トップセールスインタビュー

第55回リアルトップセールスインタビュー

高江さん

第55回のリアルトップセールスインタビューは(有)竹工房オンセの高江さんです。

今回のトップセールスは訪問販売ではなく、店頭販売のトップセールスです。

高江さんは大手百貨店の物産展などに期間限定で出店し、竹を使ったバッグや箸、カゴを販売しています。

普段は、大分で商品の制作を行っているのですが、毎年、春・夏の時期になると全国の大手百貨店に期間限定で出店し、年間の売上の70~80%をこの店頭販売で稼いでいるのです。

そしてその販売力は初出店の頃から他店を圧倒しています。

初めて百貨店に出店した当初、ある事情で急な出店となったこともあり、百貨店チラシでの出店の告知が間に合わないまま販売をスタートさせました。

しかし、チラシに掲載された店舗が1週間で50~60万の売上がやっとの中、初出店で120万の売上を獲得

そして翌年の販売では、他店同様に広告掲載をしてもらうと、なんと週間売上は230万!

当然ですが、出店まもない店ということもあり立地は他店より悪条件だったと思います。

にも関わらず他店の4倍もの売上を獲得したのです。

そして直近では週間の売上を300万にまで引き延ばしています。

通常、同業の他店(竹工芸の店)が週間100万越えは厳しい中、その金額をはるかに超える実績をたたき出しているのです。

それでは、どんな悪条件の中でも他店を圧倒する販売術とはどんなものなのかをご紹介いたします。

 

■考え抜かれたセールスプロセス(新規編)
よく営業マンに商談の進め方について聞くと、

「そんなものありませんよ。感覚、感覚!」

と言われることが少なくありません。

今回、どのような手順で営業を仕掛けているのかをお尋ねした時に、正直、そのような返答がくると予想していたのですが、高江さんの営業方法は明確なセールスプロセスがありました。

それを、順を追って解説いたします。

1)声掛けのタイミング
まずは声掛けのタイミングです。

店頭販売にとって声掛けのタイミングというのは非常に重要なポイントです。

店舗内でお客様に話しかけることができ、その時間が長くなればなる程購入される可能性は高くなります。

それは消費者の立場で考えると分かると思います。

しかし、だからといって店舗内に入る客、入る客、すべての人に話しかけてくるような店であれば、非常に近寄りづらく、店舗内に人がいなくなってしまう事も容易に想像がつきます。

冷やかし客には距離を取りつつも、本気で考えている顧客には漏れなくフォローする販売活動が求められるのです。

では、冷やかし客なのか、本気客なのかを高江さんはどこで判断しているのでしょか?

それを高江さんにお聞きするとこんな答えが返ってきました。

水田「声掛けのタイミングって難しいと思うのですが、高江さんはどこで見極めていますか?」

高江氏「私はお客さんの足の向きをチェックしています。お客さんの足が商品の方をしっかりと向いていれば話しかけるようにしています」

水田「へ~、なるほど足の向きですか」

高江氏「そうです。買わないお客さんは足が出ていく方向を向いています。これは私の経験則ですが、たいてい話しかけると逃げていかれます」

水田「なるほど、よく数秒立ち止まったら声をかけるという話は聞きますが、足の向きで判断するのですか。確かに冷やかしでも数秒商品を眺めていることはあるので、立ち止まった時間よりも体の向き、特に足を見るというのはおもしろいですね」

2)体験による理解
水田「それでは、足の向きが商品に向いているお客さんにまずは何を話しかけますか?」

高江氏「まずは何かを話しかけるというよりは、実際に竹細工のバッグを持ってもらうようにしています」

高江氏「私の顧客層の方は比較的年齢層が高く、普段バッグが重いことに少なからず不満を持っています。そこでこの竹バッグを持ってもらうとその軽さに驚きます。あと、竹細工だと洋服に引っかかったりするのではないかという心配がありますので、実際に体感していただくことで、その不安を解消していくのです」

水田「説明よりも体験させるということですね」

この説明よりも体験させるというのは非常に理にかなった営業方法です。

これは「巻き込み」という心理トリガーをうまく利用しています。

「巻き込み」とは体験させることによって、顧客は義理を感じ、もう潜在意識の中では買うつもりになっているという心理です。

車の試乗や服屋の試着などがまさにこの心理であり、余計なことを説明するよりもまずは体験させることは有効な手段です。

3)本物の証拠の提示
水田「体験させた後は何かを説明するのですか?」

高江氏「その後は、輸入品との差別化を図ります。国産であれば作家の名前が入ることや、伝統工芸品として認定されている場合にしか入らないマークの説明を行います」

体験させた後は、品質が確かなものである教育。

国産であることの見分け方や、経済産業省認定の伝統工芸品であることを認識してもらうことで本物であることの証拠を提示しています。

素人であれば、今、目の前にしている商品が本当に確かなものであるかどうかは判断しづらいものです。

なので、多くの人はブランド品を好みます。

ブランドがあれば確かな商品であると思えるからです。

それと同じように「●●お墨付き」のような証拠を提示されると「本当に確かなものであるのかどうか」という不信感は一瞬のうちに払しょくされます。

顧客心理を先回りして考えられた効果的なセールス方法です。

4)保証によるリスクリバーサル
水田「更にその後もまだ何かありますか?」

高江氏「そうですね。最後は商品を購入いただいた際には5年保証がついていることを伝えます。うちの商品は購入いただいて5年間は、壊れた場合に無償で修理しますし、5年以降も実費で修理することを伝えています」

水田「(おーーー、クロージングまであるとは!完璧すぎる~)※心の声」

この話の流れがあっさりと出てきたところから推察すると、それぞれの営業方法を場当たり的にやっているのではなく、明らかに一連の型として構築されており、普段から実践されているということが分かりました。

「声掛け」→「体験による理解」→「本物の証拠の提示」→「保証」

世の中にいる営業パーソンの中で、いったいどれぐらいの人が自分の商談の型を持っているでしょうか?

