第25回リアルトップセールスインタビュー

 梶原さん

第25回のリアルトップセールスインタビューはジーエークロッシングの梶原さんです。

なんとーーーーーー!今回はーーーーーー!トップセールスインタビュー初の『女性』トップセールスです!!

女性だからといって侮ってはいけません。

広告や販促の企画制作を行う会社で、年齢はまだ30代前半にも関わらず東京事業部の総責任者をしているのです。

関西の出身らしく情熱的で行動力にあふれていますが、反面とてもきめ細やかな方でもあります。

しかも梶原さんが東京に異動になったのは25歳の時。異動といっても、東京には事務所もなく、ほぼ0からのスタートだったそうです。それがインテリアとアパレル系のトップ企業を次々と開拓し、今では東京だけで「年商12億円!!!」、社員数も「40名規模にまで拡大!!!」させているのです。これは驚きですね。

今回は、そんな超人的な実績をたたき出した梶原さんに営業の秘訣をお伺いしてきました!!

■売るための秘訣とは?
単刀直入に「売るための秘訣は何ですか?」と梶原さんにお伺いするとこのような答えが返ってきました。

それは、、、

「お客さんと家族のように付き合うこと」

です。

梶原さんは法人向けのビジネスですので、会社同士のお付き合いになります。

会社同士のお付き合いというと、どうしてもドライな付き合い方になってしまいがちですし、そうすることが良いと考えている人も多くいると思います。

しかし、梶原さんはこのように語ったのです。

「会社といえども、結局は人で成り立っています。人で成り立っている以上、人とのつながりを大切にしなければビジネスは成り立っていきません」

「ビジネスはビジネスと割り切るのではなく、いかに分け隔てなくお客さんと付き合えるか、これがすべてです」

そして更に「お客さんと家族のように付き合う」とはどういうことかを私にレクチャーしてくれました。

<梶原さん談>
「私は社員も家族のように思っているのですが、社員であれば社員旅行に行ったり、飲み会に行ったり、プライベートでも付き合ったりしますよね。それと同じように社外の取引先とも付き合います」

「それに家族であれば、毎日顔を思い浮かべたり、心配したりしますよね。それと同じようにお客さんの顔も毎日思い浮かべています」

「お客さんのことを考える回数が増えればおのずとお客さんのことが理解できますし、家族のように付き合えば、自然に本当の信頼関係が築かれていくのです」

後日、当社の社長から話をお伺いしたのですが、梶原さんは自身がプライベートで購入する洋服や生活用品もすべて得意先から買っているとのこと。

ここまでやるか、と思った私はふとこんな質問をしてみました。

「平日も休日もお客さんのことばかり考えていると疲れないですか?」

そうすると梶原さんは、

家族のことを考えて疲れますか?それに考えようとして考えてるのではなく自然に出てきますよ」

こう言われた時に、確かに私は「営業」→「お客」→「駆け引き」→「戦う相手」と認識しているので疲れるのではないかと感じたのです。

「戦う相手」と考えていると緊張もしますし、警戒もします。

「お客様は鏡」という言葉があるように、自分自身が緊張し警戒すればするほど相手も警戒して本音をなかなか話してくれない関係になってしまいます。

そのような関係になってしまえば、本音を聞きだすことに時間もかかりますし、相手の本心が分からないために間違った提案になってしまう可能性も高まります。

おそらく「営業」→「お客」→「共存」→「家族」と考え方を変え、お客さんにオープンになれば、相手もおのずとその波長を感じ、警戒心を解いていくのではないかと思ったのです。

ビジネスを戦場ではなく分かち合う空間と考えているからこそ仕事を楽しむことができ、楽しんでいるからこそ、類似性の法則が働いて、楽しく仕事ができる優良なお客さんが引き寄せられているのではないかと思います。

※「類似性の法則」とは、人は自分と似たものに対して好感を持つ心理効果。類は友を呼ぶはまさに類似性の法則

■成果を上げるために心がけていることは?
お客さんを家族のように考えている梶原さんに成果を上げるために心がけていることは

「人間関係が構築できるまでは絶対に売り込まないこと」

です。

梶原さん曰く、人は信頼関係を構築するまでに以下のようなステップを辿るといいます。

「異物」→「異質」→「同質」→「上質」

「異物」とは、同じ空間にいて違和感を感じる状態です。
「異質」とは、お互いに興味があり、共通点を探している状態です。
「同質」とは、考え方や価値観が共有できた状態です。
「上質」とは、お互いに高めあえる存在になった状態です。

要は、「異質」「異物」の段階にもかかわらず営業行為を行うのはタブーということなのです。

では、「異質」「異物」の段階ではどのような接し方をするのかと質問をしたところ2つのことを教えてくれました。

まず、1つ目は「相談相手を目指す」そうです。

営業というとどうしても商品を販売するチャンスがないかを伺ってしまいますが、梶原さんは自分を前面に出すことは控えて、相手を立てながら、相手が話をしやすいようにその場を演出するのです。

相手を立てた会話を心がけると、段々相手も心を開いてきます。

そして今、困っていることや不安に思っていることを話すようになってくるのだそうです。

そして、2つ目は「既存の取引先をけなさないこと」です。

新規のお客さんですと必ず現在使っている競合がいます。

本来営業であれば、競合を押しのけて顧客シェアを確保するために、競合と自社の違いなどを話しながら自社との取引がいかにメリットがあるかを話してしまいがちです。

しかし、梶原さんは競合をけなすのではなく、あえて褒めることをするのです。

なぜなら、過去に今の業者を使うと意思決定したのは目も前にいる人かもしれないからです。

今の既存業者をけなすということは、過去にその担当者が行った意思決定を否定することにもなる可能性があるからなのです。

また、逆に褒めてあげた方がその業者に対する不満などが出やすいとも言っていたのです。

そんな非常に細かい気配りを心がけている梶原さんですが、常にその状態を保っているかというとそうではありません。

「異物」「異質」段階では奥ゆかしいのですが、同質以上になるとお客さんに遠慮することはなくなります。

(恐ッ!!)

