返報性

他人から恩恵を与えられると、お返しをしなければならないという感情が湧く心理

相手の好き嫌いには関係なく、借りを返さなければならないという心理が働く

 

返報性には、「好意の返報性」「譲歩の返報性」などがある

 

【営業での活用法】

住宅販売などで、展示会の来場者に特典をあげて代わりとしてアンケートを取るなどで活用される

2013年02月19日販売心理学用語集


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第20回リアルトップセールスインタビュー

秋谷さん

第20回のリアルトップセールスインタビューはきのこランドの秋谷さんです。

(株)きのこランドでは、椎茸やきくらげなどの食品を下処理して問屋さんに販売したり、学校給食などの業食用として問屋さんに食材を販売している企業です。

秋谷さんは、当社で3年連続売上No.1を達成したトップセールスです!

今期も残すところあと3ヶ月ですが、売上No.1の座は既に見えているとの事で、4年連続No.1はもう既に射程圏内に収めているそうなのです。

そんな絶好調の秋谷さんに営業の秘訣をお伺いしてきました!

■売るための秘訣とは?
秋谷さんの売れる秘訣。それは、、、

「迅速な対応をすること」

なのです。

クレームや問合せなどがあった際には、できるだけ迅速に対応することがお客さんとの信頼関係を作る上で必須だと話されていました。

「これは相手立場に立って考えてみてもらえばよく分かることで、問合せしたのになかなか返事が返ってこないのは、一番失礼なことであり、最も信頼関係を崩しやすいタイミングでもあるのですよ」とおっしゃられていたのです。

私も最近、同じような出来事がありました。

近々、引っ越す予定があり、それに伴いADSL回線から光回線に切り替えようと思い、ある業者に問合せた時のことです。

私は、サービスの詳細を知りたいと思い、インターネットで営業マンの出張サービスを選択し、申し込みました。

申込みの際に、名前や住所、申込み内容など入力する欄があったので、詳細にわたって状況を入力しました。

そして入力完了後、数日後の週末に(土曜日の午前中)連絡があったのです。
_____________________________________________
オペレーター「先日はお申込みありがとうございました。今回は今のご住所での回線の切替でよろしいでしょうか」

私「(?、引越し先の住所を入力したはずなのだが・・・)いえ、違います。●●市です」

オペレーター「そうですか、それでは担当が違いますので、改めて連絡させてもらいます。いつもは土曜日の午前中が、一番お電話がつながりやすいですか?」

私「(もしかして来週の土曜日に掛けるつもり?こっちは急いでいるのだけど・・・)週末ならいつでも全然大丈夫です」

オペレーター「承知いたしました。また、ご連絡いたします」

_____________________________________________

それから土曜日が過ぎ、日曜日が過ぎ、そして1週間が経とうとしていました。

私「おい!いつになったら連絡来るんだよ!!!(怒)」

この時点で、「二度とこんな業者を使いたくない」という気持ちが沸き起こりました。

そして「対応が遅い」という状況に対して、何か「バカにされている?」という感情が湧き出し、イライラと怒りがこみ上げてきたのです。

確かに、秋谷さんの言うとおり、対応が遅くなると業者に対する見方がかなり変わってきます。

対応が遅くなるだけで、信頼感が薄まり、怒りのおかげでお客側も横柄な態度をとるようになってきます。

そのような状態にさせてしまっては、うまく進むものも進まなくなるのは目に見えています。

そのようなリスクがあるからこそ、秋谷さんは「迅速な対応」に細心の注意を払っているのだと理解できました。

そして更に、秋谷さんは迅速な対応をする際に、必ず実践していることが1つあります。

それは何かというと、「返答の期日をはっきり言うこと」です。

返答の期日をお客さんに伝えることにより、その期日までには返答しなければならないというプレッシャーが湧いてきます。

あえてプレッシャーを掛けることで対応スピードを上げる努力をしているのです。

(やるね!秋谷さん)

この期日を伝えるということは、お客さんにとっても非常に良いことです。

待たされることでイライラしてしまう要素のひとつとして、「予測ができない」という要素があります。(他にも「切迫している」とか「事態の性質」とか「性格」などもあります)

例えば、20分後に駅に来ると分かっている電車を待つよりも、衝突事故などで再開の見込みが分からない状態で20分待たされるのとでは、明らかに後者の方がイライラします。

同じ20分待たされるのになぜ後者の方がイライラするのかというと、いつ再開するのかが分からないからです。

「予測ができない状態」がイライラさせているのです。

この状態を回避するためにも、お客さんから問合せがあった時点で返答の期日を伝えておくことは非常に重要なことだと思います。

「迅速な対応」をするための「返答期日のコミットメント」

パクらせてもらいます!!