おそらく多くの営業パーソンのほとんどが、型を持たずに営業活動していると思います。

やはりトップセールスマンは、話の流れや型にまでこだわっていることが、このインタビューを通して痛切に感じます。

 

■リピートさせる営業法
また、新規顧客への営業方法だけではありません。

高江さんはリピート顧客に対しても「ある行動」を実践するように心がけています。

その「ある行動」とは、店舗に再来店してくれたリピーターに必ず名前を呼んで挨拶をするようにしているのです。

顧客というのは一度購入したお店で以前買ったことを覚えてもらっていると嬉しいものです。

一見客ではないという扱いを受けると自己重要感を刺激されます。

そして、うれしく思ったリピーターが更に高江さんやお店のファンになるのです。

しかし、全国にいる何百、何千人といる顧客の顔を覚えることは至難の業です。

というか不可能です。

顔と名前を憶えておかなければ、来店した際に名前を呼ぶことはできないのですが、それを実現するために高江さんはあることを実践しています。

その実践している事とは、商品を購入してもらった際に、購入した商品とお客さんの写真を必ず撮ってファイリングしているのです。

そして写真が蓄積されたファイルを出張前に確認し、出店地に向かうのです。

この弛まない努力が、リピーターの心を鷲掴みにしているのです。

 

■水田チェック
今回、インタビューをさせていただきました高江さんは、かなり年下である私がネホリハホリ聞く質問に対して、何一つ嫌な顔をせずに、笑顔で多くのことを語ってくれました。

この人柄の良さは普段の販売にも出ているようで、20万円もする高額のバッグを買うお客さんに対して、「本当に買うんですか?」と聞き直すほどの方です。

そんな人柄の良さからなのか、いつも向けられている視線の先は「お客様の声」です。

先程、ご紹介したセールスプロセスもお客様の声が元で作られています。

「普段使っているバッグが重いこと」「竹細工のバッグに洋服が引っかからないかと心配していること」「すぐに壊れるのではないかと心配していること」などは全て実際のお客さんから学んでいます。

そして今もインターネットで販売した顧客に対しては、必ず商品を送付する際にお客様アンケートを同封しています。

そして、そのアンケートが返送しやすいように返信用封筒も用意するほど「お客様の声」を大事にしています。

世間一般では、売れない悩みを上司に相談したり、書籍を買ったり、セミナーに参加して解消しようとする方が多いと思いますが、意外にも最も効果的な方法は別にあるかもしれません。

『お客様の声』

これを収集する活動を始めるだけで、誰よりも売れるトップセールスになれるのかもしれません。

 

■インタビュー企業
社名:有限会社竹工房オンセ
住所:大分県宇佐市安心院町萱籠1167
TEL:0978-48-2027
URL:http://www.take-once.com/

第54回リアルトップセールスインタビュー

鈴村さん

 

第54回のリアルトップセールスインタビューは(株)長登屋の鈴村さんです。

鈴村さんお勤めの長登屋はおみやげの商品企画・製造販売を行っている企業です。

長登屋の歴史はかなり古く、創業80年という老舗企業です。

今回のインタビューした鈴村さんは当社の営業マンの中でも群を抜いて素晴らしい数字を築いてきた人物であり、なんと目標達成率については120%以上を8年連続、継続しています。

この達成率の高さを継続している秘訣は、毎年出し続けているヒット商品の存在です。

そのヒット商品のいくつかをご紹介しますと

●「焼肉たむら」とのコラボ商品(30万個、1億円以上の売上):2011年
●「せんとくん」のクッキー(1億円以上の売上):2012年
●大阪の恋人(30万個、1億円以上の売上):2013年
●USJへの商品導入(3億円以上の売上):2014年

毎年1億円以上のヒット商品を生み出し、当社に多大なる貢献をしているのです!

しかし、毎年ヒット商品というのがそんなに簡単に出せるものなのでしょうか。

天才的な商品企画の才能があるからなのでしょうか?

そんな疑問を感じながら話を聞いてみましたが、ヒット商品を生み出す秘訣は天才的なセンスではなく、意外なものでした。

商品企画のセンスが人よりもズバ抜けているということではなく、非常に再現性の高い活動を行っていたのです。

それでは、その内容をご紹介したいと思います。

 

■おみやげ業界の特性
おみやげメーカーの営業先というのは、観光地のおみやげ屋さんやホテル、空港の売店、サービスエリアなどにある売店が主になります。

売上アップには提案した商品が「売れたか」「売れなかったか」は大きな要素であり、ヒット商品を開発できれば顧客の信頼を獲得することができ、その結果として店内シェアの拡大にもつながってきます。

しかし、ヒット商品を生み出すというのはどんなに知識があっても、どんなに業界に長けていたとしても、どんなに消費者トレンドを掴んでいたとしても非常に難しいものです。

この雲をつかむようなヒット商品を作るために、鈴村さんはいったい何をしているのでしょうか?

