週末の一行語録解説【7/18号】

【テレアポの極意はマシーンに徹することである】

この名言はある業界のトップセールスがテレアポで新規開拓を実践するにあたってのノウハウです。

マシーンに徹するというのは、テレアポを実施するにあたって『感情を捨て』淡々と作業することを意味しています。

テレアポは顔が見えていないことが原因で、飛び込み営業よりも厳しい断り文句を受けることが多いです。

その厳しい断り文句1つ1つをまじめに受け止めてしまうと、精神的ダメージは大きく、次のアプローチに影響してきます。

ダメージを受けた心は、テンションに表れ、そのテンションの低さがお客さんの聞く気を失わせる結果になるのです。

このような負のサイクルに陥らないために、伝えるべきトークを事前に準備して、それをただ淡々と相手に伝えることに集中するのです。

トークスクリプト作成段階→相手の感情に全面的に共感しながら作成
アプローチ段階→感情は捨て、ただ正しく伝えるだけに集中

この感情のスイッチのON/OFFを使い分けることがこの名言のポイントなのです。

2015年07月18日コラム


第53回リアルトップセールスインタビュー

太田さん(フランソア)

 

第53回のリアルトップセールスインタビューは(株)フランソアの太田さんです。

太田さんが勤務しているフランソアは九州地区では有名なパンメーカーの企業です。

パンメーカーと言えば、ヤマザキ製パン、フジパン、敷島製パンなどがありますが、そういった企業との競争環境の中で、高品質を売りに九州地区で営業を展開している企業です。

今回ご紹介する太田さんは、増税で市場環境が厳しい中、「売上達成率」「既存店年比」「粗利達成率」の3つの部門で目標を達成しています。

この3冠を達成したのは約40名いる営業の中で太田さんを含めたった『2名』のみ!

また、当社の経営幹部の話から、太田さんは売上の増減が少なく業績が安定しているとのこと。

では、なぜ売上が安定しているのか、そして高い粗利額を獲得するために何をしているのでしょうか?

その点を解明すべく太田さんより話を聞いてまいりました。

 

■パンメーカーのトップセールスが行う習慣とは
パンメーカーの営業先は「スーパー」「コンビニ」などの小売店です。

小売店のバイヤーに店舗のパンの販売状況を確認し、状況に応じて新商品の企画を提案したり、定番の入替などの提案をしたりしています。

営業活動のほとんどは、このように担当店舗を巡回しての提案活動を行っていますが、太田さんは店舗を巡回する際に、必ずある行動を徹底するようにしているのです。

その行動とは、バイヤーや担当者に状況を確認しにいく前に、必ずパン売り場の確認を徹底しているということです。

この行動は入社当時に上司であった川崎部長の教えであり、売り場を定点観測することで売り場の変化に気づき、売り場の変化が顧客を知るという点で非常に重要な行為になるからなのです。

その売り場の中でも特に注視する場所は「定番」の棚です。

なぜ定番の棚を注視するのかというと、「定番の棚」にはバイヤーや担当者の考えが色濃く出るからだというのです。

特売品というのは顧客を引き寄せるためにその時その時のお買い得品を投入しますが、定番品はそこまで頻度高く入れ替えるものではありません。

つまり、バイヤーや担当者の考えの変化が見えやすい場所なのです。

商品の入替があれば、バイヤーや担当者が売り場に不足感を感じていた可能性は高く、その変化をいち早くチェックするためにも売り場のチェックは欠かせないというのです。

 

