マーケティング

【予想は体験を化学的に変質させる】

「缶に入っていると妙にうまそうに見える・・・」

 

年末、とある宿泊施設の応援プロジェクトで紹介された牡蠣を購入しました。

 

コロナ禍で宿泊客が減少する中、何とか現地のおいしい牡蠣をPRすべく立ち上がったプロジェクトです。

 

私もあまり知りませんでしたが伊勢志摩は牡蠣の産地。

 

よく考えれば真珠の産地なので、牡蠣は取れるはずなのですが食用としては広島や仙台の印象が先立っていました。

 

このコロナ禍の中、経営が厳しくなる宿泊業界を少しでも応援しようと思い購入。

 

その送り先は実家にしました。

 

送った日程は年末。

 

ちょうど私が帰省するタイミングで牡蠣を実家に送ったのです。

 

配送をお願いしていた当日、牡蠣が宅急便で届き、中を開けてみるとカンカンで包装されている。

 

包装された缶を開くと、殻付きの牡蠣15個と日本酒が。

 

このカンカンの銀色と牡蠣の殻のコントラストが何とも言い難い、いい感じ・・・

 

中の説明書を読むとガスコンロの上に直接、カンカンを乗せて蒸し焼きにするとか。

 

へ~そんな食べ方があるのかと感心しながら夜を待つ。

 

そして夕食時に、コンロを用意して早速カンカンに火を入れる。

 

そうするとほどなく湯気が上がり缶の蓋が空きかける。

 

そして指定された12,3分待ってカンカンを開けると・・・

 

「おおー、うまそー!」

 

カンカンと牡蠣の殻のコントラストに目が奪われ、想像が膨らむ。

 

そして軍手を使い、牡蠣を手に取り開いてみる。

 

牡蠣の殻の上には大ぶりの身と、その下には牡蠣エキスが見える。

 

どちらから先に行く?身か?エキスか?

 

いや、どっちも行ってしまえとばかりにエキスと身を同時に口に運ぶ。

 

おおおーなんてうまいんだ。

 

牡蠣のエキスたっぷり、しかしよくある独特な牡蠣臭さも程よく抜け良い感じ。

 

そしてその牡蠣を食べながら備え付けの日本酒を飲む。

 

くー、これぞ年末・・・

 

そんなことを思いながら牡蠣を軽く10個は食べたと思います。

 

しかし、誰が考えたのやら・・・このカンカン焼き。

 

調理が簡単だけでなく、この銀色と牡蠣の殻のコントラストが食欲をそそる。

 

これまで仙台などでお上品にお皿の上に乗った牡蠣を食べましたが、圧倒的にカンカンの方がうまい。

 

そんなことを思いながら満足に浸った年末でした。

 

 

パッケージは最後の製造工程

 

 

 

 

スタンフォード大学の意思決定神経科学研究所の所長であるサミュエル・マクルーアの研究ではパッケージがその後の体験を変えることを立証する実験が行われました。

 

その内容はラベルの貼ってあるコーラとラベルの貼っていないコーラではどちらがおいしいか。

 

多くの体験者がブランドのラベルが貼っているコーラの方がより爽快感を感じておいしいと判断したのです。

 

「パッケージは最後の製造工程」

 

と言われるようにラベルによる印象が、その後の体験も変えてしまう。

 

これは食品だけの話ではない。

 

営業マンも商品を最後に印象付けるパッケージ。

 

その営業マンの印象次第で、その商品の価値を大きく変える力を持っている。

 

あなたが商品に与える影響力をどれほど感じているだろうか?

 

牡蠣をおいしくするためのカンカンの役割を担えているだろうか?

 

そんなことを考えると、自分自身がどうあるべきなのか考えさせられる・・・

 

そんな時間になれば幸いです。

 

 

追伸:今回、ご紹介した応援プロジェクトの牡蠣はここで購入しました。

「いかだ荘山上」https://ikadasou.jp/

「いかだ荘山上 伊勢志摩じのもん市場」https://ikadasou.thebase.in/

 

コロナ禍で厳しい業界。何とかこの状況を乗り切って、これからもおいしい食材を提供していただきたいです。

 

 

2022年01月08日コラムマーケティング


【自尊心、エリート意識に訴える】

「クリスマスも変わったな・・・」

 

先日、あるネット記事を見るとおもしろい見解が書いてありました。

 

今年のクリスマスは24日が金曜日、そして25日が土曜日。

 

この曜日のめぐり合わせは滅多になく、クリスマスというイベントを最大に楽しむ絶好のチャンスの年であったようです。

 

しかし、市場の反応は少し違い、盛り上がり欠けるクリスマスになるという予想。

 

