トップセールスインタビュー

第45回リアルトップセールスインタビュー

中川さん

第45回のリアルトップセールスインタビューはヤンマーアグリジャパン(株)の中川さんです。

中川さんお勤めのヤンマーアグリジャパンでは農家の方々に対してトラクターや田植え機、コンバインなどの農作業に使用する機械・資材の販売及びメンテナンスを行っています。

そう!あの「ヤン坊マー坊天気予報」で有名なあのヤンマーの関連会社なのです!

今、中川さんは新潟の営業所で営業活動を行っておりますが、その新潟管轄の営業マン62名の頂点に立っています。

しかも営業マン1人あたりの売上が4000万~5000万で推移している中、中川さんの昨年の実績はなんと・・・

「1億超え!!!」

この年に1億を超えた営業マンは中川さんを含め2名のみであり、また1人で1億円の売上というのは毎年出るような数字ではないとのことなのです。

そのような数字をたたき出した中川さんに、目標の達成率というのは毎年どれぐらいなのかと尋ねたところ、

「目標はいつもあまり気にしていないです。目標を設定してしまうとそれ以上やらなくなってしまうので」

という一言・・・

そのため目標の達成率がどれぐらいかは記憶に残っていないとのことなのです。

目標を設定せずに青天井で数字を追いかける営業スタイルの中川さんに営業で売るための秘訣を聞いてきました!!

(後日、営業本部に中川さんの目標達成状況を確認すると、引っ張り出せたデータから少なくとも8年連続で目標は達成しているとのこと(汗)。達成しているのに記憶にないって言ってる姿がシビレます!!)

 

■人間関係が色濃くでる業界
中川さんの対象のお客さんは農家の方です。

農家の方というと後を継ぐ方が少なくなってきて、顧客層は年々高齢化している業界でもあります。

高齢者というと若者に比べると、冒険的な行動を取ることは少なく、安心・安全を求める傾向にあります。

物を買う時も、製品の性能よりも「良く知っているところから買いたい」「安心できるところから買いたい」と思う人が多いのではないでしょうか。

そのような人間関係が色濃く出るような業界では、他社を利用している顧客をひっくり返すのは至難の業であり、他社利用先といかに関係性を構築していくかに悩んでいる営業マンは多いと思います。

 

■他社のお客様をこちらに向かせる方法
一度、他社と構築された関係性に入り込んでいくことは非常に難しいです。

定期的に接触を図り、他社がミスをすることを待ち、そしてそのチャンスがきたら必ずモノにする営業が必要になってくるかと思います。

いわゆる「エラー待ち」という営業活動です。

このような地道な営業活動が必要な業界で、「何か特別な営業手法が存在するのか?」と思いながら中川さんに話を聞いてみるとこのような答えが返ってきたのです。

水田「中川さん、人間関係が商品を買う、買わないに反映しやすい業界だと思いますが、そのような業界で他社からひっくり返すのって難しいですよね」

中川氏「その通りですね」

水田「そんな中で、他社からこちらにひっくり返すために何か方法ってあるんですか?」

中川氏「ひっくり返す結果になっているかどうかは分かりませんが、お客様との関係性を構築する上で意識していることはありますね」

水田「それってなんですか?」

中川氏「協力して何か同じ作業・同じ時間を過ごす環境を作れないかを考えています」

水田「へ~、同じ作業・同じ時間ですか・・・」

中川氏「小学校の頃、全然仲良くなかった友達同士が、野外学習で班が一緒になったことがきっかけにやけに仲良くなることってありますよね」

水田「あ~、確かに」

中川氏「それは協力して何か同じ作業・同じ時間を過ごしたからだと思うんですよ。お客様も同じで、同じ作業・同じ時間を過ごす環境を作り出すことができれば、関係性も比較的早く良くなることが多いんですよ」

 

■同じ作業・同じ時間を過ごすためにどうすれば良いのか?
では、競合他社が色濃く入り込んでいるお客様に対して、どのように同じ作業・同じ時間を過ごすように促していくのでしょうか。

相手は既に仲の良い他社の営業マンがいます。

その間に入り込んで同じ作業・同じ時間を過ごす環境を作り出すことができるのでしょうか?

そのことを中川さんに質問するとこんな答えが返ってきました。

中川氏「既存の商売に対しては難しくても新しい商売に対しては入り込む余地はある」

と話してくれたのです。

農機具の営業では、既存製品のリプレースの話をしても他社とのお付き合いの関係上、簡単にひっくり返ることはありません。

他社で買っていたものを急に買わなくなれば、他社から確認が入り、関係性が悪くなる・・・

そうなることを嫌って、お客様は業者を乗り換えることを嫌います。

しかし、新しいことをやるとなれば、そのような発想が浮かぶことはありません。

そして農家といえども、本質的には企業の経営者となんら変わりありません。

どうやって儲けていくかということは常に考えています。

米農家が「イモを作ってみようか」「枝豆を作ってみようか」「苗のやり方を変えてみようか」など、様々なことを常に考えています。

その新たな取り組みを考えている情報をいち早く察知し、その取り組みの実現のお手伝いをするのです。

新たな取り組みであれば既存の業者を裏切っている感覚はありませんし、その取り組みを進めることができれば、同じ作業・同じ時間を過ごす環境ができあがっていくのです。

新しい取り組みに協力して、同じ作業・同じ時間を過ごすことができれば、その新たな取り組みを実現していく上で発注がくることもありますし、発注までこぎつけることができなくても以前よりはかなり関係性が深くなっていることは間違いありません。

