第21回リアルトップセールスインタビュー

朝野さん

第21回のリアルトップセールスインタビューはシステムアートの朝野さんです。

今回インタビューした朝野さんは非常に異色の経歴を持った方でした。

現在は光回線の営業を法人やマンション経営者などに対して行っておりますが、以前の職業を聞くと驚愕の事実を聞かされることになったのです。

実は朝野さんの前職はなんと!なんと!『団体職員』だったのです。

団体職員といえば準公務員のような立場で、非常に安定した職業です。

そんな安定した企業の中で、かつ事務職をやっていたにも関わらず、いきなり営業職の中でもかなりきつい通信系の営業の世界に飛び込んだのです

(なんて極端な・・・・)

そんな転職を成し遂げた理由を朝野さんに聞いてみると、おもむろにこう語ったのです。

「団体職員時代の先輩の姿を見て、何か先が見えてしまっている人生に、『本当にこれでいいのか』と思ってしまった・・・」

そこで朝野さんは、先が見えてしまっている人生よりも、どうなるかは分からないが何かに挑戦し続ける人生の方が楽しいのではないかと考え、安定した収入を捨て、この世界に飛び込んだのです。

このような異色の経歴を持つ朝野さんですが、今ではこの業界の経験年数は10年と超ベテランの域に達しています。

この10年という数字は一般の企業では普通に思えますが、このフルコミッションの通信業界で10年と営業し続けられるのは稀です。

おそらく10年も生き残っているのは約1割程度

多くの人が途中で稼ぐことがままならなくなり辞めていくのだそうです。

その中で10年間売れ続けていること自体、恐ろしい事実であり、業績なのです。

そんな朝野さんに営業においてのノウハウをお聞きしてきました!

■売るための秘訣とは?
朝野さんの売るための秘訣、それは、、、

「あえて商品の話はしない」

ということです。

光回線の業界では、商品説明やいかにメリットがあるかを伝えようとする営業マンが多くいるようです。

お客さんもそのような営業が多いので、NTTとか光などの言葉を聞くだけで毛嫌いしてくる先も多いようです。

そのようなお客さんに提案技術を磨いて、どんなにうまくメリットを伝えたところで、そもそも聞く耳を持ってくれないため無意味なものとなってしまいます。

一番重要なのは「いかに聞く耳を持たせるか」ということであり、ここが肝でありかつ最も難しいところなのです。

朝野さんはこの「いかに聞く耳をもらせるか」ということに対して、「あえて商品の話をまったくしない」という方法をとります。

営業マンが現れて商品説明や売り込みが始まるのかと思わせといて、いっさいその話には触れずに終始、雑談をするのだそうです。

雑談がだんだん長くなると、お客さんは「この人は何の用で来たのだろうと疑問に感じ始めます」

そして思わず朝野さんに質問するのだそうです。

「今日はどのようなご用件で来たのですか?」と

朝野さんはこの言葉を引き出すことができれば営業の90%は終わったと言います。

この言葉がでれば、お客さんは話を聞くことを承認したのと同じことになり、その後、商品説明を行っても自分から質問したこともあって必ず話を聞くようになるのです。

「軽い自己紹介」→「雑談」→「雑談」→「雑談」→「商品説明の承認を貰い」→「営業」

というのが朝野さんの勝利の方程式なのです。

朝野さんは光回線の営業では、いかに売り込み色を消すかということが大事であり、相手に質問されるでは商品のことはいっさい説明しないという方法で、最初で最大の難関を突破し、契約数を量産しているのです。

他にも売り込み色を消すために、スーツではなく作業着で営業するなど、その徹底ぶりには感心せざるを得ません。

話を聞いてもらうために本当に知恵を絞っている姿に脱帽です。

このテクニック、完全にパクらせて貰います!

ありがとうございます!

