第22回リアルトップセールスインタビュー

島田さん

第22回のリアルトップセールスインタビューはデジタル印刷工房プレス・トークの島田さんです。

島田さんは今期、社内で限界利益額No.1の実績をたたき出したリアルトップセールスです。

しかも単に限界利益を稼いだだけでなく、島田さんの仕事の環境を知ることで更にその凄さを実感することができます。

当社には10名の営業がおりますが、営業組織は大きく外商チームと店舗販売チームに分かれています。

外商チームというのは、年間の発注金額が大きな大口客を担当します。
そして店舗販売チームというのは、年間の発注金額が小額の小口客が中心となります。

島田さんは店舗チームで小口客を担当しています。

本来であれば、限界利益額を確保する上で大口客を持っている外商チームの方が圧倒的に有利な中、小口の受注を高速回転でかき集めて、外商チームを超える限界利益額をたたき出し、今期No.1となったのです

同じ土俵でのNo.1ではなく、ハンデを乗り越えてのNo.1なのです!!

そんな島田さんに営業の秘訣をお伺いしてきました。

■売るための秘訣とは?
島田さんの売りための秘訣とは、、、

「無理とは絶対に言わないこと」

です。

営業をしているとお客様の要望というのは色々あります。
中にはこちらが到底、対応しきれないような依頼を受けることもあります。

島田さんの「無理とは絶対に言わない」というのは、お客様がいくら無理な要望をしてきたとしても「無理です」という返事を絶対にしないことだそうです。

例えば、「明日までに1000部のチラシを用意したい」という無理な要望があったとしても、時間的に1000部刷るのは無理だからといって「それは当社では対応できません」と断るのではなく、何とか少しでも要望を満たせるように努力するのです。

1000部という要望に対して、「今日中なら100部は用意できます。あとの900部は明日中の対応でいかがでしょうか」とお客様の要望がすべて満たせていなかったとしても何とか糸口を見つけようとするのです。

無理な要望でも諦めずに妥協点を探るとお客様も承諾してくれることが多く、無理な要望だからといって頭ごなしに断るのは得策ではない、と話していたのです。

このような無理な要望というのは、お客様側でも無理を言っていることは分かっていることがよくあると思います。

おそらく無理だろうなと思いながらも要望を突きつけているのです。

その無理な要望に「何とか対応しよう」という姿勢は、お客様に「悪いな」という思いをもたらすことになります。

無理を言っているのに何とか対応してくれる姿に、返報性の効果が働き、多少条件が悪かったとしても「しょうがないか・・・」という気持ちが湧いているのではないかと思います。

だからこそ多少見積金額を高く提示したとしても受注することができますし、また、無理な要望を聞くことはカスタマイズ対応となりやすいため、島田さんの案件は高収益案件となりやすくなっているのではないでしょうか。

そしてこのような高収益案件の積み重ねが今期の限界利益額No.1という実績をたたき出したのではないかと思います。

また、相談すれば何とかしてくれるという印象を顧客に与えることができれば、いの一番の島田さんに相談が来るようになるため、引き合い案件の量も確保できるサイクルを気づき上げているのではないかと思います。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることって何ですかと質問するとこのような答えが返ってきました。

それは、

「見積り依頼があったら1番に提示すること」

だそうです。

印刷業界では相見積りというのは日常茶飯事です。

他の業者と金額を比較されることは多くあります。

その中で見積りの依頼が来たらどの同業他社よりも早く提示できるように最高速で見積りを作成し、提示するのだそうです。

「見積りを最初に提示するとどのようなメリットがあるのですか?」

とお伺いすると、まさに売るための秘訣を教えてくれたのです。

見積りを1番に提示する理由は、1番に見積金額を提示することでその価格がお客様の中で基準の価格になります。

もし、後で見積り提示した業者が高い金額で提示してきたら「高いな」という印象を与えることができますし、仮に他社が安い金額で提示してきたとしても、「なぜ、前の業者よりも安いのだろう?」という疑問を湧かせることができるです。