■成果を上げるために心がけていることは?
秋谷さんが成果を上げるために心がけていることは、

「人と人とのつながりを大切にすること」

です。

品質や価格は勿論大切だが、人と人とのつながりがあってこそ商品が売れていくと秋谷さんは考えています。

商品が良ければ売れるという発想は、お客さんの感情を無視した考え方であり、「つながり」=「信頼関係」の重要性を常に意識していきたいと話していたのです。

迅速な対応に徹するという考え方も正に、「つながりを大切にしたい」という発想から出てきたものであり、テクニック云々よりもマインドの重要性を訴えかけてくれました。

あらゆるセールステクニックも結局は、お客さんとの信頼関係をうまく構築していくためには何をすれば良いのかを考え抜いた上で、生み出されたものが多いと思います。

「単純接触効果」「自己開示」「バーナム効果」「両面提示」「バックトラッキング」など様々な信頼関係を構築するテクニックはありますが、これらはテクニックとして使用するとうまくいきません。

やはり、信頼関係をうまく構築したいという思いがベースにあってこそ、うまく効果をなすものだと思います。

秋谷さんはそのベースがあるからこそ、迅速な対応をするという方法がテクニックとして使うよりも、うまく機能しているのだと思います。

そして、今はお客さんとのつながりを大切にするために、新たな方法にも挑戦中です。

その新たな方法とは、これまでの訪問件数から『飛躍的に』件数をアップして、お客様に継続して頻繁に会うことを自分に課しています。

「できるだけ多くのお客さんと、多くの接点を取って『つながり』を強めていきたい」とかなり意気込んでおられました!!

是非、頑張っていただきたいと思います。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
秋谷さんは、「人と人とのつながりを大切にしたい」という思いは人一倍にあります。

しかし、その考えを形成した経緯は、つらい過去にあったようです。

秋谷さんは前職でかなり偏った考えを持った社長のもとで働いていたようです。

偏った社長の考えというのは、「良い商品さえ作っていれば売れる」という発想のもとに、お客さんのニーズを無視したり、社員を大切にしようとしなかったり、とにかく人との関係を軽視する社長だったそうです。

営業をコマのように扱い、気に入らなければすぐにクビにするなど。

当時、秋谷さんも中国の工場の責任者までこなしていたにも関わらず、社長に

「お前を雇って会社にプラスになったことはない」

と罵られたそうなのです。

そんな人を大切にしない社長に嫌悪感を抱いたそうです。

結局、その会社は倒産(民事再生)という結末になったそうなのですが、その時の社長を反面教師として、人との関係を大切にしたいと強く思ったそうなのです。

その思いが顧客を第一に考える行動に反映され、迅速な対応を徹底する原動となっているようなのです。

(なるほど、深い話ですね)

■水田チェック
秋谷さんが成果を上げさせている要因は、「徹底した顧客視点」にあると思います。

前職の社長との苦い経験が後押ししているとはいえ、かなり顧客への気遣いが強い印象を受けました。

また、秋谷さんの顧客視点というのは、生半可なものではなく、かなり信念を持ったものだと推察されます。

「顧客第一主義」「顧客視点」が重要であることは多くのところで語られていますし、それを大事にしている営業マンも多いと思います。

しかし、顧客視点の意味を履き違えて、「お客さんの言うことはすべて正しい」と考えている人もいます。

お客さんに「高い」といわれれば「商品が高すぎるのが悪い」とか、「他社の商品の方が良い」といわれれば「当社の商品は劣っているのであまり勧めない方が良い」などを考えている人です。

これは、単にお客さんの断りに恐怖を感じて逃げているだけで、本当の意味での顧客視点とは言えません。

本当の顧客視点を徹底するのであれば、「高い」もしくは「他社の商品の方が良い」といわれたことに対して、「お客さんの不満を解消するために自分自身がもっとできることは無いのか」と考えるのが本当の顧客視点だと思います。

