
「ミスター味っ子か~、懐かしいな~」
先日の週末にパソコンでネットサーフィンしているとミスター味っ子の動画を目にする機会に遭遇しました。
何を隠そう私の料理の知識の99%は「ミスター味っ子」と「美味しんぼ」からできています。
分厚いトンカツには二度上げが効果的であったり、タケノコをコンクリートの上で天日干しするとアクが抜けるなど全てこの漫画で得た知識です。
なぜ私が思わずミスター味っ子の動画を目にしたのかというと、それはアマゾンのプライムビデオを検索していたからです。
2年ほど前にアマゾンのプライム会員になって以来、何となく2年間続けています。
元々、入会したきっかけはお試し特典。
3カ月お試し無料というバナーが気になり、クリックしてひとまず入会。
3カ月後に退会する気満々で、3カ月間だけ即日配送を味わってみたいと思ったのです。
そしてアマゾンプライムに入会していた事も忘れ3カ月が経過。
プライベートで使っているパソコンには基本、メルマガしか届きません。
なので、ほとんどの場合、中身を読まずに削除します。
しかし、その習性が裏目に出ました。
アマゾンから無料から有料に切り替わるメールが来ていたにも関わらず、そのメールを完全に無視して削除していたのです。
気づけばプライム会員に本入会。
慌ててアマゾンに問い合わせましたが、今退会しても料金は戻ってこない。
なので1年間存分に利用した後に退会した方がお得と言われ泣く泣く継続することにしました。
それから1年後、意図せず2年目も更新。
しかし、今となってはその料金を支払っている認識もなく、当たり前のように書籍の即日発注を存分に利用しているのです。
そしてごく稀ではありますが(年1回ぐらい?)プライム映画を楽しんでいたりします。
年間3,900円というプライム会員料金。
月に325円と大した金額ではありません。
しかし、この収益構造を改めてアタックス流で解析してみるとおもしろい事実が分かりました。
年間50冊、書籍を購入する人がいたとすれば、その人1人から得られる売上は以下になります。
50冊×1,500円=75,000円
書籍の利益率が20%だとすると
75,000円×20%=15,000円
これが通常の利益です。
しかし、この利益にプライム会員収益を足すと
15,000円+3,900円=18,900円
そしてその収益性を再度計算すると、
18,900円÷75,000円=25.2%
何と利益率が5.2%もアップするのです。
利益率が5.2%アップするというのは、数字に強い方ならよくお分かりだと思いますが、驚異的な数字。
それをさらっと実現しているのです。
誰も気づかない値上げの技術

この前払い制による会員ビジネスは恐ろしく効果的なセールス技術です。
まず、年会費を前払いすることによって他から買いたいとは思わなくなります。
現に私も書籍以外の商品もアマゾンで買えるならアマゾンで買おうかなという気になります(過去に家電やお酒も買っています)。
同じ料金を支払うならせっかく年会費払っているアマゾンで、という心理が働きます。
そして前払い制による料金確保により、運転資金を確保することができます。
運転資金を銀行から確保することが通常と考えると、金利負担がなくなるといった意味で収益性が高まります。
そして何よりも前段での話の通り、会員になったことを忘れいつの間にか年会費を払い続けています(たいしてサービスを利用しなくても払い続けています)
そしてその料金はビジネスの収益性で考えると驚異的な数字をたたき出してくれます。
もし、あなたの取り扱っている商品が値上げしづらいのであれば、会員制という方法でサービスを付与することはできないでしょうか?
実はこの方法は、売り手も買い手も見過ごしがちな最も強烈な価格戦略の1つなのです。
追伸:今、この記事を喫茶店で書いていますが、目の前でプ●デンシャル生命の営業マンが営業しています。なかなか見ていておもしろいです。
1.礼儀正しい挨拶に始まり、花粉症ネタの雑談。
2.お客様と同じアイスコーヒーを頼む(類似性)
3.相手が25歳と若いため「しっかりしている」ことを褒める。
→後々に責任感=保険となるため
4.お客様から喜んでいただいている声を伝える(社会的証明)。
5.そうはいっても自分の考え方とは違うとおっしゃるお客様もいると伝える(両面提示)。
6.その時は泣きながら帰りますとユーモアを入れる。
さすがプル●デンシャル生命の営業といったところでしょうか。卓越されたトーク技術です。