■常識vs 非常識
売り場を定点観測していると、他社が注力している商品も見えてきます。

そして、注力している商品が実際に売れているかどうかの確認を行い、売れていないという情報をつかむ事ができれば提案のチャンスです。

提案のチャンスが訪れると、すぐさま、今、自社で売れている商品の話題を展開してシェア獲得の動きに移ります。

まずはお試しといった感じで小さく入り、そこから売れ行きをバイヤーや担当者と確認していく作業に入ります。

太田さん「先日、入れ替えた商品の売れ行きはどうですか?」

バイヤー「なかなかいい調子だよ。提案してもらって良かったよ」

しかし、入れ替えた商品がいつもうまくいく訳ではありません。

他店で売れている商品を投入しても、売れないことも当たり前のようにあります。

こういった状況が発生した場合に、違う商品を提案して挽回を図ろうとするのだろうと私は思っていたのですが、太田さんからは意外な回答が返ってきました。

水田「切り替えた商品が売れない場合は、違う商品を提案するのですか?」

太田さん「もし、提案した商品が一度売れなくても、自分が「売りたい」、「売れる」と思う商品であれば、商品特徴が伝わるPOPをおいて目立つようにします」

水田「もし、それでも売れなければどうしますか?」

太田さん「それでも売れなければ、棚の底を浮かせてパンが目立つように陳列するようにします」

水田「それでも売れなければ?」

太田さん「レイアウトを変更します」

水田「それでもだめなら?」

太田さん「什器の場所を変えたりします」

水田「それでもダメなら?」

太田さん「商品を日持ちするものに変えて廃棄ロスを抑えます」

水田「それでもうまくいかなければどうしますか?」

太田さん「パンのフェイスを減らして、違う商品を置いてもらうようにします」

水田「パンのフェイスを減らす行為は自分の売上を下げる結果になると思いますが、それでもそのような提案を行うのですか?」

太田さん「はい、そうですね」

正直、意外でした。

商品の入替を提案するのかと思ったら、その提案はかなり後。

まずは商品の見せ方を変えるということころに焦点が当たっています。

しかも最終的には顧客の利益を考えて、パンのフェイスを減らすという提案まで行うのです。

そして一番驚いたことは、私のこのような面倒な質問攻めに対して、全て即答してきたところです。たまにこのような対応をしているのではなく、常に実践していることが窺えました。

しかし、このような営業方法は営業の定石からいうとあまり選択されない方法です。

POPやレイアウト変更あたりまでは行うかもしれませんが、それでも売れなければ、売れない理由は店舗の立地や集客に原因がある可能性が高いと考え、諦めて他の店舗に力を注ぐのではないでしょうか?

ある程度のところで顧客を見極めて、「販売力のある小売店に注力する」

それが営業の定石のような気がしていたのですが、太田さんの行動はこの効率的な営業の真逆をついているような気がしました。

そこでふと思ったのが、やはり他社の営業がやっていないことをやるからこそ、他とは違うと感じてもらうことができるということ。

そして、売り場のことを誰よりも考えてくれるので、定番といった店舗にとって重要な売り場を任せてもらえるのではないかと思ったのです。

営業の非常識=誰もやっていないこと

太田さんの営業活動を聞いて改めて「抜きんでた営業とは何なのか」を学んだような気がしました。

 

■水田チェック
昔、広告と言えばDMやチラシといった紙媒体が多く使われてきました。

そしてインターネットが普及している現在ではオンラインの広告が中心となってきています。

時代の流れによって広告のあり方は変わってきますが、オンラインがあたり前の時代だからこそ、あえて紙媒体での広告は目を惹くものになったりします。

営業活動でも質を高める時代に、量で勝負してみる。

効率が求められる時代だからこそ、非効率で勝負してみる。

あえて今の時代の逆をついてみると、それだけでその他大勢ではなく、唯一の存在になってくるのではないでしょうか?

人と違うことをするというのは恐怖感や不安感をもたらします。

「そんなやり方は間違っている」
「誰もそんな営業方法はしていない」

その他大勢と同じことをしていないと、さも間違っているという風潮が日本にはあるかもしれませんが、よく考えるとその他大勢と同じことをやれば、ただの普通の人です。

他社の営業とは違うと思われるためには、

「あえて他の営業担当者とは逆のことをやってみる」
「あえて普通の営業ではやらないことをやってみる」

という考えも必要なのではないでしょうか。

あるマーケティングの権威が

「どのような道を選んだにせよ、手本となる成功例が見当たらなければ、周囲の人々がしていることを眺め、単にその逆の事をすればいい。なぜなら、常に大多数の人間は間違っているからだ」