おせっかいが過ぎるぐらいに様々な問題提起を行い、プロとしての視点でお客さんに最適な広告プランを提案するのです。

ただ、同質まで関係性を高めたお客さんにとってはそのほうが感謝をされることも多く、要は関係性の深さを考えながら、対応する姿勢を変えていかなければならないということなのです。

顧客の状態に合わせた最適なプランならぬ、「最適な接遇」

非常に勉強になりました。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
梶原さんはある客先の担当者との出会いが大きな転機となったそうなのです。

その担当者とは、梶原さんが一番最初に大きな仕事をいただいた客先の方で、最初は非常にやりにくい相手だと感じていた人でした。

何がやりにくいかというと、「販促プランを考えてくれ」と要望してくるわりには、あまり解決へのヒントを与えてくれないことです。

「俺は●●のことについて困っているから、これを何とかしてほしい」と相談してくるのですが、それ以外の情報をほとんどもらえないまま考えてくれと言ってきたそうなのです。

梶原さんも一旦は考えてみたのですが、あまりにもヒントが少なかったために「やっぱりこれぐらいの情報で考えろっていう方が無理でしょ」と思い、再度その担当者に情報を得るべくヒアリングに行ったのです。

そうするとその担当者は、

「本当に考えてくれたのか?プロが本気で考えたのなら何かしら答えは出るはずだ!」

と指摘され、自分自身の考えが浅いことを見抜かれたのです。

そして会社に戻り、再度考え直し、お客さんの悩みを解決するために考え抜いたのです。

そして考え抜いたプランをお客さんに提示する段階で「あること」に気づいたのです。

それは、考え抜くことで出した答えというのは、本当に合っているかどうかは別にして「自信につながる」と。

本当に考え抜いたからこそ自信のあるプレゼンができ、そして自信があるからこそ、そのプレゼンがお客さんの心に響くのだと気づいたのです。

そして梶原さんはこのようにも言っていました。

「世間一般でよく『時間がないから考えられなかった』という人がいるがそれはすべて言い訳です。考える時間なんていくらでも捻出できます。電車に乗っている時、お風呂に入っている時、食事を取っている時、いつでも考えることなんてできるんです」

要は、考え抜いていないのは自分自身の怠慢でしかないこと、そして考え抜くことが自分を信じることにつながり、その行為が自信の源泉となることを教えてくれたのです。

そしてこの出来事は、お客さんと家族のように付き合い、常にお客さんを考える姿勢を生む土台となったのではないかと私は分析しています。

■水田チェック
梶原さんの営業力の強さの源泉は、「考える回数」にあると私は分析しています。

良いアウトプットを出すためには、「考える時間」よりも「考える回数」が大事だといわれています。

それはなぜかというと、脳は考えている時間ではなく、考えている合間、いわゆる1回目のシンキングタイムと2回目のシンキングタイムの合間の無意識の状態の時に因果関係や情報のつながりが整理されアイデアとなって出てくるのです。

机に向かって考えている時より、お風呂やトイレ・電車に乗っている時・お酒を飲んでいる時や寝ている時などリラックスしている時に思わずアイデアが生まれるのはその理由です。

梶原さんはお客さんのことを「考えている回数」が他の人よりも圧倒的に多いので、その合間の回数が飛躍的に多くなり、その合間で凄まじい量のアイデアが浮かんでいるのではないかと思います。

そして、そのアイデアの量が質の高い提案につながっているのではないかと思います。

■インタビュー企業
社名:(株)ジーエークロッシング
住所:兵庫県神戸市東灘区住吉東町5-1-34
TEL:078-821-2109
URL:http://www.xrossing.co.jp/index.html

第24回リアルトップセールスインタビュー

杉山さん
第24回のリアルトップセールスインタビューはインフォファームの杉山さんです。

杉山さんはSFA(営業支援システム)やBIツール(データ分析システム)の導入を主としている当社でキヤノン事業部に所属しており、主にキヤノンの複合機を販売している方です。

杉山さんが担当している業務は新規顧客で、新たなお客様を獲得することを専門にしています。

杉山さんの誇るべき実績とは社内の実績に留まることなく、全国レベルにまで及びます。

その全国レベルの実績とは、キヤノンのパートナーとして販売している営業マンが全国に3000~4000人いる中で、なんと11年連続100位以内の記録を樹立しているというのです!!

いわゆる全国規模でトップ5%圏内の順位を常に確保しているのです。

直近の昨年ではなんと7位という実績もたたき出しており、「頂点は見えた!」とのことです。

このような実績をたたき出している、新規開拓の神様とも言える杉山さんに売るための秘訣をお伺いしてきました。

■売るための秘訣とは?
新規開拓に特化している杉山さんは新規開拓で一番重要なことを教えてくれました。

その新規開拓で一番重要なこととは、、、

「繰り返し行く」

ということです。

杉山さんの新規開拓の営業手法は飛び込みなのですが、飛び込み営業で1度断られると繰り返し訪問しなくなる営業マンが多い中、杉山さんはこのような言葉を私に伝えてくれました。

それは、

「1回訪問してやめるぐらいなら行かない方が良い」

というのです。

新規開拓の営業では1度の訪問で具体的な商談になるケースは少なく、何度もアプローチを仕掛けることによって、ようやく相手が話を聞くようになることを杉山さんは良く分かっています。

1度断られたぐらいで諦めるようであれば、実績にも結びつかないし、お客さんにも迷惑がかかるだけなので、お互い無駄な時間を使うぐらいなら訪問しない方が良いというのです。

