第42回リアルトップセールスインタビュー

木村さん

第42回のリアルトップセールスインタビューは株式会社シィ・エム・エスの木村さんです。

株式会社シィ・エム・エスは診療所や薬局向けに電子カルテやレセコンなどのITシステムの導入・保守・メンテを行っている総合医療ITサポートの会社です。
※レセコン・・・診療報酬明細書の作成用コンピューター

今回インタビューさせていただきました木村さんは、ドクター、薬局の経営者などに医療システムを提案する営業を行っています。

木村さんのトップセールスたる所以をご紹介しますと、これまで9年間というキャリアの中で30名いる営業の内、「年間1位が5度」、そして9年というキャリアの中で「常に3位以内」の成績を収めているのです。

また、当社は粗利額で実績を評価していますが、その粗利額の獲得で社内MVPを獲得したのがなんと通算6回!!

しかもそのMVPを獲得した時の粗利額は、半年間で3000万!
この金額は通常の営業マンの2~3倍の実績に相当するとのことなのです!

「医療」「システム」というキーワードを聞くとあまり慣れていない方は小難しい印象を受けますが、そのような業界でトップの成績をたたき出している木村さんに売るための秘訣を聞いてきましたのでご紹介いたします。

■売るための秘訣
いつもトップセールスの方には「抽象的な質問で申し訳ないなぁ~」と思いながらも、ついついこの質問からスタートさせてしまいました。

水田「木村さんがいつも売るためにやっている事ってなんですか?」

木村氏「そうですね・・・・」

と少し沈黙のあった後、売れる秘訣を静かに語り始めてくれたのです。

木村氏「私はお客さんから買いたいと思わせるように、いつも営業をしています」

■お客さんから買いたいと思わせる営業手法
木村さんはお客さんには常に気持ちよく購入していただきたいという思いがあり、無理に買ってもらうぐらいなら買ってもらわない方が良いと考えています。

しかし、とはいっても営業は「売ってなんぼ」の世界ですから、嫌だったら買わなくても良いという話で済ませる訳にもいきません。

お客さんに買いたいと思わせるように営業することが必要なのです。

では木村さんはどうやってお客さんが買いたいという方向に誘導しているのでしょうか?

その秘密は木村さん営業に対する哲学にルーツがありました。

その哲学とは

「システム売りの営業はしない」

というものです。

■経営指導を武器にした営業方法
要は、システム販売ではなく、医療の経営コンサルという立場でお客さんに接点を図っていくのです。

具体的な切り口をお伝えすると、まず一つは「採用」です。

木村さんは過去に営業する傍ら当社の新卒採用を担当した経験があります。

その際に、某採用コンサルティング会社から教育を受け、書類選考の仕方、人の見極め方などのノウハウを学びながら当時の新卒採用を行っていたそうです。

コンサルティング会社と共同で採用活動を続けていく中で、採用に対するノウハウが積み上がり、今では採用を指導できるぐらいにまでに至っています。

そしてその経験を活かして、お客さんの採用についてアドバイスをしているというのです。

某採用コンサルティング会社から手ほどきを受けたこともあり、そのノウハウはドクターを感心させられるほどのレベルにありました。

採用に関して何も知識もなく、かつ採用方法などを調べる余裕もないドクターには木村さんは非常にありがたい存在だったのです。

中には、面接自体を木村さんにお願いするドクターも現れる程であり、そのノウハウがいかに重宝されていたのかが伺えます。

そして採用だけではなく、別の側面からもお客さんの経営をサポートしていました。

その別の側面とは「人材教育」です。

過去に診療所の新規開業の立ち上げを行うドクターを紹介してもらった際に、医療コンサルの方とご一緒する機会があったそうです。

医療コンサルといえば、診療所経営を指導する専門家であり、広報戦略やスタッフの採用・教育などをサポートしています。

システムを販売するだけでは飽き足らなかった木村さんは医療コンサルに付きまとい、自分のノウハウにすべく、どのような指導をしているのかを見ていたのです。

スタッフ教育では、あいさつなどに始まり、受付の対応、ご案内の仕方、お客様への気づかい、そしてテレビの音量など、接客サービスとは何たるかを徹底して教育していました。

木村さんはそのノウハウを見るだけでは物足りず、仲良くなった医療コンサルに根掘り葉掘りやり方を聞きまくり、そしてある時にはその教育を医療コンサルの代わりにやらせてもらったりなど、完全に自分でも指導できる状態にまで落とし込んでいったのです。

(あまりにもうまくできるようになったこともあり、医療コンサルから教育だけを依頼されるようにもなったとか・・・)

この経験を活かし、既存客の診療所のスタッフを教育したところ好評価!

その既存客から開業予定のドクターを紹介してもらい、開業にあたってのスタッフ教育を依頼されたのです。

そういった経緯から、その後は開業予定のドクターがいると木村さんに自動的に声がかかるようになり、当然、スタッフ教育を依頼されたドクターからシステムの導入もお願いされるようになったのです。

そして最後に木村さんが着手していることは「店舗設計」です。

これまで関わってきた診療所の中で、多くの患者の集客に成功している診療所のレイアウトを写真に収めたり、どのような工夫を凝らしているのかを聞きこむことで、最適な診療所内のレイアウトに関するデータベースを蓄積しています。

そして、その蓄積したデータベースを活用して、施設内のレイアウトについてドクターにアドバイスするそうなのです。

作業のしやすい机の高さ、接客のしやすい机の長さ、システムの配置、無駄のない導線など。

正直、そこまでやって失敗した時の責任問題にまで発展しないのか?と脳裏をよぎりました。

しかし、良く考えると、そもそもドクターが全く無関心だったことであり、無償で提供していることです。

それがうまくいかなかったからといって文句を言う人もいないですし、「うまくいったら儲けもの」ぐらいで受け止めているのでその心配はないのだろうと思います。

そして元々そんなに期待していなかったものがうまくいけば、有料のサービスを受けて喜ぶ以上に木村さんに感謝することになると思われます。

また、医療システムを店舗設計という切り口から提案することで、システムを売り込む営業ではなく医療経営をサポートするコンサルという立ち位置で話せることが、何よりも効果を生んでいるのだと考えられます。

■なぜそんな営業方法に変わったのか?
これまでの木村さんのお話を聞くと非常に不思議な思いになります。

普通なら営業マンの仕事は売上を上げることですので、本来なら営業することだけに専念したいと考えると思います。

しかし、木村さんはなぜ医療経営にまで首を突っ込むのでしょうか?

