第35回リアルトップセールスインタビュー

山田さん

第35回のリアルトップセールスインタビューは黒崎産業(株)の山田さんです。

黒崎産業さんは創業が昭和11年という歴史のある企業であり、今年で創業から77年となる超老舗企業です。

主に建材や化学品、化成品などを取り扱っており、中でも化粧版の在庫量は『北陸随一』といわれる企業なのです。

今回ご紹介する山田さんはそんな老舗企業の社長からご推薦を受けた社内随一の営業マンなのです。

何がすごいかというと、新規開拓において山田さんは特筆な能力を持っているのです。

つい数年前、当社は今後の成長の事も考え、今の既存客の営業だけでなく、新規開拓を試みました。

新規開拓をやってみたところ山田さん以外の営業マンが年間10件程度しか開拓できない中、なんと山田さんはその『5倍!!』である50件以上を開拓してきたのです!!!

そして初年度だけではなく、その翌年も50件の新規開拓を行い、2年で累計100件以上も1人で開拓してしまったです。

今回はその要因を是非とも解明したいという社長のご要望もあり、私がインタビューを行ってきましたので、ご覧ください!

■売るための秘訣
実は今回のインタビューは事前に山田さんに伝えられておりませんでした。

それは当社の社長が用意してきた言葉ではなく、本当の山田さんの言葉・ノウハウを知りたかったためなのです。

そこで私が山田さんにいきなり「あなたはなぜ売れているのですか?」と単刀直入に質問するとおもむろに2つのことを話してくれました。

それは、①開拓する企業を決めること ②決めたら毎日でもいくこと、なのです。

■特筆すべき情報の使い方
現在、黒埼産業さんでは新規開拓を行う際に、与信的な観点から必ず帝国データバンクから情報を取ります。

昨今、倒産する企業も多く、売掛金が焦げ付かないように新規開拓の時点から顧客管理をしっかり行っているのです。

基本的には評点が50点以上の顧客であれば新規開拓の対象先として認定されます。

多くの営業マンはこの帝国データの情報を会社から指示のあったとおり与信の情報としてしか見ておらず、もっぱら確認されるところは評点です。

しかし、山田さんは評点だけでなく、帝国データバンクの基本情報から営業対象となりうる先かを算定するために評点以外の情報も確認しているのです。

まず確認する情報の1つとしては『販売先』です。

新規開拓の対象先が、今後成長していく企業なのかどうかを算定する上で販売先を確認しているのです。

新規開拓先が取引している販売先が、今後成長が見込める企業との取引が多ければ販売先の成長に伴って当社も成長する可能性はあります。

逆に販売先が脆弱であれば、販売先の売上減少に引っ張られ新規開拓先も売上を減少させる可能性があります。

その観点から販売先に優良企業が多ければ、今後成長していく可能性が高いと判断し、積極営業先として認定するのです。

そして販売先だけでなく、他の情報も確認しています。

その情報とは『仕入先』です。
仕入先にある競合A社が記載されていると山田さんに完全に顧客となりえる先としてロックオンされます。

競合先のA社は、とある会合でA社の営業と何度か会ったことがあり、その時のコミュニケーションの品質から必ず営業で勝てると考えているのです。

特にこの仕入先の情報は重要視しており、競合A社が入っていると勝利を確信したかのごとく営業を仕掛けていくというのです。

「A社との取引があれば、あとは毎日通うだけで数字が付いてきます」

という発言もあり、山田さんの中では「A社=シェアを奪える」という方程式が成り立っているようなのです。

■雑談で困ったらトップセールスは何をしているのか?
帝国データバンクの情報を活用してターゲット先を設定したら後は毎日通うだけです、と山田さんは話してくれます。

しかし、用もないのに何度も同じお客さんに通うことができないという営業マンが多いのも事実です。

そこで私もいつものごとく悩める営業マンになったつもりで山田さんに聞いてみたのです。

水田「あの毎日通うと話すことがなくなりますよね。話すことがなくて困ったときにはどうすればいいんですか?」

山田氏「え?そうですね。話すことがないなら何も話さなくていいんじゃないですか?」

水田「はい????」

私は耳を疑いました。

水田「え?どういう意味ですか?」

山田氏「いえ、だから話すことがないなら何も話さずにいればいいんですよ」

これは根底から覆されたような気分です・・・・

■話さなくても良い
多くの営業マンがお客さんとの会話の中で沈黙を嫌がります。そして沈黙が嫌なために、頼まれてもいないのに色々と話し出します。
そして話すことがなくなると商品の話をせざるを得なくなります。そして商品の話をすることでお客さんにだんだん嫌がられてしまうのです。

山田さんの「話さなくてもよい」という発想は斬新かつ的を射た方法です。

営業マンが話をしなければ、その間の悪さにお客さんが話し始めます。
そして、相手から切り出してきた話題というのは相手が興味・関心を示している話題である可能性が高く、その話題を更に発展させることで会話が広がります。

中には営業のネタが見つかることもあるでしょう。

沈黙は営業マンだけが嫌なわけではなく、誰しもが居心地が悪いのです。

この居心地の悪さをうまく利用した営業方法ではないでしょうか。

「何も話さなくていい・・・・・」

おそろしい発想ですが効果は覿面ではないでしょうか・・・・

(そういえばこちらがインタビューしているのに、なぜかこっちの方がよくしゃべっているなぁ~。これが山田マジックかーーー!?)

■水田チェック
山田さんの帝国データを使って、どの企業が顧客になりやすいかという発想で営業活動をすることは重要です。

この方法は効率的に実績をあげる上でも重要ですが、それ以上に、他の事に効果を発揮します。

その他の事とは、「お客の断り文句が聞こえなくなる」という効果です。

新規開拓は営業活動の99%が断られる活動になります。
断り文句を日々浴びせ続けられる中、営業としてのマインドを維持することが非常に難しい仕事です。

そして多くの営業がこの苦痛に耐え切れずにやめていってしまうのです。

しかし、最初に顧客になりやすいと自分自身に思い込ませておくことで断り文句への心理的なダメージを和らげることができます

例えば、あなたが住宅販売の営業だったとします。

ある時、ちょっとしたことから他社の住宅展示場に参加した来場客のリストを手に入れたとします。

そこには名前と住所があり、早速あなたはそのリストを使って飛び込み訪問を始めたのです。

その対象先リストのお宅にお伺いし、営業を始めると

「まったく興味ありません!」

と強い口調でいわれた時、あなたはどう思うでしょうか?

おそらくこう思うはずです。

「また、またぁ~、あなたついこないだ、住宅展示場に行っているじゃな~い。そうか自分が家をほしいってことを隠そうとしているな~。そんなに警戒しなくていいのに~(笑)」

電話帳リストなどから飛び込み訪問した時と比べると、お客の断り文句に対する心理的なダメージは飛躍的に低くなっているはずです。

これが、トップセールスが活用している断る客にめげない方法なのです。

結果的には間違っていたとしても最初に顧客になりやすい定義というのを設定しておくことにはこのような効果が生まれてくるのです。

あなたも間違ってもいいのでお客さんになりやすい人はどういう人かを考えてみてください。

その仮説をもって営業することができればあなたの苦痛は驚くほどになくなっているはずです。

そしてネタに困ったら『無言』

この驚愕の手法を私も試したくなってきました。
使っているシーンを想像するだけで鳥肌が立ってきます・・・。

■インタビュー企業
社名:黒崎産業株式会社
住所:石川県金沢市湊3丁目3番地1号
TEL:076-238-9300
URL:http://www.kurosakisangyo.co.jp/main.html