第3回リアルトップセールスインタビュー

第3回のリアルトップセールスインタビューは電算システムの柴田さんです。

過去に大手システム会社で営業を行っていた時に、提案書を提出した案件に対して40戦39勝成約率97.5% と常人ではできない記録を打ち立てた人物です。

年間予算が4億円に対して7億円の実績をたたき出し、予算達成率が175%という大幅達成を3年間継続したのです。

今も電算システムで営業支援システムを販売しているバリバリの営業マンです。

■売るための秘訣とは?
売るための秘訣を単刀直入にお聞きしました。

売るための秘訣、それは

「売ろうとしない」

ということです。

売るのではなく、お客様の価値を最大にすることに努めることに力点を置くのだそうです。
そしてお客様の価値を最大にするために欠かせないことは「お客様を徹底的に知る」ということです。

お客様のニーズは、お客様にとって本当に必要なものでないケースがほとんどでそのニーズを修正してあげることが営業マンとしての役割なのだとおっしゃっていました。

お客様にとって本当に必要なものを知るためにいつも3段階のヒアリングを実施しているようです。
まず、第1段階は「ニーズ」を聞く、第2段階はニーズの元となっている「課題」を聞く、そして第3段階は、その課題を発生させた「問題」をお客様にヒアリングするということです。

システムの販売も今は機能で差別化することは難しく、他社との差別化を図るためには、「この業者がいちばん理解してくれている」と思っていただけるかどうかだということです。

そしていちばん理解してくれる業者だと思っていただく方法として、この3段階ヒアリングを徹底しているのです。

そして3段階ヒアリングと同様にもうひとつ重要視していることが「キーマンに会う」ということです。

柴田さんはどのような企業規模であっても社長と会うということを第一に考えています。

企業規模がかなり大きな企業ですと、事業部長などが決定権者の場合もありますが、それでも社長とお会いすることでキーマンを特定できたり、キーマンへのプッシュにもなるため、まず企業のトップである社長にお会いすることにこだわっているというのです。

柴田さんの経験からトップへアプローチする方法が結果的にもっとも商談プロセスを縮めることに効果的ということを感じてのことなのだそうです。

■成果を上げるために心がけていることは?
「徹底的に事前準備をする」ということだそうです。

初めてお会いする企業様であれば、HPから「今期(中期)の経営方針」「IR情報」「社長の言葉」「取扱商品」などの情報をくまなく確認し、その情報から対象企業がもっていると思われる問題点を想定して面談に望むのだそうです。

特に「初回面談の印象ですべてが決まる」ということを経験値で認識しており、初回の事前準備の徹底振りには驚かされるところがあります。

そして事前の情報収集を徹底することで、ある法則も見つけ出しているようです。

それは、以下の条件が重なると変革意欲が旺盛でシステム投資をする可能性が高いということなのです。

その条件とは
1.リーマンショック以後に大きく業績を下げている
2.その後に少し業績を回復させている
3.少し業績が回復した後、頭打ちとなり業績が横ばいになっている
4.2の業績の回復が自助努力によるもの
なのだそうです。

お客様を知ろうという執念がこのような法則まで導き出してしまう力になっているのです。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
それは最初の勤め先での先輩営業社員に同行したことが大きなきっかけになったようです。

今ではシステムの販売を行っている柴田さんですが、いちばん最初に行った営業は、百貨店の外商だったそうです。

富裕層に対して、宝石・絵画などの高級品を営業して販売していたとのこと。

そこで出会った先輩社員の営業に同行したところ、まず驚いたのが前日にスーツでなく、「軍手・ジャージ・スニーカーで訪問先にこい」という指示があったそうです。

そこでその姿で訪問先に行くと先輩社員も同じ格好をしており、その先輩社員はせっせと訪問対象先のご自宅で庭の手入れをし始めたそうです。

その時間はおよそ5時間、営業をかける訳ではなく、ただお客様の庭を丁寧に手入れしていたそうです。

その姿を、家に帰ってきた見込み客が見て、その先輩社員に少し話をした後、すぐに注文を出したそうです。

また、他にも息子にアイススケートの習わせるのに、オリンピックに出場した経験のあるコーチのもとでやりたいという見込み客の声を聞けば、そのコーチを探し出し紹介することで1000万円のピアノを受注するなど、まったく営業をしていないにも関わらず商品が売れている様をみてあることに気づいたというのです。

それは、商品を売り込まなくてもお客様は商品を買ってくれるという事実があり、そのいちばん大きな要素は「信頼関係」だという気づきです。

この気づきが「売ろうとするのではない、お客様の役に立つ」という信念を確立した源になっているのです。

■水田チェック
柴田さんの営業マンとしての強さは「共感による信頼関係の構築」にあるのではないかと考えています。

HPなどの情報源から仮説をたて、お客様に幾度となく問題提起をし続けて、その仮説を検証することにより、仮説力が上がり、今となっては顧客があまり状況を説明しなくても問題を発見できるようになっているのではないかと思います。

よく霊能者が会ったこともない人の過去や抱えてる問題を言い当てると、言い当てられた人と霊能者との間で一気に信頼関係が築かれるのと同じように、お客様が自社の問題を伝えていない中で、柴田さんが言い当ててしまうことで信頼関係を高速で築いてしまっているのではないかと思います。

それができるのも常に事前準備を怠らず、仮説をたてて商談に挑んだ経験がなせる業ではないでしょうか。