「う~ん、どれにしようか?」
昨日、バレンタインデーのお返しを買いに高島屋に行きました。
ホワイトデーは3月14日。
日にちは3日程過ぎているのですが、3日間出張続きだったため家族にお返しができていなかったのです。
ウチには妻と2人の娘。
毎年、バレンタインにチョコをもらっています。
最近では女の子同士でチョコを渡しあっている様子で、父親へのチョコはかなりついで感満載ですが、まぁ貰えないよりはマシ。
娘から一度チョコを貰えなかった年もあり、その原因がお返しをしていなかった事にあるのではないかと特定してからは常にお返しをするようにしているのです。
早速、向かったのは高島屋。
地下に降りるエスカレーターに乗り、お菓子エリアに向かいました。
何店舗かのショーウィンドウを眺めた後、目に入ったのが「グラマシーニューヨーク」。
ここのお菓子は家族に好評だったことを思い出し、ケーキをここで買う事にしたのです。
私はあまり甘いものが好きではありません。
嫌いな訳ではないのですが、積極的に食べたい欲求は皆無といっても良いかもしれません。
なのでケーキを選ぶといっても、周囲にいる女性たちのように目を輝かせながらケーキを選ぶことはなく、データ処理するかのように選択します。
「う~ん、娘は基本チョコ好き。チョコ系のものをいくつか買っていけばリスクは低いか?でも毎回チョコばっかり買っているような気がする。そろそろ飽きるか?」
このケーキにおいては他者視点が全くありません。
ケーキ好きじゃないため、ケーキ好きな人がどのような視点でケーキを選択しているのか全く分からないのです。
そしてショーウィンドウの奥を見るとチーズケーキが。
店舗経営の原理からすると回遊率を上げるために一番奥に人気の商品を持ってきているはず。
という事はこのケーキは人気の商品ではないか?
しかも新商品らしきストロベリーチーズケーキというものがある。
新商品は心理欲求からすると効果的・・・
そんな事を考えながらストロベリーチーズケーキを選んだのです。
他者視点がない商品カテゴリーで、商品を選択するのは大変です。
あらゆる知識を総動員して喜ばれる可能性を高めるという作業を行いました。
少々疲れた感がありましたが、商品名を店員にコールし、該当商品を購入。
そしてお金を支払い、ケーキを手にすると何やら満足感を得たのです。
買ってやったぞ!
なぜか購入したことに満足感と達成感を得たのです。
買い物=快楽

世の中には衝動買いというものがあります。
ストレスが溜まってくると、そのストレスを解消するために衝動買いをするのです。
そして行き過ぎたものとして『買い物中毒』というものもあります。
これは自分にとって不必要であったり、もう既に似たようなものを所持しているにも関わらず商品を購入してしまう行為です。
人にとって買うという行為には中毒性があるぐらい快楽を伴うものなのです。
営業マンには売るという事に躊躇する人が多く存在します。
売ることは悪い事であるというメンタルブロックの元で。
しかし、よく考えてみてください。
人は買う事に快楽が伴う動物。
快楽というのはある意味幸せとも言い換える事ができるかもしれません。
そう思うと営業という仕事は、幸せを運ぶ青い鳥。
何もセールスを躊躇する必要はありません。
あなたは多くの人に幸せを提供できる仕事に就いていることをちゃんと認識すべきなのです。

東京でのランチにて、、、
先日、東京でスタッフとランチに行きました。
煮魚、刺身がついて1000円という分かりやすい価格設定のお店でランチをしながら、ある話題で盛り上がったのです。
その話題とは「ディズニーランド」。
私が近々、ディズニーランドの旅行に行くということもあり、ディズニーランドに詳しいスタッフに攻略法を学ぼうとしたのです。
効率的にアトラクションを回る方法に始まり、ドナポジという言語の存在。
ドナポジ・・・パレードでドナルドが立ち止まるポジション?
そして私が言いづらそうに「エレクトリカルパレード」と言っていると、
「Eパレですか?」
と一言。
そんな簡略化された言葉があるのか?と驚きながらその恐ろしいぐらいの知識量に感心していました。
そんなスタッフも私がディズニーランドホテルに泊まるとの話に、すごく羨ましがっていました。
しかし、正直な話、現時点でもディズニーランドホテルに泊まる価値が私にはいまいち理解ができません。
ディズニーランドで遊べばギリギリまで遊ぶでしょう。
そうなるとホテルの活用価値としては睡眠と朝食ぐらい。
そして翌日もディズニーで遊ぶとなれば、チェックアウトは朝早くなり、その滞在時間は非常に短いものに。
確かにディズニーランドの開園15分前に入れるというメリットはあるかもしれませんが、それだけであの価格設定は・・・と思わずため息が漏れるのです。
夢の中までミッキー・・・
私も中学の修学旅行で初めてディズニーランドに行って以来、その楽しさは十分に理解しています。
その後も結婚してから2回ほど行っているでしょうか。
確かにアトラクションは楽しいし、至る所に盛り上がれる仕掛けが打ってあり、他の遊園地は別格の要素があることは理解しています。
しかし、高額なホテル料金を払ってまで「夢の中までミッキー」を実現しなくとも・・・と思わず思ってしまうのです。
世の中にいる「夢の中までミッキーを実現したい」という少数派によって引き上げられた価格設定に泣く泣く支払う羽目になっているのです。
「高くても払う」を実現する方法