「新たな取り組み」

このような話題を常に相手に投げかけること。

これが中川さんの営業方法なのです。

しかもこの方法は他にも副産物があります。

それは新たな取り組みを考えている顧客を探すということは、同時に成長意欲のある顧客のみを相手にしているという結果になっています。

成長意欲がある顧客は、経営に積極的に投資を行うため、結果、開拓後も売上を伸ばしやすい優良顧客になることが多いということなのです。

「新たな取り組み」に対する話題を投げかけることで入り込むチャンスを拡大させるのと同時に、優良顧客をつかむターゲッティングにもなっているということなのです。

 

■水田チェック
今回の中川さんの営業方法は「協同」することによる信頼関係の構築です。

「協同」とは、非常に仲の悪い人同士でも共通の目標を持ち、目標達成のために協力し、お互いの協力によって目標が達成された時に、相手に敵意を抱くことは困難になるという心理現象です。

小学校で仲の悪い友達同士が、偶然、野球場で出会い、お互いが阪神ファンだと知り、そして打倒巨人に向けてお互いが協力して応援する。

そして、試合が終わり勝利を得た時に、これまで非常に仲の悪かった2人がなぜか一緒に抱き合って勝利を喜び、そして急激に仲良くなってしまう、というのがまさに「協同」による信頼関係構築です。

その状況を中川さんは「新たな取り組み」という切り口から作りだし、そして信頼関係を構築していったからこそ、成果を上げ続けられているのではないかと考えています。

 

■インタビュー企業
社名:ヤンマーアグリジャパン株式会社
住所:埼玉県熊谷市久下字上分1243-1
TEL:048-527-8811
URL:http://www.yanmar.co.jp/yaj/

第44回リアルトップセールスインタビュー

杉山さん(国分)

第44回のリアルトップセールスインタビューは食品卸業界の杉山さんです。

杉山さんはスーパーなどの小売店に食品を卸販売している会社のトップセールスです。

業界特性上、そして組織体制上、営業個人のスキルと実績数字の因果関係が計測しづらいため、今回は具体的な数字に関しては明示できません。

しかし、杉山さんは社内で最速でチームリーダー、副課長に昇進した経歴から、社内での評価は高く、その最速昇進という事実からも非凡な才能を持っていることが分かります。

そして今回のインタビュー内容からも、その才能は垣間見え、非常に参考になるノウハウをゲットすることができました。

本日は、そんな食品業界のトップセールスのノウハウをご紹介したいと思います!

■食品卸業界での差別化とは?
杉山さんが勤務している会社の食品卸業界というのは、競合との差別化が非常にやりづらい業界でもあります。

なぜなら、取り扱っている商品はどこも同じであり、商品自体で差別化することができないからです。

商品アイテムが同じであれば、小売店が購入する判断材料としてあるのは「価格」であり、より安い商品を売ってくれる企業を選ぶことになります。

しかし安売り合戦をしていては、いくら売っても儲からないというサイクルになりかねず、労多くして実入りが少ないというビジネスとなってしまいます。

そのため商品以外でどのように付加価値をつけていくのかが、企業の命題になってくるのです。

そして多くの営業マンが付加価値をつけていく方法として実践しているのが「情報提供」です。

今、食品卸業界はこの提供できる情報の質をいかに高めていくかに勝負の分かれ目があるといっても過言ではないのです。

しかし、情報提供といってもどのような内容の情報を提供すれば付加価値をつけることができるのか気になるところです。

そこで、今回は杉山さんにどのような情報を普段提供しているのかを確認したのです。

■マクロデータを活用した提案
杉山さんは情報を提供する相手として、一番キーマンになるのは「バイヤー」だと話していました。

バイヤーは仕入れる商品構成や陳列などの権限を持っており、かつ現場に密着した立場であるため、商品アイテムについて、一番 頭を悩ませている人物です。

通常の営業マンであれば、自社の取り扱っている商品を採用してもらうべく、目新しい商品や売れ筋の商品の特徴を紹介して採用にこぎつけようとします。

単純に、
「この商品は今売れています」
「この商品は新商品です」
「他の店で結構売れた実績があります」
という紹介が多いのではないでしょうか?

しかし、杉山さんは同様の商品を紹介するにしても他の営業とは違った方法で商品を紹介するのです。

その他の営業とは違った方法というのは、

「マクロデータ」を活用した販売予測を絡めた商品提案です。

その提案方法のいくつかをご紹介します。

1)飲料販売
飲料の販売でもっとも重要視すべきものは「天候」「気温」だと杉山さんは話してくれました。
消費者がどの飲料を買うのかは「天候」と「気温」を見れば概ね分かるというのです。

提案する商品を考えるにあたって、まず調べることは昨年の同時期のデータから気温と飲料の販売量の変化をつかみます

気温の変化に伴って商品アイテム(炭酸・果汁・お茶など)ごとに販売量がどのように推移したのか。

そして、商品アイテムだけでなく商品サイズ(500ml、1.5ℓなど)でも販売量がどのように推移したかを確認するのです。

また、晴れ・雨などによる天候の違いによってどのような商品アイテムが売れていったのかを把握していくのです。

消費者の購買の傾向がつかめれば、あとはその傾向に合わせた商品を提案していくのみです。

提案した商品が必ず売れるということではありませんが、勘と経験のみで仕入れを行っていたバイヤーからすると非常に納得性の高い提案になっているはずです。

2)食品販売
杉山さんが食品販売において参考にしているデータは生鮮食品の統計データです。

野菜であればレタス、キャベツ、トマト。魚であればサバ、マグロなどの商品アイテムごとに、どのタイミングでどのような商品が売れだしたのかを統計データから把握してバイヤーにもその事実を提示します。

