■直接の面談以外で接触する方法を考え、実践すると、飛躍的に成績が伸びる
マジカルナンバー7±2という言葉をご存知でしょうか?
このキーワードは、人の記憶容量に関するもので、人の記憶は概ね7チャンク(チャンク=情報の塊)のことを記憶できると言われています。
±2というのは人によっては記憶力の良し悪しがあるので、その分のブレを含んでの表示になっているのです。
この考え方を提唱したのは、ジョージミラーという心理学者なのですが、近年ではこの記憶容量についての更なる研究が進み、現在ではマジカルナンバー4±1が主流になっています。
なぜ、このような記憶容量についてのお話をしているのかというと、もしあなたがお客様の頭の中で5番目や6番目以降の存在になっているのであれば、お声が掛かることすらないからということを伝えたいからなのです。
では、どのようにしてお客様の脳内シェアを獲得していけば良いのでしょうか?
インパクトのある印象を与えるというのも1つかもしれませんが、お客様の記憶に残るようなインパクトを毎回与えられるような営業は、なかなか狙ってできるようなことではありません。
では、どうすれば良いのかというと、脳内シェアを獲得する上で最も効果的で簡単に実践できる方法として「単純接触効果」というものがあります。
「単純接触効果」とは、人は会えば会うほど興味関心が湧くという心理です。
単純にお客様との接点回数を競合よりも増やすことにより、お客様の脳内シェアを占有し、いざ依頼があった際に、1番にお声が掛かるようにしていくのです。
この単純接触効果というのは、訪問量を上げて接触を増やすというのが王道ですが、実は少しの工夫で訪問量を上げるだけでなく、接触を増やすことができるのです。
それが訪問前後の接触を考えることです。
1度の訪問でも、単にアポイントを取って行くだけであれば接触回数は2回です。
しかし、「アポを取る」→「訪問直前の確認を行う(tel)」→「訪問」→「訪問後のお礼メールを送付」すれば、1度の訪問で4回の接触を図ることができます。
単純接触効果は、接触している長さではなく、接触回数に比例して効果を発揮しますので、1度の接触で何度も接点を図ることを考えれば、競合と会っている回数が同じだとしても、あなたの方が先に呼ばれる可能性が高くなっていくということなのです。
※あと、facebookでお友達になっておくというのも有効な方法です。
■多くの営業はメリットしか提示しない。それが実現できる証拠を提示することを忘れるな
あなたが実際に営業しているシーンを想像してみてください。
普段あなたはお客様に対して商品の特徴を伝えて、「いかがですか?(良いですよね※心の声)」とだけで終わっていないでしょうか?
研修などでロールプレイングをしていてよく思うのが、商品の特徴(メリット)を伝えることは誰しもができますが、なぜその特徴が実現できるのかという証拠まで説明できている営業マンは少ないです。
例えば、戸建てを販売している人で「間取りの良さ」をアピールする場合、「特徴(メリット)のみ」と「特徴(メリット)と証拠」の場合とでは以下のように違ってきます。
「どうですか?うちの間取り。奥様が家事をしやすいように徹底的に考えられています。キッチン横にあるドアを開けていただくと、すぐに洗面所や風呂場に行き来することができ、洗濯をしながらも料理の様子を確認することもできます。便利ですよね」
というのが商品の特徴(メリット)までの説明です。
これに実現できる証拠を足すと、
「どうですか?うちの間取り。奥様が家事をしやすいように徹底的に考えられています。キッチン横にあるドアを開けていただくと、すぐに洗面所や風呂場に行き来することができ、洗濯をしながらも料理の様子を確認することもできます。便利ですよね。『この間取りの設計に関しては家をご購入いただいたお客様に128名にアンケート調査を行い、どんな時に家事の不都合を感じるかを徹底調査し、当社の設計担当が3か月以上も考え設計した間取りになっているのです』」
という具合になります。
このサンプルを読んでいただければ分かる通り、証拠を付け足すことによって商品への「こだわり」が伝わってきます。
ある1つの価値に対してどれだけの手間をかけたかを伝えることによって、価値を大きく感じてもらうことができます。
価格というのは価値と正比例しており、価値がより高いと感じてもらえれば、それだけ価格に対しての納得感が出ます。
もし、あなたが他社と価格競争になることが多いとか、価格が高いと言われることが多いのであれば、「なぜできるのか?」という証拠を伝えるようにしてみてください。
そうすることで価格競争から抜け出せる営業ができるようになるはずです。
■ビジネスメールに人間味を出すようにするだけで引き合いが増える
日々受け取るメールの中には、ついつい読み込んでしまい、その内容がいつまでも記憶に残っているメールがあります。
逆に翌日になるとほとんど記憶に残っていないメールというのも山ほどあります。
同じメールという機能で文章を送っているだけにも関わらず、記憶に残るメールと記憶に残らないメールがなぜ発生するのでしょうか?