高額な料金を受け入れてもらうためには何が必要なのでしょうか?
「商品やサービスの品質を高める?」
確かにそういった方法もあるかもしれません。
しかし、もっと簡単に高額な料金を受け入れてもらえる方法があります。
それが「ニッチ」と「サブカルチャー」です。
ニッチとは隙間を意味しており、ビジネス上では小さな市場の事を指します。
そしてサブカルチャーとは、主流ではない文化=少数派の趣味、興味を持ったグループの事です。
「オタク」などをイメージしてもらえば分かると思います。
要はニッチもサブカルチャーも「少数」というところに共通点があり、高額な料金を受け入れてもらう重要な要素になるのです。
重要な要素というのはどういう事かというと、同じ商品であったとしてもターゲットを絞り込んだ商品である事を表現するだけで、高額であったとしても受け入れられやすくなってしまうという事です。
例えば、書店に行って「時間管理」の本を探していたとしましょう。
その書籍のタイトルが「時間管理術」というシンプルなタイトルよりも「BtoB営業のための時間管理術」と少数派に向けられたタイトルにする事により、消費者の価格弾力性に広がりが発生します。
もっと具体的に言うと前者が1000円で後者が2500円だったとしても後者を選択される可能性が高くなるのです。
あなたの商品は一体誰向けに作られていますか?
そしてあなたの営業トークも誰に向けて発信していますか?
その表現が多数派に向けた発信になっている限り、高額な料金を支払ってもらう事はできません。
今の言葉を少数派に向けて発信してみる。
たったそれだけの工夫があなたの商品単価を上げ、そしてビジネスをもっと楽なものするきっかけになればと願っています。

「さーて、食うぞ!」
ある週末、以前から楽しみにしていたラーメンを食べようとある店に行きました。
その店の名は、「カラシビ味噌ら~麺 鬼金棒」。
東京出張で食べて以来ファンになっていたのですが、その店が名古屋に出店したのです。
カラとは唐辛子、シビとは山椒のしびれ。
この舌に辛くてしびれるスープがたまらなく癖になるのです。
そしてカラシビら~麺の増し増し(辛さとしびれ)を注文してラーメンを待っているとあるメールが入ってきました。
そのメールは部下からのものでした。
内容を読んでみると、一行語録の案が浮かんだので是非使ってもらいたいとのことです。
その語録を読んでみると、、、
「お客様は忘れる生き物である」という事を強調するような内容だったのですが、何となくヒネリが足りない・・・
最近、私の悪い癖なのか、読者に飽きられることが無いように一行語録は常に変化球を投げようとしています。
しかし、せっかく部下からもらったアイデアなので、これを切り口に1つ一行語録を考えてみるかと思い、思考してみました。
そこで思いついたのが、最も記憶力の悪い動物を比喩として使用し、一行語録を構成できないかと考えたのです。
そして早速、「最も記憶力の悪い動物」とスマホで検索すると思わぬ結果がヒット。
その最も記憶力の悪い動物とは意外にも__「人間」__だという記事が見つかったのです。
「え??そうなの?」
思わず、その記事を見た時に驚きを隠せませんでした。
最も高度な事を行っている動物が最も記憶力が悪い??
その記事が気になった私は更にリサーチしていきました。
記憶力というのは、ヒトよりサル、サルよりイヌ、イヌよりネズミ、ネズミより鳥類の方が良いようです。
鳥に関して言えば、風景を写真に撮ったかのように鮮明に記憶しているようで、その記憶力は圧倒的に人間を凌駕します。
しかし、この文献で明らかにされたことは「高等な動物ほど記憶は不正確であいまい」。
鳥は風景を鮮明に覚えますが、人間はあいまいに記憶する。
あいまいに記憶することによって多少風景が変わっても同じ場所だと認知することができるのです。
要は応用力を効かせるために、あえてあいまいに記憶するようにプログラミングされているのです。
人の記憶はいつも「あいまい」