バイヤーも感覚で分かっているものの、「●月の第2週から売れ出している」という具体的な時期を提示されると事実を明確に再確認することができるため、非常にありがたがっているそうなのです。

そして、ただ商品アイテムの売れる時期を伝えるだけではありません。

杉山さんはその生鮮食品の販売動向を元に更に1提案加えるのです。

その1提案とは、その生鮮食品自体を買ってくれと話すのではなく、その生鮮食品に関連する商品アイテムを提案するのです。

例えば、ある1時期にレタスの販売量が増えるとします。

そこでレタスの仕入れを促すのではなく、その商品に付随して販売すれば売れるであろう「ドレッシング」などを提案するのです。

単に商品を提案するのではなく、エンドユーザーの食べ方を想定しての提案はバイヤーに響きやすく、必ず関連した商品の提案を欠かさないのだそうです。

3)プライスゾーン
小売店にとっていくらの価格で販売するかは、お店の利益に直結するため非常に重要であり、かつ非常に判断が難しいものでもあります。

お買い得を演出しなければ売上自体が立たないですし、かといってあまり安くしすぎるとお店に利益が残りません。

ある意味、店舗存続の生命線となるのがこの値付けだと思います。

しかし、この値付けをする際に、よくバイヤーが過去の記憶が邪魔して間違った判断をしてしまうことがあるそうなのです。

バイヤーは過去にうまくいった値付けに引っ張られて、過剰に安く販売してしまうことがあるのだそうです。

158円で販売していても同様の売上が見込める中で、128円の金額設定で市場に投入してしまい、結果、総額売上そして利益が少なくなってしまうのです。

そのような間違った判断を防止すべく、杉山さんは日経POSという外部データを活用して昨年同時期の平均売価をバイヤーに提示しています。

全国の平均売価とお店の売価を比較してもらい、過剰な値下げになっていることに気付かせるのです。

このような客観的なデータを提供することにより、仕入れや値付けの判断がしやすくなったと喜ばれ、バイヤーの厚い信頼を獲得しているのです。

■ミクロデータによる味付け
また、杉山さんは各省庁の統計データやPOSデータだけでなく、ミクロデータも活用して販売予測を提示しています。

ミクロデータとして活用している情報源とは、近隣の競合他社のチラシデータです。

お客さんの近隣の競合店が、昨年の同時期にどのようなチラシを配布していたのかを提示するのです。

例えば、●月の第3週のチラシにレタスを特売して集客していたなどの事実が分かれば、今年も同内容で競合店が集客を図ってくる可能性があります。

その特売を想定して、当社でチラシに掲載すべき商品の提案を行っているのです。

ほとんど営業マンというより、販売促進コンサルというポジションではないでしょうか。

このような質の高い情報を提供してくれるのであれば、バイヤーも大喜びのはずです。
(私がバイヤーだったら大喜びして、絶対に手放さないと思います)

データ情報を活用した販売支援!同業界の方は非常に参考になったのではないでしょうか。

■水田チェック
今回のインタビューはBtoB営業を行っている営業マンには非常に参考になる話であったと思います。

BtoB営業はBtoC営業と違い、お客さんの最終的な目的はすべて「利益」に集約されます。

例えば保険、住宅販売などBtoCの代表的なものを例にあげさせていただくと、保険であればお客さんが求めている目的は「家族の安心」であったり、住宅販売であれば「幸せな空間・時間」であったりなど目的は様々になります。

しかし、BtoBは1次的な目的は色々あるにせよ、最終的な目的はすべて利益につながっているはずです。

要は、企業が購買にあたっての最終的な目的としては、「売上があがるか」「コストが下がるか」なのです。

このような特性がある中、BtoBの営業マンに求められるスキルは、商品の特徴やメリットを話すだけでは物足りず、その商品の「使い方」や、その商品を使った「稼ぎ方」にまで言及できなければなりません。

稼ぎ方までを言及するとなると、当然ですがお客さんの更に先のお客さんのことを把握する必要が出てきます。

しかし、この「更に先のお客さんを理解する」という行為こそが、BtoBの営業・セールスにとって極めて有効かつメリットのあることなのです。

BtoB営業で実績をあげていない営業マンのほとんどは、お客さんの更に先のお客さんがどのようなセグメントのお客さんかを理解していません。

しかし、トップセールスになると多くのケースで、お客さんの更に先のお客さんを理解しています。

あなたの周りの営業マンにこんな質問をしてみてください。

「あなたが担当しているお客さんって、どんな人たちに売っているの?」と。

おそらく、この質問に「明確に答えるか否か」と「成績」には相関関係があるのではないでしょうか。

なぜ、このような相関関係が出てくるのかというと更に先のお客さんをイメージすることにより「自動的に」顧客視点になるからです。

そして更に先のお客さんを理解することで、先のお客さんのセグメンテーションを把握することができ、セグメンテーションを把握することができれば、提案すべき商品が必然と見えるようになるからなのです。

