【第64回リアルトップセールスインタビュー】 シロカ(株) 鸙野様

シロカ ひばりのさん

第64回のリアルトップセールスインタビューはシロカ(株)の鸙野(ひばりの)さんです。

 

鸙野さんお勤めのシロカ(株)はキッチン家電及び関連品の開発卸を行っています。

 

中国にある関連会社の工場でオリジナル製品を製造し、国内の家電量販店や雑貨屋、ホームセンターなどに販売しています。

 

当社は海外の製品を日本向けにカスタマイズする商品企画力や、広告を使用しないことや商社を通さないことで良い製品をお求めやすい価格で販売できることに強みを持っています。

 

鸙野さんは現在25歳で当社に入社して3年目なのですが、入社1年目からトップスピードで業績を上げています。

 

目標達成できるのが社員の中で1/3程度という目標設定を行っている当社で1年目から目標達成。

 

2年目の目標達成率はなんと『138%』を達成し、2年目にして社内“NO.1“を獲得したのです。

 

では、家電量販店やホームセンターのバイヤーに対して、どのような営業を行っているのでしょうか?

 

その秘密を探ってきました。

 

■バイヤーが求めている情報とは

水田「鸙野さん、営業で成果を上げるためにいつもどのような点を意識されていますか?」

 

鸙野氏「私はいつもバイヤーよりも情報を持っていたいと思っています」

 

水田「なぜ、バイヤーよりも情報を持っていたいと思うのですか」

 

鸙野氏「バイヤーはいつもネタを求めています。情報を持っている営業マンはバイヤーから求められますが、情報を持っていない営業マンはバイヤーから相手にされません」

 

水田「なるほど、ではどのような情報をバイヤーは求めていますか?」

 

鸙野氏「当然、売れそうな商品の情報を常に求めています」

 

水田「その売れそうな商品ですが、どのように情報提供しているのですか?」

 

鸙野氏「提供する情報は2種類あって、1つは新商品のトレンド情報、そしてもう一つは成功事例です・・・」

 

 ■新商品情報が集まる驚くべき情報収集術

鸙野氏「まず、新商品の情報という点からお話しします。バイヤーというのは常に未来の情報を欲しています。常にトレンドを知りたいと思っているのです」

 

水田「なるほどそうですよね。常に最先端の情報をつかんで売れる商品を投入したいと思っているはずですよね」

 バイヤー

鸙野氏「はい、そうです」

 

水田「では、どうやって最先端の情報を鸙野さんはつかんでいるのですか?」

 

鸙野氏「実は、なんだかんだ言って、その情報をいち早くつかんでいるのはバイヤー自身なんです」

 

水田「??? じゃあ、どうするのですか?」

 

鸙野氏「色々なバイヤーから最新情報を引っ張ってストックし、他の商談の情報源泉として活用するのです。ただ、バイヤーも『教えて下さい』と言って簡単に教えてくれるものではありません。情報を提供(共有)するに値する営業マンと認識してもらうのが必要なのです」

 

水田「それってどうするのですか?」

 

鸙野氏「まずやることはITメディアや家電ウォッチなどのWEB情報から毎日、10社以上の競合製品の新商品をチェックします。これは毎朝の通勤電車で日課のように行っています」

 

水田「なるほど」

 

鸙野氏「ただ、こういった情報は既にバイヤーも知っているためバイヤーへの有益な情報にはなりません」

 

水田「じゃあ、あまり意味がないんじゃないですか?」

 

鸙野氏「意味がないことはありません。こういった情報に常にアンテナを張って雑談ネタにすることで、相手が同じレベル感、スピード感で情報を取っていると感じてもらえるのです」

 

水田「そうなると、どうなるのですか?」

 

鸙野氏「同じレベル感、同じスピード感で情報を取っていると感じてもらえれば、今後 有益な情報を提供してくれるのでは?と認識してもらえます」

 

水田「ほう!」

 

鸙野氏「そうなると、相手が持っているメーカー情報を話してもらえやすくなるのです」

 

水田「なるほど、相手に感度の高い営業だと認識してもらうことで情報が集まってくるという事ですね。そして集まった情報を展開することで更に情報が集まるサイクルになる訳ですか!」