秋谷さんは他の人が嫌がるクレームにも誰よりも迅速に対応している姿勢からも、前者ではなく、後者の顧客視点だと確信しております。

そんな「真の顧客視点」を徹底しているからこそ、成果を上げ続けているのではないかと分析しています。

 

第19回リアルトップセールスインタビュー

高石さん

第19回のリアルトップセールスインタビューは鍋清の高石さんです。

鍋清(株)は、創業136年の歴史を持つ老舗の産業機械部品商社です。ベアリングの販売を主力としている商社ですが、メーカー機能もあり、アルミ製の安全柵においては、設計・制作・設置までを一貫して行っている企業です。

そんな老舗企業の鍋清さんには、営業が40名ほどいます。

その40名いる営業の中で一際、抜きん出た業績をあげているのが高石さんなのです。

高石さんは、毎年、年間成績が優秀だった社員に授与される社長賞を過去に「3度も」獲得しています!

また、入社2年目で単月の売上達成率が200%となるような業績を樹立するなどしながら12年間の営業人生の中で、初年度とリーマンショックの影響が大きかった2009年以外はすべて与えられた予算を達成してきたとの事なのです!!

鍋清さんのお客さんは自動車関係や工作機械など、リーマンショックの影響をモロに受けた業界です。

そのため2009年は、あえなく予算未達成となりましたが、基本的には、超例外の天変地異が起こらないかぎり、必ず予算を達成する男なのです!!

そんな高石さんに営業の極意をお伺いしてきました。

■売るための秘訣とは?
いつものごとく「売るための秘訣は何ですか?」とお尋ねしたところ衝撃的な言葉が返ってきました。

それは、、、

「買ってくれとお客さんに言うこと」

だというのです。

「はい?」と耳を疑いました。

世間一般で紹介されている営業ノウハウは、どんな書籍を読んでも「売り込みはNG」です。

「売り込むから売れなくなる」ということを訴えかけているものが多い中、高石さんはまったくその真逆のことを話されたのです。

この言葉の真意を更に聞いていくとこんな言葉が返ってきました。

「最近は、はっきり買ってくれといえない営業が多くなってきています。中には、自分の知識を披露して、お客さんに感心してもらって満足して帰っていく営業もいます。我々は営業である以上、買ってもらうという目的を忘れてはならないと思います」

と話していたのです。

確かに、ここ最近、数々の営業同行をこなす中で私も思うところがあります。

それは、売り込むことが良くないという考えが広まる中で、「うちから買ってくれなくても良い」とか「お客さんの方でご判断いただければ良いです」ということをアピールしすぎている人が多くなっているように思えるのです。

お客さんから信頼を得る上で、このように話すのは良いとは思うのですが、あまりにも度が過ぎていて、逆に「この営業マンはやる気あるのかな?」と思えるぐらいひどい営業もいます。

正直、「お客様のことを最優先に考える」という言葉に隠れて、ただ単に「買ってくれ」ということを怖がっているだけのようにしか見えないのです。

高石さんの言葉は、正に「営業のミッションを忘れるな!」という生ぬるい営業への戒めの言葉であり、営業が「売る」ということに目を背けてはいけないことを訴えかける話であったように思えます。

そして、この率直に「買ってくれ」と話すことはお客を見極める上で大きな効果を得ることができると思います。

どの書籍で読んだのか記憶が定かではないですが、トップセールスと凡人営業の違いの中で、こんな言葉を残していた人がいました。

それは、

「凡人営業はお客に『イエス』を言わせることに専念するが、トップセールスはお客にできるだけ早く『ノー』といわせることに専念している」

という言葉です。

高石さんのように、率直に買ってくださいという話から入ると、本当に必要ないお客さんは、その理由を明確に答えてくれると思います。

しかし、単に営業されることに恐怖を感じているお客さんは明確な理由が答えられないと思うのです。

高石さんのように、買って欲しいことを最初に明確に伝えることで、顧客の見極めが早々にできるはずですし、早々に見極めができれば買う気のない無駄なお客さんに時間を使うことなく、営業活動ができるのではないかと思います。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