「顧客視点を持て!」とよく叫ばれますが、具体的に何をすれば良いかを言及していない人は多いです。

しかし、そんな中、今回のインタビューはBtoB営業における「顧客視点とは一体何か」を具体的に理解できるきっかけになったのではないでしょうか。

「更に先のお客さんを知る」

非常に具体的で再現性のあるノウハウだと思います。

第43回リアルトップセールスインタビュー

村瀬さん

第43回のリアルトップセールスインタビューは名古屋神宮郵便局の村瀬さんです。

村瀬さんはゆうメイトという非正規の社員で郵便局内の内務を担当されている方です。

普段は郵便局内で内務を担当されているのですが、郵便局内では年賀状を誰よりも売ってしまう女性スタッフとして非常に有名です。

その年賀状を販売した数は、2013年で14,000枚、2014年で11,000枚という膨大な量の販売を行っているのです。

1人あたり50枚程度を発注するとしても220~280人に販売している計算になります。

しかも年賀状の販売は9月~1月までの期間中であり、このたった5か月間でこの量をこなしているというのです。

この実績は東海支社(愛知・三重・岐阜・静岡)の東ブロックでNo.1の実績であり、しかもこのおびただしい数の販売を、勤務中ではなく勤務外の時間で販売しているという事実に驚愕したのです。
(ちなみに内務の方は仕訳作業であるため、窓口で年賀状を売っている訳ではありません)

また、この年賀状販売には郵便局内の各社員に販売目標が課せられ、最も販売した社員には賞も与えられるのですが、その販売目標を遥かに超えてH22からトップ賞を総なめにしてきたのが村瀬さんなのです。

その賞の数々をご紹介すると、

H22:シンガポール旅行獲得
H23:(忘れてしまったとのことです)
H24:(忘れてしまったとのことです)
H25:沖縄旅行+32インチテレビ
H26:空気清浄器+折り畳み自転車

こんな尋常じゃない量の年賀状を販売する手法を是非お聞きしたいと思い、その手法を確認してきましたのでご紹介します!


■リピート受注への飽くなきフォロー

年賀状の販売というのは年中行っている訳ではなく、9月から予約販売がスタートします。

9月と言えば、まだまだ残暑厳しい季節であり、あまり年賀状というイメージではありません。

誰も年賀状を買おうと考えていない状況の中で、村瀬さんはトップスピードで年賀状の予約販売をスタートさせるのです。

まず、村瀬さんが行うことは昨年購入してもらった友人たちへの案内です。

友人なので携帯などのメールアドレスは分かっているため、そのメールアドレスに年賀状の購入促し&購入枚数の確認などを行います。

メールで案内することは至って普通のことなのですが、このメールを配信する方法に非常に興味深いものがあるのです。


■3ステップメールの活用

通常、友人への年賀状購入の案内など1度メールを送った後に反応があった人の注文を受け、反応のなかった人には偶然会ったときにリマインドの案内をするのがせいぜいではないでしょうか。

友人ということもあり、あまり何度も販売を促すことはなく、1回程度の案内で反応がなければ何もしないというのがほとんどかと思います。

しかし、村瀬さんは1度きりの案内で終わらせることはありません。
繰り返しの案内で確実に受注をモノにしていくのです。

9月の販売スタートの時点で1度目のメールを配信

その後3週間反応がなければ2度目のメールを配信

そして更に3週間反応がなければ3度目のメールを配信するのです。

友人といっても普段から会っている友達だけではなく、年に数回程度しか会わない方もいます。

年に数回しかあっていないような友人であれば若干、遠慮してしまいがちですが、村瀬さんは全く遠慮することなく、繰り返しメールを配信するのです。

また、単に買ってくださいというメールを配信している訳ではありません。

相手は発注しやすいように、過去の発注実績を見ながら、

「去年はインクジェット30枚、ディズニーが20枚だったけど今年も同じにする?」

といった形で相手が即答しやすいようにしているのです。

このような即答しやすい提案を行うために、村瀬さんは過去買ってくれた方々の5年分の種類別購入枚数を一覧表にしています。

過去のデータを蓄積し枚数を提示することで、相手から信頼を得ることができ毎年の年賀状については村瀬さんに頼もうという心理が働くのです。

ある意味囲い込みの戦略です。

そしてそれだけではありません。

年賀状については注文を受けたらただ郵送するのではなく、必ず手渡しに行くのだそうです。

そして手渡しする際に、ただ渡して終りという形にするのではなく、ランチやお茶する時間も取り、必ず親睦を深めておくというのです。

村瀬さんは意図的にアフターフォローとしてやっている訳ではありませんが、そっけなく手渡されるよりは確実に翌年の発注につながる活動になっていると考えられます。

このきめ細やかなリピート客へのフォローが毎年の安定した発注量につながっていることは間違いありません。

そしてリピート客だけではありません。

新規顧客の獲得についてもトップセールスならではの行動があり、リピート受注以上の驚きがあったのです。


■恐るべき目標達成への意欲

村瀬さんは過去に購入してくれた友人にしっかりとしてフォロー体制を構築していますが、リピートの受注を得るだけでは、その数は増えていきません。

当然ですが、新たに年賀状を発注してくれる人脈を形成していかなければならないのです。

では、新たな先をどのように獲得しているのでしょうか?

