第29回リアルトップセールスインタビューズ

津曲さん

第29回のリアルトップセールスインタビューは(株)アクセスの津曲さんです。

今回ご紹介する(株)アクセスは、求人サイトや雑誌などで求人広告の企画・制作を通して、企業の採用活動を支援している広告代理店です。

インタビューさせていただく津曲さんはこのアクセスという会社を27歳で立ち上げ、同社をリクルートトップパートナー代理店にまで押し上げました。

津曲さんは現在、社長という立場でありながら、まだまだ現役の営業マンです。
津曲さん曰く、「営業以上におもしろい仕事は他にない」とのことで、根っからの“営業大好き経営者”なのです。

そんな津曲さんの経歴をお伺いすると、最初は営業のエリート集団であるリクルートで勤務し、そして4年間の営業経験を積んだ後に独立したとのことでした。

リクルート時代でも求人広告の営業を行っておりましたが、その営業マン時代の実績を聞いて驚きました。

新規開拓の実績が
1年目:150件
2年目:200件
3年目:150件
4年目:50件※
※4年目は営業マネージャーとなり、部下育成に力点を置かざるを得ず、実績が50件となっています。

そしてこの後に独立したのですが、その後も
5年目:150件
6年目:200件

6年間で「累計900件」も新規を開拓したのです!!

こんな求人広告営業のプロフェッショナルである津曲さんに、売るための秘訣をお聞きすると「営業とは3つの方程式から成り立つ」とおっしゃいました。

その方程式とは、

「努力」×「好奇心」×「マーケティング」

この構成要素を一つひとつ分解してご説明します。

① 努力
津曲さんは営業のエリート集団といわれるリクルートで、最初の営業時代を過ごしています。

リクルートで華々しい営業マンデビューを果たしたかというと、実はそうではなく、最初は売れない日々が続いたそうです。

上司の教えで、1日100件以上の飛び込みを行えという指示を、愚直に実行していたのですが、飛び込めど飛び込めど、なかなか成果は上がりませんでした。

同僚が新規開拓でどんどん成果を出していくのを尻目に、まったく売れない日々が続いたのです。

そして毎日100件の飛込みをこなす中で成果が出ないことに虚しくなり、ある日突然、無断欠勤をしたのです。
「どうせ俺なんて、あいつらみたいに才能もないし、容姿がいいわけでもないから、いくら営業をやってもムダ」
と諦めムードでぼーっと「笑っていいとも」を見ていたのですが、そのうち…