そんな疑問から木村さんにこんな質問を投げかけてみたのです。

水田「なぜ、直接お金にならないところまで協力するのですか?」

そうすると木村さんはこう答えてくれました。

木村氏「最初は単にシステム売る営業に飽きたことがきっかけでした。以前、システムを販売することがつまらなくなり辞めようと考えたこともありましたが、今はこの営業スタイルに変えて楽しくなりました。営業はまさに自分以外ではできないと実感できることが最高の喜びですからね」

「それにこのような営業スタイルに変えることで、お客さんに感謝され、それが紹介を促し、営業をしなくても売れていくサイクルになっていくということに気付いたことが一番大きいですね」

と話してくれたのです。

「モノを売ること」よりも「関係を築くこと」に比重を置く方が結果的に数字に結びつきやすくなるということを改めて認識させられました。

そしてそのような営業スタイルの方が営業としての面白さも増すことも。

さすがです!

ただ、今の営業スタイルで困っていることもあると木村さんは語っていました。

つい先日、名古屋から東京に転勤したのですが、名古屋勤務時代のお客さんから

「木村さんが担当じゃないなら、御社と取引する理由はないよね」

と言われたことだそうです。

営業マンとして最高の賞賛の言葉ですが、組織としては良くないお言葉に木村さんも複雑な表情を浮かべていました(笑)

■水田チェック
「当社の商品には差別化要素がない」「会社にブランド力がない」と嘆く営業は世の中にたくさんいます。

しかし、今回のトップセールスである木村さんのように、商品価値というのは何も会社や商品だけが提供するものではなく、営業マン個人でも価値を付け加えていくことができるのです。

今回の木村さんの事例はまさに良い例ではなかったでしょうか。

商品・会社の枠からはずれて何が提供できるのか?

木村さんのようにお客さんにコンサルティングすることはできないかもしれませんが、情報を提供するということはどんな営業マンでもできるはずです。

例えば、どんな営業マンでもでき、お客さんに喜ばれる情報提供といえば「同業種の事例紹介」

お客さんの同業種の事例は興味関心を持たれやすいですし、営業マンは生でリアルタイムな情報を収集できる唯一の人物です。

人間の心理には「社会的証明」というものがあり、私たちは他人が何を正しいと考えているかに基づいて物事が正しいかどうかを判断します。

このような心理が働く要件としては、ある意思決定が「不確か」である時。
そして、自分と似ている人の行動には最も強く作用するといわれています。

要は、「不確実性が高い物事の判断に対して、自分と似ている他者の行動を参考にしたがる」ということなのです。

この要件をまさに満たしているものが「他社の事例」ではないでしょうか。

他社の事例情報を提供することで、会社・商品が提供できる価値以外で価値を付加していくことができるのではないでしょうか。

■インタビュー企業
社名:株式会社シィ・エム・エス
住所:愛知県名古屋市西区中小田井四丁目16
TEL:052-505-0250
URL:http://www.cmsnet.ne.jp/index.html

第41回リアルトップセールスインタビュー

ダイイチ
第41回のリアルトップセールスインタビューは株式会社ダイイチの佐藤さんです。

佐藤さんがお勤めの株式会社ダイイチは、ユニフォームの企画・製造販売をしている会社です。

主にはホテルや飲食チェーン店などのサービス業、その他にも警察などの官公庁関係や医療機関など幅広い業界の制服を企画・製造しています。

そんな企業の中で佐藤さんの実力は群を抜いており、新規開拓件数を入社2年目で30社を開拓当時、一般的な社員は年間5~6社程度)し表彰をされたことを皮切りに、新規開拓では常にトップの成績を収めています。

また特筆すべきは、単に開拓だけで終わらないという点です。

佐藤さんの実績は、他の営業と比べても粗利率が高く、また開拓後の拡販で1億円規模の取引に引き延ばすためには通常4~5年かかるのが当たり前の業界で、1~2年でそれを達成してしまうというのです。

そんな開拓力と拡販力の両方を兼ね備えた佐藤さんの実力に突撃インタビューしてみました!!