というナイチンゲールの言葉を引用して、周りに否定されるマーケティングプランこそ成功する可能性が高いと言いましたが、今回はまさにこのような考えに気づかせてもらったような気がしています。

 

■インタビュー企業
社名:株式会社フランソア
住所:福岡県糟屋郡新宮町緑ケ浜3丁目1番1号
TEL:092-941-2323
URL:http://www.francois.co.jp/

第52回リアルトップセールスインタビュー

都築さん(愛知BK)③

 

第52回のリアルトップセールスインタビューは愛知銀行の都筑さんです。

今回のインタビューはこれまでで「初」の業界、銀行業界のトップセールスです!

都筑さんの担当業務は融資業務であり、地域の企業に対して運転資金や設備投資などの提案を行っています。

これまでの都筑さんの実績には目を惹くものがあり、その実績をご紹介すると、

個人実績では、
・頭取賞1回(430名中 上位3%が表彰対象)
・優秀賞1回(430名中 上位5%が表彰対象)

そして都筑さんが所属する支店については、総合業績表彰として「金賞」「銀賞」「敢闘賞」を多数受賞しており、その業績のけん引役となったのが都筑さんなのです。

このような数々の表彰を受けている都筑さんですが、融資の提案方法として「借換え」を得意としています。

「借換え」とは、現在メインバンクとなっている他行の銀行に変わってこちらがメインバンクになるという手法です。

いわゆるメインバンクの地位を奪取する営業です。

商品がお金であれ、有形・無形の商品であれ、顧客のメインを勝ち取ることは非常に難しいことです

メインというのは取引関係が深く、かなりの信頼を置いているのでメインになっている訳ですので、簡単に変更されるようなものではありません。

その簡単にできない代物を得意としている都筑さんに、なぜそのような芸当ができるのかを確認してきました!

 

■銀行業界のジレンマ
私も昔、金融業界で融資を担当していたということもあり、企業融資の難しい点はよく把握しています。

通常の営業であれば、企業の健全状態とニーズに相関関係はありません。

優良企業であろうと、危ない企業であろうと、ニーズは発生します。

しかし、融資というのは本来貸したい先である優良企業ほど、資金需要が発生することが少なく、どちらかというと資金繰りがうまくいっていない企業の方が、資金ニーズが発生しやすい特性があります。

とはいえ、危ないと思われる企業に融資することはできませんので、この「企業の健全性」と「資金ニーズ発生の可能性」が逆相関の関係にある中、どのように営業業績を上げていくかが課題です。

また、企業に資金需要が発生した場合、まず最初にメインバンクに相談を持ちかけている可能性が極めて高く、メイン以外に振ってくる案件と言えば、メインバンクが断ったであろう案件、いわゆる実現可能性が低い相談内容であることが多いのです。

要するに、ニーズがあるからといってすぐに契約とはならない、一筋縄ではいかない特性を持っているのです。

このような業界特有のジレンマがある中で、どのようにメインバンクの地位を奪取しているのでしょうか?

 

■メインバンクを獲得する営業術とは
都筑さんいわく融資業務のポイントは、顧客のニーズに沿う形で案件組成を行い、与信判断上問題ない案件としてまとめることが銀行営業の腕の見せ所とお話しされていました。

