもらうことがあります。

 

確かにお客様にマイナスの印象を与え続けることは成果につながらないような気がします。

 

そのため多くの方が用もないのに単純接触を行うことを躊躇すると思います。

 

ただ、単純接触効果の研究を深く調べていくと、このような実験結果も出ているのです。

 

1)マイナスの印象では単純接触効果もマイナスに働く。

 

2)しかし「何もしないよりはマシ」。

 

3)マイナスな印象であったとしても後々に肯定的な連想をもたらす場合もある。

 

という事なのです。

 

この結果を符号で表すと、

 

好印象の単純接触>マイナス印象の単純接触>何もしない

 

となります。

 

この公式からも分かるように単純接触効果の検証をするということは最低レベルにするか中間レベルにするかを検討しているようなもの。

 

そのようなことを考える暇があったら好印象にするは何をすべきかを考えましょう。

 

その方が余程考える意義がありますし、成果にも直結することは公式からも明らかだと思います。

 

2016年06月25日コラム営業


週末の一行語録解説【6/18号】

■顧客のリラックスと売上アップは正比例である

営業において顧客をリラックスさせることがどれぐらいの効果を生むかご存じだろうか?

 

以前もコーヒーの香りにより説得効果が増すという週末語録を書いた。(3/19号)

 

喫茶店と洋品店の前でアンケートの協力をお願いしたところ承諾された比率は3倍という結果だったのである。

 

この点からするとリラックスさせる効果をもう少し調べた方が良いと思い、色々な情報を探してみた。

 

そうすると、コーヒーの香りだけでなくリラックスのために行われていると思われていたあらゆることが営業上、効果を生むことが分かってきたのである。

 

例えば、家や車のようなBtoCの商談現場ではたまにアメやチョコを置いていることがある。

 

あれも単なるサービスの一環かと思いきや実は営業上、効果がある。

 

どういうことかというと甘いお菓子を一口食べると、もう少し食べたいという欲求が出てくるのは想像できると思う。

 

しかし、その欲求は甘いものをまた食べたいという欲求に留まらず他の商品にも波及するという事実が明らかになってきたのである。

 

そして甘いものだけではない。

 

お客様に座ってもらうイスについてもリラックスにこだわることが大きな効果を生む。

 

これはマサチューセッツ工科大学のジョシュア・アッカーマン教授による研究であるが、人は触感によって受ける印象や意思決定に差が出ることが明らかになっている。

 

例えば、お客様と商談する時に硬いイスに座らせる場合と柔らかいイスに座らせる場合とどちらが良いと思うだろうか?

 

硬いイスに座った方が早く話を終わらせたいがために承諾しやすくなると思うだろうか。

 

実は結果は反対である。

 

硬いイスと柔らかいイスに座った場合、硬いイスに座った方が、相手が冷静であると評価し、そしてその影響で交渉もシビアになるという結果が出たのである。

 

これは硬いものに触れていると他者との交流を難しく感じ、話し合う気分になりにくいことが影響されているという事なのだ。

 

コーヒー、甘いもの、柔らかいイス。

 

これまで誰かが顧客サービスの一環でやったことが偶然良かったのか、心理技術を駆使して始められたことなのかは分からないが、顧客視点が売上につながるということを改めて思い知らされたような感覚である。

2016年06月18日コラム営業


週末の一行語録解説【6/11号】

■笑顔の値段はタダではない

つい先日の大阪出張でのこと。

 

ある企業に訪問に行く前に少し時間があったのでマクドナルドに朝食を取りに行きました。

 

鶏肉の消費期限切れの問題の後、マクドナルドに行く機会がかなり減っていたため、久しぶりのマックへの来店となりました。

 

店内を見ると以前に比べると少し活気がないような雰囲気を感じます。

 

また、順番待ちで並んでいたお客さんをレジに案内する順番を間違えてしまい、お客さんから怒鳴られるなど、大変そうな雰囲気でした。

 

そして私が注文する順番となりメニューを覗き込むとあることを思い出したのです。

 

それはマックのメニューに「スマイル0円」がなくなっていたことです。

 

学生の頃、「スマイル0円」というのを本当にやってもらえるのかと思い、注文したことがあります。

 

その時は普通に店員さんが笑顔を見せてくれ、この「スマイル0円」というのは本当に存在するものなのだと感心した記憶があります。

 

しかし、そのメニューがよくよく見ると消えていたのです。

 

おそらく、変な輩が面白半分で注文を繰り返すなどのトラブルがあって無くなったのではないかと推測されますが、なかなか革新的な取り組みだったと思います。

 

そのメニューが無くなったことが原因ではないと思いますが、店舗に活気は以前よりもなくなっているような気がしています。

 