 

鸙野氏「そうなんです。だから私は欠かさずにまずはWEBから競合メーカーの新商品情報を毎日収集しているのです」

 

水田「じゃあもう一つの成功事例というのは、どのように提供されているのですか?」

 

 ■社内でNo.1の情報通になるための情報収集術

鸙野氏「成功事例というのは、他部署から収集してきます。うちの会社には小売店に販売する事業部だけでなく、通販会社やギフト店に販売している事業部もあります。そちらの事業部で目立った売上を上げた企業を担当している他の営業マンに成功事例を聞くのです」

 

水田「その成功事例を小売店に伝えても、通販業界だからうまくいってるんじゃないの?とかバイヤーに言われないですか?」

 

鸙野氏「そうですね。そう言われないようになぜ売れたのかを自分なりに分析していくのです。そしてその売れている商品を少しコンパクトにしてみたり、価格を安価に抑えるなどの変化を付け、+αの提案するのです」

 

水田「しかしそれでも信用しないってことはないですか?」

 

鸙野氏「確かに信用しないこともあるかもしれませんが、何の裏付けもない商品を提案されるよりは余程マシだと思います。売れる根拠が全くないよりも多少、仮説であっても根拠があった方がバイヤーも安心でしょう」

 

水田「確かにそうですね。じゃあその成功事例を収集するために何か工夫されていることはありますか?」

 

鸙野氏「そうですね~、う~ん、周りの人から情報を貰う以上に私から情報を発信していますかね」

 社内の情報収集

水田「といいますと?」

 

鸙野氏「何か役に立つ現場情報を拾うことができれば、別に頼まれていなくても周りの人に情報提供するようにしています」

 

水田「へ~、すごいですね」

 

鸙野氏「情報は鮮度が命です。インプットしたらすぐにアウトプットするように習慣づけているのです」

 

水田「ちょっと面倒くさいことだと思いますが、よく続けられますね」

 

鸙野氏「昔、尊敬している先輩がやっていたことなんです」

 

水田「その人ってトップセールスですか?」

 

鸙野氏「はい、私の師匠みたいな方でその人がいつもやっていたことをマネているんです」

 

水田「へ~~」

 

鸙野氏「面倒なことなんですが、情報を発信することで周りから『具体的な証拠がないとその情報は役に立たないよ』とかフィードバックを貰えるのでどうやって情報を収集すべきかが分かるようになってくるメリットがあります」

 

鸙野氏「それに情報を発信すればするほど、周りから情報を貰えるようになるので、結果的に情報発信することが情報通になるために必要なんです」

 

水田「おおおおおーーーー」

 

今回のインタビューは情報を得るための本当に価値の高いノウハウを公開していただきました。

 

「最先端の情報を集めている人」に最先端の情報が入ること。

 

「情報を発信する人」に情報が集まってくること。

 

求める姿勢が情報を呼び、その情報を発信することで更に深い情報が集まるサイクルになる。

 

情報というものを武器にしているコンサルタントという職業ではこのノウハウはよく理解ができます。

 

そして情報を武器にしなければならないコモディティ商品(どこでも買える商品)を取り扱っている企業や営業マンは今回のインタビューで大きな突破口を手に入れたのではないでしょうか。

 

タイトルを付けるとすれば、「情報力で他社に打ち勝つ!究極の情報収集術」

 

本当にこのノウハウを無料で提供しても良いのかな?と若干私は思っています・・・

  

■水田チェック

今日のノウハウについてはもうあまり解説する部分はないと思います。

 

あと、付け足していえるとすれば情報というのは発信するというプロセスを得ることで、頭の中が整理されより深い理解を得ることができます。

 

理解を更に深めることにより、より深い見解を述べることができるようになります。

 

そして深い見解を述べることにより、その情報に吸い寄せられるようにより見識のある方が集まり、また深い情報を得ることができるようになるのです。

 

あなたが何かの専門性を得たいとお考えであれば、まずはその情報を欲している姿勢を周りに見せてください。

 

そしてその情報を自分の中にだけに留めずに、是非周りの方に発信してみてください。

 

