営業

週末の一行語録解説【11/28号】

■紹介してもらった人に、紹介をお願いすると、紹介を得られやすい

お客様を紹介してもらうというのは、なぜ難しいのでしょうか?

 

それは、紹介という行為はお客様の善意で成り立っているからです。

 

例えば、紹介にインセンティブをつけたとしましょう。

 

「紹介してくれれば、紹介者に●●円をバック致します」という言葉に飛びついて紹介しようと思う人がどれぐらいいるでしょうか?

 

金銭目当てで友人や知人を売ったような気分になって良い気はしません。

 

そして何よりも紹介する時は、金銭云々よりも紹介した友人や知人に迷惑が掛からないかの方が気になるはずです。

 

要は金銭的なインセンティブではコントロールできず、どちらかというとお客様の善意に訴えかけるしかないのです。

 

しかし、その行為が善意であるがゆえに営業サイドではコントロールすることができず、強くも言えない部分があります。

 

とはいえ、紹介という方法が全くの運否天賦かというとそうではありません。

 

人間心理を考えると、ある2つのシーンで紹介を促すと紹介をしてもらえる可能性が高くなるのです。

 

まず、その1つは「購入直後」

 

購入の直後に別の商品の提案をすると買われやすくなるという話は巷でよく言われています。

 

ポテトを購入したお客様に「コーラもいかがですか?」というと購入されやすいというのは有名な話です。

 

これは「一貫性の原理」による心理効果ですが、紹介の場合は少し違います。

 

なぜ、購入直後に紹介を促すと、紹介されやすいのか。

 

それは「認知不協和」が大きく影響しています。

 

認知不協和というのは、自分が良いと思った商品より優れた商品があるかもしれないという心理的ストレスを軽減するために、購入した商品の良い点を探そうとしてしまう行為です。

 

あなたから商品を購入した直後、お客様はその商品を買った行為を正当化する心理が働くのです。

 

では、なぜ紹介が商品を買った行為を正当化する行動につながるかというと、社会的証明の原理がその理由です。

 

社会的証明の原理とは、人は多くの人が選択したものを良いものであると判断する心理があります。

 

ベストセラーの書籍が、読んでもいないのに面白そうだと思うのは、この社会的証明の原理によるものです。

 

先程の話に戻りますが、なぜ知人を紹介することが商品を買った行為を正当化するかというと、多くの人に購入してもらって喜ばれれば、それが間違いではなかったという自分への証明になるからなのです。

 

そしてもう一つの方法は、

 

「紹介をしてもらった人に紹介を促すこと」

 

です。

 

なぜ、この行為が紹介につながりやすいかというと、それは「返報性の原理」が生じるからです。

 

返報性の原理とは、報いられたら報い返したいという人間心理ですが、少しあなたが知人から営業マンを紹介されて何かを購入したと想像してみてください。

 

知人から紹介された営業マンに、ある保険商品を紹介されてそれがすごく気に入ってあなたが契約したとします。

 

そして契約後に、担当の営業マンから

 

「どなたか知人を紹介していただけませんか」と促されたとします。

 

その時に「嫌です」と断れるでしょうか?

 

紹介してもらった知人の顔が浮かんでなかなかハッキリと断るという行動はとれないと思います。

 

また、紹介してあげることができれば、紹介者に対する義理立てができたような気分にもなります。

 

今回の一行語録がうまく行く理由は、この「返報性の原理」にあるということなのです。

 

2015年11月28日コラム営業


週末の一行語録解説【11/21号】

■セールスでは質問をする人が会話をコントロールする

商談の現場では、営業マンが会話の主導権を握り、話を展開することは非常に重要です。

 

しかし、ガンガン話をしても相手に嫌悪感を与え、商談がうまくいかないという事は良くあります。

 

その時に、いったいどうすれば良いのでしょうか?

 

話の主導権を握ることは営業では必要ですが、あまり話をしすぎると相手に嫌がられてしまう・・・

 

話の主導権というのは、一般的なイメージとして話をしている人というようなイメージがありますが、実は話すこと自体が主導権を握っているという訳ではないのです。

 

「どちらが話をしているか」というよりも、「どちらが話のストーリーを描いているか」に主導権が存在します。

 

例えば、ドラマなどで俳優が役を演じていますが、俳優と脚本家ではどちらが主導権を握っているかというと、脚本家です。

 

俳優は多少のアドリブはあるにせよ、脚本家のいうとおりに話をしているだけです。

 

主導権は脚本家にあるのです。

 

では、話をせずとも話のストーリーを描けば良いのですが、それはどうすれば良いのでしょうか?