■売るための秘訣
佐藤さんは株式会社ダイイチに入社して31年になります。

現在ではベテラン営業であり、多くの部下・後輩に慕われる人物です。

人望もあり、業績も上げている佐藤さんですが、新規開拓力だけでなく拡販力も同時に兼ね備えられるようになったのはある先輩社員からの一言がきっかけでした。

それは佐藤さんが2年目で爆発的な結果を出した時のことです。

先輩社員「新規の開拓件数を伸ばすのもいいけど、ひとつひとつの売上が小さいと忙しくなるだけだぞ・・・」

■金のなる木を探す
佐藤さんはこの言葉が耳に残り、新規開拓でいくら実績を出しても、その後に売上がついてこなければ何も評価されないことを認識したのです。

であれば、新規開拓も手当たりしだい獲得すれば良いということでなく、一定規模の売上が見込める先に絞らなければならないと感じたのです。

そこから佐藤さんの新規開拓にある着眼点が付け加わったのです。

その着眼点とは、

「金のなる木はどこにあるか」

この着眼点は当たり前のように見えますが、佐藤さんの具体的な着眼点を時代背景とともにお伺いすると、その洞察力に驚いたのです。

それを歴史背景とともに解説していきます。

1.プラザ合意(1985年)
1985年はプラザ合意の影響により為替レートが1ドル=250円から1ドル=160円となり、急激な円高になりました。

プラザ合意の直後、円高不況となり輸出産業が大打撃を受けたのです。その影響で東京や大阪の町工場が次々と倒産していきました。

佐藤さんはプラザ合意の直後、まだ輸出産業への影響が表面化していなかった時点で、輸出関連産業(下請け含む)からいっさい手を引き、内需型の企業にターゲットを絞ったのです。

既に輸出産業関連に見込み客を持っているとなかなか分かっていても手を引くことができませんが、それを躊躇なく行い内需型の企業に時間を集中せることで業績を上げていったのです。

2.バブル期(1986~1991年頃)
土地や株の資産価値が急激に高騰し、一時、日経平均株価は38,000円を超えるほどにまで高騰しました。

いわゆる好景気であったこの時代に、佐藤さんが着眼したのが、不動産会社会計事務所

この2つの企業は当時、高額な装いを求める方々が多く、資金力とともに高粗利品を販売する上で最も適したターゲットでした。

高額であればあるほど喜ばれる、そんな当時の業界の時代背景を誰よりもいち早く捉え、売上アップに貢献したのです。

3.バブル崩壊後(1998年頃)
バブル崩壊後は、北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行などに象徴されるように次々と金融機関が破たんしていきました。

メインバンク破たんにより、多くの企業にもその影響がありました。

そごうやダイエーの破たんなどまさにそれに該当するものかと思います。

そんな不況の中で、佐藤さんが着眼した視点が「合併を行う企業」

この発想は佐藤さんの頭の中にこんな方程式が成り立ったからなのです。

合併(買収)する企業=投資意欲あり
不景気に合併(買収)する企業=資金力有
合併(買収)する企業=企業同士の意思統一が必要=ユニフォームの統一

この発想からバブル崩壊といった不景気にも業績を上げることができるようになったのです。

4.リーマンショック(2008年)
アメリカ大手投資会社であるリーマンブラザーズの破たんにより世界同時不況が起こったことは皆さんも記憶に新しいことだと思います。

通常、このような世界的不況の中、どのような業界にいっても無駄と考える方は少なくありませんでした。

誰もが不景気を口にして、もっぱら興味関心を集めるのは「コストカット」

そのような時代にモノを売るのは困難と、普通の人は発想すると思います。

しかし、佐藤さんはこのリーマンショックの中でもある業界に商機を見出していました。

その当時、佐藤さんが着眼していた業界とは、「食品・流通業界」

食品は、生活必需品です。

生活していく上でなくてはならないものです。
景気が良い・悪いは関係なく、我々は生きていく上で食品を購入し、食べていかなければならないのです。

佐藤さんは不景気には、景気に大きく影響されない業界を選択し、営業をかけていったのです。

また、食品を販売する小売業だけでなく、今後は高齢化というキーワードをもとに宅配事業が伸びるという情報もつかんでいたのです。

そしてその情報を元に、誰よりも早く、運送業界に営業を仕掛けていき、安定的に業績を上げていったのです。

■なぜ、そんな深い洞察力が身に付いたのか?
佐藤さんの深い洞察力の源泉がどこにあるのかが気になり、そのことについて尋ねてみるとこんなことを教えてくれました。

「雑誌や新聞に掲載された時点では情報の鮮度は落ちています。もっと早く業界の動向をつかまなければなりません。鮮度の高い情報をつかむためには、一番有益な情報というのは『企業のトップに話を聞くこと』なんですよ」

なるほど、確かに経営者・経営幹部は業界の情報にもっとも長けた人たちです。
業界情報に対するアンテナが高いので、そのスピード感は誰よりもあるはずです。

佐藤さんはこういった方々からの情報収集を軸にしているので、誰よりもいち早く情報を収集するのです。

しかし、トップと話をすることができたとしても業界のトレンドをそんなに簡単に聞けるのだろうか?という疑問が湧きました。

どんな話を振ればそんな情報が取れるのか気になった私は、厚かましくも話の振り方まで佐藤さんに確認したのです。

水田「企業のトップから今後の業界動向を聞くためには何を話せば良いのですか?」

佐藤氏「それは人事(増員、配置転換、新部署設立など)の話題に触れると今後の業界の動きが分かったりしますね」

と話してくれたのです。

「なるほど!!」

確かに、人が動くということは何かしら目的があってのことです。

それなりの企業規模になれば、今後の戦略に合わせて人事計画も立てているはずです。
特定の部署への増員や、新部署設立などの考えがあれば何かのトレンドをつかんでいる可能性は高いはず。

だからこそ、人事の話題から今後のトレンドを聞きこむのか・・・

これはありがたいノウハウを教えてくれました。

■トップに会うためにはどうすれば良いのか?
ここまで、これだけありがたい話を聞いておきながら、佐藤さんなら何でも答えてくれるのではないかという強欲が湧き、いや、「世にいる営業マンのためにも」と思い(自己正当化)更に話を突っ込んでみました。

水田「トップに会い、人事面について話題を振れば情報が得やすいことは分かったのですが、どうやってトップに会うのですか?世間一般の営業マンはおそらく『トップに会うことが難しいんだよ』と思っている方はたくさんいるのではと・・・」

佐藤氏「確かにそうですね。うちの会社でも総務・人事の担当者にしか会えていない人はいっぱいいます」

水田「そうですよね。いや、そうだと思うんですよ。いったいどうやって会っているんですか?」

佐藤氏「私の場合は、担当者止まりにならないようにあえて担当者の裁量を超えるような提案をします。たとえば食品業界であれば異物混入をテーマにすべての制服を刷新した方が良いのでは?といった問題提起をします」

「話が大きくなればなるほど担当者レベルで判断ができなくなり、上に会わせてもらえるようになる」

これはまたもや良い話を聞きました。

これを活用しない手はないです。

こんなノウハウまで教えていただき本当にありがとうございます!!