まったく、ごもっともなご指摘でした。

しかし、世の中にはそうは言っても断るお客さんに何度も何度も足を運ぶのは苦痛を感じる営業マンもいるのではないかと思い、杉山さんにこのような質問をしてみました。

水田「繰り返し行かなければならないということは分かっているのですが、断られる先に何度も顔を出しづらいという営業マンが多くいます。断るお客さんに継続していくために何かテクニックとかあるのでしょうか?」

このような質問を投げかけると、杉山さんは継続していくためのテクニックをそっと私に教えてくれたのです。

お客さんのところに継続してアプローチするために、杉山さんがやっている丸秘テクニックはこれです。

①初回面談で名刺だけ渡し、詳しい商品説明はいっさいしない
②名刺だけ渡した企業に、翌日必ず電話を掛け、アポを取る
③アポが取れてじっくり話せる状況になって初めて詳しい商品説明をする

このような手順で新規開拓を行っているのです。

この時に重要なことは①②で、極力、商品の話・長話はしないようにすることだ、とおっしゃっていました。

特に②の段階では、話が長くなればなるほど、アポは取れなくなると言っていたのです。

確かに、新規開拓で継続して訪問できない営業マンのほとんどが、訪問したからには相手に何の要件で来たのかを伝えないといけないという強迫観念の中、必死で商品のPRをしてしまいます。

相手が聞いてもいないのに、沈黙になる恐怖から商品の詳細まで話してしまう人が多いと思います。

ただ、商品の話をしてしまったがために、一旦断られてしまうと、次回訪問するための口実がなくなってしまうのです。

しかし、杉山さんの手法だと、詳細な商品説明はいっさいしていません。

なので、断られることはありません。

そのため何度も訪問ができるという仕組みになっているのです。

しかも、具体的な商品内容をちゃんとアポが取れない限り話さないというスタイルは非常に秀逸です。

もし、飛び込みでお客さんが商品の内容に興味を示した場合に具体的な商品の話をしたとします。

詳細な説明をしてクライマックスにもうすぐ差し掛かろうとした時に、

「あっごめん、この後予定があるんだわ、パンフレットだけでも置いといて」

といわれると、せっかくその気になっていたお客さんの感情を1度冷ます結果になります。

1度感情が冷めてまうと、同じようにその気にさせるまでに時間がかかりますし、多くの場合、改めて連絡すると「また必要になったら連絡するよ」で終わってしまうのです。

このようなリスクを避けるためにも杉山さんのアポが取れてから詳しく話すという手法は効果的で、継続して訪問しやすくしているだけでなく、確実に獲物を仕留めるための手法でもあるのではないかと実感しました。

■成果を上げるために心がけていることは?
杉山さんが成果を上げるために心がけていることとは、

「断るお客さんにあえて行く」

ということです。

なぜ、断るお客さんにあえて行くのですかとお伺いすると、非常に理論的なお話を教えてくれました。

杉山さんの断るお客さんに行くという理論はこうです。

「断るお客さん」=「既存ベンダーに任せっきり」=「既存ベンダーから入る情報以外入っていない」=「情報が閉鎖的」=「既存ベンダーと違った情報を提供すると驚く可能性あり」=「インパクトを与えられやすく、契約につながる可能性が高い」

という理論なのです。

(これは正にトップセールスしか見えていない真実!!)

この理論になぜ気づいたのですか?と質問すると、杉山さんは過去の体験談を私に話してくれました。

その体験談とは、新規開拓を始めて受注したときの話です。

杉山さんが新規開拓を始めた当初、その当時上司だった人に新規開拓リストを渡されたのですが、そのリストは100~150件程度のみしか渡されなかったとのことです。

会社の中では新規開拓は担当エリアを割り振られ、それに紐付く格好でリストも渡されます。

当時、杉山さんは新人だったが故に幅広いエリアを担当することはできず、限定されたエリアでリストも少なかったそうです。

リストが少なかったために、ひと通り回るのにそんなに時間はかからず、1ヶ月の間に同じ会社に何度も回らざるを得ない状況だったそうなのです。

その少ないリストの中で、いつも「うちは決まっているところがあるから」とそっけない対応で話も聞いてくれなかった女社長がいたのですが、リストが少なかったためにそんなそっけないお客さんにも何度も回っていたそうなのです。

しかし、その回数が3回5回10回と積み重ねていくと、ある日杉山さんがその女社長に呼び止められたのです。

「あんたよく来るけどいったい何なの?」と話しかけてきたのです。

そこで当時新人だった杉山さんは商品の提案をつたない営業トークで行ったのですが、思いのほか反応はよく、断っていたわりには意外に複合機という商品に対して無知だったことに気づいたのです。

そして初めて受注1件を獲得することができ、この成功体験から「断るお客さんほどあまり商品知識がない」ことに気づいたのです

この体験を機に「断るお客さんにあえて行く」という手法を確立していったそうなのです。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
杉山さんがトップセールスになるきっかけとなったのは、当事、当社を担当していたキヤノンの営業マンとの出会いです。

パートナー企業という立場もあり、よくキヤノンの営業マンと同行する機会は多くあったそうです。

当時、インフォファームさんを担当していたキヤノンの営業マンが、まさに杉山さんをトップセールスに変えた男だったそうのなのです。

当時、あまり仕事に興味を持っていなかった杉山さんは仕事よりもプライベートをいかに充実させるかばかりを考えていたそうです。

そんな遊び呆けてばかりいた杉山さんを担当していたキヤノンの営業マンにある日こういわれたそうなのです。

キヤノンの営業マン「お前、もう少し社会人としてまじめに仕事をやったらどうなんだ?
俺たちは人生のほとんどを仕事で使う。5/7の人生を楽しむのと2/7の人生を楽しむのはどっちがいいと思う?営業のやり方は俺が教えてやるから仕事を性根いれてやってみろ!」

