週末の一行語録解説【5/21号】

■営業では商品の中で一番マイナスの特徴を早い段階で取り上げる

昨日、大阪でセミナーをしていた時。

 

セミナーの受講生からある質問を受けた。

 

その内容は「新規開拓で心が折れない方法」というものであった。

 

新規開拓というテーマのセミナーではなかったが、有料で参加してもらっていることもあり、出し惜しみをすることもなく回答した。

 

その時に回答した内容は「お客様になりやすい定義を決める」というものだ。

 

実際に新規開拓の活動に入る前に、どのような属性のお客様であれば取引の可能性が高いのかを考えるのである。

 

例えば、保険でいうと大きなイベントが加入のタイミングになることが多い。

 

具体的にいうと、「結婚」「出産」「新築」。

 

このようなタイミングに直面している人は保険に加入する可能性が高い。

 

という事は「結婚」「出産」「新築」というイベントが近々あってもおかしくないような人は取引の可能性が高いと判断できるのである。

 

この定義づけができていると強い断り文句を言われたとしても、断りの印象に左右されることなく営業し続けることができるのである。

 

そして逆にお客様の定義に反する対象はあまり頻繁に通っても可能性は低いと判断し、いくら好意的に接してくれたとしても見極めるのである。

 

今、社内に私の前職と全く同業界で営業をしていた先輩コンサルがいるが、その人も全く同意見だった。

 

結局のところ新規開拓で成果がでないのは、取引の可能性が極めて低いにも関わらず、やさしく接してくれるという理由だけで通い続け、無駄な時間を過ごしてしまうからなのである。

 

以前読んだある書籍で、トップセールスは「Yes」ではなく「No」取りに行くという話があった。

 

この真意を解説すると、トップセールスは相手に取引の条件を明確に提示し、それがOKかNGかを『確認』しているのである。

 

そしてOKなら追いかけるが、NGなら見極めるのである。

 

しかし、ローパフォーマーは「Yes」を取りにいこうとするあまり、言いにくい条件は後回しにして最後に確認する。

(特に予算など)

 

結局、最後に条件が合わず無駄な時間を浪費したり、引くに引けなくて値引きを社内に懇願したりするのである。

 

「なぜ、マイナスの特徴を早い段階で取り上げるのか?」

 

この一行語録を読んで、そんな疑問を持ったかもしれない。

 

しかし、もしあなたがそんな疑問を持ったり、商談で言いにくいことを後回しにしているようであれば気をつけた方が良い。

 

もしかするとトップセールスとは逆の思考になっている可能性がある。

 

セールスは「説得」ではなく、『確認』なのである。

 

なので、できるだけ早い段階でマイナスの特徴を話しておいた方が良い。

 

そしてマイナスの特徴を話すことはデメリットだけではない。

 

あえてマイナスの特徴を話すことによりお客様の信頼を獲得できるという効果もある。

 

多くの営業マンは商品のメリットしか語らないが、あえてデメリットを語ると素直な営業マンという印象を与え、信頼度が増すのである。

 

これは「両面提示」という方法であるが、特に新規客のようにこちらに不信感を抱いている場合に大きな効果を発揮する。

 

マイナスの特徴に怯え、いつも話すのが後回しになっているようなら今日からそれを辞めできるだけ早い段階で切り出してみよう。

 

YesではなくNoを取りに行くという意味を理解していれば、そんなに怯える必要はないはずである。

2016年05月21日コラム営業


週末の一行語録解説【5/14号】

■ポジティブなメッセージにはパーセントより実数表記の方が印象が良い

今週木曜日から2日間、八ヶ岳で社内研修が実施された。

 

この研修は社内のチームワークを高めるための研修であり、その第1日目は社内講師を使って提案力を身に付けるというものだった。

 

その提案力強化研修の内容はたった1分で会社紹介(もしくは商品紹介)を行うという至ってシンプルな内容だが、実は1分間でプレゼンテーションを行うというのは意外に難しい。

 

普段、商品の事についてよく理解しているため、どうしても多くの事を語りたくなってしまう。

 

しかし、会社紹介(商品紹介)はたった1分で収めなければならないのだ。

 

最初に何を話すかを準備し、あとは講師がランダムに指名し、指名された受講者はその場に立って、すぐに会社紹介を行うのである。

 

最初はスムーズには話せない。

 

しかし、これを何度も何度も繰り返していく内にだんだんと流暢に話せるようになる。

 

ただ、流暢になっても話すボリュームが多いと1分では終われない。

 