先程解説した通り、メインバンクでない限り、企業からの融資相談は実現の可能性が薄いものばかりです。

「融資に対して担保がない」
「企業体力から顧客が要望している金額は大きすぎる」
「今の与信状態からこれ以上は追加融資できない」
など・・・

そんな要望をそのまま審査に通しても、まず融資は下りないという内容ばかりです。

多くの銀行マンは、そのような内容に一律の回答しか行いません。

「やはり追加で担保がないと・・・」

「審査には話してみますが、この内容はまず難しいと思います・・・」

難しい案件に対してはほとんどこのような回答です。

しかし、都筑さんは一見無理と思える融資であったとしても「その可能性を徹底的に探るべき」というポリシーを持っています。

そのため誰もがやっている表面的な企業の業績や資金繰りの状態を聞くだけでなく、より正確に企業の実態を把握することを心がけているのです。

例えば、顧客のビジネス、業界の外部環境、決算書に記されている各科目の実態など。

その実態把握で得る情報収集の量は、電話帳1冊分にも匹敵するほどの量だといいます。

そこまで企業を徹底的に把握し、他の銀行員が発想もしなかったような方法で、(完全にではないにせよ)顧客の要望を形にしてしまうのです。

顧客からのややこしい依頼というのは、通常の営業マンであれば嫌がります。

なぜなら、時間をかけてモノにならなければ無駄になりますし、そうなる可能性が極めて高いからです。

そのため早めにできないと判断して、見極めるのも1つの方法だと思います。

しかし、どの企業も断りを入れてきたような内容を実現することができれば、圧倒的な信頼を獲得できるチャンスでもあるのです。

銀行業界の競争はメインバンクの地位を勝ち取れるか否かで取引の「額」は極端に変わってきます。

また、保全(貸金に対する担保)を優先的に取れるかどうかにも関わってきます。

都筑さんは、通常の営業マンが避けている案件を相談された時に、借換えのチャンスだと認識し、相談されたニーズを実現すべく行動するのです。

そして、そのあえて難案件に挑む姿勢がお客さんにメインバンクとの取引を止めて「あなたにお願いするよ」と言わせているのです。

 

■案件組成のスキルを身に付けたきっかけとは
しかし、いくら情報収集を徹底しているといっても他の銀行員がなかなか発想できないアイデアを、早々簡単に出せるものではありません。

そこで、都筑さんに案件組成を生み出すために何かやっているのかを確認しました。

そうすると、やはり他人にはできない案件組成の裏側には他の人とは違った努力があったのです。

まず、案件組成のアイデアをストックするために常日頃からやっていることは、できる営業マンの案件の内容を確認し、気になった案件組成があると、その営業マンに質問攻めにしてアイデアを盗み取ります。

そしてそれだけではありません。

都筑さんは自分が借換えを逆にされてしまったお客様には、徹底的に借換えをされてしまった理由、そしてその背景、どんなきっかけで他行に借り換えようと思ったのかなどを徹底的に聞きこむのです。

その理由を教えてもらえない時は「土下座してでも聞きこむ」と話していました。

恐ろしいばかりの執念です。

しかし、この借換えをされてしまった理由を意地でも聞きこむのには実はある過去の体験があったからなのです。

その経験とは、渉外担当となってまだ間もないころ担当していた大口顧客が某銀行に奪われるという体験をしたのです。

その時の金額は非常に大きく、1億円の融資先を他行に持っていかれてしまったのです。

1億円もの融資先を他行に奪われると、支店長が他の支店に飛ばされる程のインパクトがあり、相当大きな出来事でした。

その融資を何とか防衛するために顧客に、なぜ他行に移すのか、何がきっかけだったのか、他行がどんな提案をしたのかを聞きこみまくったのです。

結果的に、その顧客は帰ってきませんでしたが、その時の聞きこんだ内容、他行の案件組成のやり方を聞きだせたのはこの後、都筑さんにとって非常に大きな財産となったのです。

実は某銀行に大口客を奪われてしまったのですが、そこでやられた提案方法を別の新規で実践したところ、借換えに成功!

その金額はなんと3億円です。

これ以来、都筑さんは借換えの提案が楽しくなり、今でも借換えを行うために常日頃から案件組成のアイデアを様々なところから学び、そしてそのインプットの量が、案件組成の礎となっているのです。

 

■水田チェック
アウトプットの重要というのはよく巷に叫ばれています。

しかし、良質なアウトプットを生み出すには、大量のインプットが必要です。

アイデアという言葉を聞くと、何か非常に創造性の高いものと思いがちです。

何か得体のしれないところから突然アイデアが出てくるといった、神秘的なものを連想しがちですが、全く「無」から生み出されるアイデアというものはありません。

既知と既知が組み合わさってアイデアはできるものなのです。

アイデアを生み出すのはインプットの量。

そして一番良質なインプットは現場の生の声。

業績を上げている人間ほど、現場の生の声を豊富にストックしており、現場の声からアイデアを創出しているのです。

あなたも現場の生の声を聞いていると自負されているかもしれませんが、本当にそうでしょうか?