といわれたそうなのです。

そしてその後キヤノンの営業マンに営業のやり方を教えてもらい、その通りにやると成果が本当に出てしまったそうなのです。

※「売るための秘訣」でお伝えしたノウハウは実はこの営業マンから教わったとのこと

その人に言うとおりにやればやるほど成果が出続け、成果ができることに楽しさを覚えた杉山さんは、おのずと営業に熱中するようになったそうなのです。

そしてその年にキヤノンのパートナー部門で岐阜県No.1に輝き、それ以降は実績を上げることにこだわり続けて、今の実績まで上り詰めたようです。

杉山さん曰く、あの営業マンは「山本五十六のような人物だった」と、遠い目をして過去を語ってくれました。

シブイぜ!!杉山さん!
(シブイってもう死語か・・・)

※山本五十六の名言
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

■水田チェック
今回の杉山さんは正に新規開拓で悩める営業マンに救いの手法を与えてくれたのではないでしょうか。

新規開拓で継続して訪問しなければならないことは分かっているのですが、なかなかできずに苦しんでいる営業マンは多くいると思います。

そんな中で「名刺だけ置いて帰って、翌日アポ」という手法は非常におもしろく効果的な方法だと思います。

この手法は第21回インタビューの朝野さんが活用した心理テクニックである「ツァイガルニック効果」と同じではないかと思います。

「相手が話を聞いて良いという承認を得るまでは、商品の話をいっさいしない」

やはり新規開拓のプロは経験則でこの理論にたどりついているのではないかと感じたインタビューでした。

■インタビュー企業
社名:(株)インフォファーム
住所:岐阜市柳津町流通センター1丁目8-4
TEL:058-279-1881 
URL:http://www.infofarm.co.jp/

第23回リアルトップセールスインタビュー

近藤さん
第23回のリアルトップセールスインタビューはアサヒグローバルの近藤さんです。

アサヒグローバルさんは三重県に密着した住宅メーカーで、営業をはじめとした社員の丁寧な対応が非常に好評を得ており、毎年成長を続けている企業です。

近藤さんは、実績を伸ばしている当社の中でも抜きん出た存在で、多くの営業が年間12棟前後の受注の中、近藤さんは年間に「20棟」も受注しているのです!!

棟数で表現するとその凄みは分かりづらいと思いますので、金額で換算してみました!

例えば、1棟の単価が3000万だったとして、普通の営業は、3000万×12棟=3.6億円です。

しかし、近藤さんは20棟の受注ですので計算すると、3000万×20等=6億円になるのです。

年間で他の営業さんよりも「2.4億円」も売上を上げているのです!

(2,4億円といえば大卒の生涯年収とほぼ二アリーイコールの金額です、スゴッ!!)

今回はそんな住宅販売のプロである近藤さんに営業の秘訣をお伺いしてきました。

■売るための秘訣とは?
売るための秘訣を単刀直入にお伺いすると、2つのポイントを説明してくれました。

その2つとは、、、

「商品に自信を持つこと」
「買ってくれとは絶対にお願いしないこと」

です。

まず、1つ目の「商品に自信を持つこと」ですが、これは商品特性上、「ごもっとも!」と言ってしまうようなお話をしてくれました。

近藤さんの扱っている商品は「家」です。

「家」というと余程の人でない限り、一生に1度の買い物です。

なので一度お付き合いが始まれば、「一生」となるため、兄弟や親族であっても勧められるぐらい商品に自信がないと売ることができないと言います。

その言葉を聞いた私は、世の中には当社よりも性能の良い商品を売っている住宅メーカーが他にもあるはずと考え、近藤さんにこんな質問を投げかけてみました。

水田「そうは言っても世の中には多くの住宅メーカーがありますので、ある側面では性能でどうしても劣ってしまうこともあると思います。それでもそんなに自社の商品に自信が持てるものですか?」

近藤氏「確かに、ある部分に着目すると当社よりも優れている住宅メーカーはいくらでもあります。しかし、世の中に完璧な商品など存在しません。完璧を求めるのではなく、他社よりも優れている点がどこかを突き詰めて考えれば、おのずと自分の商品に自信が持てるようになります」

と私に教えてくれました。

そして当社の商品が何に優れているのかをしっかり理解するために、近藤さんは他社と当社のメリット・デメリットを明らかにするマトリックス表を作成しているのです。

皆さんは近藤さんのように自社と他社との違いを整理できているでしょうか?

何となくは分かっているかもしれませんが、突き詰めて「商品そのもの」「付帯サービス」などに分解して分かっているでしょうか?

よく考えれば分かりますでは、不十分です。
今、自信をもって即答できるまで落とし込まなければ「商品に自信を持つ」なんて事はできないのではないでしょうか?

そして2つ目は、「買ってくれとは絶対にお願いしないこと」です。

「家」は一度購入していただくと一生のお付き合いになるためお客様に不満を抱かれると、一生、険悪な関係が続いてしまいますし、周辺地域への悪影響にもつながりかねません。

なので、お客さんの満足を考えずに、強引に売り込むことはせず、当社の商品により満足してくれそうなお客さんを選んで販売するというのです。

では、その満足してくれそうなお客さんをどのように見極めているのか、そのコツをお伺いするとこんな答えが返ってきました。

「当社の家作りのコンセプトに共感してくれる人にだけ弊社の家を販売します」

と話してくれたのです。

近藤さんは、必ずお客さんに説明する時に、

①当社で買わなくても良いことを伝える
②家作り、家選びのポイントを伝える

という手順で話すのだそうです。

例えば、このような説明です。
「家を購入は一生に一度のことなので、お客さんが本当に気に入ったところで購入してください。特に弊社を選んでいただかなくても構いません」