「やっぱりダメだ!このまま諦めたらまたパチプロに逆戻りだ、会社に戻らなければ・・・」
※リクルートに勤務する前はパチプロだったそうです。

と思い立ち、会社に戻りました。

会社に戻って、当日アポを取っておきながら、ブッチした企業に謝りの連絡を入れたところ、なんとその企業と会話を進めていくうちに受注につながったそうです。

そしてその企業だけでなく、その翌日も受注があり、更にこれまでまったく反応がなかった顧客から、トントン拍子に問合せが増えていきました。

この出来事は、津曲さんが飛び込み訪問をし始めてから約1ヶ月半後の出来事であり、3000件の営業活動(稼働日30日×100件)を行った時期だったそうです。

この体験から津曲さんは「営業の閾値」を感じたそうなのです。
※閾値(いきち)・・・ある反応を起こさせる最低の刺激量

水が0℃になると氷になり、100℃を超えると水蒸気になるように、営業もある一定の値を超えると、反応が返ってくるということなのです。

この3000件という数字に閾値を感じた後、津曲さんは更なる反応を得るために、更に飛び込み訪問を増やしていったのです。

そして、「来年入ってくる営業マンがどこに行っても、『津曲』という名前が出てくるぐらい、ローラー作戦で名古屋市内の企業を全て回ってやろう!」と考えたのです。

結果的に名古屋市16区内の11区に関しては、当時の企業の全てを回り切り、ダントツの成功を収めたのです。

この経験から物事には「閾値」というものがあり、「ある反応に達するために、限界値までやりきる」ということが、自分自身の中での教訓になったそうなのです。

② 好奇心
「営業は好奇心を持つことによって自然と売れるようになる」と津曲さんはおっしゃっていました。

商品説明がうまくできなくても、相手のことに好奇心を持ち、話を聞いているだけで熱意を感じてもらえるというのです。

そして、こんな話もしていただきました。

「相手に60分間話し続けても、誰も営業熱心だとは思われないが、60分間相手の話を聞き続けると『あんた、熱心だね』と言われます」

なるほどその通り!と思わず唸ってしまうフレーズです。

「人はみんな教え好きであり、語り好きなんですよ」

とおっしゃる津曲さんは、商談時間の8割は聞くことに時間を当てています。

しかし、聞くことに多くの時間を割くといっても、話が詰まってしまう人のために私は、更に鋭く突っ込みを入れてみました。

水田「津曲さん、“聞く”といってもなかなか質問に答えてくれない無愛想な人もいると思うのですが、何を聞いているのですか?」

と質問すると、営業において極めて重要なことを話してくれたのです。

津曲氏「私は、まず『相手の仕事のこと』を聞きます、そしてその後は『会社の成り立ち』そして最後に『趣味や奥さんのこと』まで聞けるようになれば、もう信頼関係は構築されていますね」

私はこの話を聞いたときに、これこそまさにトップセールスの雑談の型ではないかと、心を躍らせました。

よく営業で、いきなりプライベートな話をする人がいます。
しかし、見ず知らずの人に「ゴルフ好きなんですか?」と言われても、「いったい何なの?」という反応をされるのもよくある話。
まず、相手と雑談をするのであれば、その会社の仕事内容や業務のことからスタートすると違和感がありません
そして相手の仕事の話で盛り上がってきたところで、会社のこれまでの生い立ち、そしてその将来の話を聞けるレベルにまで達して、ようやく趣味や個人の話ができるのではないでしょうか?

津曲さんは経験値で雑談の型を確立しており、そして雑談の内容で相手との信頼関係の深度を図る指標も持っているのです。

但し、これはテクニックですが、この手法が生まれた背景には好奇心が欠かせません。
「お客様を知ろう」という好奇心抜きで、うまくできる手法でありません。
好奇心はあるのだが、うまく話を聞くことができない営業マンには是非とも参考にしていただきたい内容です。

③ マーケティング
「初回訪問の目的は2回目訪問するべきかどうかをジャッジするためのもの」と津曲さんは断言します。

常にすべてのお客様に平等に営業をかけるのではなく、営業で実績を上げるためにお客様を選別して、営業を仕掛けているのです。

これは至極当然のことで、「営業たるもの実績を上げてナンボ」です。

当然のことながら、依頼をくれやすいお客様と、そうでないお客様に分けて“営業の濃淡”を変えていく必要があるのです。

そこで、求人広告営業としての見極めのポイントを聞きたい私は、津曲さんに聞いてみました。すると、次のような答えが返ってきました。

見極めのポイント、それは、

「事業への積極性」です。

求人広告は人材を増やす意志のある企業がよく活用します。

つまり、人材を増やす計画がある企業ほど、求人広告が必要とされます。
そこで確認するのは「将来のビジョン」です。

経営者の将来のビジョンを聞くことができれば、必然的に事業に積極性があるかないかを判断することができますし、拡大意欲のない企業に無駄な時間を費やすこともなくなるのです。

津曲さんは、この事業の積極性を先ほどの雑談の中から拾い出し、そしてその内容から、「A見込み、B見込み、C見込み、思い出名刺」とランク分けを行い、優先順位を付けていったのです。

この「努力」×「好奇心」×「マーケティング」が、津曲さんの経験値から得た営業のノウハウであり、この一つひとつの言葉に非常に深い意味と体験談があることが伺えました。

津曲さん、ありがとうございました。

■水田チェック
津曲さんの話で、私が特段興味を持った内容は、やはり「雑談の型」です。

これまで提案営業やヒアリングの手順などを解説しているノウハウ本はありますが、雑談だけにフォーカスして営業の型を持たれていたことは非常に興味深いことでした。

また、この雑談の型も非常に秀逸な手順になっており、よくよく考えるとこの手順がいちばん自然だし、相手も話がしやすいだろうなと感じました。

提案営業の仕方みたいなノウハウ本もありますが、提案営業も結局は信頼関係という土台がない限り、活用しても効果は発揮しません

このような信頼関係を構築するための「雑談の型」は、巷の営業本にはなく、リアルなトップセールスだからこそ、経験値から掴み取り、そして体系化できたノウハウではないかと思います。