その内容はシンプルでありながら意外と営業マンができていないのではないかという手法でした。

そのシンプルな手法とは、

「手数」

です。

新たな先を見つけるために何か特別なことをしている訳ではなく、単にチャンスがあれば案内をしているという極めてシンプルなことだったのです。

しかし、シンプルな行動ですがその反応、そしてその感度が人一倍凄まじいのです。

例えば、学校の同窓会に出席した時のこと。

何十年ぶりの同窓会に出席して思い出話に花を咲かせ楽しんでいました。

普通なら仕事のことは忘れて、今この時を楽しみたいと思うのが普通ですが、そんな時も常に村瀬さんは年賀状に焦点が当たっています。

楽しく話をしている中にも何気なく今の郵便局での仕事のこと、その仕事での苦労話、そして年賀状のことに自然と話をつなげてしまうのです。

そして、ある肉屋さんで買い物をしている時のこと。

お肉を買おうと選んでいた時にある会話が村瀬さんの耳に入ったのです。

その会話とは、店の中で店主とその家族が年賀状のことで話をしていたのです。

その様子を聞きつけた村瀬さんは躊躇することなく、年賀状の営業をその場で行いました。

しかも、その肉屋さんはいつも通っているところではなく、たまたま入った肉屋さんだったとか・・・

恐ろしいばかりの反応です。

このように新たな先を見つけていくことに特別なノウハウがあるのではなく、ひたすら手数を出すことを繰り返しているのです。

「気づいたら営業」「気づいたら営業」「気づいたら営業」

この繰り返しです。

そしてこの手数の多さが、1シーズンに10,000枚以上の販売枚数を獲得する人脈を作り上げたということなのです。


■水田チェック

村瀬さんと営業のノウハウについて話をしていてあることを考えさせられました。

世の中には難解なテクニック、技術がありますが、そんな方法に頼るよりもまずやらなければならないことがあるということです。

それは「躊躇せず」営業するということです。

人間の心理の中には、「お金=汚い」という方程式が成り立っています。

この方程式から、「お金を稼ぐ人=営業=悪い人」みたいな方程式も人の潜在意識の中に刷り込まれています。

そして、営業行為自体が遠慮がちになり、営業した後のお客さんの反応が悪いと
「なんか機嫌を損ねてしまったなぁ、あのお客さんにはもう案内しない方が良いよな」

と勝手な解釈をしだすのです。

お客さんにも買うタイミングというものがあります。

例えば、腹いっぱいの時に見せられるグルメ番組と、腹を空かせた状態で見るグルメ番組では同じ商品を宣伝していても反応は全く違います。

それにお客さんもあなたが提案した商品に興味があっても日々の忙しさで忘れることなどザラにあります。

「勝手な先入観」

これを排除するだけで多くの営業が売れるようになったり、多くの機会損失が防がれていくのではないかと思います。

有名なマーケッターの名言でこんな言葉があります。

「不景気は物が売れなくなったから起こるのではない。不景気という雰囲気の中で売ることをやめてしまうから不景気になるのだ」

この名言を立証するかのように、どんな不景気の時代にも儲かっている企業はいくらでもあります。

我々は勝手な思い込みで販売の手を緩めてはいけないのです。

逆に販売の手を緩めなければどんな時代でも勝ち残っていくことができるのだと感じたインタビューでした。


■インタビュー企業

社名:名古屋神宮郵便局
住所:愛知県名古屋市熱田区六野2-6-1
TEL:052-872-0455
URL:http://www.post.japanpost.jp/index.html

第42回リアルトップセールスインタビュー

木村さん

第42回のリアルトップセールスインタビューは株式会社シィ・エム・エスの木村さんです。

株式会社シィ・エム・エスは診療所や薬局向けに電子カルテやレセコンなどのITシステムの導入・保守・メンテを行っている総合医療ITサポートの会社です。
※レセコン・・・診療報酬明細書の作成用コンピューター

今回インタビューさせていただきました木村さんは、ドクター、薬局の経営者などに医療システムを提案する営業を行っています。

木村さんのトップセールスたる所以をご紹介しますと、これまで9年間というキャリアの中で30名いる営業の内、「年間1位が5度」、そして9年というキャリアの中で「常に3位以内」の成績を収めているのです。

また、当社は粗利額で実績を評価していますが、その粗利額の獲得で社内MVPを獲得したのがなんと通算6回!!

しかもそのMVPを獲得した時の粗利額は、半年間で3000万!
この金額は通常の営業マンの2~3倍の実績に相当するとのことなのです!

「医療」「システム」というキーワードを聞くとあまり慣れていない方は小難しい印象を受けますが、そのような業界でトップの成績をたたき出している木村さんに売るための秘訣を聞いてきましたのでご紹介いたします。

■売るための秘訣
いつもトップセールスの方には「抽象的な質問で申し訳ないなぁ~」と思いながらも、ついついこの質問からスタートさせてしまいました。

水田「木村さんがいつも売るためにやっている事ってなんですか?」

木村氏「そうですね・・・・」

と少し沈黙のあった後、売れる秘訣を静かに語り始めてくれたのです。

木村氏「私はお客さんから買いたいと思わせるように、いつも営業をしています」

■お客さんから買いたいと思わせる営業手法
木村さんはお客さんには常に気持ちよく購入していただきたいという思いがあり、無理に買ってもらうぐらいなら買ってもらわない方が良いと考えています。

しかし、とはいっても営業は「売ってなんぼ」の世界ですから、嫌だったら買わなくても良いという話で済ませる訳にもいきません。

お客さんに買いたいと思わせるように営業することが必要なのです。

では木村さんはどうやってお客さんが買いたいという方向に誘導しているのでしょうか?