「なぜ、あなたの商品を買ったのか?」

「その時にどんなことに悩んでいたのか?」

「あなたの商品(業界)に対してどんな勘違いをしていたのか?」

「なぜ、数ある競合の中からあなたを選んだのか?」

受注してしまうと喜びのあまり、なかなかこのようなことを確認していないものです。

しかし、このような顧客の当時の悩みや思い込みをストックしておけば、その情報は必ず営業活動に大きな力を与えてくれるはずです。

 

■インタビュー企業
社名:株式会社愛知銀行
住所:愛知県名古屋市中区栄3-14-12
TEL:052-251-3211
URL:http://www.aichibank.co.jp/

第51回リアルトップセールスインタビュー

上野さん(システム中部)

第51回のリアルトップセールスインタビューはシステム中部の上野さんです。

上野さんがお勤めの企業は、携帯shopを営んでいる会社です。

今では携帯shopというのは街のあらゆるところにありますが、当社が携帯電話の業界に参入した歴史は古く、携帯が普及し始めた平成7年から携帯業界に参入しています。

株式会社システム中部は携帯shop経営の経験は長いため、販売員の教育ノウハウも蓄積されており、教育体制や教育制度も充実したものとなっているようです。

今回、ご紹介する上野さんは、その教育された販売員の中でも群を抜いたエキスパートです。

この携帯業界にはテレコムサービスグループが主催しているMCSAというセールスコンテストが年に1回開催されます。

その2014年に開催されたセールスコンテストで東海地区に存在する3000名の販売員の中から書類選考で「販売実績」「経験年数」「お客様満足度」という3つの審査基準でトップ10に選ばれています。

3つの審査ポイントの中でも上野さんは「お客様満足度」の加点が群を抜いており、見事、東海地区のセールスコンテストに出場。

そして書類選考で選ばれた10名が実演販売(ロープレ)で競い合いました。

その10名の中には、前回のセールスコンテストで全国3位の販売員もいましたが、なんとその3位の販売員を抑え、見事!東海地区No.1に輝いたのです!!

そんな素晴らしい実績を持った上野さんに、圧倒的な接客技術について教えてもらいました!

 

■難しい印象を与える業界
携帯電話といえばもうほとんどの人が生活の一部としての存在になっていると思います。

その普及率は人口に対して120%程度あり、1人で2台を所有するほどの人が存在するぐらい我々の生活に浸透しています。

そしてスマホの投入でその機能も多様化しており、ただの電話やメール機能にとどまらず、LINEやfacebookで友人とコミュニケーションをしたり、動画を楽しんだりと様々な機能を活用することができる時代になってきました。

その技術革新のスピードは速く、若干過剰ともいえるぐらいにサービスが多様化しているため、携帯の多種多様な機能を理解するのは一苦労です。

また、「横文字(専門用語)が多い」「サービス内容がすぐに変わる」という特性から、ヘビーユーザー以外は、なんだか難しいという印象を与えてしまっていることも否めません。

次から次へと出てくる横文字(専門用語)や複雑なサービス内容をいかに理解してもらえるかが販売実績・そしてお客様満足度の向上に必要不可欠です。

しかし、簡単なことを難しく言うのは容易ですが、難しいことを簡単に説明するのは、非常に難易度の高いことであることはビジネスをやっている人であれば誰もが理解していることだと思います。

一体、どのような方法を使って説明しているのでしょうか?