■インタビュー企業
社名:株式会社アクセス
住所:愛知県名古屋市中区丸の内3-6-27 EBSビル3F
TEL:052-963-0521
URL:http://www.access2000.co.jp/

第28回リアルトップセールスインタビューズ

中村さん
第28回のリアルトップセールスインタビューは林木材の中村さんです

林木材さんは工務店や材木店、家具工場などに建材を販売している商社です。

住まい作り・店作り等、あらゆる空間に、快適で環境にやさしい商品を幅広く取り揃えており、神戸・姫路を中心として営業を行っています。

今回インタビューした中村さんは当社会長のご子息でもあり、12年前に当社に戻って家業を切り盛りされており、今は常務という立場です。

しかし常務という立場でありながら、管理よりも営業が大好きで、現役営業マンとして今でもガンガン売っているトップセールスなのです。

中村さんは12年前に戻った当初、新規開拓を行っていなかった当社の営業スタイルをみて「まだまだ拡販する余地がある」と思い新規開拓をスタートさせました。

新規開拓では、当時取引のあった材木店や家具工場の客数アップは当然のことながら、これまで着手していなかった異業種の工務店への販路も切り開き毎年30%前後の売上アップを続け、なんとたった6年で会社の年商を『2倍』にしてしまったのです!!

そんな新規開拓を得意とする中村さんに売るための秘訣を聞いてきました!!!!

■売るための秘訣とは?
私は中村さんの営業ノウハウを引き出そうと思い、「売るための秘訣って何ですか」とストレートに聞いてみました。

そうすると、中村さんこう答えてくれました。

中村氏「普通にやっていれば売れますよ」

水田「うっ!!(これはもしやトップセールスによくある売れているのが当たり前すぎて人と何が違うのか気づいていないタイプか?)」

そう思った私は更に中村さんに突っ込みを入れました。

水田「じゃあ、他の営業と中村さんとでは何が違うと思いますか?」

中村氏「う~ん・・・・、よく他の営業は話すネタがないって困っているな~~」

水田「(チャンス!何か分かりそうだ)新規開拓をしている多くの営業の方が2回目、3回目に行った時のネタがないって困っているのですが、中村さんは何を話しているのですか?」

中村氏「何を話しているって・・・別に何気ない雑談レベルの話ですけど」

水田「雑談ネタってどうやって探してますか?」

中村氏「名刺のことをネタにしたり、事務所にゴルフバックがあればゴルフの話したり、カレンダーに企業名が載っていたらだいたい取引先なのでそれを話題にしてみたり、建屋のこととか、場所柄とかの話かなぁ?」

中村氏「雑談のネタ元かぁ~、毎日こんなもので情報は収集していますけど、ちょっと待ってください」

そういって中村さんは自分の机からパソコンを持ってきてくれたのです。

中村氏「これで毎朝情報を収集していますね」

パソコンの画面を覗き込むと、「日経テレコン」の画面だったのです。

中村さんは日経テレコンのクリップ機能を活用して、取引先、業界などに関連するキーワードをクリッピングしておき、キーワードに関連する情報がアップされていないか毎日チェックしているというのです。
(こちらの機能は記事がアップされるとメールに転送される機能もあるようです)

そして私はこのように質問すると更に情報収集のコツを教えてくれたのです。

水田「いつも検索されたすべての記事に目を通されているのですね」

中村氏「時間がない時は見出しぐらいしか見ないよ。それでも十分、雑談のきっかけにはなるけどね」

ここは超重要なポイントです。

そうなのです。記事すべてに目を通さずとも相手に話題を振るだけで、相手は自分に関連する情報ということもあり、勝手に話し出すのです。

雑談といえば何かこちらが話し続けないといけないというイメージがありますが、本当にうまい雑談はそうではないのです。

きっかけをうまく放り込むことで相手が自動的に話しだしてくれるのです。

そして雑談ネタがいつでも出せるのは、センスでもなんでもなく、日頃、情報収集の積み重ねをしっかりしているからこそできることなのだと中村さんを見ていて痛感しました。

(積み重ねといってもこの方法なら飛躍的に情報収集が楽になりますね。この方法はパクらせて貰います)