「予算達成しても力を緩めないこと」

だそうです。

営業のほとんどは目標であったり予算であったりノルマを達成することを会社から求められていると思います。

高石さんは会社から与えられた予算を達成しても営業スピードを緩めることなく、売れるだけ売ろうとしているとの事です。

普通の営業であれば、予算を達成していると「これ以上やる必要があるのですか?」といわんばかりの顔をしています。

そして、私自身も予算を達成していれば、そのような態度を取っていてもある意味良いと思っていたりもします。

しかし、高石さんに話を聞くと、その考えは間違っているというのです。

高石さん曰く

「もし、予算を達成しているからという理由でもう営業しなくて良いという理屈が成り立つのであれば、予算の達成率が50%になった時に給与が半分になっても文句は言えない」

というのです。

しかし、今の企業は予算の達成率がいくら悪くても、しっかりと給与を支払ってくれます。

会社は社員に対してしっかりと義務を果たしてくれているのなら、当然、営業側も義務を果たさなければならない、というのです。

会社が給与を支払うというのが義務であるのなら、営業は予算を達成させる義務があります。

そして、会社が社員にもっと多くの収入を得てもらいたいと思うのと同様に、営業も最低限の予算を達成させる仕事だけでなく、更に売上を上げることを考えなければならない、ということなのです。

「反論できません(汗)私の考えが間違っておりました」(水田)

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
高石さんがトップセールスになるにあたっての転機は入社1年目にありました。

それは、入社1年目で営業のイロハも分からない時代に、営業のやり方を教えてもらった工場長との出会いにあります。

高石さんは当時、営業のやり方をまったく知らない入社1年目の新入社員だったのですが、そんな新人営業の高石さんに工場長はこのように営業して来いとアドバイスをしたのだそうです。

「お客さんの要望はすべてできると言って帰って来い」
と言われたのだそうです。

高石さんはこの言葉どおりに、お客さんの要望についてすべてできると返答し、その要望に答えるべく、工場長と一緒になって開発に当たったそうです。

「すべてできる」と返答した以上は必死に要望に応えるべく試行錯誤を繰り返さざるを得なくなりました。

しかし、顧客の要望を必死に実現しようと試行錯誤を繰り返したおかげで、2年目にはようやく実を結び、単月予算の倍の金額である1案件で3000万の受注を獲得し、単月の予算達成率200%を実現したのです。

この経験を通じて、顧客の要望に必死に対応するおもしろさを体験するのと同時に、自社の柔軟な対応力を実現させている一貫生産体制やコスト競争力を目の当たりにする事で、本当に自社のすばらしさを実感したとの事なのです。

これ以来、高石さんは自社の商品に圧倒的な自信を持つようになり、お客さんにも強く勧めていくことができるようになったのです。

また、このすばらしい自社の生産体制を維持するためには、外注化している他社よりも売上を多く積み上げる必要があることも理解したため、予算の達成如何に関わらず、売上の最大化を図るようになったとの事なのです。

■水田チェック
高石さんの営業力の源泉は「自社の商品は本当に良いものだ」と感じている点にあると思います。

「自社の商品が本当に良い」と感じることができれば、お客さんに勧めるときにも強くアピールすることができます。

自信なさげに商品を勧められるよりも自信をもって勧められた方が、当然お客さんにとっては安心できます。

商品を使用していない中で、お客さんに決断を促す要素として営業マンが果たす役割は大きいです。
そこで、「頼りになりそうか」「頼りなさそうか」では決断に大きな差を生みます。

お客さんは高石さんの自信を持って進めている姿に「頼りになりそう」と感じて、購入するという決断をしているのではないかと思えます。

これを読んでいて、「高石さんの取り扱っている商品・会社の仕組みは差別化があるものだからいいよね」と感じた方もいるかもしれませんが、おそらく商品が圧倒的な差別化要素を持っていたから高石さんが自信を持てた訳ではないと私は思っています。

工場で作っている人の思い、こだわりを、体験を通じて感じることができたので、商品の良さを他の人よりも実感できているからではないかと思います。

人は、「強いものについていきたい」という欲求があります。
リーダーシップを発揮する人、強い人物には魅力を感じるのです。

これと同様に、強い主張があること、強いこだわりを持っていることは、人に魅力を感じさせるものなのです。

皆さんも、あまり興味がなかった企業の商品について、ある日ふと見たテレビ番組で、その企業の商品開発秘話などを聞いた瞬間に、興味が湧き出し購入してしまったという経験はないでしょうか。