 

■難しさを払しょくする営業法とは
水田「上野さん、接客する時にいつもやっていることや何か工夫されていることはありますか?」

上野氏「そうですね。私はいつもお客様目線で接客をしています。お客様の立場になった時にやってもらえるとうれしいことを常に考えて実践するようにしています」

水田「例えば、どんなことですか?」

上野氏「中でもお客様に手続きが長いと言われると本当に申し訳ないと思います。だからできるだけ早くサービスを理解してもらってスムーズに契約を終えていただくことに集中しています」

水田「できるだけ早く理解してもらうために何をしているのですか?」

上野氏「そうですね。専門用語をできるだけ使わずにこんな形で話をしています」

そう話すと上野さんはおもむろに紙とペンを持って私に実演をしてくれたのです。

上野さんは手元にあった紙にイラストを描き始めました

上野氏「今のプロバイダの料金が月々●●円で・・・・家にこのような四角のモデムというものが・・・・・モデムにつながっているルーターがあり、ここから電波が・・・・」

水田さん依頼の図

 

(↑実際の図)

1つ1つの説明を口頭で話すのではなく、イラストを描きながらサービスの説明をしてくれたのです。

その説明を聞いていると確かに理解しやすい・・・

そして上野さんは更にこのようなことも話していました。

上野氏「こんな感じでイラストを描きながら説明すると、お客様は非常に分かりやすいと言っていただけます。最初からあるパンフレットを使うのではなく、絵を描く過程をお客様と共有することが大事ですね」

なるほど、確かにそうです。

最初からあるイラストや写真で説明されるよりも、説明しながら描かれた方がなぜか頭に入りやすい。

コンサルタントも議論をする場ではホワイトボードを使用します。

なので、絵を描きながら話をすると議論が促進しやすいことはよく分かっています。

しかし、改めて言われると確かにそうですし、また、商談の場でそのような方法でお客さんと情報を共有しているかと考えると、商談の場にホワイトボードがなければそのまま口頭で話してしまっていることがほとんどです(私の場合)。

それに過去、営業されたシーンや営業同行で他の営業担当者が営業しているシーンを思い返しても、紙で書きながら説明をしていた営業マンはごく少数です。

なんとなく分かっているものの実践していない・・・

この話を聞いて「グサリ!」ときた人もいるのではないでしょうか?

 

■例え話で更に理解を深める
そして更に上野さんは分かりやすく説明するもう1つの方法を教えてくれました。

上野氏「あと、イラストを描きながら説明することと同時に、例え話も使っていますね。例えば、通信速度の速さをホースの太さで表現してみたり・・・」

水田「例え話は私もよくセミナーで使っていますよ。あれは理解してもらうためにはいいですもんね。でも、いつも困るのが例え話を考える時になかなかアイデアが出ずに困っているのですが、何かアイデアを出すコツみたいなものはありますか?」

上野氏「そうですね。私はお客様の『要するに』という言葉を大事にしています」

上野氏「例え話のアイデアを私自身も考えますが、ほとんどのアイデアは実はお客様から拝借していることがほとんどです」

上野氏「お客様が私の説明を聞いて、『要するにこういうこと?』と言ってくれることがあります。その内容を自分の中でストックしておくのです」

水田「なるほどね~。例え話のストックの仕方もお客様視点ですね~」

水田「普通はオレの例え話どう?みたいな感じで自信満々に自分が作った例え話を話してしまいますが、本当に伝わっているかどうかは怪しい。しかし、同じ立場の人が発した例え話なら共感される可能性は非常に高いですもんね~」

いつも例え話のアイデア出しに困っていた私には非常に参考になる内容でした。

しかし、それにしても「分かりやすく」説明するために本当に色々なことを実践していることに本当に感心しました。

このノウハウ以外にも色々な話が次々と出てきましたが、そのほとんどが現場から問題意識、そしてそれをうまく解消しようと考えたノウハウばかりでした。

さすがは東海No.1の実力です。

今日もこのノウハウをTTPさせていただきます!

ありがとうございました!

※TTP(徹底的にパクルの略)

 

■水田チェック
今回のノウハウは実はインタビューを終えた数日後にちょうど商談があったので、そこで試してみました。

商談の場は喫茶店で、当然ホワイトボードはなかったのですが、さっそく1枚の紙を取り出し、先方の役員を含め4名の方に説明をしたのですが、説明後にお客さんの方からその絵を使って質問攻撃。

最後、終わる頃にはお互いがかなり理解できた印象で商談を終えることができました。
(もちろん受注!)