その情報を発信することで情報の好循環サイクルが回り、いつの間にか専門家になっていると思います。

 

 

■インタビュー企業

社名:シロカ株式会社

住所:東京都千代田区神田神保町2丁目4番地

TEL:03-3234-5490

URL:http://www.siroca.co.jp/

 

【目標を立てる時は目の前に鏡を用意せよ】

障害者

先日、ある社長と喫茶店で話をしていました。

 

今後の支援の内容を打合せしていたのですが、うちの社員はできない理由ばかりを言うという話からある話題で盛り上がりました。

 

その話題とは、身体障害者の話です。

 

社長は数日前に、身体障害者の方の講演会に参加したらしく、その講演内容が目から鱗だったとのこと。

 

その内容は、健常者は障害者の事を見ると「かわいそうだ」とか「大変そうだ」と想像してしまうのですが、障害者は自分たちの事をそうは思っていないというのです。

 

障害者たちが自分自身に抱いている印象は、視力が0.1以上は健常者、0.1未満は障害者のような感じで線引きされただけで、別に他の人と何も変わりはしないという感覚なのです。

 

逆に障害者の方は、今後は健常者の方が大変になるのではないかと危惧しています。

 

なぜかというと、健常者は歳を取ってくると手足が不自由になり、手足が不自由になると誰かの助けが必要になります。

 

そしてその助けに気を使ったり、また、その助けがなくなれば床に伏せざるを得なくなってくるからです。

 

しかし、障害者の方はもう既に手足が不自由でも動く術を知っています。

 

いくら歳を取っても障害者は楽しく生きていく術を知っていますが、健常者にはそれがないというのです。

 

そして色々な話を聞いていく内に、障害者のある思考に気づいたのです。

 

その思考とは

 

「常に可能性を考える」

 

という思考を持っているという事です。

 

障害者の方は生まれもって不自由な体でした。

 

普通の生活をするにもうまくできず、生きていくためにどうすればできるかを考え続けてきました。

 

そして健常者は何不自由なく進学・就職ができますが、障害者はそうはいきません。

 

普通に生活しようとするだけで、いくつもの障害を乗り越えなければならない道をたどってきたのです。

 

しかし、その逆境が「常に可能性を見出す」思考習慣を身に付けさせる結果となりました。

 

逆に健常者は大した苦労もせず、生活もできますし、進学も就職もできます。

 

可能性など考えなくても普通に生活できます。

 

しかしそれが災いして、可能性を見出す習慣が身に付いていないのです。

 

だから、障害者はどのような問題でも「できる」という思考からスタートするのですが、健常者ほどすぐに「できない」という言葉を口にするのです。

 

障害者は常に可能性を見出し、常に努力しているという事実を目の当たりにして、自分自身が確実にサボっているという事実を痛感させられました。

 

成長のために何をすべきかが分かっているにも関わらず、それに対しての取り組みを後回しにしている。

 

「まだ、時間はあるからいいか」

 

「明日やればいいか」

 

と思いながらいつも後回しにしている自分自身に、

 

「確実にサボっている・・・」

 

と実感させられたのです。

 

この話を聞いて「よし、明日から自分を律して頑張るぞ!」と気持ちを引き締めたのですが、自分を律し続けるというのはなかなか難しいものです。

 

(明日からと言っている時点で律しきれていませんが)

 

ではサボらない自分を作るためにはどうすれば良いのでしょうか?

 

≪目標を立てる時は目の前に鏡を用意せよ≫

鏡の自分


 
ある心理学者の実験でこのような実験がありました。

 

子供たちにお菓子は1個だけと伝えて大皿にキャンディをたくさん置いて大人が出て行くと約34%の子供がキャンディを2個以上取っていったそうです。

 

しかし、そのキャンディの大皿の前に鏡を設置すると、キャンディを2個以上持っていった子供は9%にまで減ったのです。

 

これは鏡で自分自身の姿を見ることをきっかけに自らの行動について考えるようになり、結果として社会的に望ましい行動を取るようになってしまう心理現象です。

 

あなたも自分を律することに不安を感じているのなら鏡を利用してみてください。

 