逆に、同じファーストフードでもスタバの店内はいつも活気を感じます。

 

家の近くにもスタバはあるのですが、いつも店舗に行くとスタッフの接客が笑顔で非常に心地よいです。

 

過去、東京で仕事の合間にコーヒーを買いに行った際もレジでお金を支払うと

 

「お仕事、頑張ってください!」

 

と言われ思わず、

 

「そう言うようにマニュアルか何かで決まっているのですか?」

 

と確認したことがあります。

 

しかし返ってきた答えは「マニュアルに従って答えたわけではありません」という回答だったのです。

 

大学生ぐらいの若い方だったと思いますが、その神対応に驚きを隠せませんでした。

 

巷ではスタバのコーヒーはおいしくないという人もいます。

 

私もスタバのコーヒーをそこまでおいしいと感じたことはありません。

 

しかし、マックやドトールにいけばもう少し安い値段でコーヒーが買えるにも関わらず、なぜかスタバを選択していたりするのです。

 

人は商品を選択する上で、商品そのものだけで選択しているのではなく、その周辺のサービスも判断材料となっています。

 

例えば、すごくおいしい料理を出していたとしても店が汚いとおいしく感じません。

 

これを伝染効果と言いますが、商品+付随サービスで意思決定がなされているのです。

 

そして今後はこの付随サービスが、商品が売れるか否かの分かれ道となると私は思っています。

 

今、世の中の商品を開発する技術は発達しており、どのような商品を作ってもすぐに真似られることが多くなってきました。

 

こうなってくると商品自体で差別化を図ることは難しく、商品以外の付帯サービスで差別化を図るしかなくなるのです。

 

そしてその付帯サービスの1つとして営業マンは大きな影響力を持っています。

 

営業マンの対応1つで、その商品への価値の感じ方が変わってくるのです。

 

そして、その価値が変わるという証拠としてある面白い研究データがあります。

 

それはカリフォルニア大学とミシガン大学が共同で行った研究で、笑顔のサブリミナル画像と怒りのサブリミナル画像を被験者に気付かない程度に見せた後、その後の購買意欲に面白い変化があったというものです。

 

それぞれ各画像を見た後に、飲み物を提供して「いくらなら支払う気があるか?」という問いに、このような結果が出たのです。

 

なんと笑顔のサブリミナル画像を見た被験者は、怒りのサブリミナル画像を見た被験者よりもその後に飲み物に対して2倍の金額を支払う気になったのです。

 

笑顔はタダではありません。

 

タダどころか売上を上げる効果もあるのです。

 

マックのメニューには「スマイル0円」は消えてしまいましたが、あなたの営業活動で密かにスマイル0円活動を開始してみるのも良いのではないでしょうか。

 

表向きは0円かもしれませんが、見えないところで何万、何十万という利益を生むことになるかもしれません。

 

このような研究結果がある以上、実践してみる価値はあるのではないでしょうか。

 

 

2016年06月11日コラム営業


週末の一行語録解説【6/4号】

■業界動向調査と称して休眠客に再度連絡を取れ!

多くの企業で売上の上積みというと新規開拓という発想が多い。

 

なぜなら、新規開拓は相手の情報がないだけに単純に考えてしまうからだ。

 

例えば、新規10件獲得すれば1件当たり50万と考え、500万円の売上が立つと考えてしまう。

 

しかし既存客だと情報があるがゆえに、50万円を上乗せできる先を10件見つけてくださいと話をしても「1件もありません」という回答が返ってくる。

 

ただこの発想は活動を始める前のものであり、いざ活動を始めると新規開拓の方がいかに大変なのかを実感する。

 

なんだかんだ言って最初のハードルが最も高いのだ。

 

では、客数を増やすよりも購入頻度を増やす方がやり易い訳であるが、購入頻度を増やす方法は何も既存客だけではない。

 

一度購入いただいて、長らくの間購入していない休眠客への購入を促すことも購入頻度を上げることになる。

 

そこで休眠客にアプローチするという結論になる訳だが、ここで多くの営業担当者が何をきっかけに再度連絡をすれば良いのかに悩む。

 

良くあるケースが「担当が変わりましたので」というアプローチである。

 

まあ「担当が変わったので挨拶」というのも悪くはないが、顧客の立場からすると「だから何?」という印象であろう。

 

ここで相手に「だから何?」と思わせないようにするために、もうひとヒネリ欲しいところである。

 

そこで相手に「だから何?」と思わせないようにアプローチしながら、相手の情報をうまく引き出す方法が業界動向調査というやり方だ。

 

具体的なやり方をお伝えすると、お客様にアンケート調査を行い、協力してくれた方にはそのアンケート調査の結果を無料で配布するというものである。

 

