第24回リアルトップセールスインタビュー

杉山さん
第24回のリアルトップセールスインタビューはインフォファームの杉山さんです。

杉山さんはSFA(営業支援システム)やBIツール(データ分析システム)の導入を主としている当社でキヤノン事業部に所属しており、主にキヤノンの複合機を販売している方です。

杉山さんが担当している業務は新規顧客で、新たなお客様を獲得することを専門にしています。

杉山さんの誇るべき実績とは社内の実績に留まることなく、全国レベルにまで及びます。

その全国レベルの実績とは、キヤノンのパートナーとして販売している営業マンが全国に3000~4000人いる中で、なんと11年連続100位以内の記録を樹立しているというのです!!

いわゆる全国規模でトップ5%圏内の順位を常に確保しているのです。

直近の昨年ではなんと7位という実績もたたき出しており、「頂点は見えた!」とのことです。

このような実績をたたき出している、新規開拓の神様とも言える杉山さんに売るための秘訣をお伺いしてきました。

■売るための秘訣とは?
新規開拓に特化している杉山さんは新規開拓で一番重要なことを教えてくれました。

その新規開拓で一番重要なこととは、、、

「繰り返し行く」

ということです。

杉山さんの新規開拓の営業手法は飛び込みなのですが、飛び込み営業で1度断られると繰り返し訪問しなくなる営業マンが多い中、杉山さんはこのような言葉を私に伝えてくれました。

それは、

「1回訪問してやめるぐらいなら行かない方が良い」

というのです。

新規開拓の営業では1度の訪問で具体的な商談になるケースは少なく、何度もアプローチを仕掛けることによって、ようやく相手が話を聞くようになることを杉山さんは良く分かっています。

1度断られたぐらいで諦めるようであれば、実績にも結びつかないし、お客さんにも迷惑がかかるだけなので、お互い無駄な時間を使うぐらいなら訪問しない方が良いというのです。

まったく、ごもっともなご指摘でした。

しかし、世の中にはそうは言っても断るお客さんに何度も何度も足を運ぶのは苦痛を感じる営業マンもいるのではないかと思い、杉山さんにこのような質問をしてみました。

水田「繰り返し行かなければならないということは分かっているのですが、断られる先に何度も顔を出しづらいという営業マンが多くいます。断るお客さんに継続していくために何かテクニックとかあるのでしょうか?」

このような質問を投げかけると、杉山さんは継続していくためのテクニックをそっと私に教えてくれたのです。

お客さんのところに継続してアプローチするために、杉山さんがやっている丸秘テクニックはこれです。

①初回面談で名刺だけ渡し、詳しい商品説明はいっさいしない
②名刺だけ渡した企業に、翌日必ず電話を掛け、アポを取る
③アポが取れてじっくり話せる状況になって初めて詳しい商品説明をする

このような手順で新規開拓を行っているのです。

この時に重要なことは①②で、極力、商品の話・長話はしないようにすることだ、とおっしゃっていました。

特に②の段階では、話が長くなればなるほど、アポは取れなくなると言っていたのです。

確かに、新規開拓で継続して訪問できない営業マンのほとんどが、訪問したからには相手に何の要件で来たのかを伝えないといけないという強迫観念の中、必死で商品のPRをしてしまいます。

相手が聞いてもいないのに、沈黙になる恐怖から商品の詳細まで話してしまう人が多いと思います。

ただ、商品の話をしてしまったがために、一旦断られてしまうと、次回訪問するための口実がなくなってしまうのです。

しかし、杉山さんの手法だと、詳細な商品説明はいっさいしていません。

なので、断られることはありません。

そのため何度も訪問ができるという仕組みになっているのです。

しかも、具体的な商品内容をちゃんとアポが取れない限り話さないというスタイルは非常に秀逸です。

もし、飛び込みでお客さんが商品の内容に興味を示した場合に具体的な商品の話をしたとします。

詳細な説明をしてクライマックスにもうすぐ差し掛かろうとした時に、

「あっごめん、この後予定があるんだわ、パンフレットだけでも置いといて」

といわれると、せっかくその気になっていたお客さんの感情を1度冷ます結果になります。

1度感情が冷めてまうと、同じようにその気にさせるまでに時間がかかりますし、多くの場合、改めて連絡すると「また必要になったら連絡するよ」で終わってしまうのです。

このようなリスクを避けるためにも杉山さんのアポが取れてから詳しく話すという手法は効果的で、継続して訪問しやすくしているだけでなく、確実に獲物を仕留めるための手法でもあるのではないかと実感しました。

■成果を上げるために心がけていることは?
杉山さんが成果を上げるために心がけていることとは、

「断るお客さんにあえて行く」

ということです。

なぜ、断るお客さんにあえて行くのですかとお伺いすると、非常に理論的なお話を教えてくれました。

杉山さんの断るお客さんに行くという理論はこうです。

「断るお客さん」=「既存ベンダーに任せっきり」=「既存ベンダーから入る情報以外入っていない」=「情報が閉鎖的」=「既存ベンダーと違った情報を提供すると驚く可能性あり」=「インパクトを与えられやすく、契約につながる可能性が高い」

という理論なのです。

(これは正にトップセールスしか見えていない真実!!)