毎日、鏡の前で目標を立て会社に向かう事を習慣にしてみてください。

 

鏡に秘められた力によって、あなたは常に自分を律することができ、そしてその習慣が望ましい姿に導いてくれることは間違いありません。

 

2016年11月12日おすすめの記事コラム営業


【社内から紹介を貰いたいなら「何かないですか?」を連呼しろ】

パブロフの犬

シンガポールでの食事でのこと。

 

先週の沖縄の研修旅行に引き続き、今週は火曜日から土曜日まで会社全体の社内旅行に出かけていました。

 

連続の旅行ということもあり、仕事が思うように進まない不安に苛まれながら必須参加&海外(シンガポール)という誘惑に負け、旅行に出かけたのです。

 

1日目は移動のみ。

 

2日目はチームごとに分かれ浜辺で運動会を実施。

 

チームは普段、仕事であまり絡むことが少ない他部署のコンサルタントと組み、各競技をこなしていきました。

 

その競技プログラムは年齢の割にかなり過酷な内容で、多くのメンバー(特におじさん世代)が悲鳴を上げていました(笑)

 

そして3日目はフォトラリー。

 

メンバーがシャッフルされ、また違うメンバーと組み、課題を1つ1つ解決するという内容です。

 

小学生で行ったようなイベントでも大人になって改めて実施するとおもしろく、3日目もあっという間に時間が過ぎていきました。

 

そして3日目の夜には宴会を行い、チームのメンバーや色々なメンバーと交流を深めながらおいしいシンガポール料理とお酒を飲んで過ごしたのです。

 

そして4日目。

 

旅行をしているとよくありがちなのですが、現地料理をたくさん食べたいという欲求から4日目に至るころには胃はパンパンになっていました。

 

この胃もたれ感を解消するために、今日は朝ごはんをほどほどにしておくかと思いつつ朝食会場に着くと、いつもの量を摂取。

 

胃がかなり苦しくなるのですが、昼の時間になると何かを食べなければという思考が。

 

そして夕方も最後のシンガポール料理と思い、いつも以上に摂取。

 

そして次の日の飛行機の中での朝食も、胃がパンパンであるにも関わらず完食。

 

そして帰宅した昼も、その時間になると、「何かを食べなければ・・・」という衝動に駆られるのです。

 

≪パブロフの犬現象≫

 

あなたは「パブロフの犬」という心理現象をご存じだろうか?

 

これは生理学者のイワン・パブロフによって発見された動物の条件反射についての研究で、犬にベルを鳴らして餌を上げる事を繰り返すと、ベルが鳴っただけで唾液が出るという生理現象が起きてしまったという実験です。

 

朝食や昼食、そして夕食の時間におなかが減っていないにも関わらず何かを食べたくなるのは、まさにこの条件反射であり、繰り返しの行動がこの現象を呼び起こしているのです。

 

なぜ、紹介を得たいなら「何かないですか」という言葉を繰り返すのか?

 

それは紹介を促しても、人は時が立つとすぐに忘れてしまい、相手が忘れてしまうことが紹介につながらない原因になっているからです。

 

(そもそも紹介を促していないというのも大きな原因ですが)

 

ただ、相手に忘れないようにしてくれと伝えてもそれは無理な話で、こちらから何かしらの働きかけをする必要があるのです。

 

普段はあなたを紹介するという事は忘れてもらっていても構わないのですが、あるキーワードが出た時にあなたを紹介してもらえるようにしなければなりません。

 

そのために必要なことは繰り返しの刺激です。

顔を合わせる度に「●●の事でもしご紹介いただけるような機会があれば是非お願いします」と繰り返し伝えることで、相手に小さな刺激を与えることができます。

 

そしてそれが蓄積していくと、紹介(もしくはそれに関連する)キーワードが出てきた時にあなたを条件反射的に思い出してくれるようになるのです。

 

また、紹介を促すことが嫌味にならないように「紹介を促す理由作り」を定期的に行うことも良いかもしれません。

 

※例えば、「当月だけ自部署で紹介目標を設定した」や「紹介によるリベート設定を新たに設定した」など。

 

「紹介=●●(あなたの名前)」

 