 

そうです。質問することなのです。

 

質問というのは相手の脳に空白を与える行為です。

 

脳の3大原則に「空白の原則」というものがありますが、人は脳に空白ができるとそれを埋めたいという衝動に駆られます。

 

そしてその衝動により、無意識に質問に答えなければならないという心理になります。

 

このように質問には、相手に「答えさせる」という力があるのです。

 

そして質問を続けていけば、あなたが話をさせたいストーリー通りに話をさせることができ、主導権はあなたのものになるのです。

 

実際に、質問をしているシーンを想像してみてください。

 

例えば、お医者さんと患者さん。

 

診察をしている時にどちらがコミュニケーションの主導権を握っているでしょうか?

 

他にも、採用面接での面接官と就職希望者。

 

そして案件会議での営業マネージャーと営業担当者。

 

全て、質問をしている方が話の主導権を握っています。

 

質問には会話をコントロールする力を秘めているのです。

 

但し、だからといって質問攻めばかりしていると、質問内容自体よりも

 

「なんでそんな質問に答えないといけないの?」

 

という疑問が先行します。

 

そうならないためにも、質問に相手が答えてくれたらその答えにリアクションするなど、尋問調にならないようには気をつけてください。

 

 

2015年11月21日コラム営業


週末の一行語録解説【11/14号】

■上司同行ではセールストークの雑談部分を上司に担当してもらうとうまくいく

ある日の週末。

 

ここ最近、娘から会話を引き出すために苦心しています。

 

上の娘は、もう中学1年生という事もあり、あまり父親と会話をしようとはしません。

その会話量の少なさは母親と話している時と比べると明らかです。

 

母親と会話をしている時は、楽しそうに色々と話しています。

 

娘「ねぇ、ねぇ、今日○○先輩が部活、休んでて-・・・・」

母親「へぇ~、そうなんだ。そういえば○○ちゃんは最近どうしているの?」

娘「そうそう、そうなんだって!○○ちゃんがさぁ~、・・・・・・」

 

会話が弾んでいます。

 

そして食事の時間となり、いよいよ娘と対面で話ができるタイミングです。

 

そして意を決して話かけてみるのです。

 

私「最近どう?」

娘「別に」

私「昨日は何してたの?」

娘「学校」

私「学校で何してた?」

娘「授業」

私「授業って・・・」

 

そして会話が終了しました・・・

 

くそっ!なぜ会話が弾まないんだ!と悔やんでいたのですが、よくよく考えると重要な行動を怠っていることに気付いたのです。

 

重要な行動というのは、いつも私が営業研修の中で言っていることです。

 

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【回想シーン】

「初対面のお客様と話をするときは、いきなりビジネスの話をするのではなく、雑談から入ってください」

 

「できれば相手と共通の趣味や話題を見つけることができれば、会話が盛り上がりますが、『いきなりあなたの趣味は何ですか?』と質問しても、相手は『何でそんなことを話さないといけないのですか?』となりやすいです」

 

「そういったエラーを防ぐために、相手に話題をふる前に自分の趣味の話などをしてから相手に話題を振ってみてください。これを自己開示と言います」

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そうか、さっきの会話には自己開示がなかったか!だから会話が弾まなかったんだ!

次回は、自己開示から入ってみるか。

 

「昨日は企業研修で1日立ちっぱなしで本当に大変だったよ~」

 

違うかな。こうか?

 

「1日中話しているとお茶1,5ℓぐらい飲んじゃうんだよね~」

 

う~ん、何かが違う・・・

 

最初に何から話すのかは、娘相手でもなかなか難しいものです。

 

最初に何を話すか、これは営業の商談でも難しく感じている人は多いと思います。

 

私も営業力を鍛えるために商談のロールプレイング研修を行っていたりもしますが、商談自体は多くの営業マンが一定の品質で話すことができます。

 

また、商談の型を提供して訓練すれば、うまくもなっていきます。

 

しかし、商談に入る前の雑談は、話題を盛り上げる手法は多種多様で、その人のキャラクターにもよって内容や展開の仕方が違ってきたりします。

 

雑談が苦手な方にトレーニングによって雑談を鍛えることは、商談のトレーニングよりも難しいものがあります。

 