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

毎回、面談で

「お客さんを教育すること」

を常に意識して営業活動を行っているそうです。

営業活動では最終的には契約を取ることが目的ですが、契約にならなかったとしても一度の面談でどこまで顧客に商品の内容を教育できるかにもこだわっているのです。

そして顧客を教育するために朝野さんが行っていることというのは、

「あえて専門用語を活用する」

という方法です。

お客さんへの説明に専門用語を活用することで、お客さんに「それはどういう意味?」と質問させるのです。

そしてその質問に答える形で、お客さんに商品知識を教育していくのだそうです。

ここでも先程と同じように相手に疑問に思わせて、「あえて質問させる」ように誘導しています。

この「あえて質問させる」という手法こそ朝野さんの得意とする手法であり、売るための秘訣なのです。

但し、専門用語を活用するといっても注意点もあります。

それは「専門用語を乱発することはしない」ということです。

専門用語は、あえて相手の興味を惹かせる程度の1つ2つぐらいのキーワードに留めておき、相手が訳が分からなくなって聞く気が失せてしまわないように気をつけているそうなのです。

また、どのレベルの専門用語を使うかなども、雑談の中で相手のレベル感を掴みながら選定していくのだそうです。

「専門用語を活用」→「相手が質問」の営業手法でお客さんを教育することができれば、だんだん商品への認識が深まり、商品への認識が深まればその良さを理解することができてきます。

そして商品の良さを理解させることができれば、購入される確率も高くなっていくという理論なのです。

お客さんを教育することにもあえて質問させる方法を使い、聞く耳を持たせてから説明していく方法を取っています。

「相手にいかに聞く耳を持たせるか」

ここに異様なほど気をつけていることがこの心がけからも感じ取ることができ、聞く耳を持たせる手法こそ朝野さんのノウハウなのだと感じ取れた瞬間でした。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
朝野さんが今のノウハウに気づいたのは、普段の何気ない部下との会話がきっかけになったそうなのです。

それは部下が朝野さんに売れない悩みを相談に来た時です。

部下は商品知識をしっかり身につけ、お客さんにしっかり説明しているのになかなか伝わらないという悩みを持っていました。

そしてどうすれば相手に伝わるような営業ができるのかを朝野さんに相談したのだそうです。

その質問をされた朝野さんは、ふと熱心に質問する部下をみてこう思ったそうなのです。

「部下は一通りの商品説明はできる」

「しかし、お客に伝わらない」

「伝えるためにはどうすれば良いのだろうか?」

「そういえば、今こいつは俺の話を聞こうとしている、この関係をそのまま営業とお客との間に持ち込めば良いのではないか?」

「こいつはなぜ俺に話を聞こうとするのだろうか?」

「それは答えを教えてくれるから」

「そうか!教えてあげる立場になればお客は営業の話を聞くようになるのか!」

この発想から営業はお客さんに対して教育する立場になれば、話を聞くようになり、話を聞くようになれば必然と伝わりやすくなる、という結論に達したのだそうです。

この経験が「相手を教育する」という営業スタイルを確立させてきっかけになり、方法論が確立したことで、部下の育成にも磨きがかかったそうなのです。

朝野さんは個人で1日8件の契約をとるという偉業を成し遂げる傍ら、このノウハウで部下を教育することで8人の部下をすべて月間20件以上取れる営業へと育成した実績も持っているのです。
(※この業界では月間20件以上取れればトップクラスの成績になります)

■水田チェック
朝野さんの営業手法は「ツァイガルニック効果」を活用したノウハウではないかと考えております。

「ツァイガルニック効果」とは、人は不完全なものが気になるという心理的効果です。

よくクイズ番組で「答えはCMの後で」というフリがよくあります。

視聴者はそのクイズの答えが気になってチャンネルを変えられなくなる、というのが「ツァイガルニック効果」です。

朝野さんが行っている「あえて商品の話はしない」というのも同じ効果がもたらされていると思われます。

営業マン=売り込む人という固定概念がお客さんの中にあります。

そんな中、まったく商品の話が出てこない状況にヤキモキしだします。

「いつになったら商品の話になるんだ」

こんな心理がお客さんの中にあるのではないでしょうか。

そして答えを早く知りたいお客が「ご用件は一体何なのですか?」と自分から質問してしまう。

「何の営業なのか、早く答えを教えてくれ」という心理効果が生まれるように営業をしているのではないかと私は分析しています。