なぜ、絵を描くと理解が促進されるのか。

それは脳には2種類の情報処理能力があり、1つは言語性、もう1つは非言語性(動作性)という処理機能があるからです。

言語性とは、その名の通り言語を処理し、非言語性(動作性)とは絵や写真、風景といった視覚情報を処理します。

イラストや写真を使うと、言語性だけでなく、非言語性の処理機能を活用することができるので理解が促進されるということなのです。

例えば、新聞を読むよりテレビでニュースを見た方が、理解が早いのはそのためです。

「絵を描く」

あらためてその威力を実感したインタビューでした。

 

■インタビュー企業
社名:株式会社システム中部
住所:愛知県春日井市鳥居松町3丁目78番地
TEL:0568-82-2331
URL:http://www.syschu.co.jp/

第50回リアルトップセールスインタビュー

三浦さん(前澤工業)②

第50回のリアルトップセールスインタビューは前澤工業(株)の三浦さんです。

三浦さんお勤めの前澤工業は東証一部上場企業で、配水管のバルブを製造販売している会社です。

エンドユーザーは主に官公庁ですが、バルブの流通経路となる商社や建設会社、設計を行う建設コンサル会社も案件採用に大きな関わりを持っているため、その営業先は多岐に渡ります。

三浦さんの前澤工業での実績はすばらしく、現在まで、個人目標を「7年連続」で達成しています。

この記録は現在40名いる営業マンの中で唯一の記録であり、まさにリアル(現在進行形)なトップセールスなのです。

今回は三浦さんの上席にあたる方からの推薦ですが、その上席になぜ推薦したのかを確認すると、驚くべき事実を耳にしたのです。

水田「今回はなぜ三浦さんを推薦してくれたのですか?」

上司「彼は成約率が異様に高い!会議などで上げてくる案件については、ほぼ100%受注してくるんだよね。こんな営業マンは過去にも見たことがないね~」

とのことだったのです。

案件の見極めがうまいのか、相手を説得する魔術のような方法を持っているのか、非常に気になるところです。

そこで早速、成約率100%近くたたき出す三浦さんにその営業ノウハウを聞くべく、インタビューを敢行して参りました。

 

■本物のにおい
【インタビュー当日】

水田「三浦さん、今日はお忙しいところありがとうございます。お忙しいのにわざわざインタビューのお時間をいただいて本当にありがたいです」

三浦氏「あっ、それは全然構わないのですが、私はトップセールスじゃありませんよ」

水田「そんな、ご謙遜なさらずに」

三浦氏「それに何も特別なことはやってないし・・・」

この言葉を聞いたときに、私は心が躍りました。

トップセールスは人とは違うことをやっているが、それが習慣になっているために自分では特別なことをやっているとは思っていないタイプの人が多いです。

この言葉を聞いた瞬間に、本物のにおいがすると思わず感じてしまったのです。

水田「了解しました。それでは普段、三浦さんがやっておられる営業方法を教えてもらえないですか?」

三浦氏「分かりました。誰でもやっていることだと思いますが、それでよろしければお話しします」

こんな感じでインタビューがスタートしました。

三浦氏「今の営業で意識してやっていることと言えば、できるだけ多くの仲間を作るようにしています」

 

■仲間を作る営業とは
三浦さんの営業先は商社・役所・建設コンサルなど多岐に渡ります。

その関係する会社に対して、できるだけ多くの仲間を作るようにしているそうです。

現在進めている商談に対して、関係があるか・ないかは特に気にせず、社内にいるあらゆる人に声をかけ関係性を深めていくことに時間を割いているのだそうです。

そして相手との関係性を深めていくために、顧客が企画しているゴルフコンペや花見、バーベキューのイベントごとにも顔を出していたり、関係性ができてくれば月に1回ペースで食事に行ったりなど、仕事以外での付き合いも積極的に参加しているのです。

そして驚いたことに、このような関係性を作る活動は、仕事を獲得する上で「影響力のない人」や「性格が合わない人」にも行うというのです。

多くの営業本に書いてある内容といえば、「キーマン」を特定してできるだけ最短で商談を成立させよ、という内容がほとんどです。

裏を返せば、あまり決裁権のない人にお会いしても時間の無駄になるためキーマン以外を見極めよという内容です。

しかし、三浦さんは営業の定石としては時間を割くべきではない人に対しても時間を割くというのです。

なぜなのでしょうか?

