第9回リアルトップセールスインタビュー

伊藤さん

第9回のリアルトップセールスインタビューは日立ソリューションズの伊藤さんです。

伊藤さんは企業に対してグループウェアやセキュリティに関するシステムを直販及びパートナー販売をしています。

商談単価は数百万から数千万円と非常に大きく、どうしても実績に波が出やすい業態の中で、なんと3年連続予算を達成しております!!

3年連続予算を達成しているのは全営業の中でもトップ2割程度、しかも今期の上半期も予算達成見込みと4年連続での予算達成に王手をかけております。

また、ある業種向けの直販案件としてチーム内で過去最高の大型受注に貢献した経験もあるリアルトップセールスマンです!!

■売るための秘訣とは?
伊藤さんに売るために秘訣をお伺いしました。それは、、、

「チームプレーに徹する」

です。

伊藤さんの取り扱う商談は、商談規模が大きく、案件発掘からプレ提案、本提案、受注後のフォローなど1人ですべてをこなそうとすると大変な作業になります。

しかし、営業というのは手掛けた案件を受注にまで持っていくプロセスをすべてこなすことが仕事と考えがちな中、伊藤さんは自分の役割をしっかり認識して「任せるものは任せる」という強い信念を持っています。

自分自身の役割は「案件発掘」に特化して、発掘したあとのプロセスはサポート部隊やSEなどの社内の人材に徹底的に協力を仰いでいるのです。

このように案件発掘のプロセスに自分自身の時間を特化させることにより、案件量が圧倒的に豊富になり、成約率が他の営業よりも低くなったとしても十分に補えるだけの案件が準備できるようになったとのことです。

しかし、世の中には仕事の質が落ちてしまうことを懸念したり、楽していると思われたくないという感情から、なかなか仕事を任せられない人がいます。

そんな中、任せる技術についてお尋ねしたところこんな答えが返ってきました。

私は「のび太戦略」を使っているとのことです。

「のび太戦略」とは、のび太君がドラえもんにお願いするがごとく、頼む戦略なのだそうです。

私は感心しながらも、「のび太君のように泣きながら弱々しくお願いするのかなぁ?」と考えていましたが、話をよくよく聞いてみるとまったく別物でした。

「のび太戦略」とは、ただ単に「のび太君のように泣きながら弱々しくお願いする」のではなく、自分一人では解決できない状態を素直に認め、解決できる人とフォーメーションを組んで、あらゆる難題を解決する在り方のことなのです。

もちろん、一人一人が頑張るのは当然です。

しかしながら、それではどんなに頑張っても「一人力」の力でしかありません。一人でやれる仕事に大きな仕事はなく、チームとして機能することで初めて1+1が3にも4にもなるのです。

目的は、個人的な達成感を得ることではなく、チーム全体の、ひいては自分がお世話になっている会社全体としての成果の達成なのです。

その点を、のび太君がドラえもんにお願いするがごとく、「心の叫び」として相手に伝えるのです。

伊藤さんは予算達成に完全に焦点があたっています。

予算を安定的に達成するためには、各々が役割を十分に認識して、本当にやるべき仕事に特化すべきという信念があります。

そして仕事をお願いするときは、正論を語って話すこともあれば、情に訴えかけることもしています。たとえ、相手と言い争いになっても、共通の目的を見出し、その点にフォーカスを当て、粘り強く周囲を口説いて周ります。

本来であれば、もう面倒なので自分でやってしまおうと考えてしまいますが、安定的な予算達成にはチームプレーが不可欠であり、予算の絶対達成に焦点が当たっているため、いっさいブレない姿勢に周りが折れていくようなのです。

「信念の勝利」です。

自分自身の役割を使命に転換し実践することこそが、伊藤さんの売るための秘訣なのです。

■成果を上げるために心がけていることは?
伊藤さんは数字の積み上げ方に自分自身の理論を持っています。

その理論とは、予算達成させるための数字のベースは既存顧客で作り、余力で新規を行うということです。

伊藤さん曰く「人類史を俯瞰すると、まっとうなやり方で長期的全体的に豊かになるには、このやり方しかないように思えるんです。それに気づくのに時間が、かかり過ぎました(笑)。」とのお話です。