 

■ヒット商品の情報ネタはどこにあるのか?
ヒット商品を開発するにあたっていちばん私が知りたいと思ったのは、その情報のつかみ方です。

今のトレンド情報をどのようにつかみ、どのように商品化するのか。

その点について尋ねてみると、このような話が出てきました。

水田「ヒット商品を開発していくには、今のトレンドを把握してそれをいかに商品化するかだと思いますが、鈴村さんはどこからその情報を得ているのですか?」

鈴村氏「これまでの経験からヒット商品というのは、こちらがこだわって作った商品ほど売れません。こちらが一方的にトレンドを読んで開発しても売れないことが多いんです」

水田「なるほど、プロダクトアウトだとうまくいかないのですね」

鈴村氏「そうです。こちらがこだわった商品よりも顧客の意見を反映させた方がヒット商品につながる可能性が大きいですね」

水田「そうですか。となると売り場の方に今の消費者動向をお伺いしながら商品を企画していくのですか?」

鈴村氏「いえ、売り場の方ではなく、本部の商品企画のリーダーや会社によっては社長や取締役クラスの方に聞くことが多いです」

水田「売り場じゃないんですか?」

鈴村氏「はい、売り場の方ではなく本部のリーダーや役員たちと話をした方が、こちらを下に見ているということもあり、アイデアについて収集しやすいのです」

鈴村氏「ただ、このクラスの方とお話をしたからといってヒット商品を簡単に作れるわけではありません。企画というのは狙って売れるものではないので常にテストするという姿勢が重要だと思います」

水田「常にテストですか」

鈴村氏「はい、常に市場に投入して売れなければ何が悪いのか。ネーミングなのかパッケージなのか、価格なのか、味なのかなど、検証作業を繰り返していくのです」

鈴村氏「ヒット商品を一発で当てに行くのではなく、常にテストだと思って商品を投入して改善を繰り返していく。この作業がヒット商品につながる可能性を高めているのだと思います」

水田「なるほど、でも毎回商品を提案してはずしていれば顧客から信用を無くすということはないのですか?

鈴村氏「それはないと思っています。基本的に売り場は常に新しい商品を入れていかなければ飽きられてしまいます。だから常に新しい商品の提案を求めています。売れる・売れないに関係なく、常に新しい企画をぶつけていく行為自体に価値があると思います」

水田「確かにそうですね。お店側としては新しい企画を提案し続けてくれた方がうれしいですよね」

鈴村氏「そうです。それにたまにしか提案しない時より新しい商品を提案し続けていた方が、いざ企画がうまくいかなかった時にもお咎めが小さいですから」

この言葉を聞いて『なるほど』と感心しました。

新しい商品を企画し提案し続けると、その行為自体が相手にとってメリットがあり、その回数を量産することで『返報性の原理』が生まれているのだと思いました。
※返報性とは、報いられたら報い返したいと思う心理

その心理効果を狙って営業していた訳ではないと思いますが、経験則でそのような行為が効果的であるということを身に付けていたのでしょう。

そして、その裏付けとして鈴村さんに年間の商品企画数を確認すると、年間170~180アイテムの提案をしているとのこと。

ほとんど毎日のペースです。

「量が質を凌駕する」という名言がありますが、まさに企画提案の量を担保することで、顧客の反応という情報が集まり、そしてヒット商品を生む結果につながっているのではないかと思います。

 

■ヒット商品を簡単に作る方法
ヒット商品を連発して生み出している鈴村さんですが、ヒット商品を全て1から作っていくだけでなく、もう1つの方法も活用しながらヒット商品を生み出しています。

鈴村さんはヒット商品を生み出すパターンは2通りあると言います。

その1つは顧客とのコミュニケーションで生み出されるヒット商品、そしてもう1つは「競合のヒット商品を活用する」という方法だと教えてくれたのです。

ヒット商品は無から生み出すのはかなりの至難の業です。

なぜなら消費者心理は推測することが難しく、その移り変わりも激しいからです。

しかし、今売れている競合品のマネをすれば、効果検証済みのアイデアを拝借するわけですから、かなりの確率でヒットすることは間違いなしです。

消費者心理を推測するのではなく、テストマーケティングを終えた状態で商品開発をする訳ですから。

ただ、売れている競合品のアイデアを拝借する場合は『あること』を最優先しなければならないと鈴村さんは教えてくれました。

それは「スピード感」です。

ヒット商品は、一度ヒットするとそのアイデアを拝借する競合が大勢でてきます。

ですから、いち早くアイデアを拝借して商品化していかなければそのうま味はどんどん薄れていくのです。

・売り場で目立った陳列をされている商品をチェック
・売れていることが分かればすぐさま形を変えて商品化
・そしてあとはスピード感を持って市場に展開

市場投入の「スピード」こそが優劣を分けるポイントとなるのです。

いかがでしたでしょうか?