例えば、我々のようなコンサルであれば以下のような情報を聞きこむと相手にとってもこちらにとっても有効である。

 

・年間に実施している研修の回数

・年間に捻出している研修の金額

・過去、どのような種類の研修を実施したか

・研修の情報を得るための情報元がどこか

 

お客様も他社がどれぐらい教育にお金をかけているのか、どのような研修を行っているのかは気になる所である。

 

それが同業界であれば、なおのことだ。

 

主婦たちがご近所の奥様方が子供の教育にどれぐらいのお金をかけているのか、どのような教育をしているのかが気になるがごとく、経営者や人材育成担当の方も同じように気になるものである。

 

そのためアンケートに協力してもらえる可能性は高く、またその情報が聞きこむことができれば営業担当者にとっても大きな資産になる。

 

なぜなら、その情報そのものが提案の材料になるからである。

 

また、その研修を検討する際に使っている情報元などを聞きこめば情報提供の仕方も分かってくる。

 

無料レポートを作成しなければならないという手間は発生するもののスムーズに休眠客との関係性を復活させ、更に得たい情報も得ることができる「業界動向調査」。

 

まずは自社でどのような情報を得たいかを考え、その情報がレポートにできないかどうかを考えてみてはどうだろうか。

 

 

2016年06月04日コラム営業


週末の一行語録解説【5/27号】

■商品のデモンストレーションは、商品を上下に動かすことを意識せよ

世の中に心理学を活用した営業テクニックは山のようにあり、それを知っているかどうかで営業への取り組み方も変わってくる。

 

今回の一行語録の解説を行う上で、まず前提として知っておいてほしい営業テクニックはYESセット話法である。

 

YESセット話法で有名な話は相手が承諾しやすい環境を作るために、まずは天気の話をするというものだ。

 

天気の話はあまり否定されることはない。

 

なぜなら、

 

「今日はいい天気ですね」

 

という事実を突き付けられて

 

「いいえ、天気は悪いと思います」

 

という反応にはなりづらいからだ。

 

なので多くの書籍やセミナーなどで「まずは当り障りのない天気の話をして最初のYESを取れ」というのは、ほとんどの営業マンがご存じだと思う。

 

ではここで、なぜ最初にYESを取ることが良いのかを解説すると、

 

それは「一貫性の法則」という心理が大きく関わっている。

 

一貫性の法則とは、人は一貫した行動を取り続けてしまうという心理であり、心理学者であるロバート・チャルディーニが多くの実験結果を「影響力の武器」という著書で紹介している。

 

例えば、「100円貸してほしい」と最初にお願いし、承諾を得た時点で「もう1000円貸してもらえないかな?」とお願いすると、最初から1000円貸してほしいとお願いするよりも承諾率が上がる。

 

この一貫性の法則という現象がなぜ起こってしまうかというと、我々の意識の中に「一貫性のない人間=信用のない人間」という教育が施されており、信用のない人間になることを回避するために、無意識に一貫性を保とうとしてしまうのだ。

 

その心理をうまくつき、YESという回答になりやすい質問を積み重ね、最後に売りたい商品の話に誘導していくのがYESセット話法である。

 

しかしこのYESセット話法は、実は「YES(ハイ)」という返事をしなくても効果があることが分かってきたのである。

 

それはどういう事かというと「YES(ハイ)」という返事をしなくとも「YES(ハイ)」と同様のしぐさを繰り返せばYESセットは成立するという事なのである。

 

「YES(ハイ)」と同様のしぐさとは一体何かというと、それは『うなづき』である。

 

これはヴュルツエンブルグ大学 イェンスフォスター教授の研究によるものであるが、コンピューターの画面を通して商品を見せ、一方は首が水平方向に動くように商品を見せ、もう一方では垂直方向に首が動くように商品を見せたのである。

 

その結果、水平方向(首を振る)の動作をさせた場合より、垂直方向(うなづき)の動作をさせた方が商品に対する評価は高く、購入する確率も高かったことが判明したのである。

 

うなづきによって無意識に好感を抱く理由は、幼少期の頃にあると考えられており、赤ちゃんが母親の母乳を探す時に頭を縦に振りながら探し、飲み終わると頭を左右に振ることからきているとのことだ。

 

要は、うなづき=賛成、首を振り=反対という一種のルールが幼少期の頃から既にできあがっているのだ。

 

確かによくよく考えてみると、セミナーを受講している時を想像して、うなづきながら話を聞いた場合と、首を横に振りながら話を聞いた場合では、そのセミナーの評価は違ってくるように思える。

 

そこから考えると「うなづき」という動作自体が潜在意識に何かしらの働きかけをしていると考えられるのではないだろうか。

 

 

2016年05月28日コラム営業