営業

「う~ん、何か居づらい・・・」
先日、とある百貨店で買い物をしていた時のこと。
キャリーバックのタイヤがまたもやおかしくなり新しいものを購入しようと百貨店に寄りました。
なかなか気に入ったキャリーバッグがなく、半ば諦めかけていた時に、ふと紳士服売り場に足を止めました。
特に買う気はなかったのですが、その紳士服売り場に入り洋服を眺めていると・・・
店員「今日はどういったものをお探しでしょうか?」
と唐突に店員が声をかけてきたのです。
しかし、私は全く買う気がなかったため、軽い会釈をしてその店を出ていきました。
何となく買う気がないにも関わらず、店員に声を掛けられると悪い気がして、店を出ていったのです。
そして次の店にも何気なく入ると、また同じように・・・
店員「よろしかったら一度着てみてくださいね」
とすぐに声を掛けられました。
年末が近づいているからでしょうか?
何かこの時期になると服屋の店員というのは積極的になります。
しかし、いつも思うのはあまり買う気がない状態で店に入って即座に声を掛けると何となく店に居づらくなるもの。
そのあたりの顧客心理は店舗販売員であれば研究されつくしているような気がするのだが・・・
そう思いながら何度か逃げるように店を出ました。
そんな時にふとあることを思い浮かべたのです。
もし私が店員だったらどのような声を掛けることがベストだろうか?
少しおもしろいので考えてみたのです。
あなたも少し考えてみてください。
・・・・・
・・・・・
まず、まったく声を掛けないのはどうだろうか?
それは顧客を逃がすことになりかねない。
最初は買う気がなかったが、店員に薦められたが故に買ったという記憶は、あなたも一度はあるはず。
そうであれば何も声を掛けないというのはあり得ない。
ではどのタイミングで声を掛けるべきだろうか?
まず、入店してすぐに声を掛けるというのはダメだ。
店員の声掛けはタイミングが命。
いつ声を掛けるべきだろうか?
おそらくお客様が何かの行動を起こした時に動くことが最適。
服を触って一度立ち止まった時だろうか・・・
いや、まだ早い。
二度目だろうか・・・
おそらくこの辺りがちょうど良い。
何か洋服を見て2度、マジマジと商品を見たら声を掛けよう。
では、どのように声を掛けるべきか?
「何をお探しですか?」は少しハードルが高い。
「試着していただいても構わないので・・・」
この辺りだろうか?
いや、まだハードルは高い・・・
何がベストか?
「よくうちで購入していただいているのですか?」
この言葉はかなりヒットしそうだ。
この言葉であれば、おそらくyesときてもnoときてもそれなりの効果がある。
もしyesとなれば「いつも購入いただいてありがとうございます」といった特別感を演出できる。
お客様も店員に特別感を演出されれば悪い気にはならない。
そして「そう私はここのユーザーよ」と思わせれば購入への自己説得にもつながるかもしれない。
逆にnoときたら「それでしたら少しお伝えしますね」といって洋服についての解説をするきっかけを作り出せる。
これはかなりいいトークではないか?
こんなことを帰り道で妄想していたのです。
途中過程をターゲットにせよ

営業といえば、高額商品であったとしても購入を促すために、すぐに結論を引き出すような言葉を口走ってしまう。
しかし、お客様が買う気がない状態であれば、その営業パーソンに嫌悪感を感じ逃げてしまうことだろう。
とはいえ営業パーソンも営業活動はしなければならない。
では売り込み色を出さずに、いかにお客様に近づいていくのか?
それは途中過程をターゲットにして説得を行うのである。
先程の想像のように、まずは店舗に立ち止まらせることを考える。
そして次に会話をするということに意識を向ける。
そして徐々にお客様からyesを取っていく。
こういったプロセスを辿るとフットインザドアという効果が生まれやすくなる。
あなたの営業活動はどうですか?
即座にクロージングをすることは大事かもしれません。
しかし、その気のないお客様であれば、まずはもっと前の途中段階に説得行為を行う。
そうすると、関係性は悪くならず且つ一歩前に踏み出させたことによって逆転の可能性も出てくる。
あなたは商談がうまくいきそうにない時に何にフォーカスしているのか。
一度、途中段階を説得してみるという意識で営業すると思わぬ成果が上がるかもしれません。
この年末に向けてお客様が忙しいことを理由に話を聞いてくれないのであれば、そういったことを試してみても良いかもしれません。