今回は営業担当者だけでなく、商品企画に携わる方々にもかなり参考になったのではないかと思います。

商品開発はセンスではなく、

「商品へのこだわりを捨て、テストマーケティングを繰り返す」
「競合品のアイデアを拝借して、スピード感をもって展開する」

これがヒット商品を生み出す秘訣だったのです。

本当に参考になるお話でした。

鈴村さん、ありがとうございます!

 

■水田チェック
今回、鈴村さんのノウハウで特筆すべき点は、提案量による顧客の囲い込み戦略だと思います。

常に新たな提案を繰り返すことで、返報性の原理が働き、商品企画がハズレた時でもお咎めが小さいというのはおもしろい話です。

そして提案の数が多いと、顧客も特別感を与える結果につながっているとも考えられます。

「ハード・トゥ・ゲット・テクニック」という言葉がありますが、人は特別扱いに弱いという心理効果があります。

提案の数を大量に行うことによって「うちには良くしてくれている」という特別感が湧き、そしてその行為が鈴村さんと顧客の関係性を強くしていっているのだと思います。

しかし、なぜこのような大量に提案する方法を身に付けたのでしょうか?

実は、このように大量に提案する背景として、鈴村さんは口下手であったことが大きいと話していました。

当社に入社して営業になり立ての頃はお客様との話が続かず、気まずい雰囲気になった事が何度もあったようです。

その空気に耐え切れず、何か解消方法を考えていた時に思いついたのが商品提案なのです。

「何かしら商品の企画を持ち込めば、顧客との会話が弾む」

それから顧客に訪問する際には何かしらのネタを持ち込み話に行ったのです。

「禍(わざわい)を転じて福となす」

何がきっかけでトップセールスになれるのかは分かりませんが、話し上手な人だけがトップセールスになっている訳ではないという事実は、うまく話せないことに悩んでいる営業にとっては勇気づけられる内容だったのではないでしょうか。

 

■インタビュー企業
社名:株式会社長登屋
住所:愛知県北名古屋市高田寺東の川12
TEL:0568-22-8511
URL:http://www.nagatoya-gift.com/index.html

第53回リアルトップセールスインタビュー

太田さん(フランソア)

 

第53回のリアルトップセールスインタビューは(株)フランソアの太田さんです。

太田さんが勤務しているフランソアは九州地区では有名なパンメーカーの企業です。

パンメーカーと言えば、ヤマザキ製パン、フジパン、敷島製パンなどがありますが、そういった企業との競争環境の中で、高品質を売りに九州地区で営業を展開している企業です。

今回ご紹介する太田さんは、増税で市場環境が厳しい中、「売上達成率」「既存店年比」「粗利達成率」の3つの部門で目標を達成しています。

この3冠を達成したのは約40名いる営業の中で太田さんを含めたった『2名』のみ!

また、当社の経営幹部の話から、太田さんは売上の増減が少なく業績が安定しているとのこと。

では、なぜ売上が安定しているのか、そして高い粗利額を獲得するために何をしているのでしょうか?

その点を解明すべく太田さんより話を聞いてまいりました。

 

■パンメーカーのトップセールスが行う習慣とは
パンメーカーの営業先は「スーパー」「コンビニ」などの小売店です。

小売店のバイヤーに店舗のパンの販売状況を確認し、状況に応じて新商品の企画を提案したり、定番の入替などの提案をしたりしています。

営業活動のほとんどは、このように担当店舗を巡回しての提案活動を行っていますが、太田さんは店舗を巡回する際に、必ずある行動を徹底するようにしているのです。

その行動とは、バイヤーや担当者に状況を確認しにいく前に、必ずパン売り場の確認を徹底しているということです。

この行動は入社当時に上司であった川崎部長の教えであり、売り場を定点観測することで売り場の変化に気づき、売り場の変化が顧客を知るという点で非常に重要な行為になるからなのです。

その売り場の中でも特に注視する場所は「定番」の棚です。

なぜ定番の棚を注視するのかというと、「定番の棚」にはバイヤーや担当者の考えが色濃く出るからだというのです。

特売品というのは顧客を引き寄せるためにその時その時のお買い得品を投入しますが、定番品はそこまで頻度高く入れ替えるものではありません。

つまり、バイヤーや担当者の考えの変化が見えやすい場所なのです。

商品の入替があれば、バイヤーや担当者が売り場に不足感を感じていた可能性は高く、その変化をいち早くチェックするためにも売り場のチェックは欠かせないというのです。

 