それはなぜかというと、、、

 

クリスマスというイベントが若者に支持されなくなったからなのです。

 

クリスマスの定番と言えば、

 

「夜のイルミネーション」

 

「レストランでのクリスマスのディナー」

 

そして「クリスマスプレゼント」。

 

しかし、このクリスマスのド定番のストーリーが若者からすると

 

「なぜ、寒いのに外へ?」

 

「わざわざレストラン?家で食えばいいじゃん」

 

「クリスマスプレゼント?高いもの渡してメリットある?」

 

こんな感覚を持っているようなのです。

 

そしてこのようなド定番のクリスマスイベントを見て若者は、、、

 

「コスパ悪い・・・」

 

今やもうクリスマスはコスパの悪いイベントに成り下がってしまったのです。

 

「高い金払って周りと同じことして楽しいの?個性なくね?」

 

これまで同じタイミングでイベントを楽しんできた世代とは一線を画す考え方。

 

「とりあえずビール!」というオーダーを個性がないと認識されていることも驚きではありましたが、クリスマスも昔の人が作り上げた個性のないイベントのようなのです。

 

しかし、確かにそういわれてみるとそうかもしれない。

 

いつも同じタイミングで、同じことをする必要があるのか?

 

独自に記念日を設定して、各々が各々のタイミングで楽しめば良いのではないか?

 

そしてこの感覚はコロナというパンデミック下で更に支持されるようになっている・・・

 

そんなようにも思えてきます。

 

 

価値観を利用せよ!

 

 

 

 

 

このX・Y世代とZ世代の価値観の違いは、暗に否定できるものではなくなってきています。

 

今後、何か商品やサービスを販売する際に、この価値観の乖離を織り込んでマーケティング、セールスをやる必要がある。

 

現在、マーケティングやセールスを仕掛けている世代は、30~40代だとするとZ世代の感覚がよく分からない。

 

しかし、俺らは俺らと線引きしていると急に売れなくなる時代がやってくるかもしれない。

 

確かに日本は若者が少ないため、数の違いにものを言わせて否定ができるかもしれない。

 

しかし世界レベルで見れば人口は増加している。

 

いずれ確実に実権を握るのは若者の方。

 

その事実に抗うのではなく、波に乗る余裕を見せても良いのではないだろうか?

 

個性をこよなく愛するZ世代。

 

であれば自尊心や特別心をくすぐるような言葉をチョイスした方が良いのかもしれない。

 

これまでも自尊心や特別心をくすぐるトークは存在した。

 

それを更に意識して使う必要があるのではないだろうか。

 

価値観に悩むのではなく、価値観を利用する・・・

 

そんな強かさを持つ営業。

 

いつの時代でもそんなたくましさを持った営業が勝利を手にしている。

 

時代が大きく変わりつつある今だからこそ、自分の価値観にこだわるリスクを感じ取る必要があるのかもしれません。

 

 

2021年12月25日コラムマーケティング


【メディアは使うだけでなく所有すること】

「月500万円の支出?」

 

先日あるYouTubeの動画を見ていて驚きました。

 

その動画というのは格闘家の朝倉未来選手の動画。

 

動画の中で朝倉選手は、現在のYouTuberとしての収入を赤裸々に告白。

 

月の支出は外食代や家賃を合わせると月に500万円の支出をしているとのこと。

 

月に500万円の支出?

 

ということは経費だけで、、、

 

「年間6000万円」

 

これぐらいの支出を平気で出しているということは、収入は低く見積もっても、その2,3倍・・・

 

有名人ではあるので、その収入が多いのか少ないのかは判断に困るところではあるものの、一般庶民からすると相当な額の収入であることは間違いない。

 

しかし、このような一般のメディアでも有名な選手だけでなく、ここ最近TVには出てこなくなっている元有名人もYouTuberとして存在します。

 

ボクシングのトレーナーであった亀田史郎氏も、最近はまったくTVには出ていないが、YouTuberとしては視聴者を集めている様子。

 

また、YouTubeを通じて初めて知る人も多くなってきました。

 

ここ最近では、何かの情報をいち早く理解するためにYouTubeを多用することが多くなっています。

 

何かの知識について分かりやすく解説している動画はYouTubeには山のように転がっていて、書籍を買うほど知りたい訳ではないが概要だけは知っておきたいものにはYouTubeは非常に便利なツールです。

 

「へー、世の中には、難解な理論をうまく解説する人はこんなにいるのか」とよく関心していたりします。

 

このように当初は全く知らなかったにも関わらず、YouTubeで検索することにより初めて知って、その後、継続して視聴してしまった・・・

 

そんな経験は誰もが持っていると思います。

 

今やメディアは広告会社だけのものではなく、個人にその所有権は移転しているといえると思います。

 

昔はTVCM出そうものなら数億円・・・

 

そんな世界もあったと思いますが、今、そんな選択をする人は誰もいない。

 

誰が見ているかどうか分からないメディアで多額の費用を払って宣伝するぐらいならYouTubeの動画コンテンツを作り、facebookでターゲットを絞り配信した方がよほど安上がり。(ノウハウは必要ですが)

 

コンテンツを個人で所有できるようになり、マーケティングが民主化していく中で、企業は何を活用してブランディングしていくのか・・・

 

こういったことを真剣に考えなければならない時代が近づいてきているのではないでしょうか?

