【第66回リアルトップセールスインタビュー】 不動産業界 松岡様

第66回のリアルトップセールスインタビューは不動産業界にお勤めの松岡さんです。

 

今回、ご紹介する松岡さんの仕事内容は賃貸物件の斡旋です。

 

店舗に来店されるお客様のご要望をお伺いし、条件に合う物件を探してご提供していく不動産の仲介業です。

 

今回は訳あって会社名は明かせませんが、営業担当者が120~130名程在籍している企業で松岡さんは入社当初から高い業績を上げています。

 

その実績は、2年目にいきなり売上2位!そしてその翌年も2位!そして今期はまだ期の途中ではありますが、現時点で1位!!!なのです。

 

また、当社では3年連続でトップ3に入った営業担当者は過去におらず、今回ベスト3に入れば当社では唯一の存在になるのです。

 

そして驚くべきは、その成約率の高さ。

 

成約率はなんと驚異の75%!

 

来店型の営業スタイルでは、この成約率の高さが売上に直結します。いわば、成約率が成績上位に食い込むための大きな要素になります。

 

(ちなみに、成約率70%を超える営業担当者は社内では上位10名のみ)

 

では、この成約率の高さをどのように確保しているのでしょうか?

 

その秘密を探ってくるべくインタビューを実施してきましたのでご覧ください!!

 

 

■多くの営業マンの失敗

この成約率の高さを維持している要因を探るべく、まずは他の営業マンとの違いをお伺いしてきました。

 

水田「松岡さんと他の営業マンの違う点といえば、どういった点にあると思いますか?」

 

松岡氏「後輩などを見ていてよく思うのが、お客様の不安、不満、不都合を解消しないまま、話を終えていることが多いと思います」

 

松岡氏「お客様の不安、不満を解消しないまま、一旦申し込みを頂いたとしても契約の段階で流れることも多く、不安や不満を残さないことが営業マンに求められます」

 

水田「そうですか。でもお客様ってなかなか本音を語ってくれないと思いますが、何か本音を聞き出す方法ってあるんですか?」

 

松岡氏「そうですね。お客様は不満を感じていても口に出さない場合がありますし、あともう一つ気をつけなければならない点は、イメージがあいまいなままで条件を提示されるお客様が多いことです」

 

水田「イメージがあいまい?」

 

松岡氏「はい、条件として提示した内容にそこまで深い意味がなかったり、イメージだけで口にしていたり。例えば広い部屋が良いというご希望が『3LDK』という言葉になるみたいなイメージですかね」

 

水田「なるほど、では松岡さんはどうやってお客様の本音を聞き出しているのですか?」

 

松岡氏「う~ん、そうですね。こんな感じですかね」

 

 

■相手の本音を探る質問話法

松岡氏「まず、私がお客様から条件をお聞きするにあたって『お客様が口にする条件に全てあう物件などほとんどない』という大前提があります」

 

松岡氏「表面上の条件を拾って、物件を探してもほとんどご提供できるものがないのです」

 

水田「そうですよね。物件は限られていますから」

 

松岡氏「はい、であれば妥協できるポイントはないのか、今、口にしているニーズは本当に必要なのかを質問していきます」

 

水田「具体的にはどんな感じですか?」

 

松岡氏「例えば、築3年以内というニーズがあれば築年数は経っているがリノベーションしていたらどうなのか、とか、3LDKを希望されているお客様であれば広い2LDKでは検討の範囲外なのか、などです」

 

水田「あえて、別条件を提示する訳ですか?」

 

松岡氏「はい、そうです。お客様が口にした条件とはあえて違う条件を提示してみます。違う条件を提示すると徐々にお客様の本当のニーズが見えてくるのです」

 

水田「なるほど、あえて別条件を提示する。おもしろいですね」

 

松岡氏「あえて別の条件を提示することによってお客様の本当のニーズが聞けるだけでなく、お客様のあいまいなイメージが徐々に具体的になっていきます。そしてイメージが具体的になっていくことによって条件の優先順位も確認しやすくなっていくんです」

