第18回リアルトップセールスインタビュー

藤本さん

第18回のリアルトップセールスインタビューは日立メディコの藤本さんです。

藤本さんは医療機器の販売を行っており、お客様は病院に勤務しているドクターや技師さんになります。

藤本さんは営業総数が300名いる同社の中で、“唯一”「19期連続!!!※」の予算達成をしている人物なのです!!
※半期で1期とカウントするため年数換算で9年半

こんなに長期間、まったくブレることなく、予算を達成するのは超人的な領域です!

今回は、同社の営業企画室の室長代理からのご紹介ということもあり、支店規模ではなく、全国規模で目立つ存在であるトップセールスなのです!!

そんな藤本さんに今回もトップセールスになるための極意をお聞きしてきました!!

■売るための秘訣とは?
売るための秘訣・・・それは・・・

「会う価値のある人間と思わせること」

だそうです。

医療関係の方はよくご存知だと思いますが、藤本さんが相手にしているお客様はドクターです。

ドクターといえば、いつもオペや外来などで常に忙しく仕事をしている方々です。
そのような方々に、話を聞いてもらう時間を割いてもらうのは至難の業です。

私も医療関係の営業マンに同行したことがありますが、オペが終わり医局に入るまでの通路で歩きながら話しかけるMRや医療機器営業の姿は、他業種の営業活動とは違い、異様な雰囲気だったことを覚えています。

ほとんど話を聞く時間を取ってもらえない上に、その少ない時間を他のMRや医療機器営業との取り合いになることも考えると、医療関係の営業マンって本当に大変だなぁと思います。

そんなお客さん(ドクター)に時間を取ってもらうのが難しい業界で、重要なことは「会う価値がある人間だと認識してもらうこと」と藤本さんはお話されました。

「会う価値がある」と認識されると、非常にアポも取りやすくなる上に、急に訪問しても会ってもらえる可能性は飛躍的に上がるのだそうです。

では、ドクターに「会う価値がある」と認識してもらうためにはどうすれば良いのかとお尋ねしたところ、このような回答が返ってきました。

「人脈情報を提供してあげる」のだそうです。

人脈情報というのは、他の病院のドクターの動向を伝えることです。

ドクターが興味関心を惹くのは他のドクターの動向であり、「目指しているドクターの動向」「自分の専門としている分野の権威のドクターの動向」「ライバル視しているドクターの動向」などは、興味関心を湧きたてる一番のネタになるそうなのです。

ドクターも最新の技術をキャッチアップしたい欲求もありますし、ライバル視しているドクターには負けたくないという欲求もあります。

その欲求を刺激することで、会う可能性を高めているということなのです。

会うことが難しい相手に、頻繁に会うことができるようになれば、案件を拾う確率は飛躍的に上がります。

多忙なお客様ほど、商品を吟味する時間は少ないため、ニーズが発生したときに、いかにタイミングよく、目の前にいるかは、かなり大きなポイントになります。

藤本さんは人脈情報を提供することで、他の営業マンと比べて接触頻度を高く保てるため、他の営業マンよりも案件を拾ってくる数が多くなり、必然的に成約の数も増えているのではないかと思います。

ただ、人脈情報を提供するときには気をつける点もあると藤本さんはおっしゃっていました。

毛嫌いしているドクターの話を持ちかけると、逆に機嫌が悪くなるドクターもいるため、何気なく話をフリ、顔色が曇ったり、話題を変えられたりした時は、そのドクターの話は振らないようにしているそうです。

そんな微妙な駆け引きを続けながら、ドクターに価値ある存在と認識させ、そして受注を量産しているのだそうです。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

「1年後を想定して営業活動をすること」

とおっしゃっていました。

目の前の刈り取りばかりを考えて営業をしていると苦しいばかりですし、売りのにおいがしてしまうのでお客さんからも嫌われます。

今すぐ数字にしなければならないと考えて営業するのではなく、1年後の数字を着実に積み上げる感覚で営業を仕掛けるのがコツだそうです

但し、短期的な数字を追う仕事をまったくやらない訳ではありません。

当然ながら、短期的な数字も追いかけます。

しかし、その比率が人よりも圧倒的に少なく、常に1年後の案件固めの動きに重きを置いて営業活動するように意識をしているのだそうです。

この活動が習慣づいてくると、翌年の期首には今期の案件が既に積みあがっており、短期的な案件を追いかける必要性は少なくなり、また来期の案件獲得の動きができるとのことなのです!