売り込みはいっさいしないことを宣言するのです。

そして次に、「無理な返済計画はしないこと」「子供のことを第一に考えた暮らしにすること」「長い付き合いを前提にしている業者を選ぶこと」

と家作り・家選びの判断基準を教えるのだそうです。

この家作りの判断基準は正に当社の理念そのものであり、それに共感してくれるかどうかでお客さんの見極めを行っているのです。

コンセプトに合わないお客さんに時間を割いても、結局、他社と見比べられ時間を割いた割には失注してしまうということになりかねません。

また、うまく購入してもらうことができたとしても住んだ後に「理想と違う」と不満を漏らされる結果になれば、周りへの風評にもつながってきます。

買う気のあるお客さんを逃すのはもったいないと思うかもしれませんが、本当に満足してくれる可能性のあるお客さんとだけお付き合いすると線引きすることで、結果的に無駄な時間を使うことがなくなり、効率的に実績が上がられるようになっているのではないでしょうか。

そして購入したお客さんが満足してくれれば、口コミなどに影響を与えて営業しやすい環境を作る結果になっているのではないかと思います。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

「ヒアリングと提案・クロージングに掛ける“時間の割合“を7:3にする」

と話してくれました。

ヒアリング「7」に対して提案とクロージングを「3」ぐらいの割合で商談を進めるように心がけているのです。

商談がスタートした段階で、家作り・家選びの判断基準を伝えた後は、お客さんの満足条件を徹底的に聞くのだそうです。

こちら側が話す時間を極力少なくし、お客さんに話してもらう時間をできるだけ多く取るのです。

お客さんは自分の満足条件を営業マンに伝えている間に、段々と家に対するイメージが膨らみ購入意欲が高まってきます。

また、漏れなく満足条件を引き出すことで購入後のアンマッチを避けることができ、結果満足度を引き上げることになるのです。

近藤さんは、商談では「ヒアリング」→「提案」→「満足条件の確定」というサイクルでお客さんの満足条件をひとつひとつ確定させていくことが重要であると語ってくれました。

そして営業マンに説得される形ではなく自分で納得していく形にいかに持っていくかの重要性を語ってくれたのです。

近藤さんが語ってくれたこの営業手法は「自己説得」という方法ではないかと私は推測しています。

自己説得というのは、自分で満足条件を語っている間に自分自身を説得する結果になってしまうというものです。

相手の意見は否定できても、自分の意見を否定することはできません。
なので、こちらからの提案を受け入れてもらうようにするよりも、自分自身で話をさせることの方がより説得効果が高まるのです。

近藤さんのヒアリング「7」という時間を割くことによって自己説得の効果が及んでいるのではないかと考えられますし、その効果を感覚的に把握しているからこそヒアリングの時間割合に気を使っているのではないかと思います。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
近藤さんは店長に昇格したことがトップセールスのきっかけとなったそうです。

営業マン時代はマネジメントの仕事はなく、営業活動に割ける時間は十分にありました。

なので営業の効率を考える必要はなく、丸一日、飛び込み訪問に時間を費やすこともできました。

しかし、店長に昇格した途端に、管理資料の作成や店舗運営に多くの時間がかかり、これまでと同じように営業に多くの時間を割けなくなってしまったのです。

営業マン時代は、数多くの飛び込み営業で見込み客を増やすこともできましたが、店長となれば飛び込みの時間も限られてしまいます。

飛び込み営業は数多くの件数をこなさなければ成果に結びづらいので、時間が限られてしまう店長という役職ではこの手法を実践することはかなり難しくなります。

しかし、時間が限られていても成果を上げなければいけないことは変わらないため、近藤さんは効率的な営業方法がないか思考を張り巡らせたそうなのです。

そこで思いついたのが、「購入客への訪問」です。

購入客に訪問し、紹介をうまく獲得できれば飛び込みよりもかなり短時間で成果が上がるのではないかと考えたのです。

そして購入客をリストアップし、紹介を促す活動を実践に移すと、予想以上にお客さんからの紹介を得ることができたのです。

この事実から住宅営業というのは、新たなお客さんを開拓することだけでなく、購入してくれたお客さんへの活動も重要なことが分かり、そして購入してくれたお客さんから紹介を得るためにも購入時の満足度をいかに高めるかが大きなポイントになっていることを理解できたのです。

現在、当社では家を購入いただいたお客さんにお客様満足度調査としてアンケートを記入してもらっています。

評価が10段階になっているそうなのですが、当社の規定では「9」と「10」だけが満足に該当し、「1」~「8」は不満という判定を下すのだそうです。

営業マンの評価は、受注したお客さんに対して「9」と「10」にチェックが入ったアンケートをいくつもらえるかがポイントとなるそうなのですが、他の営業マンが受注したお客さんに対して70%が満足(「9」か「10」)をもらえるのに対して、近藤さんは90%のお客さんに満足の評価をいただいているのだそうです。

この結果からも、近藤さんがお客さんにいかに満足してもらうことに力を入れているかが分かりますし、満足をいただくために「商品に自信を持つこと」「買ってくれとは絶対にお願いしないこと」「ヒアリングに7割の時間を割く」ことを徹底して実践しているのだと思います。

■水田チェック
近藤さんが売れている理由は、「買ってくれとは絶対にお願いしないこと」であった営業の手順に大きな要因があると考えています

①当社で買わなくても良いことを伝える
②家作り、家選びのポイントを伝える

とありましたが、この営業手順は非常に秀逸な営業手法だと私は感じております。

まず、①については、当社で買わなくて良いことを伝えることで、暗に売り込みはいっさいしないという保証を相手に与えています。

保証というのは信頼性を確立する上で極めて効果的な方法です。

例えば、テレビショッピングなどで、「もし思ったような効果が出なければ全額返金保証します」といったものや、電気屋で家電を購入するとついてくる5年間無料修理保証なども保証になります。