今の仕事は基本的には新規開拓チームです。数字のフォーカスも新規に偏りがちです。

営業マンとしては、1件でかい新規案件を受注すると目立つので、そのような華やかな活動に集中しがちですが、華やかさだけを追い求めていると安定的に予算達成することはできません。

うまく行けば予算達成、うまく行かなければ予算未達成というバクチ打ちのような営業活動に終始してしまいます。

伊藤さんは「常に予算達成」をするために、ベースの積み上げが必要不可欠であることを認識しているため、安定的な受注構造となる既存顧客からのストックビジネス(保守費用)の維持、積み上げを常に意識して既存客へのフォローも欠かさずに行っているのです。

通常の営業マンは案件発掘から受注までのプロセスを一人でやっているケースも多く、新規開拓に時間を費やすと、既存顧客のフォローに時間を割くことができなくなります。

しかし、伊藤さんはチームプレーを徹底し、活動時間のほとんどを案件発掘だけに費やしているので、既存顧客へのフォローも十分にできる体制になっているのです。

また、既存顧客も1回だけの取引だけでなく、他にも販売できるポテンシャルはいくらでもあります。

定期的なフォローを行うことでストックビジネス(保守費用)の維持だけでなく、クロスセルからの拡販も行い、安定した予算達成を実現しているのです。

実際に、同じ部署で既存のお客様からクロスセルのリピートオーダーをいただいているのは、伊藤さん以外には、ほとんどいらっしゃらないご様子です。

結果として、営業スタイルを変える前より、残業は減らせたにも関わらず、成果は出せるようになったそうです。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
伊藤さんが新規開拓チームに居ながらも既存顧客のフォローを重要視するきっかけとなった出来事がありました。

それは過去に数億円規模の大型の受注をした時のことです。

その受注金額は当時かなり大きな金額だったようで、その受注に社内は喜んでいたようです。

しかし、そのシステムがお客様に導入された直後、、、

大きなトラブルが発生したのです。

チーム営業だったとは言え、直接の担当者だった伊藤さんは、そのお客様の会社にほとんど張り付いてトラブル解決ために奔走しました。

その期間はなんと5ヶ月です。

しかし、5ヶ月間必死のフォローの甲斐あってなんとかトラブルを解決することができたのです。

そしてそのトラブルに対する真摯な姿勢にお客様からの信頼を得ることができ、トラブルを発生させたにも関わらずこの後に更に大きな金額の発注をいただいたのです。
(その時の受注金額が過去最高となる受注金額を記録した案件です)

本来ならシステムトラブルの原因は自分ではないので、「何でオレが・・・」という気持ちも多少あったのですが、それでも当時のチームで必死に開拓したお客様なので、やはり営業担当者である自分がすべての責任を負うことは当たり前だと考え直し、トラブルに対処したのです。

このトラブルの対処からお客様に喜んでいただいたことがきっかけに、お客様とは1度きりの関係ではなく、生涯付き合っていく気持ちでビジネスをしなければならないと思い直したそうです。

このきっかけから、既存顧客のフォローも大切に行うようになり、その行動が予算達成をする上でも大きく寄与していることは前述の通りです。

■水田チェック
伊藤さんの強さの秘訣は何といっても「選択と集中」にあると思います。

自分がやらなければならない業務、予算を達成するためにいちばんの重要な活動にフォーカスしていることです。

その役割をきっちり担うために、私情を捨て使命をまっとうしているからこそ、最高のパフォーマンスが出せているのだと思います。

なかなか分かっていてもできないことですが、それを割り切ってブレずに実行していることがすばらしいところだと思います。

ここ最近、自分の生産性ばかりを上げようとしていた私には大きな衝撃があったインタビューでした。

自分の役割を考えてどこにフォーカスすべきかを改めて考えたいと思います。