第58回リアルトップセールスインタビュー

白石社長

第58回のリアルトップセールスインタビューは(株)綜合理工医学の白石さんです。

当社では家庭用治療機器(火を使わない振動式温熱灸など)の販売やレンタルを行っています。

販売先は主にJAの組合員に対してであり、チラシや会報誌でセミナーに集客して、そのセミナーの中で直接売ってしまうという方法を取っています。

取り扱っている商品の単価は約6万円前後と、即決するには少々ハードルの高いような商品に思えるのですが、これをなんと月間50台前後、コンスタントに販売するのです。

年間の売上にすると6万×50台×12か月=3600万円の売上です。

しかも驚くのは販売金額だけではありません。

なんと、商品が6万円もするにも関わらず、セミナーに参加した人の50%前後が毎回購入して帰るというのです!

この驚くべき成約率の裏にはいったい何が隠されているのでしょうか?

それを解明すべく白石さんに、その営業ノウハウを確認してきました!

■プレゼンの型
まず白石さんから話があったのは、セミナーの中での基本的な姿勢です。

その姿勢とは、基本的には「売ることを目的にセミナーをしない」ということです。

売ることを最優先の目的にしてしまうと、オーバートークになりやすくなります。

売ることを最優先したオーバートークは誇張表現になりやすく、時には法律に引っかかることもありますし、何よりも返品率が増えるとのことでした。

しかし、売ることを目的としないという話を聞くと、ますます疑問が湧いてきます。

セミナーで50%の確率で即決させているにも関わらず、売ることを最優先しないトークで商品が売れるのでしょうか?

このような疑問が頭の中を駆け巡りながらも、それを解明すべくプレゼンの内容を白石さんに確認すると次のような手順でプレゼンを進めていることが明らかになりました。

プレゼンの手順は、まず「手当の基本」を伝えます。

手当の基本というのは、どのような症状の時に冷やした方が効果的なのか、温めた方が効果的なのかという話です。

そして、次にツボについての話をします。

どのツボを刺激するとどのような効果があるのかという話です。

そしてその次に実際に体験してもらいます。

家庭用医療機器を実際に使い、痛みの取れ具合を体験してもらうのです。

そして最後にクロージング(価格の話)を行います。

① 手当の基本→ ② ツボの説明→ ③ 体験→ ④ クロージング(価格提示)

という手順で行うのです。

この4つのステップの中でも最も重要なのは③の体験であると白石さんは説明してくれました。

この体験のステップであることを聞き出すことに全力投球しているというのです。

そのあることとは「購入に対する不安」です。

■買わない理由のほとんどが不安の解消不足
顧客が買わない理由のほぼ100%が、購入に対して湧き上がる不安への解消不足だと白石さんは強く語りました。

いくら良い商品であったとしても必ずお客さんは購入に対して不安を感じます。

金額が高くなればなるほど、その色は濃くなっていきます。

例えば、「売りっぱなしでいなくなるのではないか」「後々、効果がなくなってくるのではないか」このような不安を抱くとのことなのです。

その不安に対して白石さんは不安を解消し、行動を促すような言葉を投げかけます。

例えば、「どうせ使わない」というご意見はよくあるようです。

この言葉に対しても、

「今、体が痛いのはこれまで散々ガマンしてきたからですよ。ガマンしなければ痛みまでは出なかったのです。機器を使うのは面倒と思うかもしれませんが、体が痛むのを我慢して余計に痛みが増して外に出るのが億劫になる人生と、痛みが消えて元気に過ごせる人生とどちらが余生を楽しめますか?」

と具体的な未来と比較させ、使うことの面倒くささよりも機器を使って痛みを消すことの価値を教育します。

また、他にも「息子に相談してから」と言いながら決断を先延ばしにしようとする人もいます。

その言葉に対しても、

「いくら家族でも体の痛みまでは分からないですよ。おばあちゃんが痛がっているのに放っておくような家族ではないと思いますが、結局はご自分で判断しないと後悔することになってしまいますよ。自分の体のことは自分が一番分かっているのですから」