■常識vs 非常識
売り場を定点観測していると、他社が注力している商品も見えてきます。

そして、注力している商品が実際に売れているかどうかの確認を行い、売れていないという情報をつかむ事ができれば提案のチャンスです。

提案のチャンスが訪れると、すぐさま、今、自社で売れている商品の話題を展開してシェア獲得の動きに移ります。

まずはお試しといった感じで小さく入り、そこから売れ行きをバイヤーや担当者と確認していく作業に入ります。

太田さん「先日、入れ替えた商品の売れ行きはどうですか?」

バイヤー「なかなかいい調子だよ。提案してもらって良かったよ」

しかし、入れ替えた商品がいつもうまくいく訳ではありません。

他店で売れている商品を投入しても、売れないことも当たり前のようにあります。

こういった状況が発生した場合に、違う商品を提案して挽回を図ろうとするのだろうと私は思っていたのですが、太田さんからは意外な回答が返ってきました。

水田「切り替えた商品が売れない場合は、違う商品を提案するのですか?」

太田さん「もし、提案した商品が一度売れなくても、自分が「売りたい」、「売れる」と思う商品であれば、商品特徴が伝わるPOPをおいて目立つようにします」

水田「もし、それでも売れなければどうしますか?」

太田さん「それでも売れなければ、棚の底を浮かせてパンが目立つように陳列するようにします」

水田「それでも売れなければ?」

太田さん「レイアウトを変更します」

水田「それでもだめなら?」

太田さん「什器の場所を変えたりします」

水田「それでもダメなら?」

太田さん「商品を日持ちするものに変えて廃棄ロスを抑えます」

水田「それでもうまくいかなければどうしますか?」

太田さん「パンのフェイスを減らして、違う商品を置いてもらうようにします」

水田「パンのフェイスを減らす行為は自分の売上を下げる結果になると思いますが、それでもそのような提案を行うのですか?」

太田さん「はい、そうですね」

正直、意外でした。

商品の入替を提案するのかと思ったら、その提案はかなり後。

まずは商品の見せ方を変えるということころに焦点が当たっています。

しかも最終的には顧客の利益を考えて、パンのフェイスを減らすという提案まで行うのです。

そして一番驚いたことは、私のこのような面倒な質問攻めに対して、全て即答してきたところです。たまにこのような対応をしているのではなく、常に実践していることが窺えました。

しかし、このような営業方法は営業の定石からいうとあまり選択されない方法です。

POPやレイアウト変更あたりまでは行うかもしれませんが、それでも売れなければ、売れない理由は店舗の立地や集客に原因がある可能性が高いと考え、諦めて他の店舗に力を注ぐのではないでしょうか?

ある程度のところで顧客を見極めて、「販売力のある小売店に注力する」

それが営業の定石のような気がしていたのですが、太田さんの行動はこの効率的な営業の真逆をついているような気がしました。

そこでふと思ったのが、やはり他社の営業がやっていないことをやるからこそ、他とは違うと感じてもらうことができるということ。

そして、売り場のことを誰よりも考えてくれるので、定番といった店舗にとって重要な売り場を任せてもらえるのではないかと思ったのです。

営業の非常識=誰もやっていないこと

太田さんの営業活動を聞いて改めて「抜きんでた営業とは何なのか」を学んだような気がしました。

 

■水田チェック
昔、広告と言えばDMやチラシといった紙媒体が多く使われてきました。

そしてインターネットが普及している現在ではオンラインの広告が中心となってきています。

時代の流れによって広告のあり方は変わってきますが、オンラインがあたり前の時代だからこそ、あえて紙媒体での広告は目を惹くものになったりします。

営業活動でも質を高める時代に、量で勝負してみる。

効率が求められる時代だからこそ、非効率で勝負してみる。

あえて今の時代の逆をついてみると、それだけでその他大勢ではなく、唯一の存在になってくるのではないでしょうか?

人と違うことをするというのは恐怖感や不安感をもたらします。

「そんなやり方は間違っている」
「誰もそんな営業方法はしていない」

その他大勢と同じことをしていないと、さも間違っているという風潮が日本にはあるかもしれませんが、よく考えるとその他大勢と同じことをやれば、ただの普通の人です。

他社の営業とは違うと思われるためには、

「あえて他の営業担当者とは逆のことをやってみる」
「あえて普通の営業ではやらないことをやってみる」

という考えも必要なのではないでしょうか。

あるマーケティングの権威が

「どのような道を選んだにせよ、手本となる成功例が見当たらなければ、周囲の人々がしていることを眺め、単にその逆の事をすればいい。なぜなら、常に大多数の人間は間違っているからだ」

というナイチンゲールの言葉を引用して、周りに否定されるマーケティングプランこそ成功する可能性が高いと言いましたが、今回はまさにこのような考えに気づかせてもらったような気がしています。

 

■インタビュー企業
社名:株式会社フランソア
住所:福岡県糟屋郡新宮町緑ケ浜3丁目1番1号
TEL:092-941-2323
URL:http://www.francois.co.jp/

第52回リアルトップセールスインタビュー

都築さん(愛知BK)③

 

第52回のリアルトップセールスインタビューは愛知銀行の都筑さんです。

今回のインタビューはこれまでで「初」の業界、銀行業界のトップセールスです!

都筑さんの担当業務は融資業務であり、地域の企業に対して運転資金や設備投資などの提案を行っています。

これまでの都筑さんの実績には目を惹くものがあり、その実績をご紹介すると、

個人実績では、
・頭取賞1回(430名中 上位3%が表彰対象)
・優秀賞1回(430名中 上位5%が表彰対象)

そして都筑さんが所属する支店については、総合業績表彰として「金賞」「銀賞」「敢闘賞」を多数受賞しており、その業績のけん引役となったのが都筑さんなのです。

このような数々の表彰を受けている都筑さんですが、融資の提案方法として「借換え」を得意としています。

「借換え」とは、現在メインバンクとなっている他行の銀行に変わってこちらがメインバンクになるという手法です。

いわゆるメインバンクの地位を奪取する営業です。

商品がお金であれ、有形・無形の商品であれ、顧客のメインを勝ち取ることは非常に難しいことです

メインというのは取引関係が深く、かなりの信頼を置いているのでメインになっている訳ですので、簡単に変更されるようなものではありません。

その簡単にできない代物を得意としている都筑さんに、なぜそのような芸当ができるのかを確認してきました!

