第23回リアルトップセールスインタビュー

近藤さん
第23回のリアルトップセールスインタビューはアサヒグローバルの近藤さんです。

アサヒグローバルさんは三重県に密着した住宅メーカーで、営業をはじめとした社員の丁寧な対応が非常に好評を得ており、毎年成長を続けている企業です。

近藤さんは、実績を伸ばしている当社の中でも抜きん出た存在で、多くの営業が年間12棟前後の受注の中、近藤さんは年間に「20棟」も受注しているのです!!

棟数で表現するとその凄みは分かりづらいと思いますので、金額で換算してみました!

例えば、1棟の単価が3000万だったとして、普通の営業は、3000万×12棟=3.6億円です。

しかし、近藤さんは20棟の受注ですので計算すると、3000万×20等=6億円になるのです。

年間で他の営業さんよりも「2.4億円」も売上を上げているのです!

(2,4億円といえば大卒の生涯年収とほぼ二アリーイコールの金額です、スゴッ!!)

今回はそんな住宅販売のプロである近藤さんに営業の秘訣をお伺いしてきました。

■売るための秘訣とは?
売るための秘訣を単刀直入にお伺いすると、2つのポイントを説明してくれました。

その2つとは、、、

「商品に自信を持つこと」
「買ってくれとは絶対にお願いしないこと」

です。

まず、1つ目の「商品に自信を持つこと」ですが、これは商品特性上、「ごもっとも!」と言ってしまうようなお話をしてくれました。

近藤さんの扱っている商品は「家」です。

「家」というと余程の人でない限り、一生に1度の買い物です。

なので一度お付き合いが始まれば、「一生」となるため、兄弟や親族であっても勧められるぐらい商品に自信がないと売ることができないと言います。

その言葉を聞いた私は、世の中には当社よりも性能の良い商品を売っている住宅メーカーが他にもあるはずと考え、近藤さんにこんな質問を投げかけてみました。

水田「そうは言っても世の中には多くの住宅メーカーがありますので、ある側面では性能でどうしても劣ってしまうこともあると思います。それでもそんなに自社の商品に自信が持てるものですか?」

近藤氏「確かに、ある部分に着目すると当社よりも優れている住宅メーカーはいくらでもあります。しかし、世の中に完璧な商品など存在しません。完璧を求めるのではなく、他社よりも優れている点がどこかを突き詰めて考えれば、おのずと自分の商品に自信が持てるようになります」

と私に教えてくれました。

そして当社の商品が何に優れているのかをしっかり理解するために、近藤さんは他社と当社のメリット・デメリットを明らかにするマトリックス表を作成しているのです。

皆さんは近藤さんのように自社と他社との違いを整理できているでしょうか?

何となくは分かっているかもしれませんが、突き詰めて「商品そのもの」「付帯サービス」などに分解して分かっているでしょうか?

よく考えれば分かりますでは、不十分です。
今、自信をもって即答できるまで落とし込まなければ「商品に自信を持つ」なんて事はできないのではないでしょうか?

そして2つ目は、「買ってくれとは絶対にお願いしないこと」です。

「家」は一度購入していただくと一生のお付き合いになるためお客様に不満を抱かれると、一生、険悪な関係が続いてしまいますし、周辺地域への悪影響にもつながりかねません。

なので、お客さんの満足を考えずに、強引に売り込むことはせず、当社の商品により満足してくれそうなお客さんを選んで販売するというのです。

では、その満足してくれそうなお客さんをどのように見極めているのか、そのコツをお伺いするとこんな答えが返ってきました。

「当社の家作りのコンセプトに共感してくれる人にだけ弊社の家を販売します」

と話してくれたのです。

近藤さんは、必ずお客さんに説明する時に、

①当社で買わなくても良いことを伝える
②家作り、家選びのポイントを伝える

という手順で話すのだそうです。

例えば、このような説明です。
「家を購入は一生に一度のことなので、お客さんが本当に気に入ったところで購入してください。特に弊社を選んでいただかなくても構いません」

売り込みはいっさいしないことを宣言するのです。

そして次に、「無理な返済計画はしないこと」「子供のことを第一に考えた暮らしにすること」「長い付き合いを前提にしている業者を選ぶこと」

と家作り・家選びの判断基準を教えるのだそうです。

この家作りの判断基準は正に当社の理念そのものであり、それに共感してくれるかどうかでお客さんの見極めを行っているのです。

コンセプトに合わないお客さんに時間を割いても、結局、他社と見比べられ時間を割いた割には失注してしまうということになりかねません。

また、うまく購入してもらうことができたとしても住んだ後に「理想と違う」と不満を漏らされる結果になれば、周りへの風評にもつながってきます。

買う気のあるお客さんを逃すのはもったいないと思うかもしれませんが、本当に満足してくれる可能性のあるお客さんとだけお付き合いすると線引きすることで、結果的に無駄な時間を使うことがなくなり、効率的に実績が上がられるようになっているのではないでしょうか。

そして購入したお客さんが満足してくれれば、口コミなどに影響を与えて営業しやすい環境を作る結果になっているのではないかと思います。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

