マーケティング

「う~ん、時間がない・・・」
ここ最近、研修やコンサルティングで時間を拘束されることが多くなり、なかなか事務作業が前に進みません。
つい先日も商談先から研修のオファーがあり提案書を作成。
出張が多いことから、机の上で作業できず移動中の飛行機や新幹線の中で作成していました。
移動中の飛行機や新幹線の中では、マウスを使うことができずタッチパッドを使用。
しかし、タッチパッドで図や絵を挿入するのが苦手で提案書1つにかなり時間がかかります。
そして何よりも『揺れ』。
移動の振動で起きる揺れで画面が非常に見づらい・・・
小さな文字を読み取るのに高齢者のごとく画面に顔を近づけていると少々気分が悪くなる。
更に隣のお兄さんの足が・・・
「頼むから靴を履いてくれ・・・」
心の中でこう叫びながらも提案書を作成していたのです。
色々と劣悪な環境の中ではあったものの、ようやく提案書の作成が完了。
そして提案書をメールで送ろうとしたのですが、どうも自分の中で提案書の中身に満足いっていない・・・
何となく相手の課題に完全にフィットしていないと思ったのです。
「もう少し、考えを整理してみよう・・・」
そう思いながら提出期限ギリギリまで修正作業を行い、提案書を提出しました。
数日後、提案書の内容は良かったようで日程調整の連絡がきました。
これはもう受注だろうと思い、日程をいくつか見繕って先方に提出。
しかし、数日後・・・
先方より目を疑うようなメールが・・・
「日程合わずで、見送ります」
えっ?内容には満足しているのに日程が合わないから見送る?
調整すれば良いだけでは・・・
いや、これは表面上の言葉でおそらく本心は別のところにあるはず。
金額が高かったのか?
それとも課題の掘り下げが甘かったのか?
実は本当に日程なのか?
「う~ん・・・・」
答えの出ない失注分析を頭の中で繰り返していたのです。
失注分析なんてムダ

失注分析はいくら考えてもその答えは計り知れないところがあります。
本心は「金額が高い」と思っていたとしても、金額を理由にしたくないから別の理由を説明するなどよくある話です。
そして「金額が高い」という言葉が出たとしても、本当は「上司に言いづらいだけ」というケースもあると思います。
その理由を聞き取り、分析して次につなげるという行為は非常に効果のないこと。
それよりも膨大な研究データから導き出された人間心理を学んだ方が効果的です。
例えば、シニアコム「色に関するアンケート調査」でこのようなデータがあります。
50代~70代以上の男性は青や緑などの寒色系を好む、また女性であっても青は上位。
これは加齢に伴って生じる目の変化が原因。
高齢者の目は子供の目と比べると水晶体が濁って黄色身を帯びてくる結果、青を吸収しやすくなるといわれており、そのため青を好むと考えられています。
また、嫌いな色はゴールドや茶、グレー、紫という統計結果が出ています。
BtoBビジネスの場合、決裁者の多くが50代~70代以上。
本当は良い提案内容にも関わらず、嫌いな色をチョイスしたばかりに失注になったのであれば本当に残念な話です。
お客様の言葉から計り知れない失注分析をするよりも人間心理を学び失注要素を消していく。
こういった作業の方が失注を防ぐことに効果的だと思いませんか?

