営業

【売り込みの気持ちを断つために、お客様にいつまでもそこにいないと伝えよ】

商談

ある企業研修でのこと。

 

営業の個人的スキルを上げるために商談のロープレをテーマとして研修を実施していました。

 

お客様からニーズを引き出し、満足条件を「漏れなく」確認するというロープレです。

 

このロープレはなかなか面白く、お客様の表面的なニーズに惑わされることなく、いかにお客様の本当のニーズを引き出せるか。

 

例えば、トクホのお茶が飲みたいというのは表面的なニーズ。

 

しかし、お客様はトクホのお茶が飲みたいというニーズの裏に、本当のニーズが隠れている。

 

本当はそのお茶が飲みたいのではなく、「健康でありたい」や「ダイエット」したいというのが本当のニーズ。

 

そのニーズを正しく捉えて、本当の解決策を提案できるかがポイントです。

 

表面的なニーズだけを捉えてしまうと「トクホのお茶」を提供するだけになりますが、本当のニーズである「健康でありたい」や「ダイエット」というニーズを引き出すことができれば提案の幅も広がしますし、単価を上げる事もできます。

 

しかし、営業という人種は面白いもので、相手から“おいしいキーワード”が出ると、すぐに商品を紹介したい衝動に駆られます。

 

(自動車販売の営業例)

 

お客様「そうですね・・・ファミリーカーなんかが良いかなと思っています」

 

営業「そうですか!うちに良い車があります!是非紹介させてください!」

 

このように表面的なニーズにすぐ食いつき、提案しようとしてしまいます。

 

ここでいかに商品を紹介したい衝動を抑え、本当のニーズを引き出すことができるか。

 

こんな研修をしていたのです。

 

そして、その研修の中で繰り返しロープレを実践していると、営業マンのある言葉が気になりました。

 

その時の会話がこのような感じです。

 

お客様「今回はファミリーカーを検討しています」

 

営業「そうですか!ご予算はおいくらぐらいをご検討されていますか?」

 

お客様「300万ぐらいかな?」

 

営業「ありがとうございます!」

 

(ありがとうございます?・・・いやいやまだ買うとも何とも言っていないって!・・・何でこのタイミングでお礼を言っているんだ?)

 

このようなやり取りに非常に違和感を覚えたのです。

 

なぜ、営業マンがこのような事を口走ってしまったかというと「受注が欲しい」という強い思いが思わずポロッと出てしまった・・・

 

そんな感じだと思います。

 

しかし、商談の中で「売込み」を相手に感じさせてしまうと急に立場は劣勢になってしまいます。

 

お客様はお金を出す側、そして営業マンは出してもらう側。

 

このような立場が商談の中で確立されてしまうと、お客様の言うことは何でも聞かなければならないという空気が流れていってしまうのです。

 

 ≪売込み臭は商談を劣勢にする≫

 

商談決裂

 

 

 

 

 

 

 

お客様の会社に訪問しても、具体的な商談になると何とか買ってもらいたいという衝動からなかなかその場を離れない営業マンは多いと思います。

 

しかし、その場で粘れば粘る程、売込み臭は強くなり、そしてその立場は劣勢になっていきます。

 

そしてひどい値引き条件でも何とか受注しようと努力する・・・

 

そんな悲惨な結果になってしまうのです。

 

では、どうやって売込み臭を消すのか。

 

それは商談で「いつまでもそこにいない」ことを伝えるのです。

 

「今日はこの後の予定があって15時には失礼させていただきます」

 

このように商談をいつ切り上げるのかを相手に伝えるのです。

 

そして予定通り営業マンがその場を立ち去ると、時間に厳格な印象を与えます。

 

そして時間に厳格な姿勢は、しっかりとした印象を与えます。

 

また、いなくなってしまう行為自体が希少性の原理により、営業のステータスを上げる結果になります。

 

営業は売込み臭をさせてはならない。

 

そして、売込み臭を押さえるためにも時間を厳格に設定し、その場にいつまでもいないことを相手に伝えと、あなたの商談は有利になっていくことは間違いないでしょう。

 

2017年01月22日コラム営業


【相手の関心を引きつけておくには多少の緊張がなければならない】

米不動産王トランプ氏、2016年大統領選に出馬表明

現在、世間をにぎわせているドナルド・トランプ氏。

 

大統領の就任前にも関わらず、その言葉に多くの人が反応しています。

 

つい先日もメキシコに新工場を設立しようとしてフォードに対して「恥知らず」と批判したり、トヨタに対しても同様の批判がツイッタ―上に書き込まれ、トヨタはその批判に対して、今後5年で1兆円以上の投資をアメリカに行う事を発表しました。

 

今、世間はアメリカの新大統領となるドナルド・トランプの一言、一言に大きな関心を寄せています。

 

ここで少し考えてみたいのが、ここ数年の大統領や日本の首相が就任した際にここまで発言に影響力があった人がいたでしょうか?