読まれやすく、記憶に残りやすい文章の例を挙げると
・女性が感情表現豊かに送ってきたメール
・お客様からのクレームメール
・絵文字や感嘆符が多いメール
などです。
逆にあまり記憶に残っていないメールは
・用件のみのメール
・堅苦しいメール
・短文の返答(例:「了解しました」など)
などです。
この2種類のメールを見比べて見えてくる違いというのは何かというと文章に「感情移入」がされているかどうかです。
ではなぜ感情移入されたメールはいつまでも記憶に残るのでしょうか。
その理由は、まず送り手の感情に感化されて、読み手も感情移入してしまうというところにあります。
人の脳にはミラーニューロンというものがあり、相手の感情を物まねする機能があります。
例えば、
「目の前の人が怒っていると自分もイライラします」
「目の前の人が緊張していると自分も緊張してきます」
「目の前の人が楽しそうにしていると自分も楽しい気分になってきます」
と、このように周辺の空気に感化されて、自分も同じ感情になってしまう性質があります。
そしてこの感情が伴うことと記憶力には大きな関係があります。
脳の中で記憶力を司る海馬と情動を司る扁桃体は、隣り合わせの位置にあり、扁桃体は海馬に大きな影響力を与えます。
簡単に言うと、喜怒哀楽が強ければ強い出来事ほど人の記憶に残りやすくなるということです。
「9.11」「3.11」という数字を見て
数年も前の話にも関わらず、ビルに飛行機が突っ込むシーンや東北で起きた大地震や津波などのシーンを思い出すのは、当時の驚きと悲惨さという感情が強く伴っているからなのです。
ビジネスメールで人間味、いわゆる感情を伴うようにして文章を書くと、相手に感情を刺激する結果となり、記憶に残りやすくなります。
そして、お客様の記憶の脳内シェアを大きく獲得できればできる程、1番にお声が掛かる可能性が高くなり引き合いも増えるということなのです。
■契約確認活動と題してテレアポを行え!
テレアポでまず最初に何を話すかは、担当者にとって悩みの種です。
あまりはっきりと売り込みと表現してしまうと電話を切られますし、かと言ってあいまいな表現を使っても怪しまれます。
また、あいまいな表現を使って話ができたとしても売り込みに転じた際に「だましてきた」という印象はぬぐえず、結果的にアポを取ることは非常に困難になります。
そこで、「売り込みと悟られずに」かつ「だまされたという印象を与えない」ためにどうすれば良いのかという悩みを解消するのがこの契約確認トークです。
具体的にトークにすると、
※コピー機営業の場合
「○○株式会社の水田と申します。本日は今お使いのコピー機の契約のご確認でご連絡させていただきました。1,2点質問させていただいてもよろしいでしょうか?」
「今お使いのコピー機は1か月に1度以上紙詰まりを起こしますか?」
「1枚当たりのコピー代は●円以上ですか?」
「このようなご不便を解消する良いご提案ができるのですが、いかがですか?」
このように今の既存の取引の確認という名目で話をスタートさせれば、さほど警戒はされません。
そして商品の具体的な内容を伝えないことによって、相手に聞いてみたいという心理を掻きたてています。
もし、あなたがアポを取ることに困っているのであれば、この契約確認トークを是非1度使ってみてください。
■目標基準値は高く、幸せ基準値は低く設定する
これは以前インタビューしたトップセールスの原田さんのブログから引用させていただきました。
社内で1番の実績をたたき出してしまうと、それに胡坐(あぐら)を掻いて過ごしがちになってしまいます。
「俺は社内で1番売っている」
「俺は誰よりもすごい」
「俺に誰も指図できない」
などという感情が起こってくることもあるでしょう。
しかし、1つ社内を出てみると更にすごい営業マンは山のように存在し、井の中の蛙になっている可能性もあります。
そして、現状に満足していると成長へのアンテナは弱まり、その期間は成長なく不毛に時間が過ぎていきます。
もし、今自分自身が社内で1番を獲得していたとしても、「昨年の自分よりも更に上に」「更に限界に」挑戦する姿勢を持つことが成長につながりますし、今の地位を盤石にする結果にもなるのです。
逆に「幸せの基準値は低く」というのは普段当たり前にできていることが、本当は当たり前でないことを認識することです。
社内で売上が上がらないのは会社の責任、「目標が高すぎる」「良いお客さんをつけてくれない」「業界が特殊で商品の説明が難しい」などと不平不満を言う方がいますが、これは幸せの基準値が高すぎるのです。
「お客さんが話を聞いてはくれる」
これを当たり前だと思っているかもしれませんが、特定の業界では話をすることすらままならないという方も山のようにいます。
そして話を聞いてくれないことに思い悩み、潰れていく人も山のようにいます。
ゆるい業界の営業と比較して、「俺は恵まれてない」と考える暇があるなら、さっさと売り上げを上げる方法、目標を達成する方法を考えましょう。
そんなことを感じさせてくれる名言でした。
引用させていただいたブログはこちらです。
↓
http://ameblo.jp/canseryarou/entry-12057081936.html