休日に仕事をする時に思わず向かってしまう喫茶店があります。
その喫茶店はどこかというとスタバです。
スタバといえばノマドワーカーの仕事場として使われていることが多く、パソコンを持ち込んで何やら作業をしている人を必ず目にします。
平日も外出して少し時間が空くと喫茶店で仕事をすることもよくありますが、その時も必ずスタバを探します。
なぜ、私がスタバを選択するのかというと、いろいろ理由があります。
まず、1つはコンセントが使える。これはパソコンを使っている人には非常にありがたいシステムです。
そしてもう一つは、同じように仕事をしている人や1人で来店している人が多いので静か。
雰囲気も影響しているのかもしれませんが、そんなにうるさくしゃべっている人がいません(近所のおばちゃんのような)。
これだけでも素晴らしいポイントなのですが、もう一つ大きなポイントがあります。
それが「ワンモアコーヒー」というサービスです。
スタバに行った事がある人なら誰もが知っているサービスだと思います。
1杯目のコーヒーは300円なのですが、1杯目に購入したレシートを持っていくと、なんと2杯目のコーヒー(通常300円)が100円になるというサービスです。
コーヒーは1日に何杯も飲む傾向にあるため、どこかで2杯目を買うのではないかと思い、いつもスタバに来店してしまうのです。
しかし、いつもスタバでコーヒーを購入する時に財布を開くと、数日前のスタバのレシートが、、、
くそ!今日こそはどこかで2杯目を、、、と思いながらいつの間にかそんなことは忘れてしまっているのです。
この2杯目100円というサービスは私の中ではかなり強力で、出張先でドトールを見つけても近くにスタバがないかと探してしまいます。
ちなみにドトールはコーヒー1杯200円。
2杯飲んでも400円なので、スタバで2杯飲むのと同金額になります。
そしてドトールであれば1杯しか飲まなければ200円で済みますが、スタバであれば300円となり、高くついてしまうリスクがあります。
しかし、そんなリスクがあるにも関わらず、スタバの方が魅力に感じてしまう。
これは心理学的に分析すると「コントラスト効果」です。
通常300円のコーヒーが100円で飲めるというお得感。
そのお得感に突き動かされて、1杯で終わってしまうリスクを取ってでも通ってしまうのです。
この1杯目300円で2杯目が100円になるというシステムは、よくよく考えるとなかなかな良い仕掛けだなぁと思います。
まず、先程の私のように2杯目の大幅割引につられ、ついつい来店してしまいます。
しかし、必ずしもその日の内に2杯目を購入するかというと、そうでない日が多い。
例えば、このコーヒーが原価100円だったとして200円で販売していたとする。
そうすると1杯目が売れると100円の利益、2杯目が売れれば更に100円の利益。
しかし、スタバ方式で売ると、最初の1杯で200円の利益、2杯目の利益は0円。
但し、一定層が2杯目を(私のように)購入しないので、全体で見た時には確実に利益率は後者の方が高い。
2杯目大幅割引というサービスで集客が強化される上に、利益率も高まってしまうという一挙両得の仕掛けなのです。
思わず買ってしまうような仕掛け

営業をしているとどうしても「売る方法」を考えてしまいがちになります。
どうやって売るか?
しかし、どうやって売るかの発想の先は、「どの商品を」「どのような方法で」売るかという発想になります。
どうしても営業視点。
プロダクトアウトの発想から抜け出せません。
しかし、それを「買いたくなる方法」という考えに切り替えていただくだけでマーケットインの発想に切り替わります。
そして、そう考えた方が売ることに対してワクワクします。
営業会議でも「どう売るか」という議論が盛んに行われていると思いますが、その議論を是非「どうしたら買いたくなるか」に変えてみてください。
いつもの暗い雰囲気の営業会議が、発想がワンサカ湧いてくる楽しい会議に変貌するのではないかと思います。

年末の帰省でのこと。
今年は28日までが営業日でしたが、代休が余っていたこともあり1日早く休みを取って地元の関西に帰省しました。
午前中に身支度を整え、いざ関西へ出発。
ガソリンが半分ぐらいしか入っていなかったため、ひとまずガソリンスタンドに向かいました。
セルフのガソリンスタンドに車を止め、ガソリンを給油しているとスタッフが近づいてきて何やら声を掛けてきました。
スタッフ「本日は洗車が安くなっていますが・・・」
掃除が行き届いていない私の車を見て声を掛けてきたのか、ガソリンを給油したのと同時にクロスセルを仕掛けてきたのです。
しかし、私は「今のところ大丈夫です」といってそのクロスセルを掻い潜りました。
私も営業のプロです。
そんなに簡単にクロスセルを受け入れません。
「フッ、相手が悪かったな」
と、ほくそ笑みながら戦いに敗れたスタッフの背中を眺めていたのです。
ただ改めて感じたのが、このところセルフと言いながらもスタッフが声を掛けてくることが多くなったということです。
ガソリンスタンド業界と言えば、現在、非常に苦しい経営を迫られているところが多いと思います。
車の大幅な燃料効率の改善、若者の車離れなど、様々な要因で現在5割のガソリンスタンド店が赤字になっていると言われています。
需要と供給のバランスが崩れていく中で、企業も必死に生き残りをかけて戦っているのです。
そこで、ガソリンスタンド業界のために(大きなお世話かもしれませんが)よくよくどうすれば洗車を売ることができるのかを考えてみました。
確かに給油時にクロスセルを仕掛けることは重要です。
そもそもサービスの認知が低ければ、購入されることはありません。
顧客の買わない理由No.1が「知らない」と言われるように、まずは認知させることは必須です。
その条件はクリアしている。
そして人は物を購入した時に販売に対する抵抗が下がることから、給油時に声を掛けることも悪くない。
では、どうすれば更に良くなるのか・・・
≪セット販売の威力≫
1つ簡単に取り入れることができる方法としてはセット販売。
ガソリンと洗車をそれぞれのサービスとして売るのではなく、セットにして販売する。
セット販売には大きな力があり、セット商品を用意しバラで購入するよりもお得と謳うだけで一定層から購入されます。
例えば、マクドナルドをイメージすると分かりやすいかもしれません。