あなたはプレゼンを行う時にどのようにトークを考えているでしょうか?
例えば、1軒の魅力的な注文住宅があるとします。
あなたはその注文住宅メーカーの営業マンだったとします。
その注文住宅を顧客にプレゼンする時に何を話そうと思いますか?
1分程度考えてみてください。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
商品の強み?
会社のブランド力?
競合との違い?
商品へのこだわり?
様々なことを思い浮かべたかもしれません。
しかし、我々営業というのはこういったプレゼンの時にすぐに忘れがちになってしまうものがあります。
しゃべる商売が故に、ついつい疎かになってしまう視点。
それがなんだか分かりますか?
おそらく答えを聞くと拍子抜けになってしまうことです。
なんだか分かりますか?
もう勘の良い方は気づいたと思います。
それが「誰に」伝えるのかという視点。
なんだ、そんなことか・・・と拍子抜けしたと思います。
ただ、「顧客視点で商品を語るということでしょ?」と総論は分かっても各論は分かりますか?
こう質問すると多くの営業マンが無言になってしまうと思います。
顧客視点と頭の中では分かっていながら、いざしゃべりだすと自分視点でばかり話す。
では顧客視点の各論とはいったい何なのでしょうか?
それはプレゼン相手の「誰」を徹底的に理解しようとする作業こそが顧客視点の各論なのです。
具体的に言うと、今回プレゼンする相手は「どんな役職?」「どんな権限を持っている?」「どんな悩みを持っている?」「どんな性格?」「どんな価値観?」「何を知っていて、何を知らない?」「何について賛成で、何について反対?」「やりたいこと、やりたくないことは?」
そして、更に徹底的に洗い出さなければならないのは、「どんな疑問が湧きそうか?」。
あなたのプレゼン内容にどんな疑問が湧きそうなのかを徹底的にリストアップしていくのです。
プレゼンでどんな話をするかを考える前に、たったこの作業をするだけで伝えなければならない観点は山ほど出てきて、何を優先して話すべきなのかも見えてきます。
おそらくこんな作業はこれまでやったことがないと思います。
そしてブログを読んだあなたも「ふ~ん」と思いながらもやらないと思います。
しかし、一度騙されたと思ってさっきの「 」の質問にすべて答えるように洗い出してみてください。
なんだこれは!!驚くようなトークが次から次へと浮かび上がる・・・・
こんな体験を、この週末に感じることができると思います。
「誰」の視野を広げる