そして1分で終われないため、トークスクリプトのボリュームを削っていく。

 

そしてボリュームを削っていくことによって本当に伝えなければならないワンセンテンスが明確になっていくのである。

 

今回の研修で得た気づきは商品の内容を伝えようとすると長くなりすぎる。

 

だから商品の機能説明は完全に省き、商品(サービス)使うことによってどのような結果が得られるのかを話すことが一番話しやすく、分かりやすいと気付いたのである。

 

久々に受講する側となって受けた研修には、体験するからこそ分かる大きな気づきがあった。

 

たった1分という制約を与えられ、言葉を厳選し続けることで本当に響くセールストークができあがるのである。

 

あなたは営業トークでどれだけ言葉にこだわっているだろうか?

 

実はほんの少しの言葉を変えることによって、同じ意味を言っているにも関わらず全く違った伝わり方をすることがある。

 

心理学、行動経済学、脳科学などの世界では、このようなことを証明するために数々の実験が行われ、多くの事が明らかになっている。

 

今回、解説する一行語録はまさにその1つである。

 

このポジティブなメッセージにはパーセントより実数表記の方が良いというのはジェイソンツヴァイクの神経経済学の書籍に記されている。

 

例えば、以下の文章を見比べてみるとその意味が何となく理解できると思う。

 

①    2%の確率で死亡する

②    100人中2人が死亡する

 

いかがだろうか?

 

実は人はパーセンテージで表記されるよりも実数で表記された方が、実際の人を想像してしまうのである。

 

そのため数字を相手に強く印象付けたい場合は、パーセントよりも実数を使うべきなのである。

 

例えば、「このセミナーは90%の受講者が『大変満足』と評価している」と言うよりも「このセミナーは10人中9人が『大変満足』と評価していると書く方が印象に残りやすいのである。

 

相手にどのような言葉を投げかけるとインパクトがあるのか。

 

是非、このような実験データに裏付けされた要素を盛り込んでみてはいかがであろうか?

 

※また、営業トークを研ぎ澄ませるために、私が体験した1分間の制約の中で考えていくという方法が体験したい方はこちらで。

http://www.attax.co.jp/seminar/detail/02606.html

2016年05月14日コラム営業


週末の一行語録解説【5/7号】

■顧客単価を上げたいのなら最初に何を提案するかは重要だ

先週の週末の出来事。

 

ここ最近、下の娘が犬を飼いたいとうるさくせがんでくる。

 

友達の家にお邪魔した時に、その家が犬を飼っており、その可愛さから欲しいという欲求が生まれたようである。

 

しかし、いざ犬を飼っても「絶対にお世話する!」と娘は豪語しているが、必ずこちらに世話の仕事がくることは間違いなしである。

 

そんな容易に予想できることから犬を飼うことを躊躇している訳であるが、あまりにも欲しいというので、別の方法で対応することを考えた。

 

その対応方法とは、、、

 

犬専門の動物園に行くことにしたのである。

 

私が住んでいる所から高速で30分ほど車を走らせると犬専門の動物園がある。

 

そこでひとまずの応急処置を取ることにしたのである。

 

そしてその動物園のホームページを見ると入園料の割引がついていた。

 

内容としてはこうである。

 

クイズに答えて、正解の数だけ割引してくれるというものだ。

 

その割引額を記載すると、

 

全問不正解:1,240円

1問正解:980円

2問正解:880円

3問正解:820円

4問正解:770円

5問正解:750円

 

とこんな感じである。

 

第1問目を見てみると犬の写真があり「この写真の犬種は?」という質問であった。

 

また、写真の左下に「ヒント」というタブもあり、忠犬ハチ公と同種と書いてあった。

 

このヒントを頼りにしてネット検索をすれば全問正解できるであろうと思い、ひとまず動物園まで向かったのである。

 

動物園に着くとひとまず入園する前に持参した弁当を車中で食べ終え、そしてクイズに挑んだのである。

 

第1問目は簡単にクリア。

 

第2問目は若干難解に。それでもネット検索すれば答えられないことはない。そして第3問目もクリア。

 

しかし、第4問目ネット検索しても全く分からない。

 

更にネット検索してみるとヤフー知恵袋に、私と同様にネット検索して問題を解こうとした人の書き込みが。

 

しかし、第4問目の答えはどこにも載っていない。

 

その後も引き続きネット検索していると30分ほど経過。

 

娘も飽きてきた様子で、全問正解には届かないが3問正解で820円になるのであれば良いかと思い、そこで切り上げたのである。

 

最初の1,240円から420円もお得な金額なのでそれなりに満足して支払いを済ませたのである。

 

これが全問不正解で1,240円払うことを考えたら大きな苦痛を与えられていたことは間違いなかった。

 

しかし、よくよく考えてみると1,240円をなぜ高いと思ったのであろうか?