あのハンバーガーやポテトが全てバラ売りで売られていたらどれぐらいの人がハンバーガーとポテトとドリンクを購入するでしょうか。
おそらくセットメニューがあるのとないのとでは、3点セットを注文される数は違ってくるはずです。
また、よくレストランなどで見かけるセット販売。
ラーメン単品とラーメンとライスのセットを提示されると多くの人がラーメン&ライスを選択します。
セット販売は非常に使いこなしやすい方法で、セットを用意するだけで個別に購入すると高くつくという比較対象を生み出すことができ購買意欲を刺激します。
1つ1つの商品の収益性が悪くなると思われるかもしれませんが、その1つ1つを販売する広告費や営業経費を考えると、多少割引してもその一時点で複数のものを買ってもらった方が明らかに収益性は高い。
セット販売は営業にとって非常に簡単で、手っ取り早い方法なのです。
今回はガソリンスタンド業界のために少し考えてみましたが、この方法はどんな業界でも使えるはずです。
まずはあなたの取り扱っている商品を眺め、セット販売できないかを考えてみてください。
意外に簡単に売上が上がる方法が見つかるかもしれません。
追伸:今、両親が住んでいる山口県に向かっています。
駅のホームでエヴァンゲリオンの新幹線を見つけましたが、一体あの中で何が行われているのか・・・
一度、中に入ってみたいと興味津々です。
(エヴァンゲリオンは一度も見たことありませんが・・・)

ある昼食でのこと、、、
部下と2人で事務所近くのとんかつ屋で昼食を取っていました。
13時過ぎに入ったためか、ホールのおばちゃんが非常に不機嫌に接客をしてくれました。
逆ホスピタリティという言葉がフィットするくらいの接客だったのですが、部下とともにそれぞれランチを頼み、雑談をしていたのです。
ボーナス時期という事もあり、ボーナスが入ったら何を買いたい?と部下に質問してみると車の話題になりました。
今の車がだいぶ古くいなっているらしく、その車を買い替えたいとのことでどんな車種にするのかなどを楽しく語っていました。
しかし、よく考えると私も今乗っている車はだいぶ長く、そろそろ買い替え時期なのかな?と、ふと思いました。
よく考えてみると今使っている車は、もう8年になります。
車の買い替え時期は10年と言いますので、あと2年ぐらいで買い替え時期に差し掛かることに気づいたのです。
そしてある日の週末、新聞に挟み込まれたチラシを眺めていると、新車販売のチラシを目にしました。
そのチラシはレクサスのチラシで、非常に高級感を感じさせます。
「こんな車に乗ったらさぞ快適なのだろうなぁ~」と思いながら自分が乗っているシーンを思い描いていました。
「座り心地の良いシート」
「滑らかな走行」
遠い昔に、ある社長のレクサスに乗せてもらったことがあり、その時のイメージが呼び起こされたのです。
そして心地よくなっている私の目に飛び込んできたのが「価格」
価格を見た瞬間に、夢見心地の気分が一瞬にして現実に引き戻されました。
さすがにこの金額はないな、、、
現実に引き戻されながらも、後ろ髪引かれるような感覚でチラシを眺めていると、あるものが目に飛び込んできました。
それは右下の方に小さく記載されたローンシュミレーション。
“月々●万円のローンで購入可能”という記載に、「まんざら買えなくもないんじゃないか?」という錯覚に陥ったのです。
「おっと危ない!これはローン会社のよくあるトリックだ」と冷静に我を取り戻そうとしたのですが、取り戻せているのか、いないのかという状態が数分間続いたのです。
≪人は未来の出費を低く見積もる≫