■水田チェック
今回は、「魅力的な市場の見分け方」「その情報の取り方」そして「トップと会うための方法」など本当に様々なノウハウを教えていただけました。

このひとつひとつが多くの営業マンに、そしてあらゆる場面に活用できる内容ではないかと思います。

この3つのノウハウの中でも魅力的な市場(もしくは魅力的な顧客)を見極めるという行動は多くのトップセールスが実践しています。

あるトップセールスは受付の対応を見たり、採用計画を聞いてみたり、販売先を確認したりなど。

様々な視点がありますが、そこに共通するテーマは「成長する企業」です。

BtoBビジネスにおいて業績を安定的にあげていくには成長企業を見極め、成長企業とお付き合いしていくことです。

大企業を見極めるのは簡単ですが、成長企業を見極めるのは難しいです。

しかし、今回やこれまでにご紹介したリアルトップセールスの視点から成長企業を見極める糸口を概ねつかむことができたのではないでしょうか。

■インタビュー企業
社名:株式会社ダイイチ
住所:神奈川県横浜市中区宮川町 3-89
TEL:045-241-8911
URL:http://www.un-daiichi.co.jp/

第40回リアルトップセールスインタビュー

後藤さん

第40回のリアルトップセールスインタビューは有限会社エスエスジーの後藤さんです。

後藤さんは現在アフラックの生命保険代理店を行っています。

アフラックの代理店は全国にもかなり多く、その保険を販売している代理店の数は東海だけでも2000店を超えると聞いています。

その2000店の中で常に「トップ1%圏内」に入り続ける実力を持っているのが有限会社エスエスジーであり、その経営者兼営業マンである後藤さんなのです。

直近の実績では2013年12月の単月だけで、なんと38件の契約を獲得多い月は100件を超えます。
年間換算では400件以上(2013年470件)の契約を獲得しているのです!(※契約の数からいうと毎日誰かと契約している計算になります!恐ろしい・・・)

しかも、その契約をあげる営業スタイルを聞いて驚きました。

通常、保険営業といえば王道の営業スタイルは「紹介」です。

しかし、後藤さんは紹介という営業スタイルはフロックで考え、飛び込み営業を主流としてこの契約本数を獲得しているというのです。
※フロック:偶然

そんな飛び込みセールスのプロである後藤さんの売るための秘訣を聞いてまいりました!!

■売るための秘訣
後藤さんは新規開拓の営業でうまくいかない原因のほとんどは、ある1点に集約されるといいます。

その1点とは

「精神面」

なのです。

新規開拓で成果を上げるポイントと言えば、細かいスキルまで上げていくといくつもありますが、本当に成果が上がらない一番の原因は、断りからくる心理ストレスであるということなのです。

ほとんどの営業が断られる心理ストレスを乗り越えることができずに、営業という素晴らしいマーケットから去っていくと話していたのです。

新規開拓の営業にとってこの心理ストレスは大きな問題でもありますが、このストレスを克服しメンタルコントロールができれば成果につなげることは容易であるとも言っていたのです。

■心理ストレスを克服する方法とは
後藤さんがなぜ紹介営業を主流にしないかというと、それには心理ストレスとの関係があります。

それは全く見ず知らずの人に断られるよりも、知り合いに断られることの方が、ダメージが大きいからなのです。

そんな理由から保険業界の王道ともいうべき紹介営業をあえて積極的には行っていないのです。

知り合いへの営業は、もともとの関係性があるために冷たくあしらわれることはありません。

話はしっかりと聞いてくれます。

しかし、それゆえに淡い期待を持ってしまったり、義理人情で「何とか契約してくれるのでは・・・」という甘い希望を持ってしまいます。

しかし、その根拠のない期待があるがゆえに断られた時にダメージは大きく、仲が良ければ良いほど立ち直れなく酷い時は縁が切れてしまいます。

そのダメージを回避するためにあえて知り合いに積極的にはお願いしないのです。

ただ、断りのダメージが少ないとはいえ、見ず知らずの人に断られ続けることによってダメージが蓄積していきストレスも少しずつ溜まっていくのも事実としてあります。

その回数は100、200と蓄積していくと通常の営業マンであれば嫌になってしまい、その苦痛が表情に現れて、余計にお客さんに悪印象を与え契約が取れなくなってしまうこともあります。従って、断られる前にお客様の前から去り次への行動に向けて体が動かなくなります。

この問題に対して後藤さんはあることを教えて頂けました。

それは営業マンの多くが新規開拓に対する基本的な考え方を間違っているというのです。

いったい何を間違えているのかを確認すると、こんな一言を教えて頂けたのです。

「営業は統計学である」であり常にポジティブシンキングに徹する。

■「営業は統計学である」とは?
営業は統計学というのは、簡単にいうと営業は確率論という意味であり、スキルのばらつきによって確率の良い悪いはあるにせよ、一定量をこなせば、一定量の成果が得られるという考え方です。

自分自身が「何件回れば何件の契約が取れるか」というものをしっかりとスキルポジションを把握したうえで営業をすべきであると教えてくれたのです。

この傾向値を把握することで見込み客に断られることの意味合いが違ってきます。

例えば現在のスキルで100件に1件の契約が取れるという傾向値が頭の中に入っていれば、1件の断りが、1件のダメージではなくゴールに近づいているイメージにつながります。

その断りの数が1件、2件、3件と積み重なっていくことで着実に契約に向かっているイメージが作れるため、断り文句を受ければ受けるほどテンションが上がっていくのです。

通常の営業マンは断られることでやる気を失っていきますが、この考え方が根底にあれば断られることが逆に発奮材料となるのです!