 

『人は最初に提示された金額に引っ張られる』

 

もし、この入園料が最初に1,890円と提示されていたらどうだっただろうか?

 

そして3問正解したら1,240円にまで割引されるという条件だったらどうだっただろうか。

 

おそらくこの場合1,240円を喜んで支払っていたに違いない。

 

同じ1,240円にも関わらず、一方は苦痛で、もう一方は喜んでいるのはなぜか?

 

これが「アンカリング効果」というものである。

 

アンカリング効果とは、船が錨(アンカー)を降ろした時にその錨の周辺しか動けなくなることの比喩から、最初に提示されたものが基準となってその後の判断に影響を及ぼすというものである。

 

人は最初に提示された金額に大きく影響される。

 

これは滅多に買わないアイテムほど、この傾向にある。

 

滅多に買わないアイテムはまだ金額の基準ができておらず、検討し始めた時に見た金額が基準になりやすいのである。

 

あなたが取り扱っている商品の金額が一般的に広く知れ渡っていないのであれば、最初に提示する金額をいくらにするかによって利益率は大きく変わってくるという事実を覚えておいた方が良い。

 

 

2016年05月07日コラムマーケティング


週末の一行語録解説【4/30号】

■実際に体験させることは、どの営業方法よりも意思決定に影響を与える

広告の業界では3つの「Not」という言葉がある。

 

3つの「Not」とはNot read(読まない)/Not believe(信じない)/Not act(行動しない)という売り手側が越えなければならない障壁のことである。

 

まず、広告の内容を読まない、そして内容を読んでもらったとしても「どうせうそでしょ」と思って信じない。

 

そして、内容が信用できたとしても購入するまでには至らない(行動しない)という壁があるのである。

 

この3つの「Not」というのは広告の世界だけでなく、営業の世界でも同じようなことがいえる。

 

さしずめ営業の場合の3つの「Not」はNot listen(聞かない)/Not believe(信じない)/Not act(行動しない)という感じではないだろうか。

 

話を聞いてくれないし、その内容を信じないし、信じたとしても購入してくれないという具合である。

 

営業マンも日々、この3つの「Not」に苦心しながら、気を使い、営業テクニックを使いこの壁を乗り越えようとしていると思う。

 

本来は、この1つ1つの壁に対して対策を考えなければならない訳であるが、ある1つの方法を取ることでこの3つの壁を同時に排除することができる。

 

その方法とは「体験」させるという営業方法だ。

 

世の中には体験という方法を使った営業手法は山のようにある。

 

例えば、化粧品の無料サンプル、英語の無料体験レッスン、そして車の試乗や住宅の1日お泊り体験なども「体験」させるという営業手法に該当する。

 

この体験という方法は前述した通り、3つの壁を同時に排除できる非常に素晴らしい営業テクニックである。

その理由を1つ1つ解説するとこんな感じである。

 

1)Not listen(聞かない)

体験という言葉通り、まずは体験してもらうことが目的であるため商品やサービスを無料で提供するということが前提になる。

 

この無料という言葉は見込み客に注意を向けさせるには大きな影響力を与える。

 

ある実験では1円のチョコと26円の高級チョコを用意した時に、多くの人は26円の高級チョコを選ぶのだが、無料のチョコと25円の高級チョコを用意すると、同じ金額差であるにも関わらず、多くの人が無料のチョコを選択するのである。

 

朝、新聞に挟まっているチラシを思い浮かべてみても分かると思うが、たいして必要のない商品であったとしてもチラシの目立つところに「無料」とデカデカと書いてあると人はついつい見てしまうものなのである。

 

無料という言葉は、注意を喚起する上で非常に有効な言葉なのである。

 

2)Not believe(信じない)

人の言葉を疑う人は多くいるが自分の言葉を疑う人はいない。

 

当たり前の話であるが、人は自分自身に嘘はつけない。

 

なので体験させるというのは、営業マンが直接説得するより、他の人から推薦をもらうより、どんな方法よりも信頼性は高くなるのである。

 

3)Not act(行動しない)

一度、商品やサービスを体験するとそれに付随してあらゆる心理効果が生まれる。

 

まずは返報性。

 