 

■銀行業界のジレンマ
私も昔、金融業界で融資を担当していたということもあり、企業融資の難しい点はよく把握しています。

通常の営業であれば、企業の健全状態とニーズに相関関係はありません。

優良企業であろうと、危ない企業であろうと、ニーズは発生します。

しかし、融資というのは本来貸したい先である優良企業ほど、資金需要が発生することが少なく、どちらかというと資金繰りがうまくいっていない企業の方が、資金ニーズが発生しやすい特性があります。

とはいえ、危ないと思われる企業に融資することはできませんので、この「企業の健全性」と「資金ニーズ発生の可能性」が逆相関の関係にある中、どのように営業業績を上げていくかが課題です。

また、企業に資金需要が発生した場合、まず最初にメインバンクに相談を持ちかけている可能性が極めて高く、メイン以外に振ってくる案件と言えば、メインバンクが断ったであろう案件、いわゆる実現可能性が低い相談内容であることが多いのです。

要するに、ニーズがあるからといってすぐに契約とはならない、一筋縄ではいかない特性を持っているのです。

このような業界特有のジレンマがある中で、どのようにメインバンクの地位を奪取しているのでしょうか?

 

■メインバンクを獲得する営業術とは
都筑さんいわく融資業務のポイントは、顧客のニーズに沿う形で案件組成を行い、与信判断上問題ない案件としてまとめることが銀行営業の腕の見せ所とお話しされていました。

先程解説した通り、メインバンクでない限り、企業からの融資相談は実現の可能性が薄いものばかりです。

「融資に対して担保がない」
「企業体力から顧客が要望している金額は大きすぎる」
「今の与信状態からこれ以上は追加融資できない」
など・・・

そんな要望をそのまま審査に通しても、まず融資は下りないという内容ばかりです。

多くの銀行マンは、そのような内容に一律の回答しか行いません。

「やはり追加で担保がないと・・・」

「審査には話してみますが、この内容はまず難しいと思います・・・」

難しい案件に対してはほとんどこのような回答です。

しかし、都筑さんは一見無理と思える融資であったとしても「その可能性を徹底的に探るべき」というポリシーを持っています。

そのため誰もがやっている表面的な企業の業績や資金繰りの状態を聞くだけでなく、より正確に企業の実態を把握することを心がけているのです。

例えば、顧客のビジネス、業界の外部環境、決算書に記されている各科目の実態など。

その実態把握で得る情報収集の量は、電話帳1冊分にも匹敵するほどの量だといいます。

そこまで企業を徹底的に把握し、他の銀行員が発想もしなかったような方法で、(完全にではないにせよ)顧客の要望を形にしてしまうのです。

顧客からのややこしい依頼というのは、通常の営業マンであれば嫌がります。

なぜなら、時間をかけてモノにならなければ無駄になりますし、そうなる可能性が極めて高いからです。

そのため早めにできないと判断して、見極めるのも1つの方法だと思います。

しかし、どの企業も断りを入れてきたような内容を実現することができれば、圧倒的な信頼を獲得できるチャンスでもあるのです。

銀行業界の競争はメインバンクの地位を勝ち取れるか否かで取引の「額」は極端に変わってきます。

また、保全(貸金に対する担保)を優先的に取れるかどうかにも関わってきます。

都筑さんは、通常の営業マンが避けている案件を相談された時に、借換えのチャンスだと認識し、相談されたニーズを実現すべく行動するのです。

そして、そのあえて難案件に挑む姿勢がお客さんにメインバンクとの取引を止めて「あなたにお願いするよ」と言わせているのです。

 

■案件組成のスキルを身に付けたきっかけとは
しかし、いくら情報収集を徹底しているといっても他の銀行員がなかなか発想できないアイデアを、早々簡単に出せるものではありません。

そこで、都筑さんに案件組成を生み出すために何かやっているのかを確認しました。

そうすると、やはり他人にはできない案件組成の裏側には他の人とは違った努力があったのです。

まず、案件組成のアイデアをストックするために常日頃からやっていることは、できる営業マンの案件の内容を確認し、気になった案件組成があると、その営業マンに質問攻めにしてアイデアを盗み取ります。

そしてそれだけではありません。

都筑さんは自分が借換えを逆にされてしまったお客様には、徹底的に借換えをされてしまった理由、そしてその背景、どんなきっかけで他行に借り換えようと思ったのかなどを徹底的に聞きこむのです。

