【第64回リアルトップセールスインタビュー】 シロカ(株) 鸙野様
第64回のリアルトップセールスインタビューはシロカ(株)の鸙野(ひばりの)さんです。
鸙野さんお勤めのシロカ(株)はキッチン家電及び関連品の開発卸を行っています。
中国にある関連会社の工場でオリジナル製品を製造し、国内の家電量販店や雑貨屋、ホームセンターなどに販売しています。
当社は海外の製品を日本向けにカスタマイズする商品企画力や、広告を使用しないことや商社を通さないことで良い製品をお求めやすい価格で販売できることに強みを持っています。
鸙野さんは現在25歳で当社に入社して3年目なのですが、入社1年目からトップスピードで業績を上げています。
目標達成できるのが社員の中で1/3程度という目標設定を行っている当社で1年目から目標達成。
2年目の目標達成率はなんと『138%』を達成し、2年目にして社内“NO.1“を獲得したのです。
では、家電量販店やホームセンターのバイヤーに対して、どのような営業を行っているのでしょうか?
その秘密を探ってきました。
■バイヤーが求めている情報とは
水田「鸙野さん、営業で成果を上げるためにいつもどのような点を意識されていますか?」
鸙野氏「私はいつもバイヤーよりも情報を持っていたいと思っています」
水田「なぜ、バイヤーよりも情報を持っていたいと思うのですか」
鸙野氏「バイヤーはいつもネタを求めています。情報を持っている営業マンはバイヤーから求められますが、情報を持っていない営業マンはバイヤーから相手にされません」
水田「なるほど、ではどのような情報をバイヤーは求めていますか?」
鸙野氏「当然、売れそうな商品の情報を常に求めています」
水田「その売れそうな商品ですが、どのように情報提供しているのですか?」
鸙野氏「提供する情報は2種類あって、1つは新商品のトレンド情報、そしてもう一つは成功事例です・・・」
■新商品情報が集まる驚くべき情報収集術
鸙野氏「まず、新商品の情報という点からお話しします。バイヤーというのは常に未来の情報を欲しています。常にトレンドを知りたいと思っているのです」
水田「なるほどそうですよね。常に最先端の情報をつかんで売れる商品を投入したいと思っているはずですよね」
鸙野氏「はい、そうです」
水田「では、どうやって最先端の情報を鸙野さんはつかんでいるのですか?」
鸙野氏「実は、なんだかんだ言って、その情報をいち早くつかんでいるのはバイヤー自身なんです」
水田「??? じゃあ、どうするのですか?」
鸙野氏「色々なバイヤーから最新情報を引っ張ってストックし、他の商談の情報源泉として活用するのです。ただ、バイヤーも『教えて下さい』と言って簡単に教えてくれるものではありません。情報を提供(共有)するに値する営業マンと認識してもらうのが必要なのです」
水田「それってどうするのですか?」
鸙野氏「まずやることはITメディアや家電ウォッチなどのWEB情報から毎日、10社以上の競合製品の新商品をチェックします。これは毎朝の通勤電車で日課のように行っています」
水田「なるほど」
鸙野氏「ただ、こういった情報は既にバイヤーも知っているためバイヤーへの有益な情報にはなりません」
水田「じゃあ、あまり意味がないんじゃないですか?」
鸙野氏「意味がないことはありません。こういった情報に常にアンテナを張って雑談ネタにすることで、相手が同じレベル感、スピード感で情報を取っていると感じてもらえるのです」
水田「そうなると、どうなるのですか?」
鸙野氏「同じレベル感、同じスピード感で情報を取っていると感じてもらえれば、今後 有益な情報を提供してくれるのでは?と認識してもらえます」
水田「ほう!」
鸙野氏「そうなると、相手が持っているメーカー情報を話してもらえやすくなるのです」
水田「なるほど、相手に感度の高い営業だと認識してもらうことで情報が集まってくるという事ですね。そして集まった情報を展開することで更に情報が集まるサイクルになる訳ですか!」
鸙野氏「そうなんです。だから私は欠かさずにまずはWEBから競合メーカーの新商品情報を毎日収集しているのです」
水田「じゃあもう一つの成功事例というのは、どのように提供されているのですか?」