そう覚えてもらえるように普段からの働きかけを行う意識や仕組み(紹介を促す理由作り)を取り入れてみても良いのではないでしょうか。

 

2016年11月06日コラム営業


【第63回リアルトップセールスインタビュー】 (株)ラネット 矢口様

矢崎さん(ラネット)

第63回のリアルトップセールスインタビューは(株)ラネットの矢口さんです。

 

矢口さんお勤めの(株)ラネットは携帯電話の販売及びそれに付帯するサービスの提供を中核とした企業です。

 

その中でも矢口さんは法人営業を担当されており、従業員100名未満の企業の開拓を行っている方です。

 

現在は入社して6年目ではありますが、これまでの営業実績は非常に輝かしいものです。

 

入社してたった2か月で携帯ショップの店長に抜擢。

 

そして3年間の店長を経験した後に営業に転籍。

 

そして営業に転籍した1年目の実績は、なんと1年目で1400台の携帯を販売し、新人の中でトップを獲得。

 

そして営業2年目についてはKDDIの販売代理店としてKMO賞を受賞

 

※KMO賞・・・K→KDDI、M→まとめて、O→オフィスの略

 

KMO賞とは「販売実績」「クラウドサービス(携帯以外)」「スマートデバイス」の3つの部門で、ある一定の実績基準を満たした優秀な営業マンにのみ授与されるもので(株)ラネットの営業マンの中で唯一の受賞者となったのです。

 

本日は営業に転籍してすぐにトップセールス街道を走り続けている矢口さんにインタビューしてきましたので、ご覧ください。

 

 

■工数に着眼した営業法

本日も私 水田よりいつものアプローチを行ってきました。

 

水田「矢口さんが『いつも』意識されていることや『習慣』にしていることは何ですか?」

 

私はいつもこの質問をすることにこだわっています。

 

というのもトップセールスが売れている本当の要因は、突飛な伝説話にあるのではなく、『いつも』やっていることや『習慣』にしている所にあると思っているからです。

 

そして本日も同じ質問を矢口さんにすると、こんな回答がありました。

 

矢口氏「私は『工数』をいかにかけないかという点はいつも意識していますね」

 

水田「工数ですか?具体的におっしゃいますと?」

 

矢口氏「例えば、商談でもあまり雑談はしません。それよりも単刀直入に何か困っていることはないか、という事をよくお聞きしています」

 

水田「なるほど、お客様の困りごとを聞くのですね。ちなみに普通の営業担当者だとどのような営業をしていますか?」

 

矢口氏「おそらく、どのような携帯を使っているかを聞き込み、コストダウンの提案をしていると思います」

 

水田「なる程、コストダウン提案だと話が早そうですね」

 

矢口氏「いえ、私は『何か困っていることはありませんか?』と聞いた方が結局は話が早くなると思っています」

 

 

■なぜ、困っていることを聞いた方が早いのか

矢口さんは、見込み客を熱心に追いかける基準として

 

「何がしたいかがはっきりしているか」

 

に着目しています。

 

矢口さん曰く、課題が見えていない人は商談にかなりの時間を割かれる傾向があり、課題が見えていたり、何がしたいという事がはっきりしている人は話が早いという経験則を持っているのです。

 

そしてそれを見極めるための言葉が「何か困っていることはありませんか?」という言葉です。

 

この言葉の反応で商談が早く進むか否かを見極めているのです。

 

しかし、「何か困ったことはありませんか?」という問いだけでは相手が問題を発想できない時もあります。

 

そういった時は問題を思い出してもらうために発想を促す質問を繰り返します。

 

営業担当者が携帯電話を電話用でしか使っていないという先には、

・営業担当者が資料を持ち歩くのは大変ではないか?

・社内の報告に電話だけでは不便ではないか?

・隙間時間で企業情報を確認するか、しないかで商談の質は変わらないか?

・外出中に分からないことが起きたら調べる手段がないと不便ではないか?

・社用携帯が使いづらく個人携帯を仕事に使った場合にセキュリティ上の問題は発生しないか?