おそらく、高石さんは工場のこだわりを感じ、そのこだわりをお客さんに伝えることができているからこそ、トップセールスになっているのではないかと考えています。

 

第18回リアルトップセールスインタビュー

藤本さん

第18回のリアルトップセールスインタビューは日立メディコの藤本さんです。

藤本さんは医療機器の販売を行っており、お客様は病院に勤務しているドクターや技師さんになります。

藤本さんは営業総数が300名いる同社の中で、“唯一”「19期連続!!!※」の予算達成をしている人物なのです!!
※半期で1期とカウントするため年数換算で9年半

こんなに長期間、まったくブレることなく、予算を達成するのは超人的な領域です!

今回は、同社の営業企画室の室長代理からのご紹介ということもあり、支店規模ではなく、全国規模で目立つ存在であるトップセールスなのです!!

そんな藤本さんに今回もトップセールスになるための極意をお聞きしてきました!!

■売るための秘訣とは?
売るための秘訣・・・それは・・・

「会う価値のある人間と思わせること」

だそうです。

医療関係の方はよくご存知だと思いますが、藤本さんが相手にしているお客様はドクターです。

ドクターといえば、いつもオペや外来などで常に忙しく仕事をしている方々です。
そのような方々に、話を聞いてもらう時間を割いてもらうのは至難の業です。

私も医療関係の営業マンに同行したことがありますが、オペが終わり医局に入るまでの通路で歩きながら話しかけるMRや医療機器営業の姿は、他業種の営業活動とは違い、異様な雰囲気だったことを覚えています。

ほとんど話を聞く時間を取ってもらえない上に、その少ない時間を他のMRや医療機器営業との取り合いになることも考えると、医療関係の営業マンって本当に大変だなぁと思います。

そんなお客さん(ドクター)に時間を取ってもらうのが難しい業界で、重要なことは「会う価値がある人間だと認識してもらうこと」と藤本さんはお話されました。

「会う価値がある」と認識されると、非常にアポも取りやすくなる上に、急に訪問しても会ってもらえる可能性は飛躍的に上がるのだそうです。

では、ドクターに「会う価値がある」と認識してもらうためにはどうすれば良いのかとお尋ねしたところ、このような回答が返ってきました。

「人脈情報を提供してあげる」のだそうです。

人脈情報というのは、他の病院のドクターの動向を伝えることです。

ドクターが興味関心を惹くのは他のドクターの動向であり、「目指しているドクターの動向」「自分の専門としている分野の権威のドクターの動向」「ライバル視しているドクターの動向」などは、興味関心を湧きたてる一番のネタになるそうなのです。

ドクターも最新の技術をキャッチアップしたい欲求もありますし、ライバル視しているドクターには負けたくないという欲求もあります。

その欲求を刺激することで、会う可能性を高めているということなのです。

会うことが難しい相手に、頻繁に会うことができるようになれば、案件を拾う確率は飛躍的に上がります。

多忙なお客様ほど、商品を吟味する時間は少ないため、ニーズが発生したときに、いかにタイミングよく、目の前にいるかは、かなり大きなポイントになります。

藤本さんは人脈情報を提供することで、他の営業マンと比べて接触頻度を高く保てるため、他の営業マンよりも案件を拾ってくる数が多くなり、必然的に成約の数も増えているのではないかと思います。

ただ、人脈情報を提供するときには気をつける点もあると藤本さんはおっしゃっていました。

毛嫌いしているドクターの話を持ちかけると、逆に機嫌が悪くなるドクターもいるため、何気なく話をフリ、顔色が曇ったり、話題を変えられたりした時は、そのドクターの話は振らないようにしているそうです。

そんな微妙な駆け引きを続けながら、ドクターに価値ある存在と認識させ、そして受注を量産しているのだそうです。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