一度お客様に商品を案内するとこういった返答をよくもらうことがあると思います。
「今、検討中だから」
そして再度確認した際にこういわれる事もあったでしょう。
「あなたの商品の事はよく分かっているから」
しかし、このよく分かっているという言葉のほとんどが嘘。
人はあいまいにしか記憶できないようにできているのだから、あなたはその記憶を鮮明にする作業を止めてはならないのです。
「人の記憶はあいまい」
この大前提を押さえておくことが、あなたの断られることへの恐怖を少し和らげてくれる「おまじない」になったのではないでしょうか。

先日、ある電話が掛かってきました。
その相手はハウスメーカーからの電話です。
もう家を購入してから5年が経過し、先日5年点検を受けたところでした。
その5年点検の際に、もしかしたら無償で家の不具合を修理してくれるのではないかという淡い期待のもと、散々言った要望(クレーム?)に対して担当者が説明に来るとの電話があったのです。
恐らく営業担当者がきて、うまく言いくるめてくるのであろうと予測していましたが、私も営業コンサルタント。
生半可な説明をしようものなら、その隙をついてやろうと待ち構えていました。
そして、当日。その日がやってきました。
ハウスメーカーから来たのは、見た目営業担当者ではなく技術系の担当者。
てっきり交渉事は営業担当者が来るものだと思っていたので多少拍子抜けです。
とはいえ、言うべき事は言わねばと思い、その担当者と話し始めました。
私の家は数年前に、壁紙がリコール対象商品だという事が発覚し、住んで1,2年で壁紙の貼り替えを行っています。
その貼り替えに関しては全面メーカー側の責任ということで、無償で貼り替えを行いました。
当時、貼り替えを行った時も、壁紙と壁紙の間に隙間ができるなどを指摘し、何度かやり直しをしてもらっています。
そして数年たった今、また壁紙と壁紙の間に隙間ができ、多少気になるレベルになったのです。
以前、貼り替えている負い目もあることから、このトラブルに関してはどんな言い訳が飛び出してくるのだろうかと楽しみにしていました。
そして交渉がスタートしたのです。
水田「この壁紙の隙間は何とかなりませんか」
担当者「そうですね。実はもう先日の施工から2年以上が経過しており、無償修理の対象から外れてしまっているのです」
水田「そんなこと契約書に謳っていますか?」
担当者「ええ、しっかりと明記しています」
水田「この隙間はできているのは施工業者の問題じゃないですか?以前も何度かやり直ししてもらっているし」
担当者「そうではありません。これは家の構造上の問題で、中の木が水分を含んで膨張したりすると壁が引っ張られてこのような隙間ができるのです」
水田「という事は構造上の欠陥という事ですね?」
担当者「そうではありません。この現象は木の材質、工法、その他、様々な要素が絡んで起きる現象です。なので全く同じ作りの家にお住まいでも壁紙に隙間もできる家もあればできない家もあります。これは我々でも予想できません」
こちらが期待していた「言い訳」はほとんど出てこず、非常に論理的に今の現象を解説してくれました。
水田「(くそっ!少しは言い訳じみたコメントがあれば・・・)」
そして結局何も無償という言葉を引き出すことができず、その時間は過ぎ去っていったのです。
言い訳の正しい使い方

言い訳は交渉事において不利な展開を招きます。
そして交渉事だけでなく、普段あなたが言い訳じみた言葉を繰り返していると、あなたの成長への妨げにもなり兼ねません。
しかし、言い訳は悪い事だけでなく、使い方次第によっては良い結果を招き入れることもできます。
良い結果を招き入れる言い訳の使い方とは、顧客には言い訳の余地を与えておくという事です。
あなたが何か商品を提案する時に、決して今起こっている問題を顧客のせいにしてはいけません。
人は弱い生き物です。
何か問題が発生していたとしても自分のせいだとは思いたくないものです。
そんな心理を無視して、今の問題はあなたのせいだと言ってしまえば顧客はあなたに耳を傾けなくなります。
例えば、SFAの運用において現場の営業担当者が入力しないのは、あなたの指導不足だ!といってしまえば、もう二度とあなたの話は聞かなくなることでしょう。
それが事実であったとしても。
そうではなく、入力しないのは多くの企業で発生している事実、あなたのせいではないと話すことで顧客はあなたをより理解してくれる存在だと認知します。
商談の場においては顧客の言い訳の余地を残しておく必要があります。
あなたの普段の商談が間違っても問題が発生しているのがあなたのせいだ!となってしまっていないか改めてチェックしてみてください。
顧客に言い訳の余地を残しておくことが、あなたのためにもなり信頼を獲得する1つのツールにもなり得るのです。
そのためにもあなたの営業トークに、顧客の「言い訳」を忍ばせておく。
そんな心遣いも必要ではないでしょうか。