そして、この「誰」という視点は発展的にこんな使い方をすると更に営業力は高まります。
あなたの業界には「誰」がいるのか?
営業というとついつい目の前の相手を説得しようと思いがちですが、その他に接触すべき人はいないのか?
当然ながら顧客内の「誰」というのはまず思い浮かぶと思います。
「担当者」「責任者」「情報源」「決裁者」・・・
こんな感じで他に接触すべき人はいるでしょう。
しかし、それだけではまだ足りません。
もっと「誰」の視点を広げてみる。
例えば、あなたの顧客に「誰」が出入りしているのか?
同業種の人物ではなく、異業種の人物・・・
こう考えるとあなたの協業先が見つかるかもしれません。
そしてあなたの顧客の取引先(販売先)。
ここに影響力を与えることができれば、あなたの顧客はあなたから買うしかなくなるかもしれません。
営業トークを設計する時も「誰」という視点が必要ですが、あなたの業界に「誰」がいるのかという視点は、あなたの営業の幅を広げ、より効率的に成果を獲得できる戦術を見つける出す道具となるでしょう。
ここで少し考えてみてください。
あなたの業界には「誰」がいるでしょうか?
是非この週末に、その「誰」を洗い出して、新たな営業戦術を作り出していただければと思います。
追伸:今、弊社でおもしろい取り組みをしています。
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営業だったら、ものすごく売りそうな有名人は「誰?」
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「なるほど、これは面白い・・・」
先日、あるトップセールスに書籍を紹介してもらい、その本を読んでいました。
その本のタイトルは「サイグラム」。
サイグラムとは、サイコロジー(心理学)とダイヤグラム(図式)を掛け合わせた言葉で、良い人間関係を構築する上で、相手の気質というものを事前に知るという内容のものです。
人間には生まれながらに持っている「気質」
生後の環境で形成される「性格」
様々な経験を積んでできる「個性」
に分類できるようです。
性格と個性は後天的に身につけたものであり、この要素から人の特徴を知ることは極めて困難。
そうではなくサイグラムというのは、生まれながらに持っている気質に着目し、相手を深く知るために役立つ情報を12分類しているのです。
簡単にいうと生年月日で12類型の内のどれに該当するのかを知り、その人の気質を知っておくことでコミュニケーションを円滑にしようというのが目的です。
こういった心理学の類については多くの方が興味を持つと思います。
そんな生年月日で私の何が分かるの?と思いながらもついつい見てしまいがちになると思います。
私もご多分に漏れず、ついつい気になり、自分の生年月日を確認。
そしてその特徴を読んでいったのです。
そうするとまず導入にこんなことが書いてありました。
「チャレンジ精神旺盛な頑張り屋」
この文面を見た瞬間に、なるほどと思いつつ心の中では上機嫌。
「なかなか分かっているではないか、君は」という印象。
そして続けざまに文章を読んでいくと私の特徴は以下のように書いてありました。
・相手からの同情、憐れみを徹底して嫌う
・反応は速いが早合点が多い
・あいまいな表現を嫌い、立て板に水式の表現
・急ぐときは、思いつきや閃きを言葉にしたがる
かなり当たっているような気がします。
最近、似たようなことを指摘されたこともあったし・・・
そして更に読み進めるとこんなことが書いてありました。
「人に相談、依頼することが苦手。なぜなら相談することは自分の弱さを露呈させることだと思っているから」
「逆に、相談や依頼されることを好む。なぜならそれが自分の強さを感じることができるから」
「強きをくじき、弱きを助ける精神に価値を感じる」
これを読んだ時に思わず、強く同意。
なんでこんな事が分かるんだ?と完全にサイグラムの術中にはまってしまいました。
そう考えると今のコンサルという仕事は、困っているクライアントを助けるという仕事。
先ほどの気質からすると、まさに天職(勝手なこじつけかもしれませんが)。
なんとなくそう思えてきたのです。
そう考えると、今の人生はわが気質そのものであり、まさに生涯のミッションであるのではないかと思えてきました。
そしてふつふつと仕事そのものへの意欲が高まってきている自分を感じています。
良い仕事をするために必要なのは休養ではない

良い仕事をするために休養が必要といいます。
しかし、過去偉業を成し遂げた人物はそんな余裕のある人ばかりだったのでしょうか?
過去、聞いてきた様々な偉人の伝説を思い浮かべてもなんとなく腑に落ちません。
休養を取ることよりも、仕事をミッションとして捉えることができるか。
そしてあなたが生涯成し遂げたいことと今の仕事を紐づけることができれば、おそらく仕事へのエネルギーが溢れだす。
そしてその溢れた状態で、休養が必要といわれてもなんとなくしっくりこない。
そんな理論展開ができるように思えます。
休養よりもミッション化。
この台風でどこにも出かけられない時間に、そのような事を改めて考えてみても良いのではないかと思います。

「日韓対立 長期化に懸念」
今日の日経新聞に、このような見出しがありました。
日韓貿易戦争といえば「半導体」。
韓国は半導体部品の8~9割を日本から輸入しており、その半導体部品を使って完成品を作っています。
半導体メーカーとして有名な企業はサムスン電子。
韓国のGDPの偏りは異様で、GDPの半分近くを上位10社が占め、そのうちの15%を占めるのがサムスン電子という巨大企業の存在なのです。
当然ながらGDPの15%を占めるような巨大企業が日本からの部品供給で成り立っている中、その部品を輸出規制しようとしている。
それは相当な大打撃だと思います。
しかし、大打撃を受けているのは韓国側だけではなく、その部品を供給している日本企業も同じ。
一部の部品メーカーは、売上に多大なる影響があるためいち早く再開してほしいと懇願している様子です。
しかし、この貿易戦争を見ていて、おそらくその行為を強く支持している人もいるでしょう。
それはどのような人かというと、韓国に対してあまり良いイメージを持っていない人々。
いわゆる反韓の感情を抱いている人達。
こういった人々はおそらく多少日本の経済が悪化しようが、自分が買う商品が少々高くなろうがそんなことは関係ない。
そんなことよりも韓国が嫌いで、その相手に対して制裁ができていれば感情は満たされていくのです。
ここで興味深いのが、少々高くなったとしても感情が満たされるのであれば購入するという心理です。
では、なぜ少々高くなったとしても、購入するのでしょうか?
それは自分自身が支持するものへの対価。
自分と同じ考えを持ってそれを実行してくれる政府を支持している。
自分と政府との間には、今、共通の敵が存在し、その敵と戦うためなら出資しても良いという感情なのです。
共通の敵という心理効果