人は今の出費に敏感だが、未来の出費には鈍感になりやすいという心理をご存じだろうか?
行動経済学でいう「時間選好」というものであるが、人は未来の価値を低く見積もる傾向にある。
それが利益であってもコストであっても。
『今10万円』もらえるのと『半年後に11万円』もらえるのとではどちらが良いかと質問されると、多くの人が『今10万円』欲しいと言います。
絶対額は確実に半年後の11万円の方が多いにも関わらず、『今の』10万円を選択するのです。
住宅ローンの段階金利などを考えていただくと更に理解が深まると思います。
「1~5年は月々10万円」「6~20年は10万5千円」「21年以降は11万円」と提示された時に人はどの金額を見て支払えるかどうかを見積もるのか。
なぜ高額な商品のチラシには分割の表示があるのか。
この話を聞いて何となく理解できたのではないかと思います。
今日は少し辛辣な話をしたいと思います。
昔、私はあるブラック企業で営業をしていました。
ご存じの方もいると思いますが、私は1年目の営業実績は散々たる内容で、ヘボ営業といわれてもおかしくない実績でした。
その実績は凡人にも達しておらず、2:6:2の法則でいうと下の2割の中を更に2:6:2に分割してその下の2割にポジショニングしていました。
そして、その時の私は一生懸命営業をしていました。
来る日も来る日もテレアポをこなし、1日の架電ノルマが200本の中、業績が上がらないことが納得いかず300本近い電話を毎日かけていました。
同僚が契約を獲得すると
「あいつは運が良くていいよな」
「俺のエリアを担当したら絶対取れないのに・・・」
「俺は本当に不運だ」
こんな事ばかりを考えていました。
もともとプライドが高い方で何をやってもある程度の位置にはいけると思っていました。
子供の頃のソフトボールチームでも4年生からレギュラー。
中学ではテニス部でキャプテン。
学校の成績もそこそこ。
大学受験も私がいた高校のレベルの中ではそこそこ良い方。
バイトでバーテンという職を経験しましたが、少し先に入っている先輩を押しのけカウンターの中へ。
(ウェイターをある程度経験してカウンターの中に入れるシステムです)
バイトを辞める頃にはトップバーテンダーの地位にまで上り詰めていました。
いつもそこまで努力をしなくても、そこそこの成果を上げており、それができる自負もありました。
しかし営業だけは全く違いました。
これまで大した努力をしなくても、そこそこの実績を残せていたのに、結構努力しているにも関わらず、全く実績が残せなかったのです。
来る日も来る日も必死になって努力していました。
一生懸命頑張っていたのです。
そして色々な人との出会いや教育されることによって徐々に売れるようになってきました。
そして、売れるようになってあることに気づいたのです。
それは何かというと
「営業は一生懸命だけでは売れない」
という事実です。
「一生懸命営業している」ということに甘えていないですか?
はっきり言います。営業は努力だけでは売れません。
一生懸命営業しているというのは、一生懸命営業していればいつかは努力が報われる、いつかは周りが認めてくれるという思考です。
厳しい言葉でいうと「考えていません」。
営業は考えなければ売れないのです。
お客様に放つ一言一言。
何を伝えれば良いのか、どんな演出が必要なのか、どうすれば抵抗感が取り除けるのか。
そしてその答えに辿り着くために『情報』を得なければならないのです。
今回、この一行語録の意図が分かった人はどれぐらいいたでしょうか?
この一行語録はマーケティングという世界では当たり前の話で、2ステップマーケティングという方法です。
人はいきなり高額なものは買わないので、少額商品を不採算で売ったり、無料の診断という方法から相手に問題意識を持ってもらい、その後に高額の商品を買ってもらう。
心理学でいうと「フット・イン・ザ・ドア」という方法を使っています。
営業で売れるためには何も考えずに努力するのではなく、考えてください。
そして、その考えが悩みに変わらぬように情報を取ってください。
世の中には、本、セミナーなどノウハウを紹介している媒体が山のようにあります。
そして今の時代、ネット上でもいくらでもノウハウが転がっています。
(信憑性には気を付ける必要性がありますが)
もっともっと勉強してください。そして考えてください。
あなたの努力が無に帰さないためにも。
私もこのブログを書きながらもっともっと勉強していきたいと思っています。
そして自己投資をしていきたいと思っています。
二度とあの時代に戻らないようにするためにも。