断られることでやる気をみなぎらせている営業マンと失望している営業マン、果たしてその後、結果を残すのはどちらでしょうか?

おそらくあなたのご想像通りの結果になると思います。

■営業スキルに貪欲である理由
後藤さんは「営業は統計学である」を根本にスキルアップしていけば契約確率が高まると言う信念プラス下記考え方も大切にしています。

それは

「成功すると意思決定したら最後までやりきる」癖をつければ何をやっても上手くいくという考えです。

その探究心はすさまじく、営業マンを始めた当初は午前中に100本の飛び込み訪問を課し、契約が一本もとれなければ昼食を取らないし取れた契約の内容でランチの金額を決めモチベーション管理をしています。午後に200本飛び込みを行い、1本も契約が取れなければ帰らずに続ける、ということを実践していたそうなのです。

そして契約を取るためにありとあらゆる知識・テクニック・洞察力を身に付けています。

その一部をご紹介すると

・最初の5秒の印象が自分を受け入れるかどうかに左右する。従ってその5秒に対して自己投資を行う
・テレアポのトーンはソプラノにし相手のテンションに合わせれば伝わりやすいので毎日トレーニングする。
・安心、安全で信頼性が高いと思えば人は受け入れる
・商品の紹介は、どのような保障であるかより、お客様観察及び洞察し欲しているものを提案する
・自己都合では嫌われる、相手が気になっていることを会話の中心に持って行きお客様主導の雰囲気を作り自分が感じた落としどころに持っていく

というものです。

今回はこのひとつひとつのことを細かく解説することはできませんが、ここで分かる後藤さんの営業に対する姿勢で感じ取ってほしいことがあるのです。

それは・・・

「常に自己意思決定し結果はすべて自己の責任であること」が成功するかどうかの鍵になると言うことです。

通常の営業マンはお客さんに断られ続けることによって、自己嫌悪に陥り逃げたくなります。

そして自分自身を否定されたくないという思いから、契約が取れない原因を外に求めようとします。

「商品が悪い」「会社が悪い」あげくの果てに、理解してくれない「お客さんが悪い」という考えにまでなってしまいます。

しかし、原因を外に向けている以上、自分自身を改善する行動を起こすことはありません。

そして自分自身を改善することがないので、また断られる生産性のない日々が続くのです。

しかし、後藤さんは常に自分自身を変え自信を持ちお客様に対して信頼を得ることに焦点が当たっています。

先程ご紹介したテクニックの数々や、その他にもインタビューの際に話してくれたノウハウの数を見れば、いかに自分の営業方法を振り返り、改善しスキルアップをしてきたかがよく分かります。

常に問題は自分の内面にあると考えたからこその「PDCA」なのです。

断られることを他責にし、自己逃避していればいつまでたっても断り文句に苦しまなければなりません。

しかし、後藤さんのように自責であると考えることによって断り文句は単なるPDCAを回すための1つのデータに過ぎなくなりますし、そう考えることで断りの心理ストレスを感じなくなるのです。

「常に自責で結果重視の考え方」が断りのストレスから解放される最善の手法であるということを学ばせてもらったインタビューでした。

■水田チェック
後藤さんの営業力の源泉は「あくなき探究心」にあると思います。

学生時代から2時間の通学電車の中で本を読みあさり、様々なジャンルに精通し、社会人になっても自己投資に惜しまず自己責任の考えを高めて行ったそうです。

自己投資か必ず結果(収入)に結びつく喜びで、今ではかなり幅広い分野まで知見が広がっているとのことです。

この幅広い知見があることによって、何か問題に直面したことがあっても解決策まではいかなくともそのきっかけとなる知識を引っ張りだすことができます

人はどうすれば解決するのか分からない問題に直面すると、考えることを止め、問題から目をそむけ、そして問題があること自体を忘れようとします。

その問題で命までは取られません。もっと楽観的に受け止めればストレスもあまり掛からずプラスの行動に結びつきます。

後藤さんは営業上で発生する問題に対して、積極的行動で得た経験知恵がその問題を解決し収入に結びつく結果が今の実力を築き上げているのではないかと考えています。

■インタビュー企業
社名:有限会社エスエスジー
住所:愛知県名古屋市緑区鹿山3-31-208
TEL:052-899-0166

第39回リアルトップセールスインタビュー

梅原さん

第39回のリアルトップセールスインタビューはリンクアンドモチベーションの梅原さんです。

リンクアンドモチベーションといえば会長が非常に有名な方で、多くの本を出版したり、メディアに出られたりしています。

梅原さんはそのリンクアンドモチベーションで人事コンサルや研修の企画提案の営業を行っています。

梅原さんの実績は輝かしく、70名いる営業マンの中で期内目標達成率No.1を獲得し、その功績が称えられ2010年に社内MVPという勲章を手にしたのです。

しかもそれだけではありません。

これまで社内で最高記録であった13ヶ月連続の目標達成の記録を大きく塗り替え、なんと23ヶ月連続の目標達成の偉業を成し遂げたのです。

また、社内だけでなく社外活動も活発で、NHKで放送されている「Good Job!会社の星」というテレビ番組に出演することが決定したのです!!
(※インタビュー記事がアップされる頃には放映済みかもしれません・・・)

社内でも社外でもとにかくアクティブに動くことが大好きな梅原さんに営業で売るための秘訣をお聞きしましたのでご覧ください!