その秘密は木村さん営業に対する哲学にルーツがありました。

その哲学とは

「システム売りの営業はしない」

というものです。

■経営指導を武器にした営業方法
要は、システム販売ではなく、医療の経営コンサルという立場でお客さんに接点を図っていくのです。

具体的な切り口をお伝えすると、まず一つは「採用」です。

木村さんは過去に営業する傍ら当社の新卒採用を担当した経験があります。

その際に、某採用コンサルティング会社から教育を受け、書類選考の仕方、人の見極め方などのノウハウを学びながら当時の新卒採用を行っていたそうです。

コンサルティング会社と共同で採用活動を続けていく中で、採用に対するノウハウが積み上がり、今では採用を指導できるぐらいにまでに至っています。

そしてその経験を活かして、お客さんの採用についてアドバイスをしているというのです。

某採用コンサルティング会社から手ほどきを受けたこともあり、そのノウハウはドクターを感心させられるほどのレベルにありました。

採用に関して何も知識もなく、かつ採用方法などを調べる余裕もないドクターには木村さんは非常にありがたい存在だったのです。

中には、面接自体を木村さんにお願いするドクターも現れる程であり、そのノウハウがいかに重宝されていたのかが伺えます。

そして採用だけではなく、別の側面からもお客さんの経営をサポートしていました。

その別の側面とは「人材教育」です。

過去に診療所の新規開業の立ち上げを行うドクターを紹介してもらった際に、医療コンサルの方とご一緒する機会があったそうです。

医療コンサルといえば、診療所経営を指導する専門家であり、広報戦略やスタッフの採用・教育などをサポートしています。

システムを販売するだけでは飽き足らなかった木村さんは医療コンサルに付きまとい、自分のノウハウにすべく、どのような指導をしているのかを見ていたのです。

スタッフ教育では、あいさつなどに始まり、受付の対応、ご案内の仕方、お客様への気づかい、そしてテレビの音量など、接客サービスとは何たるかを徹底して教育していました。

木村さんはそのノウハウを見るだけでは物足りず、仲良くなった医療コンサルに根掘り葉掘りやり方を聞きまくり、そしてある時にはその教育を医療コンサルの代わりにやらせてもらったりなど、完全に自分でも指導できる状態にまで落とし込んでいったのです。

(あまりにもうまくできるようになったこともあり、医療コンサルから教育だけを依頼されるようにもなったとか・・・)

この経験を活かし、既存客の診療所のスタッフを教育したところ好評価!

その既存客から開業予定のドクターを紹介してもらい、開業にあたってのスタッフ教育を依頼されたのです。

そういった経緯から、その後は開業予定のドクターがいると木村さんに自動的に声がかかるようになり、当然、スタッフ教育を依頼されたドクターからシステムの導入もお願いされるようになったのです。

そして最後に木村さんが着手していることは「店舗設計」です。

これまで関わってきた診療所の中で、多くの患者の集客に成功している診療所のレイアウトを写真に収めたり、どのような工夫を凝らしているのかを聞きこむことで、最適な診療所内のレイアウトに関するデータベースを蓄積しています。

そして、その蓄積したデータベースを活用して、施設内のレイアウトについてドクターにアドバイスするそうなのです。

作業のしやすい机の高さ、接客のしやすい机の長さ、システムの配置、無駄のない導線など。

正直、そこまでやって失敗した時の責任問題にまで発展しないのか?と脳裏をよぎりました。

しかし、良く考えると、そもそもドクターが全く無関心だったことであり、無償で提供していることです。

それがうまくいかなかったからといって文句を言う人もいないですし、「うまくいったら儲けもの」ぐらいで受け止めているのでその心配はないのだろうと思います。

そして元々そんなに期待していなかったものがうまくいけば、有料のサービスを受けて喜ぶ以上に木村さんに感謝することになると思われます。

また、医療システムを店舗設計という切り口から提案することで、システムを売り込む営業ではなく医療経営をサポートするコンサルという立ち位置で話せることが、何よりも効果を生んでいるのだと考えられます。

■なぜそんな営業方法に変わったのか?
これまでの木村さんのお話を聞くと非常に不思議な思いになります。

普通なら営業マンの仕事は売上を上げることですので、本来なら営業することだけに専念したいと考えると思います。

しかし、木村さんはなぜ医療経営にまで首を突っ込むのでしょうか?

そんな疑問から木村さんにこんな質問を投げかけてみたのです。

水田「なぜ、直接お金にならないところまで協力するのですか?」

そうすると木村さんはこう答えてくれました。

木村氏「最初は単にシステム売る営業に飽きたことがきっかけでした。以前、システムを販売することがつまらなくなり辞めようと考えたこともありましたが、今はこの営業スタイルに変えて楽しくなりました。営業はまさに自分以外ではできないと実感できることが最高の喜びですからね」

「それにこのような営業スタイルに変えることで、お客さんに感謝され、それが紹介を促し、営業をしなくても売れていくサイクルになっていくということに気付いたことが一番大きいですね」

と話してくれたのです。

「モノを売ること」よりも「関係を築くこと」に比重を置く方が結果的に数字に結びつきやすくなるということを改めて認識させられました。

そしてそのような営業スタイルの方が営業としての面白さも増すことも。

さすがです!

ただ、今の営業スタイルで困っていることもあると木村さんは語っていました。

つい先日、名古屋から東京に転勤したのですが、名古屋勤務時代のお客さんから

「木村さんが担当じゃないなら、御社と取引する理由はないよね」

と言われたことだそうです。

営業マンとして最高の賞賛の言葉ですが、組織としては良くないお言葉に木村さんも複雑な表情を浮かべていました(笑)

■水田チェック
「当社の商品には差別化要素がない」「会社にブランド力がない」と嘆く営業は世の中にたくさんいます。

しかし、今回のトップセールスである木村さんのように、商品価値というのは何も会社や商品だけが提供するものではなく、営業マン個人でも価値を付け加えていくことができるのです。

今回の木村さんの事例はまさに良い例ではなかったでしょうか。

商品・会社の枠からはずれて何が提供できるのか?