これはかの有名な影響力の武器という書籍にも記載されていた「共通の敵」という心理効果。
もともと仲の悪いグループが共通の敵を作ることにより一気に信頼関係が高まる。
例えば、職場でいがみ合っている2人がいたとして、そのいがみ合っている2人が偶然、野球場で出会う。
そこで初めてお互いに阪神ファンだと気づき、そして共通の敵、巨人を目の前にして意気投合する。
このような現象を共通の敵による心理効果といいます。
これを営業にうまく活用するとすれば、自分自身が存在する業界の既存のやり方を覆す商品を作る。
例えば、不明瞭な料金体系の慣習が残る葬儀業界。
このような業界に対して料金の明瞭化を謳い、業界全体に挑戦する。
そしてその考え方に支持する人々は、そのような明瞭な料金体系を行う会社の会員となり、そしてそのサービスを受ける。
結果的にどこかの葬儀場より多少高くとも、その考え方に共感し他社と比較することなくその料金を支払うのです。
今日は少し営業のノウハウについて語ってみました。
業界の既存のやり方を否定し、その考え方に共感を得てもらう。
そんな挑戦する姿勢に、人々は尊敬し、その企業に対価を支払う。
この原理を考えるとあなたの商品について何かしらの提案の切り口が浮かんできたのではないでしょうか?

「我慢、我慢・・・」
出張帰りの空港で、あるフードコートに入りました。
この空港のフードコートは、いつも出張時に晩御飯を食べるために利用しており、今回もまた飛行機を待つ間、食事を済まそうと考えたのです。
いつもなら仕事終わりに食事とともにビールを注文。
「仕事終わりのこの一杯がうまい!」
と心の中で囁きながら食事を取ることが楽しみなのですが、今回はビールを注文せず。
純粋に食事だけを取ることにしたのです。
それはなぜかって?
それは、、、
やらなければレポートが待っていたからです。
ここ最近、ビジネススクールに通い出し、そこで出される宿題は鬼のよう。
週末もほとんどこのレポート作業に時間を費やしています。
仕事もまぁまぁパンパンな状態で、このレポート作業を追加する・・・
ここ最近の時間に追われている感覚はかなり恒常的になりつつあります。
しかし、そのおかげで「この仕事は明日に回すか・・・」とか、「今日は止めにしてそろそろビールを・・・」という後回しグセがかなり改善されており、仕事の作業スピードもアップしているように感じます。
そしてこの日も週末までにレポートを残り3つほど仕上げなければならない状態。
その作業時間を見積ると6時間は必要。
その時間をココとココに時間を当てて・・・
そう考えるとこの出張中の帰りに作業をしなければ間に合わない。
そう数日前に予定を組んでいたのです。
一度、作業工数を見積り、その作業時間を確保した後は、計画通りにそれをこなすのみ。
しかし、当然のことながら緊急の別の要件が入ることもあり、そうなるとそのレポート作業はできない。
しかし、事前に時間を見積もっているため、今のままではマズイという事は明白になります。
また、その状態が放置されると徐々に居心地が悪くなる。
早く作業をスタートさせないと・・・
そう考えていると、目の前の緊急の要件を処理するスピードは速くなってきます。
そして緊急の要件を処理し、レポート作業に没頭。
そしてレポート作業を終えると軽い達成感。
「おし!」
しかし、次のレポートが待ち構えている。
そしてそれをまたこなす。
ここ最近、こんな感じをずっと繰り返しています。
やるべき行動は明確になっているか?

「営業には気合と根性が必要だ!」
という話はよく聞くと思います。
しかし、やるべきことがあいまいな状態の気合と根性では意味がありません。
単に掛け声をかけて興奮状態を作っているだけでは、一瞬のパフォーマンスは上がるかもしれませんが、それを持続させることはできません。
まず何かを達成させなければならないのであれば、具体的に達成させるために「やるべきこと」と「その量(時間)」を明確にしなければなりません。
その2つが明確になることにより、進捗の遅れを肌で感じることができるようになります。
そして、その行動ができていないと何となく後ろめたい感情に苛まれます。
気合と根性ではなく、「居心地が悪い」を作り出す。
居心地が悪いと、人は勝手に動き出します。
そしてその力は何かを達成させる上で、非常に重要な要素であることを忘れてはならないのです。