■売るための秘訣
梅原さんのお話には様々なノウハウがあり、すべてを掲載するか、一部を掲載するか、を悩みましたが、非常に参考になるお話が多かったので、できる限り掲載することにしました。

多少長文になるかもしれませんが、小見出しを付けておりますのでご興味のある小見出しからお読みください。
(お勧めはノウハウその3です)

■ノウハウその1:目標は与えられた目標の150%に設定する
梅原さんは、常に会社から与えられた目標の150%に目標設定して営業活動を行っています。
このような活動スタイルにする背景には、「選択理論」という考え方があると梅原さんはお話されていました。

「選択理論」とは、アメリカの精神科医ウイリアム・グラッサー博士の提唱する心理学であり、その選択理論の中では「人をコントロールすることはできない」という考え方があります。

この変えられないことに囚われているとモチベーションがめちゃくちゃ低下するので、変えられないことに必至にならないようにしている、と梅原さんは話すのです。

人をコントロールすることはできない=お客さんもコントロールすることはできないのです。

断ったり、気が進まないお客さんを無理にコントロールしようとしてもうまくいかないですし、ストレスもたまる一方です。

抵抗しているお客さんを無理に前に進めようとするのではなく、駄目なものは駄目と割り切ってお客さんと接することを前提とすれば、非常に気が楽になります。

そして初めから人をコントロールすることはできないということを前提としているので、目標を達成するために手数を増やすようになるのです。

与えられた目標の150%を設定するのは、そのうちの50%がうまくいかないということを想定しての目標設定なのです。

■ノウハウその2:潜在客を追い続ける
梅原さんは営業活動の中で「短期客」と「長期客」という考え方を持っています。

「短期客」とは、商品の内容に興味を示しているお客さんのことです。

「長期客」というのは、商品の必要性は感じるものの「今のところは・・・」という反応を示すところです。

一般的には、前者は顕在客、後者は潜在客といわれています。

多くの営業マンは「短期客(顕在客)」を追うことに必至になり、「長期客(潜在客)」への活動をおろそかにしがちです。

しかし、梅原さんは「長期客(潜在客)」に定期的にフォローすることが目標を安定的に達成していく上で大切だといいます。

必要性を感じてくれたということは、何かのタイミングで顕在客になる可能性は十分にあり、その可能性を秘めているお客さんを放置する考え方が理解できないというのです。

(まったくごもっともです)

しかし、潜在客の中には「今後お客さんになり得るのか」「いつまで経っても見込み客のままなのか」を見分けることが非常に難しい存在でもあります。

いつまで経っても見込み客のままの先に時間を取られることはできるだけ避けたいところです。

そこで梅原さんに「今後お客さんになり得るか、否か」の見極め方を聞いてみるとこんな答えが返ってきました。

梅原氏「価格を早い段階で提示して見極めます。その金額がありえない金額なのか、ありえる金額なのか、その反応で見極めています」

水田「なるほど、ただ高いと反応した人の中には、本当に高いと思った人もいれば、断り文句で高いといっている人もいると思いますが、それはどう見極めるのですか?」

梅原氏「その場合は例え話を使って本心なのかどうかを確認します。例えば、コミュニケーション系の研修であれば、高い!と言われたらこのように話しています」

※トーク例
「確かに研修費用は高いかもしれません。ただ、もし社長が部下に言いたいことが伝わらず注意している時間が週に1時間程度あったとします。週1時間ということは月に4時間、年間で48時間です。その時間を、別事業を考える時間にあてることができたらどうですか?もっと売上が上がったりしないですか?」

このような話をして思わず納得するのか、それでも頑なに高いといい続けるのかで「今後お客さんになり得るか、否か」を見極めているのです。

■ノウハウその3:仕事に関係なく色々な人に会う
梅原さんは営業として魅力のある人物であるか、ないか、は業績に大きく影響すると考えています。

当然ですが、魅力がなければあまり付き合いたいと思いませんし、営業マン自体に魅力があれば、多少商品が他社よりも劣っていたとしても選択してしまう、ということは容易に想像できるのではないでしょうか。

そして梅原さんの言う魅力のある人物とは、「知っていることが幅広い」人物だといいます。

専門的な知識から、一般常識(トレンド)、芸能ネタなど幅広く情報通である人物が人間としての魅力を感じさせると話していたのです。

そして幅広く情報を得るために梅原さんが実践していることは、

「とにかくすごい人に会わせてくれという」
「すごい人にあったらその人からまた紹介してもらう」
「交流会などのイベントには積極的に参加する」

この活動を精力的に行っているのです。

その数はビジネスで会う人の数よりも多いとのことで、時には夜にトリプルヘッダーを組んでまで人脈形成に時間を割いているのです。
※夜のトリプルヘッダーとは、「17:00~19:00」「19:30~21:30」「22:00~24:00」という時間帯で様々なコミュニティに顔を出すということです。