 

ここ数年という単位でみると、ここまでの印象を残せた人物はいないと思います。

 

では、なぜドナルド・トランプ氏の言葉は、これほどまでに影響力があるのでしょうか?

 

なぜ、多くの人が関心を寄せるのかということを考える前に、「関心」とは、どのような要素によって引き起こされるのかを脳科学的に解説するとこうなります。

 

関心は2種類の要素によって引き起こされます。

 

1つはドーパミンに関連しています。

 

ドーパミンはどのように分泌されるのかというと快楽を与えられることにより分泌されます。

 

例えば、おいしいものを食べている時に幸福感が増しているというのはまさにドーパミンが分泌されている瞬間です。

 

そして、ドーパミンは快楽を感じている時だけでなく、「快楽を期待できる時」にもドーパミンは分泌されます。

 

例えば、年始に目標設定するとなぜか高揚するのはその典型的な例であると言えます。

 

新たな目標を設定することにより、新しい自分を手に入れられる期待からドーパミンを分泌させるのです。

 

ここで重要なのは「新しさ」。

 

新しく何かを始めるための目標設定でなければドーパミンは分泌されません。

 

これがいつもやっていることを目標設定したところで何もモチベーションが上がらないことを想像していただければ、新しさがドーパミンを分泌させる要素であると分かっていただけると思います。

 

そして前回のブログにも記載しましたが、新しさは脳にとって大きな関心ごとでもあります。

 

そしてもう一つの要素というのはノルアドレナリン。

 

ノルアドレナリンというのは「何かを失う」「恐怖がやってくる」といった緊張状態で分泌されます。

 

ここ最近の例で挙げると大雪。

 

「これまで暖かい冬が続いていたのが一変して大雪に」

 

そうすると人は大雪から連想されるリスクにより多くの関心を寄せるのです。

 

緊張状態がノルアドレナリンを分泌させ、ノルアドレナリンの分泌が脳に刺激を与え、その刺激が関心へとつながっていくのです。

 

  ≪緊張は対立から生まれる≫

一流のセールスマンはお客様に常に良い気分になってもらう事だけに終始しません。

 tairitu

時には相手の顔を曇らせるようなことも言います。

 

今、十分に満足しているかもしれないが、今のままだと何を失うのか。

 

そして、気づかずに失っているものとは何なのか。

 

絶妙なタイミングでお客様に緊張状態を与えているのです。

 

相手に関心を持ってもらうためには「新しさ」と「緊張」。

 

なぜ、ドナルド・トランプ氏の発言が多くの注目を集めるのか。

 

それはこの2つを兼ね備えているからではないかと思います。

 

もし、あなたが大衆に向かって何かを話す機会を持っているのであれば、「新しさ」と「緊張」を与えるために何を話すべきなのかを考えてみてください。

 

また、大衆に向かって話す機会が無くともお客様に何かをプレゼンテーションしなければならない営業という立場であれば、「新しさ」と「緊張」の要素がトークに含まれているかをトークの検証材料としてみて下さい。

 

その2要素の視点でトークを検証して上げる事で、お客様に常に興味を持っていただけるプレゼンテーションができるようになるはずです。

 

 

2017年01月15日コラム営業


【論理的な営業だけでは顧客にメッセージは届かない】

脳科学

あるネット検索していた時のこと。

 

「提案力」というキーワードで、競合他社がどのようなセミナーを開催しているのかをリサーチしていました。

 

提案力セミナーというと、やはり必ず出てくるキーワードが「論理的」や「ロジカル」という言葉です。

 

そして当社内でも提案にはロジカルさが求められる、という話はあらゆるところで耳にします。

 

しかし、世の中には営業心理術や感情マーケティングという言葉があるようにロジカルさではなく、感情や心理が重要であることを訴えかけている人も多くいます。

 

一体、どちらが正しいのでしょうか?

 

私も「人は感情で買い、理屈で正当化する」という理論が最も正しいと思っているので、どちらかというと後者寄りの考えを持ったコンサルタントです。

 

そんなことを何となく考えていた時に、ある面白い書物を読みました。

 

それは人間の脳と、営業行為に対しての面白い文献です。

 

その内容はこのように書かれていました。

 

人の脳は3段階にわたって進化してきており、その発達の順番は、

 

『脳幹』→『大脳周辺系』→『大脳新皮質』

 

という順番になっています。

 

一番奥にあるのが脳幹、そして次に大脳周辺系、そして一番外にあるのが大脳新皮質。

 

脳幹は最も原始的な脳で、主に「生きるための働き」をします。

 