1年後の話など、ほとんどの営業マンが近くなってからまた確認すれば良いかと考えがちになりますが、藤本さんは1年後の案件の話を現時点から着実に進めていくのです。

1年前からしっかりと唾をつけておけば、いざその時が来た際に他の営業マンが営業を仕掛けようとしても入る余地がありません。

藤本さんは競合が入る隙間を作らないように、誰も手をつけようとしない段階から案件確保に動いているのです。

(こんな営業がライバル企業にいたら嫌でしょうなぁ~)

流石です!!

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
これは先程の「1年後を想定して営業活動をすること」の考え方の基礎となった出来事です。

藤本さんは若かりし頃に、ある成功体験を積んだそうなのです。

その成功体験とは、お客さんの5年後の病院の新設案件だったそうです。

5年後の話となれば、ほとんどの営業が、話が具体的になるまでに放置にしがちです。

しかし、その案件に常に接点をはかり、医療機器の話ではなく、建設に絡む話をしていったのだそうです。

日立メディコさんといえば、日立グループのひとつです。
当然、グループ企業の中には様々な業種・業態の会社があります。

そのグループのメリットを活用し、エレベーターの導入や様々なグループの商材を提案したのだそうです。

そうこうしている間に時が経過し、建設の日が近づいてきたのですが、ある日お客さんにこのように言われたのだそうです。

「ところで、あなたは何を売っている人だったっけ?」

と質問してきたのです。

そこでもともとの本業は医療機器だということを伝えると、その新築の病院すべての医療機の案件の仕事を貰うことができ、「総額4億円」の受注につながったのです!!

お客さんも、藤本さんに色々と相談に乗ってもらっていたこともあり、色々な背景を知ってくれている存在でもあります。

医療機器においても、新たに営業マンを呼び「1」から色々な背景を説明するよりも、既に事情をすべて把握している藤本さんにお願いする方が楽だと考えたのだと思います。

また、長年相談しておいて、いざ仕事だけは他に振ることは日本人にはなかなかできないことなのではないでしょうか。

このような成功体験があったことで、長期的に案件を追いかけるメリットを体験することができたのです。

■水田チェック
藤本さんの営業力の強さの秘訣は、「最優先事項に着眼している点」だと思います。

7つの習慣で有名なスティーブン・コヴィー氏は、時間管理をうまくするために、緊急性と重要性のマトリックスを作り、仕事を以下のように4分割して管理することを提唱しています。

第1領域:緊急かつ重要なこと
第2領域:緊急ではないが重要なこと
第3領域:緊急ではあるが重要ではないこと
第4領域:緊急ではなく重要でもないこと

この中で第2領域を最優先して行うことを強調しているのです。

多くの人が、緊急であることが重要なことだと勘違いし、重要でないことで時間を浪費したりします。

第1領域の「緊急かつ重要なこと」も、元々は第2領域である「緊急ではないが重要なこと」を放置しておいた結果に発生したものだと言います。

事前に準備をしておけば、緊急になることはなく、重要なことを常に最優先して行うことが時間管理の究極の手法であると伝えているのです。

藤本さんは、営業で実績を上げる上でもっとも重要視しなければならない最優先事項を明確に認識し実践しているからこそ、業績を上げ続けられているのです。

では、営業で実績を上げる上での最優先事項とはいったい何でしょうか?

それは

「種まきの時間」

だと思います。
※我々の用語でいう「白地活動」です。

この活動にフォーカスして動いているからこそ常に安定した案件を保有し、業績を上げ続けることができているのではないでしょうか。