この保証をつけることによってお客さんの購入に対する心理抵抗が低くさせる効果があります

「見ない」「信じない」「行動しない」の3大心理抵抗を「保証」をつけることによって、和らげる効果があるのです。

この手法は新規開拓の営業をしている人にとっては非常に有効な手段かと思います。

また、②の家作り・家選びのポイントを教えることも非常に効果的です。

家作り・家選びをどうすれば分からない状態のお客さんに判断基準を教育することで、家の専門家という立場を構築することができるため、権威の力が働きます。
※「権威」の心理効果は、販売心理学用語集で詳しく解説しています。

権威の力が働けば、お客さんも営業マンを専門家とみなします。

専門家とみなされれば、お客さんは営業マンを頼りにするようになり、お客さんと営業マンの立場は入れ替わるのです。

そして頼りにされる関係を成立させることによって、商品を売っているにも関わらず感謝される関係性を築けているのではないかと思います。

■インタビュー企業
社名:アサヒグローバル株式会社
住所:三重県四日市市ときわ1丁目2-18
TEL 059-359-1000
URL:http://ggg-asahigloval.com/

第22回リアルトップセールスインタビュー

島田さん

第22回のリアルトップセールスインタビューはデジタル印刷工房プレス・トークの島田さんです。

島田さんは今期、社内で限界利益額No.1の実績をたたき出したリアルトップセールスです。

しかも単に限界利益を稼いだだけでなく、島田さんの仕事の環境を知ることで更にその凄さを実感することができます。

当社には10名の営業がおりますが、営業組織は大きく外商チームと店舗販売チームに分かれています。

外商チームというのは、年間の発注金額が大きな大口客を担当します。
そして店舗販売チームというのは、年間の発注金額が小額の小口客が中心となります。

島田さんは店舗チームで小口客を担当しています。

本来であれば、限界利益額を確保する上で大口客を持っている外商チームの方が圧倒的に有利な中、小口の受注を高速回転でかき集めて、外商チームを超える限界利益額をたたき出し、今期No.1となったのです

同じ土俵でのNo.1ではなく、ハンデを乗り越えてのNo.1なのです!!

そんな島田さんに営業の秘訣をお伺いしてきました。

■売るための秘訣とは?
島田さんの売りための秘訣とは、、、

「無理とは絶対に言わないこと」

です。

営業をしているとお客様の要望というのは色々あります。
中にはこちらが到底、対応しきれないような依頼を受けることもあります。

島田さんの「無理とは絶対に言わない」というのは、お客様がいくら無理な要望をしてきたとしても「無理です」という返事を絶対にしないことだそうです。

例えば、「明日までに1000部のチラシを用意したい」という無理な要望があったとしても、時間的に1000部刷るのは無理だからといって「それは当社では対応できません」と断るのではなく、何とか少しでも要望を満たせるように努力するのです。

1000部という要望に対して、「今日中なら100部は用意できます。あとの900部は明日中の対応でいかがでしょうか」とお客様の要望がすべて満たせていなかったとしても何とか糸口を見つけようとするのです。

無理な要望でも諦めずに妥協点を探るとお客様も承諾してくれることが多く、無理な要望だからといって頭ごなしに断るのは得策ではない、と話していたのです。

このような無理な要望というのは、お客様側でも無理を言っていることは分かっていることがよくあると思います。

おそらく無理だろうなと思いながらも要望を突きつけているのです。

その無理な要望に「何とか対応しよう」という姿勢は、お客様に「悪いな」という思いをもたらすことになります。

無理を言っているのに何とか対応してくれる姿に、返報性の効果が働き、多少条件が悪かったとしても「しょうがないか・・・」という気持ちが湧いているのではないかと思います。

だからこそ多少見積金額を高く提示したとしても受注することができますし、また、無理な要望を聞くことはカスタマイズ対応となりやすいため、島田さんの案件は高収益案件となりやすくなっているのではないでしょうか。

そしてこのような高収益案件の積み重ねが今期の限界利益額No.1という実績をたたき出したのではないかと思います。

また、相談すれば何とかしてくれるという印象を顧客に与えることができれば、いの一番の島田さんに相談が来るようになるため、引き合い案件の量も確保できるサイクルを気づき上げているのではないかと思います。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることって何ですかと質問するとこのような答えが返ってきました。

それは、

「見積り依頼があったら1番に提示すること」

だそうです。

印刷業界では相見積りというのは日常茶飯事です。

他の業者と金額を比較されることは多くあります。

その中で見積りの依頼が来たらどの同業他社よりも早く提示できるように最高速で見積りを作成し、提示するのだそうです。

「見積りを最初に提示するとどのようなメリットがあるのですか?」

とお伺いすると、まさに売るための秘訣を教えてくれたのです。

見積りを1番に提示する理由は、1番に見積金額を提示することでその価格がお客様の中で基準の価格になります。

もし、後で見積り提示した業者が高い金額で提示してきたら「高いな」という印象を与えることができますし、仮に他社が安い金額で提示してきたとしても、「なぜ、前の業者よりも安いのだろう?」という疑問を湧かせることができるです。

疑問が湧くことで、もう一度1番最初に見積もり提示した業者に確認が入ることがあります。

「他社はこの金額で提示してきたけど、お宅はこれぐらいの金額にできないの?」

という具合にです。

このような問合せがあれば何とか他社を掻い潜るような金額、もしくは他社にはない価値を提供できることを理解してもらい、受注につなげることができます。

ここで島田さんが言いたいことは何かといいますと、2回チャンスが来るのは1番目に金額を提示した業者だけだということなのです。

確かに1番目の業者が見積りを再提示した後に、また更に2番目3番目の業者に再見積りを吹っかけて下げさせることまでやるような人は、よほど予算に制約があるのか、コスト意識が凄まじく高い人です。

多くの人が一度下げさせた後に他の業者にまた吹っかけることはせずに、了承して契約するのではないでしょうか。

なぜならここに「譲歩の返報性」の心理効果が働くからです。

「譲歩の返報性」とは、相手に譲歩してもらうことによってこちらも譲歩しなければという心理です。

譲歩(値下げ)させたことで、こちらも譲歩(条件を承諾する)しなければという感情が湧きあがるので、あまり他の業者に声を掛けて再交渉しないのです。
(但し、金額が大きなビジネスであれば再度、金額交渉というのはありえますが、今回のケースは少額のビジネスのため、1度の値下げだけに留まると推測しています)

さすが島田さん!勉強になります!