大脳周辺系は「物事や周囲の状況の意味を決定」します。

 

そして、大脳新皮質は「問題解決能力」を備えた脳です。

 

例えば、何か大きな叫び声がした時に「何事か?」と少し恐怖を感じるのは『脳幹』。

 

そして、その大きな叫び声がどこから起きているのか、誰が発しているのか、を明らかにしようとするのが『大脳周辺系』。

 

そして、その声の主がただの酔っ払いと理解し、安心するのが『大脳新皮質』。

 

そしてこの3つの脳の関係が先程の「論理」か「感情」かの重要な答えになっていたのです。

 

我々が売り込みを行おうとしている時に働いている脳は、大脳新皮質。

 

商品のアイデアを出し、それを言葉にし、提示するのは大脳新皮質です。

 

これは論理的な要素が必要であるため、何となく理解できると思います。

 

そしてその後に書いていた内容が非常に興味深いものでした。

 

それは、大脳新皮質いわゆる論理的な脳で処理されたメッセージは、最初に買い手側の論理的な脳(大脳新皮質)に届くのではなく、原始的な脳、いわゆる脳幹にまず届くのです(進化と同じ順番で届く)。

 

そしてこの脳幹というのは論理的に考えることは苦手で、危険以外のものは全て「スパム」として見なし、無視します。

 

そして、脳幹のフィルタリングにはこんな指示が常に発信されています。

 

届いた情報について、

 

1.危険でなければ無視する

2.新しく面白いものでなければ無視する

3.新しいものはできるだけ早く概要をつかむ(詳細は忘れる事)

4.新しいものであったとしても複雑だと無視する

5.通常と異なる予期しない状況が生じたとき以外、新皮質まで情報を送って対応を求めてはならない。

 

と処理されるのです。

 

  ≪論理的だけでは売れない可能性大≫

 

 売り込みのトークスクリプトはいくら論理的に考えても、まず脳幹がフィルタリングしている限りは全て無視されるという事が、これではっきりしました。

 新しい

まず、脳幹という関門を突破するには、新しい、予想外、面白い、そして分かりやすことが求められているのです。

 

ただ、論理が全く不必要かというとそうではなく、脳幹の関門を掻い潜ったらそれは必要になってきます。

 

要は先に、新しさ、面白さ、そしてその次に論理が必要になるのです。

 

そしてもう一つ言えることは、必要性を感じている顧客に対しては論理だけで十分かもしれません。

 

なぜなら思考がもう既に大脳新皮質にまで届いているので。

 

顕在客には論理だけでもOKだが、潜在客には先に脳幹の関門を突破する施策が必要。

 

「人は感情で物を買い、理屈で正当化する」というは潜在客モデル。

 

そしてその理論は脳科学的からも正しいことが分かりました。

 

もしあなたが潜在客に対して、提案の反応が少し悪くなったのであれば、提案の切り口を新たにすることが打開の一歩となることは間違いありません。

 

そして週明けから提案の切り口を新たにして、お客様の脳幹フィルタを掻い潜り、業績を上げていくことにワクワクしてきたのではないでしょうか。

 

 

2017年01月08日コラム営業


【勤続年数が長いからといって、その人がした仕事の値打ちが上がることにはならない】

派遣社員

今、世間で「同一労働・同一賃金」という言葉を良く目にします。

 

一億総活躍というスローガンのもと、非正規社員のような格差をなくすために政府が「同一労働・同一賃金」と方針を打ち出しているのです。

 

つい先日も同一労働同一賃金についてガイドライン案が提示され、良い例、悪い例など具体的な例が示されました。

 

例えば、勤務年数がただ長いだけではNGで「これまでの職業経験が現在の業務に関連性を持たない場合」を悪い例として提示されました。

 

「年次」ではなく、「どんなスキル・経験が身についているか」

 

これまでの日本は年功序列という考え方が色濃く、その背景として「年次が重なれば職務遂行能力が高まる」という考え方が前提にありました。

 

今回のガイドラインは、「年次が高まることによって、どのような職業能力が身につくのか」という点を具体的に提示しなければならないとしており、単に勤続年数が長いというだけで高い給与を求めることが難しくなってくるのです。

 

ただ、このようなガイドラインが本当に適用されるとなると一部の人から不平不満が出る可能性があります。

 

「勤続年数が長ければ、業界経験も豊富だし、その経験が業務に活かされているはず」と、、、

 

しかし多くの場合、働き始めて数年もすれば本人の値打ちが上がっていないという人が多いのではないでしょうか。

 

ある程度の経験が積み上がればあとは要領よくできるようになるため、それからの成長に手を抜いている。

 

20年勤めていたとしても20年の経験を積み重ねたのではなく、単に同じ1年を20回繰り返しただけ。

 

