第12回リアルトップセールスインタビュー

田畠さん

第12回のリアルトップセールスインタビューは宗重商店の田畠さんです。

田畠さんは工務店や建設会社に対して、一般住宅やビル・工場などの解体工事の案件を受注する営業を行っております。

今回の田畠さんは、なんと社外の社長からの推薦でインタビューをさせていただいております。

そしてその社長と田畠さんとの関係は、取引先なのです!

これは、営業マンとして一番の評価ではないでしょうか。お客さんからあの営業マンはすばらしいから紹介すると言われているのです。

その社長に田畠さんのすばらしさをお伺いするとこのような返答がありました。

1. 問合せのレスポンスが早い
2. 気が利くので何でも先回りしてやってくれる
3. 誰に対しても丁寧な応対をする
でした。

そしてこのような表現をして田畠さんを賞賛していました。

「解体業界にリッツカールトンのホテルマンが来た」

そんな賞賛を受けている田畠さんに営業の秘訣をいろいろとお伺いしてみました。

■売るための秘訣とは?
田畠さんの売るための秘訣とは、、、

「あいさつをしっかりする!」

でした。

文章で書くとあまりインパクトがありませんが、田畠さんに会うとそのインパクトは絶大なものです。

私がこれまで会った営業マンの中で「1番」ではないでしょうか。
挨拶をされた瞬間にめちゃくちゃ好印象を持ったのです。

「大きな声」「満面の笑顔」「礼儀正しい姿勢」など本当に一流のものでした。

田畠さんに挨拶になぜこだわられているのかをお聞きしたところ、解体業といのはイメージが悪い業界なのでそれを払拭するためには、まずは挨拶が重要だとおっしゃっていました。

「人の印象は、最初の3秒で決まる」という言葉を実践に移し、最初の印象にこだわりにこだわりぬいているのです。

他の営業マンも当然、印象の良い方はいます。しかし、印象が良いといっても社交辞令的な要素はなかなか抜けないので、どこかに硬さは残ってしまいます。

しかし、田畠さんの挨拶はまったくその社交辞令的な要素が感じないのです。

とはいえ、人は感情に左右される人間です。気持ちが落ち込んでいる時にはやろうと思ってもなかなか元気な挨拶はできないものです。

そこで田畠さんにモチベーション維持の秘訣があるのではないかと思い、モチベーション維持の秘訣をお伺いしました。

返答は一言

「ない」

でした。

田畠さんは、「それは仕事としてやるべきことであり、こちらの気持ちがどうという話ではない」とこのことでした。

なるほど、挨拶をミッションにまで落とし込んでいるからこそできるのだと改めて感じさせられました。

そして、この基本中の基本と言われる挨拶にここまで追求することで、営業としての圧倒的な差別化ができることも改めて感じたしだいです。

あるトップセールスの行動指針にもありました。

行動指針のABC→A(当たり前のことを)B(バカにせず)C(ちゃんとやる)

もう一度徹底したいと思います。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために田畠さんが心がけていることは、

「お客さんとの会話で必ず自分の方からプライベートな話をする」

とのことです。

プライベートな話を自分の方からすることで、場の雰囲気が和み、相手がいろいろと話してくれるようになるので商談がスムーズにいきやすくなるとのことです。

これは自己開示が及ぼす「類似性」と「好意の返報性」の効果ですね。

人は似ている人に好意を持つ心理があります。
出身地が同じだったり、育った環境が同じだったり、年齢が同じなど、共通した事柄があると相手に好意を持ちやすくなります。

また、自分からプライベートな話をすることで「好意の返報性」も発生しており、場の雰囲気が和んでいるのだと思います。

そんな田畠さんですが、営業になりたての時は、ほとんど仕事の話しかしなかったようです。

しかしある日、お客さんを連れて解体現場まで行くきっかけがあったことで「自己開示」の重要性を感じたのだそうです。

それはこのような出来事でした。

ある解体現場にお客さんと一緒に行かなければならなくなったのですが、解体現場には駐車場がなく、2台の車ではなく、田畠さんの車にお客さんを乗せていくことになったのです。

最初は、仕事の話をしていたのですが、徐々に話すこともなくなり、無言の時間が続いたそうです。

その気まずい雰囲気に耐えられなくなった田畠さんは、思わず「私、金沢出身なんですよ」と、出身地の話をしたところ、そこから会話が弾み、車中の気まずい雰囲気を脱することができたそうなのです。

その時の気まずい雰囲気は今でも鮮明に覚えているぐらいで、この日以来、必ず自己開示してお客さんと仲良くなることに努めているようです。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
田畠さんがこのようなすばらしい応対、明るい印象を人に与えるルーツがどこにあるのかをお伺いしました。

水田「社会人で何かきっかけがあったのですか?」
田畠氏「いえ」
水田「中学・高校の時は暗かったとか」
田畠氏「その頃から結構こんな感じでしたね」
水田「う~ん、生まれつき?ですか」
田畠氏「そうかもしれません、私は石川県の能登で育った田舎者ですから」
水田「・・・・」

田畠さんの底知れぬ明るさは、生まれ育った環境がそのようにさせたようです。

田畠さんが子供の頃は、近所の人が当たり前のように話しかけてくる環境で、時にはよく知らない人の軽トラに乗せてもらってある目的地まで連れて行ってもらったりする程、オープンな環境で育ったようです。

そして父親もずば抜けて明るい人だったようで、(詳しくは話せないのですが)普通の人が体験すれば、不幸のどん底と思えるような出来事に遭遇しているのに、「何とかなるだろう」で切り抜けてきたそうなのです。

その遺伝子を引き継ぎ、田畠さんの口癖も「何とかなるだろう」を連呼しているらしく、どんなピンチがきたとしても「何とかなるだろう」の一言であまり気にしない性格だそうです。
時には、本当に何ともならない時も、「何とかなるだろう」と言うので部下も困っているとのことです(この情報は社内の人から入手)

■水田チェック
今回の田畠さんのインタビューで大きなことを気づかされました。

と言うのも、田畠さんの凄さは正にここにあると思います。

それは、、、「一点集中」

世の中には色々なスキルがあります。高度なスキルや目新しいスキル。
誰もがそのような目新しさに注目を集めがちですが、そのようなスキルを身につけなくても、ひとつのことにこだわり続けることで圧倒的な差別化を生むことができるのだということです。

冒頭にご紹介した社長以外にも、社内の朝礼で田畠さんを例にあげている社長もいる様子です。そして、同じエリアを営業している部下の方も、お客さんのところに行くと必ず田畠さんの話題がでるらしく、圧倒的なインパクトを与えているようなのです。

商品での差別化がしづらくなっている昨今、最初に思い出され、声を掛けられる営業になるかは非常に重要なことです。

そんな時代に小難しいことをやるのではなく、「挨拶」という一点に絞込み、磨きをかけてることで十分な差別化要因になるということなのです。

これは営業マンだけでなく、企業にも言えることかもしれません。

本当に勉強になりました。