■成果を上げるために心がけていることは?
中村さんが成果を上げるために心がけていることは、

「モノ+情報」の提供です。

現在のビジネスは商品だけでは競合と差別化することはしづらく、かつ値下げもギリギリのところまできているため、いかに商品以外のところで付加価値を付けていくかが競争を制するポイントになります。

そして中村さんは商品に付加価値を付けるためにやっていることというのが「情報提供」なのです。

その情報というのは主に『国策』などで、ここ最近では地域型住宅ブランド化事業などの補助金制度を取引先に提供するのです。

取引先が大手になるとこのような情報は既に分かっているケースは多いのですが、相手が中小の工務店であれば、実はこのような情報をタイムリーに掴んでいないことが多いのです。

そして単に情報を提供するだけでなく、その申請の方法までをお客さんに提供してあげるのです。

このような情報をいち早くキャッチするために、中村さんはネット情報だけでなく、保険代理店など専門家が主催している勉強会に月1回は参加し、情報収集をマメに行っているのです。

「商品にどのような付加価値を付けるか」

これは昨今ではどの業界もテーマとしていることだと思います。

「いかに有益な情報を付加できるか」

業界は違ってもあなたは大きなヒントを得ることができたのではないでしょうか?

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
中村さんは今のように情報収集をしっかりするようになったのはある保険営業との出会いがあったからだそうです。

その保険営業とは九州に在住していた時の保険の担当者で、いつも会話をすると感心させられることがあったそうなのです。

それは

「話題が尽きない」

ことです。

普段は連絡しても常に外出しており、女手ひとつで子育てもしていたこともあり、非常に多忙な方だったそうです。

しかし、急がしいはずのその営業担当者とひとたび会話をすると、非常に業界に精通しており、話題に尽きなかったのです。

そして中村さんがなぜそんなに忙しいのに話題に尽きないかを尋ねたところ、教えてくれた情報収集方法が、あの「日経テレコン」での情報収集だったのです。

それ以来、中村さんも同じ手法で効率的に情報収集を行って話題の尽きない人物となっていったのです。

■水田チェック
中村さんの営業力の強さの秘訣は、もうお分かりのとおり効率的で、かつ効果的な情報収集の方法だと思います。

よく雑談ネタで天気の話をしたり現在の市況の話をしましょうというのがありますが、実はこのようなネタは、返事はしてくれるのですが、あまり話題が盛り上がらないことが多いのです。

なぜ、話が盛り上がらないかというと、相手に直接関係がない話が多いからです。

「人がいちばん興味・関心を持っていることは何かご存知でしょうか?」

人がいちばん興味・関心を持っているのは『自分』なのです。

他人のことよりも圧倒的に自分のことに興味があるのです。

税法という小難しい話でも自分のお金に関わるということになると途端に興味・関心が湧きます。

それと同じなのです。

なぜ、中村さんが日経テレコンの見出しだけを確認するだけで話題が続くのかというと、その話題が相手に関係することだからです。

だからこそ話が続くのです。

この情報収集の方法は非常に有用だと思います。

というか私はこの手法をすぐに真似しようと思いますので、早速登録いたします。

(ネット検索すると、楽天証券で口座を開設すると日経テレコンの情報が無料だと調べましたので、早速やってみようと思います!!)

■インタビュー企業
社名:林木材株式会社
住所:兵庫県神戸市兵庫区湊町2-4-1
TEL:078-575-3610
URL:http://www.hayashi-mokuzai.com/index.html

第27回リアルトップセールスインタビュー

山口さん
第27回のリアルトップセールスインタビューはアフラック生命の山口さんです。

山口さんは保険営業といってもお客様に直接販売しているのではなく、代理店を通しての販売です。

営業は主に保険代理店への販売促進であったり、代理店を開拓するという業務になります。

山口さんが勤務する会社の予算設定は非常にシビアで、市況の変化に関係なく、毎年、前年比+10%前後で組まれるとのことで常に右肩上がりを想定した予算設定になっています。

そんな厳しい予算設定の中、なんと山口さんは営業を始めてからの10年間で、ほとんど予算を達成しており、戦績は7勝3敗という輝かしい実績を残しているのです!!