単に繰り返しただけの経験は、その人の値打ちを上げたことにはなりません。

 

ここで忘れてはならないのが経営者の視点です。

 

もし、あなたが会社を経営する社長だったとします。

 

そしてその会社が創業20年だったとします。

 

会社を20年続けてきたからといって、創業1年の競合他社よりも必ず利益が高いと言えるでしょうか。

 

長く働いていることが価値を決めるのではありません。

 

常に価値を決めるのは、市場であり、顧客です。

 

市場や顧客からの支持を得るために、常にスキル・経験を積み上げる努力をする必要があるという事を忘れてはならないのです。

 

 

追伸:今日はクリスマスイブですね。こんな日もこのブログに目を通しているあなたは確実にスキルを積み上げていると思います。

 

是非、そのスキルにドライブをかけるために、年末年始用に本を2,3冊購入してしまいましょう!


では、メリークリスマス!

 

 

2016年12月24日コラム営業


【結果を「新たなチャンス」と捉えよ】

契約

年末での大掃除。

 

先週末、年の瀬ということもあり恒例の大掃除をしていました。

 

私の担当は毎年同じで、窓ふきと風呂掃除です。

 

まずは窓ふき。

 

大掃除の窓ふきは通常の窓ふきとは違い徹底的にきれいにします。

 

ガラス面だけでなく、窓の桟の汚れまで徹底的にきれいにし、わずかな汚れも逃さない姿勢で掃除をします。

 

A型は几帳面と言いますが、この瞬間は私がA型であることをつくづく感じさせる瞬間です。

 

そして家中の窓掃除が終わると次に風呂掃除。

 

風呂掃除は他の掃除とは違い、一番の大仕事になります。

 

浴槽に始まり、壁、床、天井、照明、窓、そして排水溝と、わずか数平米の広さにも関わらず、隠れた汚れがありとあらゆる個所にあるのです。

 

その汚れを1つ1つ片付けていき、最終の排水溝の掃除を終えるのに2時間以上を費やしました。

 

そしてきれいになった風呂にお湯を貯め、汚れた自分の身を清め、最後は終了となるのです。

 

いつも最後に、きれいになった風呂場を眺めながら湯船につかることが最高の至福の時です。

 

「あ~、今年も良く頑張った・・・」などと思いながら1年の疲れを癒しているとどうしても気になることがありました。

 

それが天井のカドに潜んでいるカビ汚れ。

 

かなりスポンジで洗ったつもりでもどうしても拭えない汚れがあります。

 

家を購入して約4年の年月が経過し、洗っても落ちない汚れが残るようになってきたのです。

 

その汚れを見ながら

 

「そうか、あと10年、20年もすると風呂のリフォームなどもしないといけないのかな~」

「10年、20年ぐらいするとハウスメーカーからリフォーム提案がくるのかな~」

 

そんなことを考えていたのです。

 

しかし、よくよく考えてみると家を購入してからハウスメーカーからの営業行為的なものは一切ありません。

 

家を購入し、入居直前にフローリングのコーティング提案を受けて以来、営業がありません。

 

ここ4年もの間、太陽光やカーポートについて営業をかけてきたのは別の業者。

 

肝心の家を購入したハウスメーカーからは一切追加提案がないことに気づいたのです。

 

≪結果を「新たなチャンス」と捉えよ≫

 チャンス2

多くの企業、営業マンは1度の受注で安心してしまい、次のチャンスをスルーしていることが多々あります。

 

例えば、身近なものでスーパーやコンビニ。

 

1度来店したお客様を更に来店させるための仕掛けがあまり打たれていません。

 

ポイントカードがそうと言えるかもしれませんが、必ずこの店に来店するという動機づけにはあまりに弱いものです。

 

そして店舗だけでなく営業マンも同じ。

 

1度目の受注を終えて次の提案の事を考えているかというと、受注に安住してスルーしていることが多々あります。

 

前職の時代(金貸し営業)では、「契約締結の日に次の仕事の予約を取れ」と教え込まれていました。

 

契約が終了してそそくさと帰るのではなく、顧客カルテを更新するためのヒアリングを行い、手形割引、不動産担保、追加融資など、次の予約を取ることを徹底させられていました。

 

そしてその活動を愚直にこなしていた営業マンほど業績は良かったことを記憶しています。

 

受注は結果ではありません。

 

新たなチャンスの場なのです。

 

受注を単なる出来事ではなく、いつまでも続く「経緯」のスタート地点と捉え無尽蔵に広げていく。

 

他に逃げられないように囲い込み、常に気にかけ、関係を深めていくべき重要な活動のスタート地点だと認識することが、多くのチャンスをつかむ結果になるのです。

 

 

2016年12月17日コラム営業