この理論になぜ気づいたのですか?と質問すると、杉山さんは過去の体験談を私に話してくれました。

その体験談とは、新規開拓を始めて受注したときの話です。

杉山さんが新規開拓を始めた当初、その当時上司だった人に新規開拓リストを渡されたのですが、そのリストは100~150件程度のみしか渡されなかったとのことです。

会社の中では新規開拓は担当エリアを割り振られ、それに紐付く格好でリストも渡されます。

当時、杉山さんは新人だったが故に幅広いエリアを担当することはできず、限定されたエリアでリストも少なかったそうです。

リストが少なかったために、ひと通り回るのにそんなに時間はかからず、1ヶ月の間に同じ会社に何度も回らざるを得ない状況だったそうなのです。

その少ないリストの中で、いつも「うちは決まっているところがあるから」とそっけない対応で話も聞いてくれなかった女社長がいたのですが、リストが少なかったためにそんなそっけないお客さんにも何度も回っていたそうなのです。

しかし、その回数が3回5回10回と積み重ねていくと、ある日杉山さんがその女社長に呼び止められたのです。

「あんたよく来るけどいったい何なの?」と話しかけてきたのです。

そこで当時新人だった杉山さんは商品の提案をつたない営業トークで行ったのですが、思いのほか反応はよく、断っていたわりには意外に複合機という商品に対して無知だったことに気づいたのです。

そして初めて受注1件を獲得することができ、この成功体験から「断るお客さんほどあまり商品知識がない」ことに気づいたのです

この体験を機に「断るお客さんにあえて行く」という手法を確立していったそうなのです。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
杉山さんがトップセールスになるきっかけとなったのは、当事、当社を担当していたキヤノンの営業マンとの出会いです。

パートナー企業という立場もあり、よくキヤノンの営業マンと同行する機会は多くあったそうです。

当時、インフォファームさんを担当していたキヤノンの営業マンが、まさに杉山さんをトップセールスに変えた男だったそうのなのです。

当時、あまり仕事に興味を持っていなかった杉山さんは仕事よりもプライベートをいかに充実させるかばかりを考えていたそうです。

そんな遊び呆けてばかりいた杉山さんを担当していたキヤノンの営業マンにある日こういわれたそうなのです。

キヤノンの営業マン「お前、もう少し社会人としてまじめに仕事をやったらどうなんだ?
俺たちは人生のほとんどを仕事で使う。5/7の人生を楽しむのと2/7の人生を楽しむのはどっちがいいと思う?営業のやり方は俺が教えてやるから仕事を性根いれてやってみろ!」

といわれたそうなのです。

そしてその後キヤノンの営業マンに営業のやり方を教えてもらい、その通りにやると成果が本当に出てしまったそうなのです。

※「売るための秘訣」でお伝えしたノウハウは実はこの営業マンから教わったとのこと

その人に言うとおりにやればやるほど成果が出続け、成果ができることに楽しさを覚えた杉山さんは、おのずと営業に熱中するようになったそうなのです。

そしてその年にキヤノンのパートナー部門で岐阜県No.1に輝き、それ以降は実績を上げることにこだわり続けて、今の実績まで上り詰めたようです。

杉山さん曰く、あの営業マンは「山本五十六のような人物だった」と、遠い目をして過去を語ってくれました。

シブイぜ!!杉山さん!
(シブイってもう死語か・・・)

※山本五十六の名言
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

■水田チェック
今回の杉山さんは正に新規開拓で悩める営業マンに救いの手法を与えてくれたのではないでしょうか。

新規開拓で継続して訪問しなければならないことは分かっているのですが、なかなかできずに苦しんでいる営業マンは多くいると思います。

そんな中で「名刺だけ置いて帰って、翌日アポ」という手法は非常におもしろく効果的な方法だと思います。

この手法は第21回インタビューの朝野さんが活用した心理テクニックである「ツァイガルニック効果」と同じではないかと思います。

「相手が話を聞いて良いという承認を得るまでは、商品の話をいっさいしない」

やはり新規開拓のプロは経験則でこの理論にたどりついているのではないかと感じたインタビューでした。

■インタビュー企業
社名:(株)インフォファーム
住所:岐阜市柳津町流通センター1丁目8-4
TEL:058-279-1881 
URL:http://www.infofarm.co.jp/