疑問が湧くことで、もう一度1番最初に見積もり提示した業者に確認が入ることがあります。

「他社はこの金額で提示してきたけど、お宅はこれぐらいの金額にできないの?」

という具合にです。

このような問合せがあれば何とか他社を掻い潜るような金額、もしくは他社にはない価値を提供できることを理解してもらい、受注につなげることができます。

ここで島田さんが言いたいことは何かといいますと、2回チャンスが来るのは1番目に金額を提示した業者だけだということなのです。

確かに1番目の業者が見積りを再提示した後に、また更に2番目3番目の業者に再見積りを吹っかけて下げさせることまでやるような人は、よほど予算に制約があるのか、コスト意識が凄まじく高い人です。

多くの人が一度下げさせた後に他の業者にまた吹っかけることはせずに、了承して契約するのではないでしょうか。

なぜならここに「譲歩の返報性」の心理効果が働くからです。

「譲歩の返報性」とは、相手に譲歩してもらうことによってこちらも譲歩しなければという心理です。

譲歩(値下げ)させたことで、こちらも譲歩(条件を承諾する)しなければという感情が湧きあがるので、あまり他の業者に声を掛けて再交渉しないのです。
(但し、金額が大きなビジネスであれば再度、金額交渉というのはありえますが、今回のケースは少額のビジネスのため、1度の値下げだけに留まると推測しています)

さすが島田さん!勉強になります!

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
入社2年目の頃に、ある人物との出会いが島田さんの営業スタイルを大きく変えるきっかけとなったようです。

そのある人物とは、協力会社の営業マン(以下A氏と記載します)です。

A氏は仕事を取ってきては、当社(プレス・トーク)に仕事を発注していた業者の一人で、島田さんは店舗販売のチームであったことからも自然とその人と一緒に仕事をする関係になっていきました。

通常、仕事を発注してくる業者というのは横柄で、「仕事を振ってやっている」という意識が強く、無理難題を吹っかけてくる業者も多くいます。

下請け泣かせの業者が多い中、唯一そのA氏は対等な立場で仕事を依頼してきたそうなのです。

仕事の依頼もお客様の言いなりになって無理な条件をそのまま振ってくるのではなく、下請け会社がやりやすいようにお客様と交渉して仕事を持ってきてくれました。

お客様をうまくコントロールして仕事を振ってくる姿に、営業スキルの高さが垣間見え、A氏の凄さを感じていったのだそうです。

そしてこのA氏がある日、島田さんに仕事に対する姿勢を語ったことがあったそうです。
それはA氏のどんな仕事にでも対応しようとする姿勢に不思議に思い、島田さんがそのことを質問した時のことです。

島田さん「Aさんは、なぜ自分でできる範囲以外の仕事まで請けるのですか?中にはあまり自分にうま味のない仕事もありますよね。もっとうま味のある仕事だけやってもいいんじゃないですか?」

A氏「お客様との関係性を自ら絶つようなことをしていては、ビジネスはできない。せっかく貰った話を何とかつなごうとするから人間関係って続くんだよ」

その言葉に感化された島田さんは、A氏の営業スタイルを真似て、どんなに無理難題を吹っかけられても自分から断ることをしなくなったのです。

そしてその姿勢が、高収益を生む営業スタイルになり、今では社内で限界利益No.1を獲得する営業マンにまで成長していったのです。

■水田チェック
島田さんの売れているポイントは、断らない姿勢が及ぼす「自己重要感」の心理効果が働いているのではないかと考えられます。

「自己重要感」というのは、人は自分自身のことを価値ある存在だと認めてもらいたい欲求です。

無理難題に必死に対応している島田さんの姿勢に、お客さんは非常に大切にされていると感じます。

そしてその感情によって自己重要感が満たされ、多少高い報酬を支払ったとしても満足して帰っていくのです。

リッツカールトンの最高のサービスを受けホスピタリティ精神を感じると、多少他のホテルより高くても満足して帰るのと同じです。

今回の島田さんの姿勢は、営業マンが商品に付加価値を付けるための何をすれば良いのかを教えてくれたような気がしています。

■インタビュー企業
社名:株式会社デジタル印刷工房(店名:プレス・トーク)
住所:〒460-0008 名古屋市中区栄2-2-17(名古屋情報センタービル1F)
TEL (052)232-2358 FAX (052)232-2359
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