不思議に思った私は、三浦さんになぜ「影響力のない人」や「性格の合わない人」ともお会いするのかを質問すると、このような答えが返ってきました。

三浦氏「影響力のない人でもキーマンと会話をする際の話題を拾うことができます。また性格の合わない人だからといって敬遠していると、その人が、万が一、組織の中で大きな影響力を持った時に、営業が相当やりづらくなります。だから影響力や話のしやすさなどは関係なく、多くの人とのつながりを持つようにしているのです」

 

■取引先企業で存在感を高める方法
多くの営業マンがキーマンとの関係性を高めるために、キーマンの趣味や興味関心ごとを会話の中で探ろうとします。

趣味や興味・関心ごとが分かれば、その話題を面談・商談の際にはさむことで会話がスムーズにいくようになります。

しかし、お客様の中には趣味や興味関心ごとなどをフランクに話してくれない人もおり、聞き出せないとなると会話が仕事の話ばかりで重苦しくなります。

そんな事態にならないように、何とか会話テクニックを駆使して聞き出そうとするのが多くの営業マンですが、うまくいかないケースがほとんどです。

そんな中、三浦さんの発想は非常にシンプルかつ効果的で、苦労してキーマンから聞き出さなくても「周りの人に聞けばいいでしょ」という発想なのです。

聞きにくい相手に苦労して聞き出す必要はなく、周りの人に聞けば良いのです。

この方法は誰でもでき、最も簡単な方法です。

そして、社内の多くの人に会話をする効果はこれだけではありません。

実は、多くの人と関係性を持つことで「取引先での存在感を高める効果がある」そうなのです。

そのロジックはこうです。

「多くの人と関係性を持つ」→「社内の事情通になる」→「背景情報が把握できているのでキーマンは説明しなくて済む」→「理解が早い営業マンは顧客にとって便利」→「手放せない存在になる」

このように多くの仲間を作るという営業方法は、関係性の構築だけでなく取引先から有無も言わせずに発注させる囲い込みの戦略にもなっているのです。

もしかしたら、今回のノウハウは「ある1つの拠点を落としたい」「営業先に大企業が多い」という営業マンにとっては恐ろしく価値のあるノウハウだったのではないでしょうか。

今回も本当に勉強になるインタビューでした!

 

■水田チェック
三浦さんの仲間を作るという営業活動は、取引先で存在感を高めるだけでなくもう1つ隠された効果があることも会話の中で気づくことができました。

それは担当者から情報をうまく引きだすために、担当者の上長に根回しして布石を打っておくという話もしていました。

例えば、担当者が営業マンに対してあまり情報を開示したくない場合、担当者の上長から三浦さんとしっかり話をするように事前に言ってもらうことで、情報を聞き出しやすい態勢を整えていくのです。

この方法は「ピアプレッシャー」という心理効果があり、営業マンが顧客を説得するよりも仲間内から説得された方が、説得効果が高いというものです。

このノウハウが見えた時に、冒頭でお話しした三浦さんの成約率が「なぜ高いのか」が明確になったような気がしました。

おそらく、仲間を多く作り、仲間から案件担当者に影響力を与えることで説得効果を高め、そしてその結果として今の成約率の高さがあるのではないかと思います。

「外堀を埋める営業活動」

これこそがまさに三浦さんの営業ノウハウだと私は感じています。

 

■インタビュー企業
社名:前澤工業株式会社
住所:埼玉県川口市仲町5番11号
TEL:048-251-5511
URL:http://www.maezawa.co.jp/index.html