第49回リアルトップセールスインタビュー

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第49回のリアルトップセールスインタビューはナレッジスイート(株)の江戸さんです。

今回インタビューする江戸さんが取り扱っている商材はSFA・CRMといわれる営業支援システムで、営業情報の蓄積・共有・活用の強化を図ることによって顧客との関係性強化・売上アップ・営業効率アップを実現していくツールです。

社内では江戸さんの業績は他を圧倒する数字になっています。

システムの販売は住宅販売と同じように案件型ですので、受注件数が営業力を図る指標として適切であると思いますが、その件数が、なんと、昨年の実績で年間39件の受注を獲得しているのです。

しかし、年間39件の獲得といってもそのすごさは別の業界にいる方ではあまり分かりようがありません。

ということで比較対象として通常の営業マンの受注件数をお伺いしました。

江戸さんの他に営業マンは11名いるのですが、その平均値としては「年間20件の受注」です。

ということは!?江戸さんの受注件数は、なんと通常の営業マンの「倍」ということなのです。

しかも件数が多いだけではありません。

客単価も12名の営業マン中1位であり、なんと全体の売上の38%を江戸さん1人で獲得しているのです!!

そしてそんなスバ抜けた営業成績を上げるために、社内では江戸さんの売上構成比率をいかに下げるかという指標もあるとか・・・

そんな独壇場の数字をあげている江戸さんに、なぜそんな実績をたたき出すことができるのかについてお伺いしてきました。

■商談3回ルール
江戸さんは営業活動で、あるルールを自分の中に設定しています。

そのルールとは

「3回の商談で受注できそうにないお客様に対しては深追いしない」

というルールです。

これまで過去の経験から3回以内に結論が出たお客様については受注率が70%以上と高く、逆に4回を超えるとその受注率は極端に低くなるそうなのです。

そして、3回以内に結論が出るか否かは、3回の商談を終えてから見極めるのではなく、初回面談で概ね判断できると江戸さんは話していたのです。

江戸さんは会社の特性上、最初にお会いするのはシステム部門や総務の方がほとんどです。

その方々とお会いし、次回の面談で経営層もしくは営業部トップとの接触が図れる段取りがつけば3回以内で結論づく可能性が高いと判断するのです。

そしてそれがこれまでの経験値からも概ね間違っていないとのことなのです。

(これは私見ですが、おそらく初回の面談後に別部門をすぐに紹介してもらえるということは既に営業の問題が顕在化しており、その顕在化した問題が全社に共有されているからだと推測しています。
全社に共有されている=問題は深刻=問題を早く解決したいと考えている=顕在客
という論理が成り立つのではないでしょうか)

そして次回の商談で経営層や営業部門との接触が図れれば、即座にたたみかけにいきます。

なぜなら3回以内で商談を決めなければ、という考えがあるからです。

事前準備をしっかり行い、「ご質問いただいた件は次回の商談で・・・」とならないように万全の体制で商談に挑みます。

見込み客の中には決断を先送りにしようとして
「導入時期が早いのではないか」
「本当にうまく運用していけるのか」
と悩む方がいます。

しかし、そんな反論にひるむことはありません。

なぜなら商談3回ルールがあるからです。

そんな決断を単に先延ばそうとしているだけの意見には
「導入において期が熟すことはないこと」や「導入を成功させるフォロー体制があること」
を強く伝えて、決断できない見込み客の『決断』のお手伝いをするのです。

■潜在客への対処法
熱い見込み客に3回ルールを基準として即座に決めにいく営業を行いますが、まだまだ熱くなっていない潜在客へは顕在客とは違った接触方法を江戸さんは使っています。

違った接触方法とは、潜在客に対しては顕在客とは違って売込みを行わず、良き相談者として理解してもらうように努めているのです。

では具体的に良き相談者として認識してもらうために行っている事というのは何なのかというと、「その分野(営業部門が使うシステム)の専門家として認識してもらう」ということです。

一般的な業界知識はもちろんのこと、あえて他社製品の良さなども伝えることで業界の隅々まで精通していることを認識してもらっているのです。

他社製品の良さを語るという話を聞いて、そんなことまで話しても大丈夫なのか?と思った私はこんな質問をしてみたのです。

水田「他社製品の良さまで話してしまうと他社製品に魅力を感じて購入してしまったらどうするのですか?」

そうすると江戸さんは、

江戸氏「買う気がない人にいくら他社の良さを伝えたところで買わないものは買わないですよ。そんなことよりも他社製品にも熟知していると認識された方が後々メリットになるんですよ」

水田「どんなメリットがあるんですか?」

江戸氏「本当にSFAを検討する時期に入った時に私に連絡がくるようになるんです」

確かにそうです。

見込み客の立場になれば何となく想像できます。

他社の製品まで熟知しているという側面を見せられれば、その営業マンは最も自分に合った商品を提供してくれるという思いになります。

営業マンとお客さんという域を超えて、先生と生徒の関係です。

この立場が構築できているからこそ、いざという時に江戸さんに連絡がきますし、見込み客も江戸さんの提案する商品を疑いもなく購入していくのだと思います。

■水田チェック
江戸さんの営業方法を見ていると、見込み客の心理を熟知しているとしか思えません。

顕在客に対しては商品のメリットを語ることも重要ですが、最も重要なことは行動を促すこと

要は「決断をさせること」です。

「人は感情で買い理屈で正当化する」動物ですが、顕在客に必要なのは買うという行為を正当化する作業です。

その行為を促進させるために、「導入において期が熟すことはないこと」や「導入を成功させるフォロー体制があること」を伝えることは効果的です。

しかも人は迷えば迷うほど買うという行為を避ける「選択のパラドックス」というものがありますが、3回目の商談までに決めるという営業ルールはまさにその「選択のパラドックス」に陥らないための方法です。

いわゆる「鉄は熱いうちに打て!」ということわざそのものです。

そして顕在客への営業方法だけではなく、潜在客への対応方法も見事に顧客心理をとらえていると思います。

まだ必要性を感じていない見込み客に対して売り込みをかけても嫌がられるだけです。

この段階では「商品を購入してもらう」ということに焦点を当てるのではなく、「いかに信頼残高を積み上げていくか」に注目して営業するかという点に素晴らしさを感じます。

顕在客には「決断」を、潜在客には「信頼残高」を、といった感じで顧客心理に合わせた営業方法を選択して実践しているところに江戸さんのすごさを感じます。

今回のインタビューでは、どんなタイミングで、どんな営業スキルが活きるのか、が明確になったような気がしています。

※ちなみに江戸さんはITマガジン最大手のインプレスのクラウドウォッチでインタビューを受けており、その記事はSFA選定に非常に参考になると思います。
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/interview/20130507_598266.html

■インタビュー企業
社名:ナレッジスイート株式会社
住所:東京都港区海岸3-9-15 LOOP-Xビル 6階
TEL:03-5440-2081
URL:http://ksj.co.jp/