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
入社2年目の頃に、ある人物との出会いが島田さんの営業スタイルを大きく変えるきっかけとなったようです。

そのある人物とは、協力会社の営業マン(以下A氏と記載します)です。

A氏は仕事を取ってきては、当社(プレス・トーク)に仕事を発注していた業者の一人で、島田さんは店舗販売のチームであったことからも自然とその人と一緒に仕事をする関係になっていきました。

通常、仕事を発注してくる業者というのは横柄で、「仕事を振ってやっている」という意識が強く、無理難題を吹っかけてくる業者も多くいます。

下請け泣かせの業者が多い中、唯一そのA氏は対等な立場で仕事を依頼してきたそうなのです。

仕事の依頼もお客様の言いなりになって無理な条件をそのまま振ってくるのではなく、下請け会社がやりやすいようにお客様と交渉して仕事を持ってきてくれました。

お客様をうまくコントロールして仕事を振ってくる姿に、営業スキルの高さが垣間見え、A氏の凄さを感じていったのだそうです。

そしてこのA氏がある日、島田さんに仕事に対する姿勢を語ったことがあったそうです。
それはA氏のどんな仕事にでも対応しようとする姿勢に不思議に思い、島田さんがそのことを質問した時のことです。

島田さん「Aさんは、なぜ自分でできる範囲以外の仕事まで請けるのですか?中にはあまり自分にうま味のない仕事もありますよね。もっとうま味のある仕事だけやってもいいんじゃないですか?」

A氏「お客様との関係性を自ら絶つようなことをしていては、ビジネスはできない。せっかく貰った話を何とかつなごうとするから人間関係って続くんだよ」

その言葉に感化された島田さんは、A氏の営業スタイルを真似て、どんなに無理難題を吹っかけられても自分から断ることをしなくなったのです。

そしてその姿勢が、高収益を生む営業スタイルになり、今では社内で限界利益No.1を獲得する営業マンにまで成長していったのです。

■水田チェック
島田さんの売れているポイントは、断らない姿勢が及ぼす「自己重要感」の心理効果が働いているのではないかと考えられます。

「自己重要感」というのは、人は自分自身のことを価値ある存在だと認めてもらいたい欲求です。

無理難題に必死に対応している島田さんの姿勢に、お客さんは非常に大切にされていると感じます。

そしてその感情によって自己重要感が満たされ、多少高い報酬を支払ったとしても満足して帰っていくのです。

リッツカールトンの最高のサービスを受けホスピタリティ精神を感じると、多少他のホテルより高くても満足して帰るのと同じです。

今回の島田さんの姿勢は、営業マンが商品に付加価値を付けるための何をすれば良いのかを教えてくれたような気がしています。

■インタビュー企業
社名:株式会社デジタル印刷工房(店名:プレス・トーク)
住所:〒460-0008 名古屋市中区栄2-2-17(名古屋情報センタービル1F)
TEL (052)232-2358 FAX (052)232-2359
URL:http://www.presstalk.co.jp/

第21回リアルトップセールスインタビュー

朝野さん

第21回のリアルトップセールスインタビューはシステムアートの朝野さんです。

今回インタビューした朝野さんは非常に異色の経歴を持った方でした。

現在は光回線の営業を法人やマンション経営者などに対して行っておりますが、以前の職業を聞くと驚愕の事実を聞かされることになったのです。

実は朝野さんの前職はなんと!なんと!『団体職員』だったのです。

団体職員といえば準公務員のような立場で、非常に安定した職業です。

そんな安定した企業の中で、かつ事務職をやっていたにも関わらず、いきなり営業職の中でもかなりきつい通信系の営業の世界に飛び込んだのです

(なんて極端な・・・・)

そんな転職を成し遂げた理由を朝野さんに聞いてみると、おもむろにこう語ったのです。

「団体職員時代の先輩の姿を見て、何か先が見えてしまっている人生に、『本当にこれでいいのか』と思ってしまった・・・」

そこで朝野さんは、先が見えてしまっている人生よりも、どうなるかは分からないが何かに挑戦し続ける人生の方が楽しいのではないかと考え、安定した収入を捨て、この世界に飛び込んだのです。

このような異色の経歴を持つ朝野さんですが、今ではこの業界の経験年数は10年と超ベテランの域に達しています。

この10年という数字は一般の企業では普通に思えますが、このフルコミッションの通信業界で10年と営業し続けられるのは稀です。

おそらく10年も生き残っているのは約1割程度

多くの人が途中で稼ぐことがままならなくなり辞めていくのだそうです。

その中で10年間売れ続けていること自体、恐ろしい事実であり、業績なのです。

そんな朝野さんに営業においてのノウハウをお聞きしてきました!