要は、商談の中で一番鍛えづらく、難しい営業プロセスが雑談なのです。

 

しかし、初対面のお客様と商談を行う上で、雑談がうまくいくかどうかはその後の商談にも影響してきます。

 

いわゆる人には「初頭効果」という心理があり、最初の印象が後の会話に影響を与えてしまうのです。

 

※初頭効果・・・最初の印象が後に残りやすい現象。

 

では、今回の一行語録でお伝えしたかったことの意図としては何かというと、最も難しい雑談という営業プロセスについては経験豊富な上司に担当してもらえば良いという事なのです。

 

雑談で話を盛り上げる重要な営業プロセスに、経験豊富な上司を投入し、場を作る。

 

経験が豊富なだけに話題に事欠かないと思いますし、もし万が一うまく場が盛り上がらなかったとしても、「仕切り直して私が話をします」とすれば意識を切り替えることもできます(自分が地雷を踏んでいないので問題ない)

 

また、上司の雑談がうまくいかなかったことがコントラスト効果となり、あなたの価値を引き上げるという効果もあります。

 

※コントラスト効果・・・比較対象によって同一のものの価値の感じ方が違ってくる現象

 

上司同行の商談はコンビネーションです。

 

誰が何を担当するのか、そしてその役割分担が、地雷を踏んだとしても立て直しのきく鉄壁のコンビネーションとなるはずです。

 


※商談のプロセスを体系的に整理しているバーバルパッケージというコミュニケーション技法があります。

このDVDでは約5時間の講義で、そのコミュニケーション技法の詳細まで解説しています。

http://attax-sales.jp/products/dvd_04/

 

 

2015年11月14日コラム営業


週末の一行語録解説【11/7号】

■コンプレックスは成長のきっかけにもなるし、後々の話のネタにも変わり得る

 ここ最近セミナーをやっていてよく思うことがあります。

 

それは何かというと、前職の営業時代の話をネタにするのは、やめようやめようと思いつつ、ついつい話してしまうことです。

 

なぜ、前職の営業時代の話をしてしまうのかというと・・・

 

なんだかんだ言って「ウケ」が良いからです。

 

私のことをよくご存じの方は知っている通り、私の前職は「超」がつくほどのブラック企業でした。

 

“2ちゃんねる“のブラック企業ランキングでも堂々の「殿堂入り」をやってのける程のブラックレベルです。

 

ブラック企業の「ブラック」というのは、「劣悪環境が『黒帯』という意味か?」と思うぐらい毎日が死ぬ思いでした。

 

セミナーの中では「ブラック」というキーワードを出しただけで、目の輝きが変わってくる参加者が多いこと・・・

 

こんな反応を受けてしまうので、なかなかこの話をやめられないのです。

 

ただ、この話のウケが良いのは、劣悪な環境だったというだけではなく、私は人生の中で一番の劣等感を感じていた時代だからという事もあるのです。

 

私の営業1年目の成績はひどいものでした。

 

500名ほどいた同期社員の中で下から数えた方が圧倒的に早い400後半の順位です。

 

相当にひどい営業実績だったのですが、周りを見渡しても絶対に負けるように気がしない奴らばかりなので、自分の中ではなかなかその順位を受け入れることができませんでした。

 

見た目で嫌悪感を抱くような奴(完全に個人的な見解ですが)

見た目でひ弱そうな奴(これまた非常に勝手な見解ですが)

 

「なぜ、俺がこんな奴らに負けるんだー!!」

 

しかし、こんなことを言っていても数字という事実は変わりません。

 

「売れていない=営業力がない」という事実は変わらないのです。

 

売れていないという事実は周りの環境を更に劣悪にしていきます。

 

売れていないことに対して冷ややかな目で見る同期。

「お前、どうせお客さんの前で『お願いします』しか言ってないんだろ(笑)」

 

お荷物を抱え込んだと迷惑そうな顔をしている直属の上司。

「いい加減、数字出せよ!お前のせいで俺が怒られるだろ!」

 

※この言葉は実際に言われた言葉です。

 

そんな期間が1年半も続き、売れない中で、もがき続けました。

 

しかし、最初に売れなかったことが今では非常に良かったと思っています。

 

最初の1年で売れずにもがき続けたおかげで営業の本質(というと言いすぎかもしれませんが)が見えてきたからなのです。

 

売れなかったコンプレックスというのは劣等感を生み、その劣等感が怒りとなって行動を促すパワーになります。

 