という言葉を投げかけ、購入に対する不安を解消していくのです。

しかし、中には購入に対して強い抵抗を示すようなタイプのお客さんもいるのではないかと思い、もしそのようなタイプのお客さんがいた場合はどうするのですか?とも白石さんに尋ねると、それに対しても対処法があると話してくれたのです。

白石氏「確かに、お客様の中には何を言っても強い抵抗を示す人もいます。ただ、私の場合、そういった人にあえて説得するようなことはしないですね」

水田「そうですか。ということはその顧客は諦めるということですか」

白石氏「いえいえ、そういうではなく、別の人に話をしているように見せかけて反論や不安を解消するように努めています」

水田「それってどういうことですか?」

白石氏「購入に対して強い抵抗を示している顧客に対して直接説得しても効果は薄いです。そうではなく、別の人に説明しながら、あえてその人にも聞こえるように話すのです」

白石氏セミナーにご参加いただくお客様の中にはよく質問をくださる方がいます。その質問に熱心に答えながらも周りに聞こえるように話をするのです。こうすると強い抵抗を示しているお客様もその言葉を受け入れてくれやすくなるのです」

■思わず聞き入れてしまう説得術のルーツ
この方法は非常に興味深いと思い、この方法を編み出したルーツについても確認してみました。

なぜこのような説得術を身に付けたのか?

それは白石さんの前職での経験がルーツになっていました。

白石さんは今の事業を立ち上げる前に、家庭教師派遣の営業を行っていたのです。

その家庭教師派遣の営業は、まずはチラシで反響営業を行い、問い合せのあった顧客に訪問に行き、まずは体験で試してもらいます。

そして体験で試してもらった後は、実際に家庭教師を雇うか否かの決断をしてもらう手順で営業を進めます。

反響営業ということもあり、体験まで持っていくことは非常に容易なのですが、最終の結論をもらう段階では営業マンの力量によって大きな差が出てきます。

中には決めきれずに受注を逃すということも少なくありません。

そして決めきれない親御さんの中には、やはり金額がネックになることもあります。

そんな時に親御さんに対して「息子さんの未来のためには必要ではないでしょうか」という話をするのではなく、子供に判断をゆだねるかの如く話を進めていくのです。

白石氏「勉強は好きかい?」

子供「あまり好きじゃない」

白石氏「そうか、じゃあ勉強しないでいるとどうなるだろう?」

子供「テストで悪い点を取ってしまう」

白石氏「テストで悪い点を取ると、将来の選択肢ってどうなるかな?」

子供「あまり選べなくなると思う」

白石氏「40歳でコンビニのバイトとかってどう思う?」

子供「それは絶対嫌だ!」

白石氏「だよね。 先生に助けてもらいながらだったら勉強できそう?」

子供「うん、それだったら大丈夫。 頑張ってみる!」

このようなやり取りを傍から聞いている親御さんは、直接決断を促されるよりも遥かに意思を固めるということを経験則で知っていたのです。

ここで培った販売方法が今も活きており、今でも購入に抵抗のあるお客さんを直接説得するようなことはせずに、周りを使ってうまく行動を促すようにしているのです。

■水田チェック
実は今回のノウハウについては、以前に週末の一行語録解説でこの効果を解説しています。

週末の一行語録解説【8/8号】

http://realtopsales.jp/column/983/

「漏れ聞き効果」と言って説得の意図を感じさせないようにすることで説得効果が高まるという心理効果です。

お客様は商品を購入する際に必ず葛藤します。

そしてその葛藤している時間は非常に苦しいものです。

中には、購入したいがあと一押し欲しいというお客様も多いと思います。

実際に私もそんな経験をしたことが何度もあります。

商品購入の意思がかなり固まっているのに、あと一歩が出ない・・・

そんな状態を救ってあげるのも営業マンの役目ではないでしょうか。

■インタビュー企業
社名:株式会社綜合理工医学
住所:福岡県福岡市南区大橋1-20-2-201
TEL:092-408-1604
URL:http://www.kenkoseikatsu.jp/index.html