 

などイメージを湧かせるような話をして問題や課題を思い出してもらうのです。

 

そして問題や課題、やりたいことなどが明確になればそれに最もマッチしたサービスを提案します。

 

コストダウンなどこちらがやれることを先に提案した場合、相手が興味を持ってくれる可能性は高いのですが、結局、商談が進んだ時点で本当にやりたい事とのアンマッチが発生し失注することが多いです。

 

相手に興味を持ってもらう事を優先するよりも、相手がどんな課題を持ち、何をしたいかを明確にさせた上で商談を進めた方がアンマッチを生む可能性は少なくなります。

 

そしてアンマッチな商談が減ることで、成約できる商談にだけ時間を割くことができるようになり、結局は効率が良いという事なのです。

 

 

■なぜこのような営業スタイルになったのか?

このようにできる事よりも相手の課題ややりたいことを先に聞くスタイルはショップの店長時代に築きあげたとのことでした。

 

携帯ショップでは1日に何人ものお客様が来店し、そのお客様を効率よく回転させていかなければ店の評判にも関わってしまいます。

 

そこで気づいたのが、携帯の機種変更に来たお客様に、機種の良さやプランのメリットを先行して話をしてしまうと、色々と顧客を悩ませる結果になり成約まで時間がかかるという事実なのです。

 

そこで工数にいつも意識が向いている矢口さんは、どのような話の進め方を行えば話が短くなるのかを考えたのです。

 

そこで出てきた答えが、機種やプランの事を解説するのではなく、まずお客様が何をしたいのかを確認し、その後に最適なプランを提案する手法に変え、商談の短縮化に成功させたのです。

 

この時の成功体験が営業でも活きており、「何ができるか(営業軸)」ではなく「何がしたいか(顧客軸)」に着目することにより「工数」を掛けない営業を実現させることができるのです。

 

 

■水田チェック

今回、結局のところプロダクトアウトなのかマーケットインでの営業なのかに話は集約されると思っています。

 

しかしながら、本当に着眼すべき点は矢口さんの課題や問題を発想させる質問です。

 

この記事上ではさらっと書きましたので、あまりその凄さは伝わっていませんが、顧客の問題や課題を示唆して思い出させるという営業方法は非常に難しい技術だと思っています。

 

そして、この課題や問題を提起する上で必要となってくるのが商品知識です。

 

商品の多彩な機能をよく把握することで、商品ができることから逆算して初めて課題や問題を発想させる質問ができるのです。

 

そこで私が気になったのが、その商品知識をどのように身に付けたのかです。

 

この商品知識の身に付け方が分かれば多くの営業担当者もマネをすることができるのではないかと思い、私はその情報ソースを探ったのです。

 

そうすると思わず納得の回答にたどり着いたのです。

 

水田「矢口さんは他にも何か意識されていることはありますか?」

 

矢口氏「よくキャリアからキャンペーン企画がきますが、それにいち早く対応するようにしています」

 

水田「といいますと?」

 

矢口氏「多くの営業マンが新商品や新プランに対して分からないので積極的にやっていないという事がよくあります。それをあえていち早く取り組むようにしているのです」

 

水田「なぜですか?」

 

矢口氏「一番早くに覚えると、周りから教えてくれという要望がきます。その要望に応えて教えると実は一番自分が理解できるのです」

 

『アウトプットしている人が実は一番のインプットになっている』

 

こんな話をあなたも良く聞くことがあると思います。

 

そうです。最も早く新商品の知識を身に付けることで周りの教育役になります。

 

そして教えるという事は相手のタメでもありますが、実は一番タメになっているのは自分自身。

 

教えることによって一番の商品知識を身に付ける。

 

このサイクルがあるから矢口さんは最も商品知識に長けており、そして得られた商品知識から逆算してお客様の課題や問題を拾うことができるのです。

 

『キャンペーンに真っ先に取り組む』

 

この取り組みを繰り返すことによりあなたがお客様に課題や問題を発想させることができるようになり、そして発想できた顧客を選別して優先的に営業すればおのずとトップセールスの道は訪れるのではないでしょうか。

 

 

■インタビュー企業

社名:株式会社ラネット

住所:東京都豊島区池袋2-52-8 大河内ビル4F・5F

TEL:03-6810-0052

URL:https://www.ranet.co.jp/

 