■売るための秘訣とは?
朝野さんの売るための秘訣、それは、、、

「あえて商品の話はしない」

ということです。

光回線の業界では、商品説明やいかにメリットがあるかを伝えようとする営業マンが多くいるようです。

お客さんもそのような営業が多いので、NTTとか光などの言葉を聞くだけで毛嫌いしてくる先も多いようです。

そのようなお客さんに提案技術を磨いて、どんなにうまくメリットを伝えたところで、そもそも聞く耳を持ってくれないため無意味なものとなってしまいます。

一番重要なのは「いかに聞く耳を持たせるか」ということであり、ここが肝でありかつ最も難しいところなのです。

朝野さんはこの「いかに聞く耳をもらせるか」ということに対して、「あえて商品の話をまったくしない」という方法をとります。

営業マンが現れて商品説明や売り込みが始まるのかと思わせといて、いっさいその話には触れずに終始、雑談をするのだそうです。

雑談がだんだん長くなると、お客さんは「この人は何の用で来たのだろうと疑問に感じ始めます」

そして思わず朝野さんに質問するのだそうです。

「今日はどのようなご用件で来たのですか?」と

朝野さんはこの言葉を引き出すことができれば営業の90%は終わったと言います。

この言葉がでれば、お客さんは話を聞くことを承認したのと同じことになり、その後、商品説明を行っても自分から質問したこともあって必ず話を聞くようになるのです。

「軽い自己紹介」→「雑談」→「雑談」→「雑談」→「商品説明の承認を貰い」→「営業」

というのが朝野さんの勝利の方程式なのです。

朝野さんは光回線の営業では、いかに売り込み色を消すかということが大事であり、相手に質問されるでは商品のことはいっさい説明しないという方法で、最初で最大の難関を突破し、契約数を量産しているのです。

他にも売り込み色を消すために、スーツではなく作業着で営業するなど、その徹底ぶりには感心せざるを得ません。

話を聞いてもらうために本当に知恵を絞っている姿に脱帽です。

このテクニック、完全にパクらせて貰います!

ありがとうございます!

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

毎回、面談で

「お客さんを教育すること」

を常に意識して営業活動を行っているそうです。

営業活動では最終的には契約を取ることが目的ですが、契約にならなかったとしても一度の面談でどこまで顧客に商品の内容を教育できるかにもこだわっているのです。

そして顧客を教育するために朝野さんが行っていることというのは、

「あえて専門用語を活用する」

という方法です。

お客さんへの説明に専門用語を活用することで、お客さんに「それはどういう意味?」と質問させるのです。

そしてその質問に答える形で、お客さんに商品知識を教育していくのだそうです。

ここでも先程と同じように相手に疑問に思わせて、「あえて質問させる」ように誘導しています。

この「あえて質問させる」という手法こそ朝野さんの得意とする手法であり、売るための秘訣なのです。

但し、専門用語を活用するといっても注意点もあります。

それは「専門用語を乱発することはしない」ということです。

専門用語は、あえて相手の興味を惹かせる程度の1つ2つぐらいのキーワードに留めておき、相手が訳が分からなくなって聞く気が失せてしまわないように気をつけているそうなのです。

また、どのレベルの専門用語を使うかなども、雑談の中で相手のレベル感を掴みながら選定していくのだそうです。

「専門用語を活用」→「相手が質問」の営業手法でお客さんを教育することができれば、だんだん商品への認識が深まり、商品への認識が深まればその良さを理解することができてきます。

そして商品の良さを理解させることができれば、購入される確率も高くなっていくという理論なのです。

お客さんを教育することにもあえて質問させる方法を使い、聞く耳を持たせてから説明していく方法を取っています。

「相手にいかに聞く耳を持たせるか」

ここに異様なほど気をつけていることがこの心がけからも感じ取ることができ、聞く耳を持たせる手法こそ朝野さんのノウハウなのだと感じ取れた瞬間でした。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
朝野さんが今のノウハウに気づいたのは、普段の何気ない部下との会話がきっかけになったそうなのです。

それは部下が朝野さんに売れない悩みを相談に来た時です。

部下は商品知識をしっかり身につけ、お客さんにしっかり説明しているのになかなか伝わらないという悩みを持っていました。

そしてどうすれば相手に伝わるような営業ができるのかを朝野さんに相談したのだそうです。

その質問をされた朝野さんは、ふと熱心に質問する部下をみてこう思ったそうなのです。

「部下は一通りの商品説明はできる」

「しかし、お客に伝わらない」

「伝えるためにはどうすれば良いのだろうか?」

「そういえば、今こいつは俺の話を聞こうとしている、この関係をそのまま営業とお客との間に持ち込めば良いのではないか?」

「こいつはなぜ俺に話を聞こうとするのだろうか?」

「それは答えを教えてくれるから」

「そうか!教えてあげる立場になればお客は営業の話を聞くようになるのか!」

この発想から営業はお客さんに対して教育する立場になれば、話を聞くようになり、話を聞くようになれば必然と伝わりやすくなる、という結論に達したのだそうです。

この経験が「相手を教育する」という営業スタイルを確立させてきっかけになり、方法論が確立したことで、部下の育成にも磨きがかかったそうなのです。

朝野さんは個人で1日8件の契約をとるという偉業を成し遂げる傍ら、このノウハウで部下を教育することで8人の部下をすべて月間20件以上取れる営業へと育成した実績も持っているのです。
(※この業界では月間20件以上取れればトップクラスの成績になります)

■水田チェック
朝野さんの営業手法は「ツァイガルニック効果」を活用したノウハウではないかと考えております。

「ツァイガルニック効果」とは、人は不完全なものが気になるという心理的効果です。

よくクイズ番組で「答えはCMの後で」というフリがよくあります。

視聴者はそのクイズの答えが気になってチャンネルを変えられなくなる、というのが「ツァイガルニック効果」です。

朝野さんが行っている「あえて商品の話はしない」というのも同じ効果がもたらされていると思われます。

営業マン=売り込む人という固定概念がお客さんの中にあります。

そんな中、まったく商品の話が出てこない状況にヤキモキしだします。

「いつになったら商品の話になるんだ」

こんな心理がお客さんの中にあるのではないでしょうか。

そして答えを早く知りたいお客が「ご用件は一体何なのですか?」と自分から質問してしまう。

「何の営業なのか、早く答えを教えてくれ」という心理効果が生まれるように営業をしているのではないかと私は分析しています。