「ヒアリングと提案・クロージングに掛ける“時間の割合“を7:3にする」

と話してくれました。

ヒアリング「7」に対して提案とクロージングを「3」ぐらいの割合で商談を進めるように心がけているのです。

商談がスタートした段階で、家作り・家選びの判断基準を伝えた後は、お客さんの満足条件を徹底的に聞くのだそうです。

こちら側が話す時間を極力少なくし、お客さんに話してもらう時間をできるだけ多く取るのです。

お客さんは自分の満足条件を営業マンに伝えている間に、段々と家に対するイメージが膨らみ購入意欲が高まってきます。

また、漏れなく満足条件を引き出すことで購入後のアンマッチを避けることができ、結果満足度を引き上げることになるのです。

近藤さんは、商談では「ヒアリング」→「提案」→「満足条件の確定」というサイクルでお客さんの満足条件をひとつひとつ確定させていくことが重要であると語ってくれました。

そして営業マンに説得される形ではなく自分で納得していく形にいかに持っていくかの重要性を語ってくれたのです。

近藤さんが語ってくれたこの営業手法は「自己説得」という方法ではないかと私は推測しています。

自己説得というのは、自分で満足条件を語っている間に自分自身を説得する結果になってしまうというものです。

相手の意見は否定できても、自分の意見を否定することはできません。
なので、こちらからの提案を受け入れてもらうようにするよりも、自分自身で話をさせることの方がより説得効果が高まるのです。

近藤さんのヒアリング「7」という時間を割くことによって自己説得の効果が及んでいるのではないかと考えられますし、その効果を感覚的に把握しているからこそヒアリングの時間割合に気を使っているのではないかと思います。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
近藤さんは店長に昇格したことがトップセールスのきっかけとなったそうです。

営業マン時代はマネジメントの仕事はなく、営業活動に割ける時間は十分にありました。

なので営業の効率を考える必要はなく、丸一日、飛び込み訪問に時間を費やすこともできました。

しかし、店長に昇格した途端に、管理資料の作成や店舗運営に多くの時間がかかり、これまでと同じように営業に多くの時間を割けなくなってしまったのです。

営業マン時代は、数多くの飛び込み営業で見込み客を増やすこともできましたが、店長となれば飛び込みの時間も限られてしまいます。

飛び込み営業は数多くの件数をこなさなければ成果に結びづらいので、時間が限られてしまう店長という役職ではこの手法を実践することはかなり難しくなります。

しかし、時間が限られていても成果を上げなければいけないことは変わらないため、近藤さんは効率的な営業方法がないか思考を張り巡らせたそうなのです。

そこで思いついたのが、「購入客への訪問」です。

購入客に訪問し、紹介をうまく獲得できれば飛び込みよりもかなり短時間で成果が上がるのではないかと考えたのです。

そして購入客をリストアップし、紹介を促す活動を実践に移すと、予想以上にお客さんからの紹介を得ることができたのです。

この事実から住宅営業というのは、新たなお客さんを開拓することだけでなく、購入してくれたお客さんへの活動も重要なことが分かり、そして購入してくれたお客さんから紹介を得るためにも購入時の満足度をいかに高めるかが大きなポイントになっていることを理解できたのです。

現在、当社では家を購入いただいたお客さんにお客様満足度調査としてアンケートを記入してもらっています。

評価が10段階になっているそうなのですが、当社の規定では「9」と「10」だけが満足に該当し、「1」~「8」は不満という判定を下すのだそうです。

営業マンの評価は、受注したお客さんに対して「9」と「10」にチェックが入ったアンケートをいくつもらえるかがポイントとなるそうなのですが、他の営業マンが受注したお客さんに対して70%が満足(「9」か「10」)をもらえるのに対して、近藤さんは90%のお客さんに満足の評価をいただいているのだそうです。

この結果からも、近藤さんがお客さんにいかに満足してもらうことに力を入れているかが分かりますし、満足をいただくために「商品に自信を持つこと」「買ってくれとは絶対にお願いしないこと」「ヒアリングに7割の時間を割く」ことを徹底して実践しているのだと思います。

■水田チェック
近藤さんが売れている理由は、「買ってくれとは絶対にお願いしないこと」であった営業の手順に大きな要因があると考えています

①当社で買わなくても良いことを伝える
②家作り、家選びのポイントを伝える

とありましたが、この営業手順は非常に秀逸な営業手法だと私は感じております。

まず、①については、当社で買わなくて良いことを伝えることで、暗に売り込みはいっさいしないという保証を相手に与えています。

保証というのは信頼性を確立する上で極めて効果的な方法です。

例えば、テレビショッピングなどで、「もし思ったような効果が出なければ全額返金保証します」といったものや、電気屋で家電を購入するとついてくる5年間無料修理保証なども保証になります。

この保証をつけることによってお客さんの購入に対する心理抵抗が低くさせる効果があります

「見ない」「信じない」「行動しない」の3大心理抵抗を「保証」をつけることによって、和らげる効果があるのです。

この手法は新規開拓の営業をしている人にとっては非常に有効な手段かと思います。

また、②の家作り・家選びのポイントを教えることも非常に効果的です。

家作り・家選びをどうすれば分からない状態のお客さんに判断基準を教育することで、家の専門家という立場を構築することができるため、権威の力が働きます。
※「権威」の心理効果は、販売心理学用語集で詳しく解説しています。

権威の力が働けば、お客さんも営業マンを専門家とみなします。

専門家とみなされれば、お客さんは営業マンを頼りにするようになり、お客さんと営業マンの立場は入れ替わるのです。

そして頼りにされる関係を成立させることによって、商品を売っているにも関わらず感謝される関係性を築けているのではないかと思います。

■インタビュー企業
社名:アサヒグローバル株式会社
住所:三重県四日市市ときわ1丁目2-18
TEL 059-359-1000
URL:http://ggg-asahigloval.com/