【ヒアリングでは思い込みは重要】

IMG_2301
小浜島からの帰りの飛行機より。

 

社内の研修旅行で木曜日から土曜日まで小浜島にいました。

 

沖縄の海と沖縄料理を堪能し、また社内のメンバーと色々な話をしました。

 

普段、お互いに出張が多くなかなか時間を取って話せないメンバーとまじめな話や、くだらない話、お悩み相談など。

 

本当に貴重な時間を過ごしました。

 

そして今回の研修旅行で最もインパクトがあったのが2日目に行ったインバスケット研修。

 

書籍がベストセラーという事もあり、ご存じの方も多いと思います。

 

インバスケット思考というのはアメリカの空軍で行われていたシュミレーションゲーム。

 

ビジネス上の架空の人物になりきり、未処理案件を制限時間内に解決していく、いわば意思決定を鍛えるトレーニングです。

 

私達が行った事例は温泉旅館の支配人。

 

温泉旅館に関する決算書や組織図、顧客層別の売上構成比、どのような特徴を持った温泉旅館なのか、そしてお客様からのアンケート情報を確認。

 

そして支配人宛に来た20通のメール(未処理案件:様々な登場人物からくる相談事)を1時間という制限時間で返信していく内容です。

 

わずか1時間で20案件、、、

 

1案件あたり3分で処理をしないといけない計算です。

 

はじめの状況把握に時間を使わなければならないことを考えると、1案件あたり実質2分半程度で意思決定を行わなければなりません。

 

よーいドンでインバスケット研修がスタートし、60分は思考をフル回転。

 

終了の合図と同時に、ほぼ全員が「ああ~、全然できなかった!」という声が至る所からあがっていました。

 

私も20案件の内、半分程度しか処理できず、意思決定の遅さにショックを隠し切れませんでした。

 

また、「20案件の優先順位を記載せよ」と最初に書いてあったことから、20案件の重要度(かつ緊急度)を把握して問題に取り組むべきだったにも関わらず、最初の問題から順に解いていくという初歩的なミスをしてしまい、思い返せば返すほど後悔が後を絶ちません。

 

「ぬぉ、しまった!」と叫びながらも、このビジネストレーニングの面白さにはまっていったのです。

 

そしてふと問題用紙を見直してみるとあることに気づいたのです。

 

その気づいた事というのは情報を処理していくポイントです。

 

最初に様々な情報が渡されています。

 

冒頭でお伝えした決算書、組織図、会社概要、お客様のアンケート結果。

 

この情報からいかにこの企業の問題を推測できていたか。

 

決算書から人件費の過剰、他の好調な旅館がどこにお金をかけているか。

 

そしてお客様のアンケート結果から設備への不満、レストランのサービス品質の問題。

 

この情報を捉えられているかどうかで案件処理の精度とスピードがかなり違ってくることに気づいたのです。

 

ポイントは最初の仮説設定。

 

脳の3大原則に「焦点化の原則」(人の脳はある事実に焦点が当たるとそれに関連する情報を次々と取り込むという習性)というものがあり、最初の情報からいかに漏れなく仮説を設定できたかによって案件処理の精度もスピードも変わってくるのです。

 

≪商談前に仮説を立てているか≫

 

お客様から引き合いがあった時に、お客様のニーズを素直に収集するためにあまり思い込みを持って営業しない方が良いと言われています。

 

しかし、それは相手の状況を確認せずに、その思い込みをぶつけているケースであり、情報を漏れなくヒアリングするためには思い込みは必要なのです。

 

引き合いのあった企業の業種や事前情報から、このような問題があるのではないかと考えるからこそ質問が思い浮かぶ。

 

このような提案をしてやろうと思うから予算やタイミングなど聞き漏らしてはならない情報を確認するようになる。

 

仮説があるから質問したくなるし、仮説があるから漏れなく情報を確認できるようになるのです。

 

商談前は、どのような問題がありそうなのか、どのような商品を提案するのが最も好ましいのか。

 

この事前シュミレーションが、あなたのヒアリング能力を向上させるコツでもあるのです。

 

 

2016年10月30日コラム営業