その理由を教えてもらえない時は「土下座してでも聞きこむ」と話していました。

恐ろしいばかりの執念です。

しかし、この借換えをされてしまった理由を意地でも聞きこむのには実はある過去の体験があったからなのです。

その経験とは、渉外担当となってまだ間もないころ担当していた大口顧客が某銀行に奪われるという体験をしたのです。

その時の金額は非常に大きく、1億円の融資先を他行に持っていかれてしまったのです。

1億円もの融資先を他行に奪われると、支店長が他の支店に飛ばされる程のインパクトがあり、相当大きな出来事でした。

その融資を何とか防衛するために顧客に、なぜ他行に移すのか、何がきっかけだったのか、他行がどんな提案をしたのかを聞きこみまくったのです。

結果的に、その顧客は帰ってきませんでしたが、その時の聞きこんだ内容、他行の案件組成のやり方を聞きだせたのはこの後、都筑さんにとって非常に大きな財産となったのです。

実は某銀行に大口客を奪われてしまったのですが、そこでやられた提案方法を別の新規で実践したところ、借換えに成功!

その金額はなんと3億円です。

これ以来、都筑さんは借換えの提案が楽しくなり、今でも借換えを行うために常日頃から案件組成のアイデアを様々なところから学び、そしてそのインプットの量が、案件組成の礎となっているのです。

 

■水田チェック
アウトプットの重要というのはよく巷に叫ばれています。

しかし、良質なアウトプットを生み出すには、大量のインプットが必要です。

アイデアという言葉を聞くと、何か非常に創造性の高いものと思いがちです。

何か得体のしれないところから突然アイデアが出てくるといった、神秘的なものを連想しがちですが、全く「無」から生み出されるアイデアというものはありません。

既知と既知が組み合わさってアイデアはできるものなのです。

アイデアを生み出すのはインプットの量。

そして一番良質なインプットは現場の生の声。

業績を上げている人間ほど、現場の生の声を豊富にストックしており、現場の声からアイデアを創出しているのです。

あなたも現場の生の声を聞いていると自負されているかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

「なぜ、あなたの商品を買ったのか?」

「その時にどんなことに悩んでいたのか?」

「あなたの商品(業界)に対してどんな勘違いをしていたのか?」

「なぜ、数ある競合の中からあなたを選んだのか?」

受注してしまうと喜びのあまり、なかなかこのようなことを確認していないものです。

しかし、このような顧客の当時の悩みや思い込みをストックしておけば、その情報は必ず営業活動に大きな力を与えてくれるはずです。

 

■インタビュー企業
社名:株式会社愛知銀行
住所:愛知県名古屋市中区栄3-14-12
TEL:052-251-3211
URL:http://www.aichibank.co.jp/

第51回リアルトップセールスインタビュー

上野さん(システム中部)

第51回のリアルトップセールスインタビューはシステム中部の上野さんです。

上野さんがお勤めの企業は、携帯shopを営んでいる会社です。

今では携帯shopというのは街のあらゆるところにありますが、当社が携帯電話の業界に参入した歴史は古く、携帯が普及し始めた平成7年から携帯業界に参入しています。

株式会社システム中部は携帯shop経営の経験は長いため、販売員の教育ノウハウも蓄積されており、教育体制や教育制度も充実したものとなっているようです。

今回、ご紹介する上野さんは、その教育された販売員の中でも群を抜いたエキスパートです。

この携帯業界にはテレコムサービスグループが主催しているMCSAというセールスコンテストが年に1回開催されます。

その2014年に開催されたセールスコンテストで東海地区に存在する3000名の販売員の中から書類選考で「販売実績」「経験年数」「お客様満足度」という3つの審査基準でトップ10に選ばれています。

3つの審査ポイントの中でも上野さんは「お客様満足度」の加点が群を抜いており、見事、東海地区のセールスコンテストに出場。

そして書類選考で選ばれた10名が実演販売(ロープレ)で競い合いました。

その10名の中には、前回のセールスコンテストで全国3位の販売員もいましたが、なんとその3位の販売員を抑え、見事!東海地区No.1に輝いたのです!!

そんな素晴らしい実績を持った上野さんに、圧倒的な接客技術について教えてもらいました!

 

■難しい印象を与える業界
携帯電話といえばもうほとんどの人が生活の一部としての存在になっていると思います。

その普及率は人口に対して120%程度あり、1人で2台を所有するほどの人が存在するぐらい我々の生活に浸透しています。

そしてスマホの投入でその機能も多様化しており、ただの電話やメール機能にとどまらず、LINEやfacebookで友人とコミュニケーションをしたり、動画を楽しんだりと様々な機能を活用することができる時代になってきました。

その技術革新のスピードは速く、若干過剰ともいえるぐらいにサービスが多様化しているため、携帯の多種多様な機能を理解するのは一苦労です。

また、「横文字(専門用語)が多い」「サービス内容がすぐに変わる」という特性から、ヘビーユーザー以外は、なんだか難しいという印象を与えてしまっていることも否めません。

次から次へと出てくる横文字(専門用語)や複雑なサービス内容をいかに理解してもらえるかが販売実績・そしてお客様満足度の向上に必要不可欠です。

しかし、簡単なことを難しく言うのは容易ですが、難しいことを簡単に説明するのは、非常に難易度の高いことであることはビジネスをやっている人であれば誰もが理解していることだと思います。

一体、どのような方法を使って説明しているのでしょうか?