それだけではありません。

過去に年間表彰5部門中3部門を、山口さんが総なめにするなど、数々のタイトルを獲得しております。

また、予算金額の大小は、担当する代理店の大きさ・数に左右されるのだそうですが、山口さんは10年間すべて支店で一番の大きな予算を設定されているそうなのです。

これは毎年、大口客を任せられているということであり、その事実から当社が山口さんに対して絶大な信頼を寄せている証拠でもあると考えられます。

そんな社内からも信頼の厚い山口さんに代理店営業のノウハウをお聞きしてきました!!

■売るための秘訣とは?
今回は直接販売でなく、代理店営業というこれまでと違った切口ですので、代理店・問屋・パートナーを経由して販売している営業マンに非常に役に立つ内容ではないかと思い、私も興味津々で話をお伺いしてみました。

水田「山口さん、是非代理店営業の秘訣を教えてください」とお伝えするとこのような秘訣を教えてくれたのです。

代理店営業の秘訣、それは、、、

「解決策を提示しない」

当社では、代理店との癒着が万万が一にも発生しないように、2年周期ぐらいで代理店の担当変更を行うそうです。

2年程度で担当が変更されるのであれば、代理店に自社の商品の販売強化を促し、実績を上げるだけ上げたら、「サヨナラ」という割り切ったお付き合いをしている営業も現実的にはいると思います。

しかし、山口さんは短期的な業績アップを考えるのではなく、代理店がうまく営業できるようになることを常に最優先しているとのことなのです。

短期的な業績アップを追うよりも代理店の長期的な成長を考えて接した方が、結果的に業績が上がるというのです。

では、代理店がうまく営業できるようにやっていることは何なのかが気になった私は、その具体的な手法を聞いてみたのです。

そうすると山口さんは、代理営業のノウハウをシリアスに語ってくれたのです。

山口さん「私は代理店さんに対して『●●した方がいいんじゃないですか』とか『●●について聞いてみてください、●●保険の提案につながる可能性があるかもしれません』といった直接的なアドバイスはしません。直接アドバイスするのではなく、相手に気づいてもらうようにしています」

水田「へー、どうやって相手に気づかせるようにするのですか?」

山口さん「例えば、代理店さんと話をしていて、お客様の家族情報まで聞くことができれば色々な提案ができると分かっても直接、『ご家族の情報を聞いてください』とは言わないのです」

山口さん「こちらも気づいていないフリをしながら、自分が保険に加入した体験談や他のお客様での体験談を話題にしながら相手に気づいてもらうように示唆しています。相手に気づかせることができれば、その代理店さんはすぐに動きますし、次回同じようなシチュエーションに会った時に自然と気づくようになるのです」

水田「なるほど、でもよくそこまで我慢できますね。私だったら言ってしまいそうですけど」

山口さん「自分のことだけでなく、相手の今後のことも考えれば直接的なアドバイスよりも気づかせた方がより商品知識が身につきますし、実は遠回りに見えますが、結果的にはこちらの方が早いし効果は高いのです」

これは代理店に動いてもらわないと契約が増えないという制約のある営業スタイルで、非常に参考になる話ではないでしょうか。

実績を上げるためには、代理店に具体的にお願いして動いてもらうことを早いと発想してしまいがちです。

しかし、実際に手取り足取りやっていては代理店も育たないし、自分自身も手間がかかるばかりなのです。

代理店やパートナーの販売力を強化するためには、直接的なアドバイスで動いてもらうよりも「気づきを与えること」に専念した方が効率的なのです。

この事実をどれだけの代理店営業の方が気づいているでしょうか?

苦労ばっかりして予算がなかなか達成しない営業マンには大きな気づきがあったのではないでしょうか?

また、山口さんはお客様や代理店のニーズが自社の商品で満たすことができないと判断すると迷わずに、他社の商品や営業マンを、人脈を活用して紹介します。

そこまでして代理店のことを考えているのです。

解決策を提示しなかったり、結果的に他社商品がニーズを満たすことになろうとも、代理店のことを最優先に考えて活動することが山口さんの良さでもあり、代理店に支持される営業マンとなっている理由ではないでしょうか。

「代理店に育ってほしい」という姿勢が相手の好感を呼び、信頼関係を深めることで代理店がいの一番に相談する営業マンになっているのではないかと思います。

山口さん、ありがとうございます!!