商品やサービスを無料で体験させてもらった、このまま購入せずに帰るのは申し訳ないという心理が働く。

 

そして、サンクコスト効果。

 

サンクコスト効果とは既に支払ってしまったコスト(労力、お金、時間)が無駄になってしまうという心理から他を検討しなくなる行為である。

 

無料体験までしておいて他を検討するのが面倒と思うのはまさにサンクコスト効果である。

 

そして自己説得。

 

例えば、住宅の1日お泊り体験などは、ある程度気に入っているからお泊り体験などをする訳であり、かなり家の購入に気持ちが向いている。

 

ここでお泊り体験をすることによって、今の自分の考えが間違いでないことを確認しようとしているのである。

 

そして一度体験をしてしまうと、認知不協和の影響で余程のことがない限り良かったと思うのである。

 

ここでご紹介した心理効果については全てが同時に起こるということもあるし、シーンによっては発生しない心理効果もあるかもしれない。

 

しかし、この心理効果のどれかは発生する可能性が高く、1つでも発生すれば購入という選択を取る可能性は飛躍的に高くなるのである。

 

少々、長々とした解説になってしまったが、「体験」させるという営業手法は、3つの壁を排除する非常に素晴らしい営業手法である。

 

この体験という方法でどのようなことができるのかを考えると、何か面白い案が浮かんでくるのではないだろうか。

 

2016年04月30日コラムマーケティング


週末の一行語録解説【4/23号】

■売れる自分を作るためには、自分なりの営業哲学を作ること

つい先日、ある企業に新規開拓の研修を実施しました。

 

新規開拓の研修は他のコンテンツとは違い、前職のノウハウが満載です。

 

私は前職ではテレアポ営業をしており、まさに昔ながらのどぶ板営業の出身なのです。

 

朝から晩まで1日200本以上の電話を行い、お客様から「ガチャ切り」「暴言」たまに「諭されたり」しながら日々数字を追いかけていました。

 

新規開拓研修のコンテンツはそんな苦い経験を振り返り、自分なりにどうしてうまく営業することができたのかを分析し開発したものなのです。

 

例えば、新規開拓で成果を上げる時に「反復の原則」という話をします。

 

この原則は、新規開拓で成果を上げるためには断られたお客様にもう二度と行かないのではなく、繰り返しいかなければならないという考え方です。

 

それはなぜかというと、すぐに断るということは現在の取引先以外の情報は手に入れようとしていない可能性が高いです。

 

現在の取引先からの情報しかないということは偏った情報しか取れていないはずです。

 

そして偏った情報しか取れていないため、聞いてもらえないという壁を乗り越えさえすれば新しい情報に驚き、取引される可能性が高いのです。

 

この考え方を「反復の原則」といい、自分の中で営業の哲学として昇華させています。

 

このように自分自身がうまくいった成功体験を元に哲学化したものは自分自身が営業を行う上でも、うまくいかない時の拠り所にもなります。

 

例えば、よく知っている社長に何かのセミナーをご案内して断られたとします。

 

その反応が非常に冷ややかだった場合、少しの間、連絡を取らない方が良いかなと通常なら思ってしまいます。

 

しかし、このような反復の原則という哲学を持っていると表面的な困難に左右されずに、自分をモチベートさせることができるようになるのです。

 

そしてもう1つ。

 

この自分自身のノウハウを哲学化させることで得られる大きなメリットがあるのです。

 

なぜ「売れる自分を作るためには、自分なりの営業哲学を作ること」が良いのか?

 

それは自分なりの営業哲学を作ることで自分自身の中に眠るノウハウを言語化することができます。

 

そしてノウハウが言語化されると、そのノウハウを意識して使うようになるのです。

 

そして意識してノウハウを使うようになれば、そのノウハウが本当にうまくいくものなのかを検証することができます。

 

そして意識的に使ってうまくいくようであれば、そのノウハウは完全な成功要因となりますし、意識して使えるということは再現性が担保されたことの証にもなるのです。

 

哲学を持つということは、自分自身のノウハウの言語化であり、そのノウハウを再現性の高いものにしていく重要な作業なのです。

 

もし、今あなたが何も哲学を持っていないということであれば、この先スランプに陥る可能性があります。

 

スランプに陥って業績を落とさないためにも、あなた自身の営業を振り返り、哲学というものを是非作ってみてください。

 

この作業を繰り返すことで業績を安定的に達成させる営業マンになることもできますし、営業マネージャーとして人を育てる時にも役に立つのです。

 

 

2016年04月23日コラム営業