木村さんのようにお客さんにコンサルティングすることはできないかもしれませんが、情報を提供するということはどんな営業マンでもできるはずです。

例えば、どんな営業マンでもでき、お客さんに喜ばれる情報提供といえば「同業種の事例紹介」

お客さんの同業種の事例は興味関心を持たれやすいですし、営業マンは生でリアルタイムな情報を収集できる唯一の人物です。

人間の心理には「社会的証明」というものがあり、私たちは他人が何を正しいと考えているかに基づいて物事が正しいかどうかを判断します。

このような心理が働く要件としては、ある意思決定が「不確か」である時。
そして、自分と似ている人の行動には最も強く作用するといわれています。

要は、「不確実性が高い物事の判断に対して、自分と似ている他者の行動を参考にしたがる」ということなのです。

この要件をまさに満たしているものが「他社の事例」ではないでしょうか。

他社の事例情報を提供することで、会社・商品が提供できる価値以外で価値を付加していくことができるのではないでしょうか。

■インタビュー企業
社名:株式会社シィ・エム・エス
住所:愛知県名古屋市西区中小田井四丁目16
TEL:052-505-0250
URL:http://www.cmsnet.ne.jp/index.html

第41回リアルトップセールスインタビュー

ダイイチ
第41回のリアルトップセールスインタビューは株式会社ダイイチの佐藤さんです。

佐藤さんがお勤めの株式会社ダイイチは、ユニフォームの企画・製造販売をしている会社です。

主にはホテルや飲食チェーン店などのサービス業、その他にも警察などの官公庁関係や医療機関など幅広い業界の制服を企画・製造しています。

そんな企業の中で佐藤さんの実力は群を抜いており、新規開拓件数を入社2年目で30社を開拓当時、一般的な社員は年間5~6社程度)し表彰をされたことを皮切りに、新規開拓では常にトップの成績を収めています。

また特筆すべきは、単に開拓だけで終わらないという点です。

佐藤さんの実績は、他の営業と比べても粗利率が高く、また開拓後の拡販で1億円規模の取引に引き延ばすためには通常4~5年かかるのが当たり前の業界で、1~2年でそれを達成してしまうというのです。

そんな開拓力と拡販力の両方を兼ね備えた佐藤さんの実力に突撃インタビューしてみました!!

■売るための秘訣
佐藤さんは株式会社ダイイチに入社して31年になります。

現在ではベテラン営業であり、多くの部下・後輩に慕われる人物です。

人望もあり、業績も上げている佐藤さんですが、新規開拓力だけでなく拡販力も同時に兼ね備えられるようになったのはある先輩社員からの一言がきっかけでした。

それは佐藤さんが2年目で爆発的な結果を出した時のことです。

先輩社員「新規の開拓件数を伸ばすのもいいけど、ひとつひとつの売上が小さいと忙しくなるだけだぞ・・・」

■金のなる木を探す
佐藤さんはこの言葉が耳に残り、新規開拓でいくら実績を出しても、その後に売上がついてこなければ何も評価されないことを認識したのです。

であれば、新規開拓も手当たりしだい獲得すれば良いということでなく、一定規模の売上が見込める先に絞らなければならないと感じたのです。

そこから佐藤さんの新規開拓にある着眼点が付け加わったのです。

その着眼点とは、

「金のなる木はどこにあるか」

この着眼点は当たり前のように見えますが、佐藤さんの具体的な着眼点を時代背景とともにお伺いすると、その洞察力に驚いたのです。

それを歴史背景とともに解説していきます。

1.プラザ合意(1985年)
1985年はプラザ合意の影響により為替レートが1ドル=250円から1ドル=160円となり、急激な円高になりました。

プラザ合意の直後、円高不況となり輸出産業が大打撃を受けたのです。その影響で東京や大阪の町工場が次々と倒産していきました。

佐藤さんはプラザ合意の直後、まだ輸出産業への影響が表面化していなかった時点で、輸出関連産業(下請け含む)からいっさい手を引き、内需型の企業にターゲットを絞ったのです。

既に輸出産業関連に見込み客を持っているとなかなか分かっていても手を引くことができませんが、それを躊躇なく行い内需型の企業に時間を集中せることで業績を上げていったのです。

2.バブル期(1986~1991年頃)
土地や株の資産価値が急激に高騰し、一時、日経平均株価は38,000円を超えるほどにまで高騰しました。

いわゆる好景気であったこの時代に、佐藤さんが着眼したのが、不動産会社会計事務所

この2つの企業は当時、高額な装いを求める方々が多く、資金力とともに高粗利品を販売する上で最も適したターゲットでした。

高額であればあるほど喜ばれる、そんな当時の業界の時代背景を誰よりもいち早く捉え、売上アップに貢献したのです。

3.バブル崩壊後(1998年頃)
バブル崩壊後は、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行などに象徴されるように次々と金融機関が破たんしていきました。