 

 

あなたの会社はコンテンツを所有していますか?

 

 

 

 

 

YouTubeを見ていて改めて動画コンテンツというのは強いと思い知らされます。

 

動画コンテンツというのは受動的な視聴方法。

 

読書は読もうとする力が少なからず発生しますが、動画は楽なので見られやすい。

 

そして芸能人効果もついてきます。

 

芸能人効果とは、動画で目にするあなたが芸能人ではないにも関わらず芸能人に思えてしまう錯覚。

 

芸能人というポジショニングを確立すると、発言権は非常に強くなり、世の中に大きな影響力を与えるようになります。

 

そしてハロー効果を利用して商品を売ることもできるようになってきます。

 

今ではこの動画をリアルタイムに配信する17ライブというものがあり、ライバーという方々が存在するようにもなりました。

 

現在は、個人のブランディングで利用されることが多い動画。

 

しかし、そろそろ企業も本腰入れて動画をどう扱うかを検討しなければならない・・・

 

そんな時期に差し掛かっているのかもしれません。

 

 

2021年12月18日コラムマーケティング


【正しい問題に取り組む方が、一生懸命に取り組むより重要】

「財政支出が過去最高・・・これ、毎年言っていないか?」

 

心の中で囁きながら新聞を読み進めると経済対策の一覧が目に入ってきました。

 

その一覧を見ると様々な政策が記載されています。

 

「病床確保」

 

「最大250万円の事業者向け支援金」

 

「実質無利子、無担保融資の延長」

 

「新たなGo Toトラベル事業」

 

「マイナポイント第2弾」

 

「10兆円規模の大学ファンド」

 

「18歳以下への10万円相当の給付金」

 

ずらっと並んだ政策を見て、ふと思ったことは、、、

 

「悲しいばかりの短期視点」

 

これだけコロナでDXだ、なんだと叫んでおきながらそれに該当する政策が見当たらない。

 

いやおそらく何かの見間違いだ・・・

 

そんなことを思いながら本文を読んでみる・・・

 

そうすると多少何か書いてある。

 

「地方からのデジタル化」

 

「地方から?都市部もやれよ」と軽い突っ込みを入れつつ・・・

 

そして更なる関心ごとに。

 

それがここ最近、新聞紙上に必ず出てくるエネルギー問題。

 

海外に比べて日本は非常に出遅れている印象。

 

1面には何も書いていないので、2面、3面を開いてみる・・・

 

う~ん、悲しき現実。

 

「脱炭素、デジタル乏しく」の見出しが目に入る。

 

そして更なる追い打ち・・・

 

「学び直し支援も後手に」

 

後手というのが日本の代名詞なのかと視線を落とすと、

 

オオタニサン!(外国人風発音)

 

唯一の救いが目に入る。

 

それにしてもこれだけ長期戦略に目がいかないのはなぜだろうかと考えていると、

 

「それをやってもあまり票獲得に繋がらない・・・」

 

この文字が頭の中をよぎる。

 

ドイツでは若者が環境問題に敏感で、その影響で政治が動く。

 

「俺たちの未来を大人はどうしてくれるんだ!!」

 

まっとうな意見。

 

しかし、日本でそんな声が上がることはあまりない。

 

それぐらい環境に無関心な国民性。

 

しかし、ここに問題提起をしてもあまり意味がない。

 

国や政治よりも企業の方が、より感度が高い。

 

政治がどうの河野、(あ、変換間違えた)こうのという前に、企業が何をすべきかを考え実行した方がより問題解決につながる。

 

企業が今後、どう生き残り戦略を図るのか、それだけにフォーカスした方が健全なように思えた今日この頃です。

 

 

問題の本質はどこか?

 

 

 

 

 

日々、忙しい、忙しいと働いているビジネスマン。

 

しかし、やっている仕事は社内ごとばかり。

 

ミーティングのためのミーティング。

 

社内の問題を解決するためのディスカッション。

 

そんなことしている暇あるの?