怒りのパワーというものは凄いもので、普段の自分であればやらないようなこともやってのけるパワーを与えてくれます。

 

・訪問に行った先に必ずお礼状を書く

・唯一の休みである日曜日に販促ツールを作成する

・就業時間外に顧客に訪問する

・契約を逃さないように悪い印象を与えない言い回しを考える

・商談では一言一句に全神経を注ぐ

 

普段、面倒くさがり屋な私であれば、まずやらないようなこともやってのけるようになるのです。

 

「怒りのパワーは、時に人を成長させるきっかけになります」

 

そして、この行動が後の全国2位の実績を呼び寄せたことは間違いないと思います。

 

そして、このような最初はうまくいかず不幸な状態から成功していくストーリーというのは人が最も好む話でもあります。

 

昔話やドラマ、映画のストーリーを想像してもらっても、この流れのストーリーになっているものは非常に多いです。

 

コンプレックスというのは、それを感じている時代は悲惨なものです。

 

しかし、そのコンプレックスが自分を成長させるきっかけにもなりますし、その話が後に雑談などで周りを惹きつける話のネタにもなるのです。

 

今、コンプレックスを感じているのであれば、それは最高のチャンスだと思い、思いっきり利用してやりましょう!

 

それでは次週もお会いしましょう!

 

 

2015年11月07日コラム営業


週末の一行語録解説【10/31号】

■自分がやった方がうまくやれるというのは当たり前。自分の基準で評価しているのだから

私は家にいる時にあまり家事をしません。

 

「イクメン」や「カジメン」というスタイルが当たり前になっている中、このようなことを言うと批判されるかもしれませんが、これには理由があるのです。

 

その理由というのは、数年前にたまには家事を手伝ってみようと思い、皿洗いを買って出てみたのです。

 

学生時代に、居酒屋やバーで働いていた経験もあったため、皿やグラスを洗うスキルぐらいは持ち合わせています。

 

私「(グラスはフチを入念に洗うことがコツなのだよ、こんなことを知っているのも昔取った杵柄というやっちゃなぁ~)」※心の声

 

そして、シンクにあった皿やグラスを次々と洗い、すべてを水切り台の上に乗せ、食器を洗い終えました。

 

手際よく(あくまで主観ですが)洗い物を終え、キッチンから出ようとすると嫁から指摘が。

 

嫁「まだヌメリがあるよ」

 

私「いやいや、何言ってるんだよ、ちゃんと洗えてるわ!」

 

嫁「いや、この皿の裏のヌメリが取れてない」

 

私「そんなことあるか!全然スベスベやわ!」

 

嫁「まぁいいよ。やり直しとくから」

 

私「(チキショー、手伝いして文句言われるならもうやらん!)」※心の声

 

おそらく、嫁の心の中では「私がやらなければしっかりと洗えないわ」と思われたのだろう。

 

そして皿洗いは任せられないと・・・

 

ビジネスでもあまり人に仕事を任せられないという人はいます。

 

資料作成などを部下や他のスタッフに任せれば良いのに、

 

「部下に任せると質が落ちるんです」

「この仕事は私しかできないので、私がやっています」

「教えるのに時間がかかるし、結局出てきたものを手直ししないといけないので」

 

など、仕事を他に任せられない人というのは山のようにいます。

 

しかし、部下や他のスタッフがやった仕事がなぜ質が低いと感じるのかというとそれは自分の価値基準で見ているからなのです。

 

自分の価値基準で見ている以上、自分のアウトプットが最適であるのは当たり前で、あなたの望む100%のモノを他人が作り出すことなどできないのです。

 

部下やスタッフに100%のモノを望むのではなく、60%ぐらいで当たり前。

 

あとはそのアウトプットで本当に顧客の反応が変わってくるのかを検証すべきです。

 

もしかしたらあなたが過剰品質になっているだけかもしれません。

 

そして100%のモノを求めている以上、あなたはいつまでも忙しいままです。

 

忙しいから抜け出すためにも、「自分の価値基準での100%」を求めることをやめる。

 

おそらくあなたが思うほど、仕事に支障は出ないはずです。

 

追伸:今日は家事をしていないことに対する言い訳をしましたが、いつも何も文句を言わずに家事や子育て全般をやってくれている嫁には本当に感謝しています。

 

また、チャンスを伺いながら皿洗いのリベンジを果たしてみせます。

 

2015年10月31日コラム営業