 

水田「へ~、なるほど!」

 

・・・・

 

・・・・

 

お話を聞いていたこの瞬間には気づかなかったのですが、後々、考えるとこのヒアリング方法は営業マンとして理想的だと言えます。

 

あえて違う条件を提示するという事は、相手が思いついていなかったことを教育することになります。

 

例えば、先程の築3年の物件に住みたいというのは、本心はきれいな家に住みたい。

 

そのきれいな家に住みたいという欲求を満たすためには、新築ではなくリノベーション物件という選択肢もあることを教育している。

 

お客様側からすると、その違った視点(専門的な視点)を教育されることで営業マンを専門家として認識します。

 

専門家として認識されれば「権威」の心理効果により、商談の主導権を握ることができる。

 

また、その教育するという方法を質問形式で事前に行っていることも秀逸です。

 

例えば、ヒアリングしている時は築3年以内と聞いていたあとに、物件を紹介する段階で、

 

「リノベーション物件でしたら新築ではないですが、新築と変わらないのでこちらでいかがですか?」

 

と言われても説得された感が否めません。

 

これでは意思決定に迷いが生じます。

 

しかし、事前にヒアリングの段階でリノベーション物件という選択肢があることを提示し、選択してもらう姿勢を取ることで、説得された感が全くなく、専門家というイメージだけを残すことができるのです。

 

今、思い起こすとシンプルでありながら恐ろしい手法です。

 

というか、これだけの効果を発揮させて、かつ、ここまでシンプルな方法があったでしょうか?

 

 

■このヒアリング方法が確立した背景

なぜ、松岡さんはこのようなヒアリングをするようになったのでしょうか?

 

その背景を確認するとおもしろいお話が聞けました。

 

松岡さんは入社1年目に新入社員として配属になった店舗の店長が、このヒアリングスタイルにすることに大きな影響を与えてくれたとおっしゃっていました。

 

その店長というのは、当時1位の営業マン

 

商談に同席すると、当初お客様が発していた条件とは違った条件にも関わらず、お客様は契約している

 

そんな姿を見て営業を学んだそうです。

 

そしてその店長が鬼のように厳しい店長だったそうで、松岡さんがお客様との条件交渉がうまくいかず、その報告を店長にすると、

 

店長「●●は聞いたのか?▲▲の条件ではダメなのか?・・・・・・?」

 

と質問攻め。

 

そして聞けていないことに対しては「もう一度聞いてこい!」という指示が・・・

 

 

 

一旦、交渉を終えたお客様に改めて聞き直すと、非常に気まずい雰囲気になります。

 

その気まずい雰囲気を味わう事を嫌い、店長の鬼の質問を掻い潜っている間に、このヒアリングスタイルを身につけたというのです。

 

ケガの功名?いやいや素晴らしい教育を受けられたのだと思います!

 

そんな苦労を積み重ねて得たノウハウにも関わらず、このリアルトップセールスインタビューでご提供いただき本当にありがとうございます!

 

 

■水田チェック

今回の違う条件をあえて提示するという方法は、シンプルでありながら強力な方法だと思います。

 

本文にも記載しましたが改めて効果を整理すると

 

1)本音を聞き出すことができる

2)お客様のイメージを具体化させることができる

3)条件の優先順位が分かる

4)権威の心理効果

5)説得された印象を与えない

 

などです。

 

そして、この方法を活用することで得られる効果はもう一つあります。

 

それはお客様に与える「安心感」です。

 

 

 

例えば、お医者さんに症状を、口頭で2,3確認されただけで風邪と断定されるより、聴診器、触診、喉の状態を見られた後で風邪と診断された方が安心できます。

 

あらゆる可能性を確認された上で、出てきた答えの方が同じ答えであったとしても安心できるのです。

 

松岡さんの違った条件を提示し、漏れなく確認する作業は、まさにこの作業そのもの。

 

漏れなく確認してくれている姿勢がお客様に安心を呼び、そしてその安心感が高い成約率へと導いているのではないかと思います。