 

世の中のビジネスのあり方は徐々に変化し、顧客と向き合いプロダクトを常に変化させていく。

 

そのサイクルを徹底している企業が成長している。

 

社内と議論していても顧客インサイトは見つからない。

 

顧客に聞くことが最短の道。

 

「どんな機能が必要?いや、見た目が好きじゃない」

 

こんな意外な結果が拾えるかもしれない。

 

あなたは、今、何に時間を使っているだろうか?

 

本当に向かうべき仕事は何のか。

 

顧客と向き合っているか。

 

そんなことを点検してみても良いのではないだろうか。

 

 

2021年11月20日コラムマーケティング


【無料は知識や価値を紹介するだけのものに留める】

「10万円の給付金・・・」

 

無料でお金を配布する政策であり、バラマキと揶揄されているようです。

 

この政策には多くの批判があるようですが、街頭インタビューでの市民の生の声はこんな感じだったようです。

 

もらえる人「もらえない人に対してなんか申し訳ない」

 

もらえない人「困っている人が助かるならそれで良いのではないですか」

 

このコメントを発したのは30代~50代の子育て世帯の方々。

 

このコメントだけを見ると特にもらえる人も、もらえない人も不満はない様子。

 

確かに生活支援のために今回の給付金はあるといわれると、多くの人が批判のしようがありません。

 

「それはそうだ」となってしまいます。

 

(目的が生活支援ならクーポンの意味はよく分かりませんが)

 

しかし、これをもう少しマクロ的な観点から見るとどうなるのでしょうか?

 

今回、18歳以下の子供に10万円が給付される。

 

18歳以下の子供は日本全国に約2000万人。

 

このうち報道では10%程度が年収960万以上とのことであったため、対象となる人数は単純計算ではあるが1800万人。

 

1800万人に対して10万円を支給する訳なので、全体の金額を見積もると1.8兆円。

 

ではその財源は何かというと税金。

 

そして単純に考えると今回の給付金は、子供を持ってない世帯から子供を持っている世帯への財源移転。

 

高齢者世帯から若者世帯への資金移動と考えることもできます。

 

日本の金融資産の65%程度は60歳以上が握っているということを考えると、この財源移転はある意味スジが通っている。

 

日本全体を家族と考えると、高齢者から子育て世帯へのちょっと早めのお年玉と言い換えることができます。

 

しかし、この政策をして最も得をするのは誰なのか?

 

子育て世帯は高齢者に感謝するのか?

 

その意識が芽生えているようには思えません。

 

それでは誰が最も得をするのか。

 

それは政治家。

 

人のお金を使って恩を感じてもらえる立場。

 

そう考えると生活困窮者に資金援助とキレイごとを言っておきながら票集めに動いているだけのような気がしてならない。

 

こんな邪推をしてみましたが、無料というのは結構取り扱いが難しく、その背景を見透かそうとする行為が働きます。

 

無料には人を惹きつける強い力がありますが、その取り扱いにも気を付けなければならない。

 

ビジネスに転換するとそんな気づきがあるのかもしれません。

 

 

無料の取り扱い説明書

 

 

 

 

 

ビジネスにおいても無料の取り扱いは至って難しい。

 

例えば、無料で一旦提供してしまうと、その提供したものに再度価値をつけることは難しい。

 

例えば、ラーメン屋のライス無料などはそうであろう。

 

一旦、ランチの集客用としてライスを無料にする。

 

そうすると夜のライスに値段をつけると、昼に無料という意識があるので、お金を取られる夜には行きたがらない。

 

昼に需要が集中すれば、ハコモノ特有の稼働率という観点から儲かりづらい店となる。

 

では、何を無料にすれば良いのだろうか。

 

それを少し想像してみると以下の3点が思い浮かぶ。

 

まずは「見返りが期待できるもの」。

 

スーパーなどでの試食がそうであり、返報性の原理で思わず買ってしまう衝動に駆られる。

 

そして「サービスの理解を深めるもの」。

 

コンサルタントがノウハウを公開したり、住宅販売の業界で良い家選びのノウハウを提供するのがまさにそれにあたる。

 

知識が増えれば増える程、高価なものを買いたくなる心理を刺激する。

 

そして「常習性のあるもの」。

 

差し詰め化粧品のサンプルなどが該当するか。

 

一度、使ってよければまた使いたくなる。

 

毎日使うものなので、スイッチングコストは高いが、一度ひっくり返すと大きな収益を見込める。

 

このようなところであろうか。

 

無料というものは、人を惹きつける強力な力を有するが、その反面、価値あるものを無価値にしてしまうリスクもはらむ。

 

そうならないように慎重に取り扱うべき施策なのである。

 

 

2021年11月14日コラムマーケティング