「1年後を想定して営業活動をすること」

とおっしゃっていました。

目の前の刈り取りばかりを考えて営業をしていると苦しいばかりですし、売りのにおいがしてしまうのでお客さんからも嫌われます。

今すぐ数字にしなければならないと考えて営業するのではなく、1年後の数字を着実に積み上げる感覚で営業を仕掛けるのがコツだそうです

但し、短期的な数字を追う仕事をまったくやらない訳ではありません。

当然ながら、短期的な数字も追いかけます。

しかし、その比率が人よりも圧倒的に少なく、常に1年後の案件固めの動きに重きを置いて営業活動するように意識をしているのだそうです。

この活動が習慣づいてくると、翌年の期首には今期の案件が既に積みあがっており、短期的な案件を追いかける必要性は少なくなり、また来期の案件獲得の動きができるとのことなのです!

1年後の話など、ほとんどの営業マンが近くなってからまた確認すれば良いかと考えがちになりますが、藤本さんは1年後の案件の話を現時点から着実に進めていくのです。

1年前からしっかりと唾をつけておけば、いざその時が来た際に他の営業マンが営業を仕掛けようとしても入る余地がありません。

藤本さんは競合が入る隙間を作らないように、誰も手をつけようとしない段階から案件確保に動いているのです。

(こんな営業がライバル企業にいたら嫌でしょうなぁ~)

流石です!!

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
これは先程の「1年後を想定して営業活動をすること」の考え方の基礎となった出来事です。

藤本さんは若かりし頃に、ある成功体験を積んだそうなのです。

その成功体験とは、お客さんの5年後の病院の新設案件だったそうです。

5年後の話となれば、ほとんどの営業が、話が具体的になるまでに放置にしがちです。

しかし、その案件に常に接点をはかり、医療機器の話ではなく、建設に絡む話をしていったのだそうです。

日立メディコさんといえば、日立グループのひとつです。
当然、グループ企業の中には様々な業種・業態の会社があります。

そのグループのメリットを活用し、エレベーターの導入や様々なグループの商材を提案したのだそうです。

そうこうしている間に時が経過し、建設の日が近づいてきたのですが、ある日お客さんにこのように言われたのだそうです。

「ところで、あなたは何を売っている人だったっけ?」

と質問してきたのです。

そこでもともとの本業は医療機器だということを伝えると、その新築の病院すべての医療機の案件の仕事を貰うことができ、「総額4億円」の受注につながったのです!!

お客さんも、藤本さんに色々と相談に乗ってもらっていたこともあり、色々な背景を知ってくれている存在でもあります。

医療機器においても、新たに営業マンを呼び「1」から色々な背景を説明するよりも、既に事情をすべて把握している藤本さんにお願いする方が楽だと考えたのだと思います。

また、長年相談しておいて、いざ仕事だけは他に振ることは日本人にはなかなかできないことなのではないでしょうか。

このような成功体験があったことで、長期的に案件を追いかけるメリットを体験することができたのです。

■水田チェック
藤本さんの営業力の強さの秘訣は、「最優先事項に着眼している点」だと思います。

7つの習慣で有名なスティーブン・コヴィー氏は、時間管理をうまくするために、緊急性と重要性のマトリックスを作り、仕事を以下のように4分割して管理することを提唱しています。

第1領域:緊急かつ重要なこと
第2領域:緊急ではないが重要なこと
第3領域:緊急ではあるが重要ではないこと
第4領域:緊急ではなく重要でもないこと

この中で第2領域を最優先して行うことを強調しているのです。

多くの人が、緊急であることが重要なことだと勘違いし、重要でないことで時間を浪費したりします。

第1領域の「緊急かつ重要なこと」も、元々は第2領域である「緊急ではないが重要なこと」を放置しておいた結果に発生したものだと言います。

事前に準備をしておけば、緊急になることはなく、重要なことを常に最優先して行うことが時間管理の究極の手法であると伝えているのです。

藤本さんは、営業で実績を上げる上でもっとも重要視しなければならない最優先事項を明確に認識し実践しているからこそ、業績を上げ続けられているのです。

では、営業で実績を上げる上での最優先事項とはいったい何でしょうか?

それは

「種まきの時間」

だと思います。
※我々の用語でいう「白地活動」です。

この活動にフォーカスして動いているからこそ常に安定した案件を保有し、業績を上げ続けることができているのではないでしょうか。