ここで様々な人と会うことで多くの情報や考え方を仕入れることができ、ネタに尽きない話題を提供できる営業マンになっているとの事なのです。

■なぜ、精力的に人と会う活動をするようになったのか?
「人に精力的に会う・・・」そこまでなぜ精力的にできるのかが不思議になりました。

正直、夜のトリプルヘッダーなどやっていたら身体が持たないのではないだろうかと思い、なぜそこまでして人に会うことにこだわっているのかを梅原さんに聞いたのです。

そうすると意外な答えが返ってきたのです。

それはこの人と会う活動こそが梅原さんを売れない営業マンから売れる営業マンへと変貌させるきっかけだったというのです。

実は梅原さんは今の地位に上り詰める前は、まったく売れない営業マンだったそうなのです。

入社して2年間ぐらいはいつも最下位の成績だったそうなのです。

負けっぱなしの人生を変えなければならないとは思いつつも、その反面、誰かが助けてくれるのではないかという甘えもあったと当時を振り返って話してくれました。

そんな負けっぱなしの真っ只中、ある人物との出会いがその人生を大きく変えたのです。

その人物とは、お客さんであり、経営者であり、元不動産のトップセールスだった人物なのです。

その社長が梅原さんとお会いした時に、負のオーラを背負った梅原さんを見てこのような言葉を投げかけたのです。

社長「お前、仕事やってても面白くないやろ。何かに悩んでいるかもしれないけどその解決方法はいくら探しても今のお前の中にはないぞ。とにかく今は人に会って考え方というものを学べ。その考え方が集まってからもう一度考えろ」

とその社長に言われたのです。

そこで梅原さんは「売れ」と言われると難しいが、「会うだけ」なら今の自分でもできると思い、実践してみたのです。

そして会う人の量を増やせば増やすほど、会う理由を相手に伝えなければならないこともあり、自然とコミュニケーション能力がアップし、様々な人の考え方や経験に触れることでネタが豊富になっていったのです。

そして人と会うことを繰り返すことで、トップセールスに必要な能力を兼ね備え、いつの間にか本当にトップセールスになってしまったのです。

この「人と会う」活動こそが梅原さんとトップセールスに変貌させたきっかけであり、この活動を継続させているからこそ魅力を維持できているのだと梅原さんは強く語りかけてくれたのです。

■水田チェック
梅原さんの営業力の強さの源泉は、情報収集を人との出会いから形成しているところだと思います。

魅力的な人物は情報通であること、と語っていましたが、この情報が紙やインターネットからなどの文字情報ではなく人の経験を通した生の情報であったことに非常に価値があると思います。

なぜなら紙やインターネットの情報はあくまでも事実情報でしかありません。

しかし、人から聞いた情報というのはその情報の中にその人が経験したストーリーがあり、そのストーリーが人を惹きつける要素となっているのです。

テレビを見ていてもお分かりになるとおり人は事実情報よりもストーリーに惹きつけられます。

ニュースを見るよりもドキュメンタリーの方が惹きつけられるのはそのせいです。

ストーリーは視聴者に追体験させる効果があります。

主人公と自分をダブらせる結果、その話に親近感を持ち、とたんにその話題に興味を持ちはじめ惹きつけられていくのです。

梅原さんは人と会うことで事実情報をストーリー付きで収集することができ、その内容を人に伝えるからこそ、お客さんから魅力的な人物に映り、その魅力が受注に繋がっているのではないかと分析しています。

■インタビュー企業
社名:株式会社リンクアンドモチベーション
住所:愛知県名古屋市中村区名駅4-5-28 近鉄新名古屋ビル7F
TEL:052-562-2021
HP:http://www.lmi.ne.jp/

第38回リアルトップセールスインタビュー

鶴田さん

第38回のリアルトップセールスインタビューは税理士法人鶴田会計の鶴田さんです。

鶴田さんは鶴田会計を創業した経営者でもあり、今の鶴田会計の顧客基盤を形成してきたトップセールスでもあります。

顧客数は創業して7年間で300社を開拓し、そして鶴田会計をたった7年で年商1.8億円、従業員24名の規模にまで成長させた凄腕経営者でもあり営業マンでもあるのです。

ちまたでは税理士というと、独立してしっかり飯を食っていけるのはほんの一握りといわれています。

独立開業をしてみたもののお客さんに恵まれず、事務所を閉鎖して元いた勤務先に出戻りしたり、他の税理士事務所の会社員となるケースはよく耳にします。

難関の税理士試験に合格するぐらいですので知能はひときわ高く、良いサービスを提供しているところも多いのですが、営業が苦手でうまくいかない事務所が大多数を占めるそうなのです。

そんな業界で、コネも、人脈もなく、新規客を量産する術を見つけ出し、鶴田会計を急成長に導いているのが鶴田さんなのです。

そんな鶴田さんに税理士という業界で実践してきた新規開拓の営業手法を教えていただきましたのでご覧ください!

■売るための秘訣
鶴田さんは新規開拓を7年間で300社も行ったトップセールスです。

新規開拓営業出身の私としては、その数字の凄さはすぐに分かりましたし、そのノウハウをどうしても聞いてみたいと思い、そこに焦点を当てて聞くことにしました。

水田「新規開拓って、どんな感じでやっているのですか?まさか私がやっていたようなテレポや飛び込みのような手法じゃないですよね?」

鶴田氏「私の新規開拓は直接的なアプローチは少なく、9割が紹介ですね」

水田「9割が紹介ですか?!!!」

■紹介だけで新規客を量産する手法
9割が紹介というのは非常に魅力的な話です。

多くの営業マンが新規客に直接的なアプローチを行い、断られ、心が折れまくっていることから考えると、紹介だけで新規が量産できてしまうというのは、何ともうらやましい話です。

「こんな魅力的な話はなかなかないぞ!めちゃくちゃ気になる~」と思い、その手法を尋ねてみたのです。

そうすると次のような話が出てきました。

1)保険屋さんとタッグを組んで営業している
2)保険屋さんに医療機器販売、美容機器販売の方を紹介してもらう
3)飲食店の開業セミナーに参加して主催者にアプローチして協業している
※その他にも士業や銀行などからの紹介ルートもありますが、今回はこの3つの方法にのみご紹介させていただきます。