■社内でNo.1の情報通になるための情報収集術
鸙野氏「成功事例というのは、他部署から収集してきます。うちの会社には小売店に販売する事業部だけでなく、通販会社やギフト店に販売している事業部もあります。そちらの事業部で目立った売上を上げた企業を担当している他の営業マンに成功事例を聞くのです」
水田「その成功事例を小売店に伝えても、通販業界だからうまくいってるんじゃないの?とかバイヤーに言われないですか?」
鸙野氏「そうですね。そう言われないようになぜ売れたのかを自分なりに分析していくのです。そしてその売れている商品を少しコンパクトにしてみたり、価格を安価に抑えるなどの変化を付け、+αの提案するのです」
水田「しかしそれでも信用しないってことはないですか?」
鸙野氏「確かに信用しないこともあるかもしれませんが、何の裏付けもない商品を提案されるよりは余程マシだと思います。売れる根拠が全くないよりも多少、仮説であっても根拠があった方がバイヤーも安心でしょう」
水田「確かにそうですね。じゃあその成功事例を収集するために何か工夫されていることはありますか?」
鸙野氏「そうですね~、う~ん、周りの人から情報を貰う以上に私から情報を発信していますかね」
水田「といいますと?」
鸙野氏「何か役に立つ現場情報を拾うことができれば、別に頼まれていなくても周りの人に情報提供するようにしています」
水田「へ~、すごいですね」
鸙野氏「情報は鮮度が命です。インプットしたらすぐにアウトプットするように習慣づけているのです」
水田「ちょっと面倒くさいことだと思いますが、よく続けられますね」
鸙野氏「昔、尊敬している先輩がやっていたことなんです」
水田「その人ってトップセールスですか?」
鸙野氏「はい、私の師匠みたいな方でその人がいつもやっていたことをマネているんです」
水田「へ~~」
鸙野氏「面倒なことなんですが、情報を発信することで周りから『具体的な証拠がないとその情報は役に立たないよ』とかフィードバックを貰えるのでどうやって情報を収集すべきかが分かるようになってくるメリットがあります」
鸙野氏「それに情報を発信すればするほど、周りから情報を貰えるようになるので、結果的に情報発信することが情報通になるために必要なんです」
水田「おおおおおーーーー」
今回のインタビューは情報を得るための本当に価値の高いノウハウを公開していただきました。
「最先端の情報を集めている人」に最先端の情報が入ること。
「情報を発信する人」に情報が集まってくること。
求める姿勢が情報を呼び、その情報を発信することで更に深い情報が集まるサイクルになる。
情報というものを武器にしているコンサルタントという職業ではこのノウハウはよく理解ができます。
そして情報を武器にしなければならないコモディティ商品(どこでも買える商品)を取り扱っている企業や営業マンは今回のインタビューで大きな突破口を手に入れたのではないでしょうか。
タイトルを付けるとすれば、「情報力で他社に打ち勝つ!究極の情報収集術」
本当にこのノウハウを無料で提供しても良いのかな?と若干私は思っています・・・
■水田チェック
今日のノウハウについてはもうあまり解説する部分はないと思います。
あと、付け足していえるとすれば情報というのは発信するというプロセスを得ることで、頭の中が整理されより深い理解を得ることができます。
理解を更に深めることにより、より深い見解を述べることができるようになります。
そして深い見解を述べることにより、その情報に吸い寄せられるようにより見識のある方が集まり、また深い情報を得ることができるようになるのです。
あなたが何かの専門性を得たいとお考えであれば、まずはその情報を欲している姿勢を周りに見せてください。
そしてその情報を自分の中にだけに留めずに、是非周りの方に発信してみてください。
その情報を発信することで情報の好循環サイクルが回り、いつの間にか専門家になっていると思います。
■インタビュー企業
社名:シロカ株式会社
住所:東京都千代田区神田神保町2丁目4番地
TEL:03-3234-5490
URL:http://www.siroca.co.jp/
2016年11月16日トップセールスインタビュー