■成果を上げるために心がけていることは?
気づきを与えるプロフェッショナルの山口さんが成果を上げるために心がけていることは、

「大量のコミュニケーション」

です。

山口さんは、お客さんとの接点をできる限り増やすことを心がけています。

過去1日1~2件のお客様との接触回数を、現在はその8倍にしているそうなのです。

そして、山口さんはマネージャーでもあるため個人予算だけでなく組織の予算達成の責任も持っています。

そこで山口さんが実践されていることは、お客さんだけではなく、部下とのコミュニケーション量もこれまでの2~3倍を心がけるようにしているとの事なのです。

山口さん曰く、
「部下とのコミュニケーション量を増やすことで飛躍的に相談される数が増えました。そのおかげかどうかは分かりませんが、部下の実績も向上して、前年対比7%アップの予算だったにも関わらず、予算は十分に上回りました」

「あと、昨年は組織の予算を達成させただけでなく、周りからの定性評価も非常に高く、コミュニケーション量って本当に大事だなと実感しちゃいました」

山口さんは、コーチング技術がなくとも、部下を見捨てない覚悟とコミュニケーションの量を担保すれば十分に部下は育つと確信しているようです。

そしてこんなことも話してくれました。

言葉は何を言うかよりも誰が言うかの方が大切です。なので私は部下に憧れられる存在になれるようにしていますし、憧れられる存在になるために2つのことを心がけています。ひとつは『自分が実績を出すこと』もうひとつは『逃げないこと』です」

保険業界では保険適用外のケースでも保険金を求められトラブルとなるケースが多いようです。

そのようなクレームが部下にあった際に自分から出て行き、そのトラブルを解決するようにしているらしいのです。

「男前ですね」と私が話すと、

「結構ムリしてますけどね(苦笑)」

と。

その表情から「本当に大変そうだな(汗)」と思わず思ってしまいました・・・

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
トップセールスになるにあたってのきっかけは沖縄で営業していた時のことです。

山口さんは沖縄で営業していた時に、うまく沖縄の地域特性を捉えることができず2年間実績が低迷していました。

2年前後で転勤になる仕組みの会社ですので、山口さんはそろそろ異動になるだろうと考えていたのです。

しかし、沖縄での実績は思わしくなく、このままでは代理店さんに「何も残せないまま離れてしまうことになる」と思いふけったのです。

そこで山口さんは実績を残すことができなくても最低でも営業ノウハウは伝えていこうと思ったのです。

営業ノウハウを学んでもらえれば、自分自身が転勤になった後でもその代理店のためになると思ったのです。

そこで短期的に実績を上げるのではなく、どのようにすればノウハウを伝えることができるのかを考えたのです。

そこで考え出した答えが、「気づきを与えること」だったのです。

気づきを与えることができれば、吸収するペースも早くなると考えたのです。

そして実績を上げることではなく、ノウハウを吸収してもらうことに専念していると、なんと実績がこれまでの2倍に跳ね上がったのです。

この失敗&成功体験が、今の山口さんの「気づきを与える」営業手法の源泉になっていったのです。

■水田チェック
山口さんの営業手法は、まさに「傾聴」のテクニックだと思いました。

「傾聴」とは、

①相手の話を相手の語るままに聞き取っていく。
②相手の言葉の意味を正しく聞き取るだけでなく、相手の感情を受けとめる。
③言葉の背景にあるもの、沈黙の中に語られているものを理解しようとする。
③アドバイスしたり、問題解決しようとしない。

というものです。

私は直接話していたので分かりますが、非常に会話しやすいように気遣ってくれていましたし、相手が何を考え、どのような意図で話しているのかを常に考えているとも話してくれました。

そして話す割合も営業とお客さんで1:9の割合になるようにしているそうなのです。

解決策を提示しない姿勢といい、まさに山口さんの営業手法は、「傾聴」ではないかと分析しております。

■インタビュー企業
社名:アメリカンファミリー生命保険会社
住所:東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル
TEL:0120-5555-95
URL:http://www.aflac.co.jp/

“最低でも目標達成”できる営業マンになる法 (DO BOOKS) [単行本(ソフトカバー)]

書籍画像

「予材管理」が、あなたを“リアル・トップセールス”にする!