 

■難しさを払しょくする営業法とは
水田「上野さん、接客する時にいつもやっていることや何か工夫されていることはありますか?」

上野氏「そうですね。私はいつもお客様目線で接客をしています。お客様の立場になった時にやってもらえるとうれしいことを常に考えて実践するようにしています」

水田「例えば、どんなことですか?」

上野氏「中でもお客様に手続きが長いと言われると本当に申し訳ないと思います。だからできるだけ早くサービスを理解してもらってスムーズに契約を終えていただくことに集中しています」

水田「できるだけ早く理解してもらうために何をしているのですか?」

上野氏「そうですね。専門用語をできるだけ使わずにこんな形で話をしています」

そう話すと上野さんはおもむろに紙とペンを持って私に実演をしてくれたのです。

上野さんは手元にあった紙にイラストを描き始めました

上野氏「今のプロバイダの料金が月々●●円で・・・・家にこのような四角のモデムというものが・・・・・モデムにつながっているルーターがあり、ここから電波が・・・・」

水田さん依頼の図

 

(↑実際の図)

1つ1つの説明を口頭で話すのではなく、イラストを描きながらサービスの説明をしてくれたのです。

その説明を聞いていると確かに理解しやすい・・・

そして上野さんは更にこのようなことも話していました。

上野氏「こんな感じでイラストを描きながら説明すると、お客様は非常に分かりやすいと言っていただけます。最初からあるパンフレットを使うのではなく、絵を描く過程をお客様と共有することが大事ですね」

なるほど、確かにそうです。

最初からあるイラストや写真で説明されるよりも、説明しながら描かれた方がなぜか頭に入りやすい。

コンサルタントも議論をする場ではホワイトボードを使用します。

なので、絵を描きながら話をすると議論が促進しやすいことはよく分かっています。

しかし、改めて言われると確かにそうですし、また、商談の場でそのような方法でお客さんと情報を共有しているかと考えると、商談の場にホワイトボードがなければそのまま口頭で話してしまっていることがほとんどです(私の場合)。

それに過去、営業されたシーンや営業同行で他の営業担当者が営業しているシーンを思い返しても、紙で書きながら説明をしていた営業マンはごく少数です。

なんとなく分かっているものの実践していない・・・

この話を聞いて「グサリ!」ときた人もいるのではないでしょうか?

 

■例え話で更に理解を深める
そして更に上野さんは分かりやすく説明するもう1つの方法を教えてくれました。

上野氏「あと、イラストを描きながら説明することと同時に、例え話も使っていますね。例えば、通信速度の速さをホースの太さで表現してみたり・・・」

水田「例え話は私もよくセミナーで使っていますよ。あれは理解してもらうためにはいいですもんね。でも、いつも困るのが例え話を考える時になかなかアイデアが出ずに困っているのですが、何かアイデアを出すコツみたいなものはありますか?」

上野氏「そうですね。私はお客様の『要するに』という言葉を大事にしています」

上野氏「例え話のアイデアを私自身も考えますが、ほとんどのアイデアは実はお客様から拝借していることがほとんどです」

上野氏「お客様が私の説明を聞いて、『要するにこういうこと?』と言ってくれることがあります。その内容を自分の中でストックしておくのです」

水田「なるほどね~。例え話のストックの仕方もお客様視点ですね~」

水田「普通はオレの例え話どう?みたいな感じで自信満々に自分が作った例え話を話してしまいますが、本当に伝わっているかどうかは怪しい。しかし、同じ立場の人が発した例え話なら共感される可能性は非常に高いですもんね~」

いつも例え話のアイデア出しに困っていた私には非常に参考になる内容でした。

しかし、それにしても「分かりやすく」説明するために本当に色々なことを実践していることに本当に感心しました。

このノウハウ以外にも色々な話が次々と出てきましたが、そのほとんどが現場から問題意識、そしてそれをうまく解消しようと考えたノウハウばかりでした。

さすがは東海No.1の実力です。

今日もこのノウハウをTTPさせていただきます!

ありがとうございました!

※TTP(徹底的にパクルの略)

 

■水田チェック
今回のノウハウは実はインタビューを終えた数日後にちょうど商談があったので、そこで試してみました。

商談の場は喫茶店で、当然ホワイトボードはなかったのですが、さっそく1枚の紙を取り出し、先方の役員を含め4名の方に説明をしたのですが、説明後にお客さんの方からその絵を使って質問攻撃。

最後、終わる頃にはお互いがかなり理解できた印象で商談を終えることができました。
(もちろん受注!)

なぜ、絵を描くと理解が促進されるのか。

それは脳には2種類の情報処理能力があり、1つは言語性、もう1つは非言語性(動作性)という処理機能があるからです。

言語性とは、その名の通り言語を処理し、非言語性(動作性)とは絵や写真、風景といった視覚情報を処理します。

イラストや写真を使うと、言語性だけでなく、非言語性の処理機能を活用することができるので理解が促進されるということなのです。

例えば、新聞を読むよりテレビでニュースを見た方が、理解が早いのはそのためです。

「絵を描く」

あらためてその威力を実感したインタビューでした。

 

■インタビュー企業
社名:株式会社システム中部
住所:愛知県春日井市鳥居松町3丁目78番地
TEL:0568-82-2331
URL:http://www.syschu.co.jp/