メインバンク破たんにより、多くの企業にもその影響がありました。

そごうやダイエーの破たんなどまさにそれに該当するものかと思います。

そんな不況の中で、佐藤さんが着眼した視点が「合併を行う企業」

この発想は佐藤さんの頭の中にこんな方程式が成り立ったからなのです。

合併(買収)する企業=投資意欲あり
不景気に合併(買収)する企業=資金力有
合併(買収)する企業=企業同士の意思統一が必要=ユニフォームの統一

この発想からバブル崩壊といった不景気にも業績を上げることができるようになったのです。

4.リーマンショック(2008年)
アメリカ大手投資会社であるリーマンブラザーズの破たんにより世界同時不況が起こったことは皆さんも記憶に新しいことだと思います。

通常、このような世界的不況の中、どのような業界にいっても無駄と考える方は少なくありませんでした。

誰もが不景気を口にして、もっぱら興味関心を集めるのは「コストカット」

そのような時代にモノを売るのは困難と、普通の人は発想すると思います。

しかし、佐藤さんはこのリーマンショックの中でもある業界に商機を見出していました。

その当時、佐藤さんが着眼していた業界とは、「食品・流通業界」

食品は、生活必需品です。

生活していく上でなくてはならないものです。
景気が良い・悪いは関係なく、我々は生きていく上で食品を購入し、食べていかなければならないのです。

佐藤さんは不景気には、景気に大きく影響されない業界を選択し、営業をかけていったのです。

また、食品を販売する小売業だけでなく、今後は高齢化というキーワードをもとに宅配事業が伸びるという情報もつかんでいたのです。

そしてその情報を元に、誰よりも早く、運送業界に営業を仕掛けていき、安定的に業績を上げていったのです。

■なぜ、そんな深い洞察力が身に付いたのか?
佐藤さんの深い洞察力の源泉がどこにあるのかが気になり、そのことについて尋ねてみるとこんなことを教えてくれました。

「雑誌や新聞に掲載された時点では情報の鮮度は落ちています。もっと早く業界の動向をつかまなければなりません。鮮度の高い情報をつかむためには、一番有益な情報というのは『企業のトップに話を聞くこと』なんですよ」

なるほど、確かに経営者・経営幹部は業界の情報にもっとも長けた人たちです。
業界情報に対するアンテナが高いので、そのスピード感は誰よりもあるはずです。

佐藤さんはこういった方々からの情報収集を軸にしているので、誰よりもいち早く情報を収集するのです。

しかし、トップと話をすることができたとしても業界のトレンドをそんなに簡単に聞けるのだろうか?という疑問が湧きました。

どんな話を振ればそんな情報が取れるのか気になった私は、厚かましくも話の振り方まで佐藤さんに確認したのです。

水田「企業のトップから今後の業界動向を聞くためには何を話せば良いのですか?」

佐藤氏「それは人事(増員、配置転換、新部署設立など)の話題に触れると今後の業界の動きが分かったりしますね」

と話してくれたのです。

「なるほど!!」

確かに、人が動くということは何かしら目的があってのことです。

それなりの企業規模になれば、今後の戦略に合わせて人事計画も立てているはずです。
特定の部署への増員や、新部署設立などの考えがあれば何かのトレンドをつかんでいる可能性は高いはず。

だからこそ、人事の話題から今後のトレンドを聞きこむのか・・・

これはありがたいノウハウを教えてくれました。

■トップに会うためにはどうすれば良いのか?
ここまで、これだけありがたい話を聞いておきながら、佐藤さんなら何でも答えてくれるのではないかという強欲が湧き、いや、「世にいる営業マンのためにも」と思い(自己正当化)更に話を突っ込んでみました。

水田「トップに会い、人事面について話題を振れば情報が得やすいことは分かったのですが、どうやってトップに会うのですか?世間一般の営業マンはおそらく『トップに会うことが難しいんだよ』と思っている方はたくさんいるのではと・・・」

佐藤氏「確かにそうですね。うちの会社でも総務・人事の担当者にしか会えていない人はいっぱいいます」

水田「そうですよね。いや、そうだと思うんですよ。いったいどうやって会っているんですか?」

佐藤氏「私の場合は、担当者止まりにならないようにあえて担当者の裁量を超えるような提案をします。たとえば食品業界であれば異物混入をテーマにすべての制服を刷新した方が良いのでは?といった問題提起をします」

「話が大きくなればなるほど担当者レベルで判断ができなくなり、上に会わせてもらえるようになる」

これはまたもや良い話を聞きました。

これを活用しない手はないです。

こんなノウハウまで教えていただき本当にありがとうございます!!

■水田チェック
今回は、「魅力的な市場の見分け方」「その情報の取り方」そして「トップと会うための方法」など本当に様々なノウハウを教えていただけました。

このひとつひとつが多くの営業マンに、そしてあらゆる場面に活用できる内容ではないかと思います。

この3つのノウハウの中でも魅力的な市場(もしくは魅力的な顧客)を見極めるという行動は多くのトップセールスが実践しています。

あるトップセールスは受付の対応を見たり、採用計画を聞いてみたり、販売先を確認したりなど。

様々な視点がありますが、そこに共通するテーマは「成長する企業」です。

BtoBビジネスにおいて業績を安定的にあげていくには成長企業を見極め、成長企業とお付き合いしていくことです。

大企業を見極めるのは簡単ですが、成長企業を見極めるのは難しいです。

しかし、今回やこれまでにご紹介したリアルトップセールスの視点から成長企業を見極める糸口を概ねつかむことができたのではないでしょうか。

■インタビュー企業
社名:株式会社ダイイチ
住所:神奈川県横浜市中区宮川町 3-89
TEL:045-241-8911
URL:http://www.un-daiichi.co.jp/