営業という職種は、自分自身の成果が数字と直結しているため、成果が上がっているかどうかががわかりやすく、成果を上げている営業パーソンにとっては、これほど面白い仕事はないと思います。
その反面、成果が上がっていない営業パーソンにとっては、苦痛以外の何者でもない仕事でもあります。

営業マンとして、目標予算を常に安定的に達成させるためには、心がけや意識だけでなく、しっかりと自分自身をマネジメントする仕組みが必要です。
最低でも、目標予算を達成できる方法――「予材管理」を活用することで、

●目標予算を前倒しで達成する習慣が身につき、数字に追われることのない営業人生が送れるようになります
●目標予算に足りず、月末に顧客に頭を下げて受注することもなくなります
●その結果、前倒し達成のサイクルが習慣化してくると、営業に対する自信がつき、毎日の仕事が楽しくなっていきます
 
トップセールスの思考や行動を、意識して身につけるのではなく、仕組みを活用することで習慣化させることができる1冊です。

“最低でも目標達成”できる営業マンになる法 (DO BOOKS) [単行本(ソフトカバー)]
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4495522418/attaxsales-22/ref=nosim

2013年05月10日DVD、書籍紹介


名言ランキング

メルマガの読者の方から非常にうれしい連絡がありました。

それは、これまでのトップセールス一行語録の「うなづける投票」社内でして
いただいたというのです。

このメルマガをそこまで社内で共有していただけて本当にうれしいです。
せっかくですので、その内容をコラムで紹介したいと思います。
(4月26日現在のランキング)

1位:人の印象は、最初の3秒で決まる
2位:営業で最も大事な仕事は「0」を「1」にすること、いわゆる案件化である。
3位:営業は「いかにお客様が困っていることを探し出し、解決するか」
4位:断る理由をひとつひとつなくしていけば、契約は見えてくる
5位:紹介をもらえる人ともらえない人のいちばん大きな差は、「紹介してくださいと言っているかどうか」
6位:苦手意識を持っている人にあえて会いに行けば道は開ける
6位:刈り取りよりも種まきの時間を優先しろ
6位:値切られるか、言い値か、商品説明が求められるか、任せられるかは「信頼関係の差」だけ。
9位:断るお客さんにも最低18ヶ月は通え!継続の先に勝利がある
9位:飛び込みのモチベーションを持続する秘訣は、訪問件数を目標にすること
9位:与えられた目標よりも高い目標を立てなければ、与えられた目標は達成しない

6位~8位は同数、9位から11位も同数です。

第一印象への気遣いは、もはや営業の共通認識となっているようですね。
見た目の印象が重要なことだといわれる中でよくメラビアンの法則が話題にされます。

「見た目」が55%、「話し方」が38%、「話す内容」が7%の影響力を持っているという法則です。

このメラビアンの法則は実験内容を知らずに結果だけが一人歩きして、見た目を重視せよという間違った
ことを伝えていると解いた人もいます。

でも、またこの意見も一人歩きして、見た目は関係ないと解釈している人も世の中にいるようです。

まぁ、研究者の意見はさておき、重要なことは「飛びぬけているかどうか」だと思います。
この名言を伝えてくれたトップセールスの挨拶は飛びぬけていました。私がこれまで会った営業マンの中
でもダントツの1位でした。

そしてその挨拶一発で1番表情を思い出しやすい、記憶に残る、人物となったのです。

営業において最初に思い出してもらえる人物になれるかどうかは、非常に重要な要素です。
お客さん側の立場になれば分かりますが、似たような商品の説明を、比較対象のためとはいえ何社も聞く
のは苦痛です。

せいぜい比較をするといっても3社程度でしょう。

その3社に入ることも大事ですし、最初の1番にプレゼンをすることも重要です。
なぜなら商品の差別化がしにくい現在では、商品の機能自体で他社とはまったく違う魅力を打ち出せる機
会は少なく、2番目、3番目になると1番目にプレゼンする人よりも格段にインパクトは弱まるからです。

1番になるためにいかに「飛びぬけたことをするか」ではないでしょうか。

ちなみに今回のランキングを社内に促していただいた方も過去にインタビューさせていただいたトップセー
ルスです。

この方も「笑談」という飛びぬけた手法を持っていました。

「いかに飛びぬけるか」

飛びぬけるといっても何か特別なことをする必要はありません。
スピード、気遣い、アフターフォロー、繰り返しの接触回数など、ごく単純なことを飛びぬけてやることでもいいのです。

トップセールスは人とは違う何かしら飛びぬけたことをやっているものです。

2013年04月28日コラム