1)保険屋さんとタッグを組んで営業する
保険屋さんは保険商品を売る商売です。

多くの方との人脈を広げ、何かのタイミングでお声がかかるように営業活動をしています。
生命保険でいえば、亡くなった時、病気になった時、老後の資金、子供の将来の学費のため、などの切り口で提案することが主流だと思います。

この提案できる切り口が多ければ多いほど、お客さんから相談を受ける頻度は高まります。

その保険屋さんのニーズをうまく捉えて、鶴田さんは提案の切り口として税理士を使うことを提案しているのです。

具体的にいうと、事業再生や事業承継などで悩んでいる経営者の方がいれば良い税理士を紹介するという切り口から保険商品の販売につなげることを提案しているのです。

事業再生→税理士紹介→コスト構造の見直し→保険料の見直し→保険切り替え
事業承継→税理士紹介→節税→節税のための保険の活用

という切り口を提案し、保険屋さんからの紹介を促しているのです。

2)保険屋さんに医療機器販売、美容機器販売の方を紹介してもらう
なぜ、医療機器販売と美容機器販売なのかというとこの2つの業種にはある共通項があるからです。

その共通項というのは「開業する経営者と会う機会が多い」ということです。

お医者さんの開業、美容師の開業には必ず設備が必要になります。

そのため医療機器や美容機器を取り扱っている方は開業される方との接点を多く持っているのです。

開業となれば税理士が必要になります。

各業者は自社の商品を提供するだけでなく、税理士も紹介することができるとなれば競合との圧倒的な差別化になります。

開業希望者に対して設備だけでなく開業に必要なもの全般を提供することができれば、顧客から重宝がられ、受注を得られる可能性も高くなるのです。

また、税理士は開業した後も常にお客さんと密接な関係にあります。密接な関係にあれば設備を切り替える相談を受けることもあります。

その時に紹介をしてもらったメーカーに声を掛けることなどを約束すれば各業者にとっては非常にありがたいことです。

そのような切り口を提案して、各業者からの紹介を促しているのです。

3)飲食店の開業セミナーに参加して主催者にアプローチして協業している
これは純粋に顧客を紹介しあうという形での協業です。

飲食店の開業セミナーの主催者は設計事務所の方ですが、鶴田さんは開業してもらう人を紹介してもらう、設計事務所の方は鶴田さんのお客さんから店舗設計の相談があれば紹介する、という形でお互いのお客さんを紹介しあって顧客を増やしているのです。
ここで紹介してもらうために必要なことは、相手からの紹介を待ってからこちらが紹介するのではなく、「先に紹介してあげること」を心掛けることだと鶴田さんは語ってくれました。

とはいえ、紹介だけしてもらって紹介してくれない人というのも残念ながら存在することは確かです。

その際にどのようにうまく紹介しあえるパートナーを探したら良いのかと鶴田さんに尋ねるとこのような答えが返ってきました。

「自分自身と似たような考え方、似たような理念を持っている人とパートナーシップを組むようにしている」

ということだったのです。

「心(考え)が変われば行動が変わる 行動が変われば習慣が変わる 習慣が変われば人格が変わる 人格が変われば運命が変わる」

という名言があるように考え方と行動には密接な関係があり、似た考え方をしている人は行動パターンも同じになると考えると、鶴田さんの意見は非常に理に適ったものだと思います。

鶴田さんの手法は、これまでお話したような方法を駆使して紹介を促す仕掛けをいくつも打っているということなのです。

これら3つの話を聞いていると手法はバラバラのように思えるのですが、実はある共通点があります。

その共通点とは、

①ターゲットとなるリストを保有している人に接触する
②協業するメリットを具体的に提示する

なのです。

ターゲットに直接接触を図るのではなく、既にターゲットとなる顧客のリストを持っている人に接触し、具体的な協業のメリットを伝えることで紹介が自動的に舞い込んでくる仕組みを作り上げていったからこそ、7年で300社もの新規客を開拓することができたのです。

この手法は一般的にジョイントベンチャーといわれている手法です。

見込み客のリストをもっている人と見込み客に魅力的な商品を持っている人が協力してお客さんに価値を提供するというもので、顧客基盤を持っていないが良い商品を提供できる企業にとっては新規開拓を加速度的にアップさせる手法として有名です。

この手法で失敗するケースは、自社のメリットばかりを考えて相手にどんなメリットが提供できるのかを具体的に提示できていない場合です。

鶴田さんは、それぞれの協業相手に魅力的なメリットを「具体的に」提示できているからこそ、紹介を量産できているのではないかと思います。

■水田チェック
新規開拓で顧客数を拡大したいと考えた時に、マンパワーで直接営業を仕掛けいく方法もありますが、マンパワーだけでは営業できる量に限界があります。

また、ジョイントベンチャーという方法であれば紹介者のおかげで、まったく見ず知らずの人に信用してもらうという最も手間のかかるプロセスを省略することができます。

この方法は、営業もサービス提供も1人の人間が行っているようなコンサルタント業界でよく取り入れられていますが、それ以外の営業の方でも全然使える方法です。

もしあなたの新規開拓の件数を加速度的に上げたいのなら、

「同じターゲットのリストを持っているのは誰か?」
「その業界の人に提示できるメリットは何か?」

を考えてみてはいかがでしょうか?

直接的な営業と同時にジョイントベンチャーを仕掛けることができれば、過去経験したことがないような業績をたたき出せるかもしれません。

■インタビュー企業
社名:税理士法人鶴田会計
住所:愛知県名古屋市中村区名駅3丁目9-13 MKビル5F
TEL:052-587-3036 
HP:http://www.tsurutax.com/