第50回リアルトップセールスインタビュー

三浦さん(前澤工業)②

第50回のリアルトップセールスインタビューは前澤工業(株)の三浦さんです。

三浦さんお勤めの前澤工業は東証一部上場企業で、配水管のバルブを製造販売している会社です。

エンドユーザーは主に官公庁ですが、バルブの流通経路となる商社や建設会社、設計を行う建設コンサル会社も案件採用に大きな関わりを持っているため、その営業先は多岐に渡ります。

三浦さんの前澤工業での実績はすばらしく、現在まで、個人目標を「7年連続」で達成しています。

この記録は現在40名いる営業マンの中で唯一の記録であり、まさにリアル(現在進行形)なトップセールスなのです。

今回は三浦さんの上席にあたる方からの推薦ですが、その上席になぜ推薦したのかを確認すると、驚くべき事実を耳にしたのです。

水田「今回はなぜ三浦さんを推薦してくれたのですか?」

上司「彼は成約率が異様に高い!会議などで上げてくる案件については、ほぼ100%受注してくるんだよね。こんな営業マンは過去にも見たことがないね~」

とのことだったのです。

案件の見極めがうまいのか、相手を説得する魔術のような方法を持っているのか、非常に気になるところです。

そこで早速、成約率100%近くたたき出す三浦さんにその営業ノウハウを聞くべく、インタビューを敢行して参りました。

 

■本物のにおい
【インタビュー当日】

水田「三浦さん、今日はお忙しいところありがとうございます。お忙しいのにわざわざインタビューのお時間をいただいて本当にありがたいです」

三浦氏「あっ、それは全然構わないのですが、私はトップセールスじゃありませんよ」

水田「そんな、ご謙遜なさらずに」

三浦氏「それに何も特別なことはやってないし・・・」

この言葉を聞いたときに、私は心が躍りました。

トップセールスは人とは違うことをやっているが、それが習慣になっているために自分では特別なことをやっているとは思っていないタイプの人が多いです。

この言葉を聞いた瞬間に、本物のにおいがすると思わず感じてしまったのです。

水田「了解しました。それでは普段、三浦さんがやっておられる営業方法を教えてもらえないですか?」

三浦氏「分かりました。誰でもやっていることだと思いますが、それでよろしければお話しします」

こんな感じでインタビューがスタートしました。

三浦氏「今の営業で意識してやっていることと言えば、できるだけ多くの仲間を作るようにしています」

 

■仲間を作る営業とは
三浦さんの営業先は商社・役所・建設コンサルなど多岐に渡ります。

その関係する会社に対して、できるだけ多くの仲間を作るようにしているそうです。

現在進めている商談に対して、関係があるか・ないかは特に気にせず、社内にいるあらゆる人に声をかけ関係性を深めていくことに時間を割いているのだそうです。

そして相手との関係性を深めていくために、顧客が企画しているゴルフコンペや花見、バーベキューのイベントごとにも顔を出していたり、関係性ができてくれば月に1回ペースで食事に行ったりなど、仕事以外での付き合いも積極的に参加しているのです。

そして驚いたことに、このような関係性を作る活動は、仕事を獲得する上で「影響力のない人」や「性格が合わない人」にも行うというのです。

多くの営業本に書いてある内容といえば、「キーマン」を特定してできるだけ最短で商談を成立させよ、という内容がほとんどです。

裏を返せば、あまり決裁権のない人にお会いしても時間の無駄になるためキーマン以外を見極めよという内容です。

しかし、三浦さんは営業の定石としては時間を割くべきではない人に対しても時間を割くというのです。

なぜなのでしょうか?

不思議に思った私は、三浦さんになぜ「影響力のない人」や「性格の合わない人」ともお会いするのかを質問すると、このような答えが返ってきました。

三浦氏「影響力のない人でもキーマンと会話をする際の話題を拾うことができます。また性格の合わない人だからといって敬遠していると、その人が、万が一、組織の中で大きな影響力を持った時に、営業が相当やりづらくなります。だから影響力や話のしやすさなどは関係なく、多くの人とのつながりを持つようにしているのです」

 

■取引先企業で存在感を高める方法
多くの営業マンがキーマンとの関係性を高めるために、キーマンの趣味や興味関心ごとを会話の中で探ろうとします。

趣味や興味・関心ごとが分かれば、その話題を面談・商談の際にはさむことで会話がスムーズにいくようになります。

しかし、お客様の中には趣味や興味関心ごとなどをフランクに話してくれない人もおり、聞き出せないとなると会話が仕事の話ばかりで重苦しくなります。

そんな事態にならないように、何とか会話テクニックを駆使して聞き出そうとするのが多くの営業マンですが、うまくいかないケースがほとんどです。

そんな中、三浦さんの発想は非常にシンプルかつ効果的で、苦労してキーマンから聞き出さなくても「周りの人に聞けばいいでしょ」という発想なのです。

聞きにくい相手に苦労して聞き出す必要はなく、周りの人に聞けば良いのです。

この方法は誰でもでき、最も簡単な方法です。

そして、社内の多くの人に会話をする効果はこれだけではありません。

実は、多くの人と関係性を持つことで「取引先での存在感を高める効果がある」そうなのです。

そのロジックはこうです。

「多くの人と関係性を持つ」→「社内の事情通になる」→「背景情報が把握できているのでキーマンは説明しなくて済む」→「理解が早い営業マンは顧客にとって便利」→「手放せない存在になる」

このように多くの仲間を作るという営業方法は、関係性の構築だけでなく取引先から有無も言わせずに発注させる囲い込みの戦略にもなっているのです。

もしかしたら、今回のノウハウは「ある1つの拠点を落としたい」「営業先に大企業が多い」という営業マンにとっては恐ろしく価値のあるノウハウだったのではないでしょうか。

今回も本当に勉強になるインタビューでした!

 

■水田チェック
三浦さんの仲間を作るという営業活動は、取引先で存在感を高めるだけでなくもう1つ隠された効果があることも会話の中で気づくことができました。

それは担当者から情報をうまく引きだすために、担当者の上長に根回しして布石を打っておくという話もしていました。

例えば、担当者が営業マンに対してあまり情報を開示したくない場合、担当者の上長から三浦さんとしっかり話をするように事前に言ってもらうことで、情報を聞き出しやすい態勢を整えていくのです。

この方法は「ピアプレッシャー」という心理効果があり、営業マンが顧客を説得するよりも仲間内から説得された方が、説得効果が高いというものです。

このノウハウが見えた時に、冒頭でお話しした三浦さんの成約率が「なぜ高いのか」が明確になったような気がしました。

おそらく、仲間を多く作り、仲間から案件担当者に影響力を与えることで説得効果を高め、そしてその結果として今の成約率の高さがあるのではないかと思います。

「外堀を埋める営業活動」

これこそがまさに三浦さんの営業ノウハウだと私は感じています。

 

■インタビュー企業
社名:前澤工業株式会社
住所:埼玉県川口市仲町5番11号
TEL:048-251-5511
URL:http://www.maezawa.co.jp/index.html