第13回リアルトップセールスインタビュー

平井さん

第13回のリアルトップセールスインタビューは株式会社BROAD WELLの平井さんです。

平井さんは、一般の個人宅に光回線を販売するお仕事をしています。

営業スタイルは飛び込み営業で、1日200件以上の戸建を訪問し月間40~50件の契約件数を上げているのです。

この業界では月間20件の契約数を上げることができれば、かなりの成績優秀者です。
しかし、平井さんは月間でその「倍」の数字を達成しているリアルトップセールスなのです!

また、月間だけでなく1日単位の実績でも恐ろしい数字を樹立しております。
それはなんとたった「1日で8件の契約」を上げた実績もあるというのです!!

現在は、現場で営業するよりも経営者としてマネジメントをする機会が多くなっているのですが、それでも9人の営業マンの育成も兼ね、ここぞというクロージングには必ず同行するなどまだまだ現場感覚は失ってはいません。

そんな平井さんに飛び込み営業のノウハウをお聞きしてきました!!

■売るための秘訣とは?
売るために秘訣とは、

「断る理由をなくしていく」

ということです。

言葉を聞いただけでもわくわくするような内容です。その内容について深く質問していきました。

平井さんは、必ず見込み客を相対した時にお客様と一緒に取引するメリットを「ひとつずつ」「繰り返し」確認していくのだそうです。

平井さん曰く、お客様と営業マンとの間で同意の数が増えれば増えるほど、失注につながりにくくなるというのです。

相手の同意を取るために、2回、3回とお会いしているお客様には、必ず前回に話した内容を再度繰り返し、メリットをひとつずつ確認してもらうことで相手の同意を積み重ねていきます。

そしてメリットを確認させ、断る理由を潰しこんで最後はクロージングしていくのです。

お客様が断る理由を発したとしても、視点を変えてあげることで同意を取っていきます。

例えば、今よりも月々1,000円のコストダウンにつながるとお客様に伝えても「やはり面倒だから」と答えるお客様にはこのように断る理由を潰しこんでいきます。

「確かに、月々1000円ですとそんなに大きなお金ではないかもしれないです。ただ、月々1,000円でも1年経てば12,000円、5年で60,000円にもなります。60,000円もあれば奥様と旅行に行けるじゃないですか。この旅費も月に2箱タバコを減らせば捻出できないお金ではないですが、2箱タバコを減らすのってきついですよね。そんなきついことをしなくてもこちらに切り替えていただくだけで大丈夫なんですよ」

凄まじいトークです。

これを言われると、反論できなくなってしまいます(汗)

このようにお客様の断る理由をひとつひとつ潰してあげることで、お客様に断る理由をなくし、最後は「どうされますか?」と確認するだけとのことです。

また、この断る理由をひとつひとつ潰していくトークを打つと、お客様の断り文句が本気で言っているのか、それとも警戒心から思わず出た断り文句なのかを見極めることができるそうです。

恐るべし!平井さんのような営業が来ると、正直、断れる自信がありません。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

「訪問件数を目標にする」

とのことです。

飛び込み訪問といえば、心理的なストレスが一番かかる営業スタイルです。
その飛び込み訪問で、成果や実績に目標を設定して営業活動を行うと、成果が上がらない日が当然発生するので、必ずモチベーションが下がってしまう日が出てしまうとのことです。

また、中間目標として見込み顧客の発掘件数と設定しても、無理やり見込み客と判断して、見込み客の発掘件数をカウントするようになるので、見込み客の精度が悪くなるため、自分でコントロールしうる訪問件数に目標を設定しているのです。

平井さんは、訪問件数・見込み発生件数・受注件数を計測しているため、どれぐらい訪問すれば見込み客が上がるか、どれぐらいの見込み客が成約になるかをデータで把握しています。

そのデータから必要な月間受注件数を獲得するための訪問件数を割り出し、あとはひたすらその訪問件数をこなすことを実践しているそうなのです。

訪問件数に焦点が当たっていると、いくら断られても「あと●件訪問すれば見込み顧客に出会える」という考え方になるため、モチベーションが下がりにくくなるとのことなのです。

そして、決めた訪問量を確保するために、クロージング客への訪問を営業のコアタイム以外に設定する、ということも行っております。

クロージングをして契約となると、少なくとも30分は時間がかかるそうです。例えば、お客様と一番接触の図りやすい18~20時などに契約の時間を設定すると、他のお客様と会う機会を逃してしまうことになります。

平井さんは、そのあたりも勘案し、クロージング客はできるだけ平日の昼間などお客様と接触しづらい時間に設定し、顧客との接点量を増やすことを最優先しているのです。

本来であれば、クロージング手前まで来ているのであれば、目の前の数字欲しさにどのような時間帯でも契約を取りに行きがちになります。

しかし、そこは平井さんのすばらしいところで、1件の受注ではなく10件20件と受注していかなければならない中、何を最優先すべきなのかをよく理解して動いているからこそ、種まきを優先する営業活動になっているのだと思います。

この考え方はリアルトップセールスになるために、かなり学ぶところだと私は感じています。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
平井さんは独立した時の出来事がトップセールスへの転機となったそうです。

21歳でこの業界で営業を始めたのですが、当時は会社から指定されたチラシをポスティングすることが多かったそうです。

そのチラシは反応もそんなに高くなく、それとなく配っていたそうです。

この業界での営業もだいぶ慣れてきた平井さんは、独立してこの業界でやっていくことを決意しました。

そして独立して営業をスタートさせたのです。

独立するとチラシなどの販促ツールは、無償支給ではなく本部から購入しなければならなくなります。

本部から支給されるチラシは両面カラー刷り印刷で正直コスト高なチラシだったそうです。

あまりコストをかけたくなかった平井さんは、本部支給のチラシではなく、自分で手書きのチラシを作成し、その独自のチラシをポスティングしたそうなのです。

そのチラシが本部支給のチラシよりも反応がよく、2万枚撒くことで20件ほどの反応がありました。

この結果から同じ商品やサービスでも伝える内容が違えば、反応が明らかに変わることに気づき、営業トークの内容、そしてトークのコンバージョンを高めるために計測して検証していくことの重要性を感じたのです。

今では、訪問件数・見込み発掘件数・受注件数を計測して、見込み発掘件数のコンバージョンが悪いようであれば、「アプローチのトーク」、受注件数獲得へのコンバージョンが悪い場合は、「見込みの精度が悪い」もしくは「クロージングトークに問題がある」と推測して部下育成に役立てているとのことです。

■水田チェック
平井さんの営業力の秘訣は、正に飛び込みテレアポ営業している人には役に立つのではないでしょうか。

特徴としては大きく2つ。

「営業トーク」「セルフコントロール」です。

営業トークについては、イエスセットによる同意の積み上げイエスバットによる応酬話法比較対象を変えることで購入することへの理屈付けなど、営業テクニック満載でした。

そしてこの営業テクニックは何かで学んで作り上げたのではなく、現場で実践して検証していく中で、作り上げているところがすばらしいと思います。

顧客の反応を見つつ検証・改善していく習慣が身についているのであれば、おそらく外部環境が大きく変化しても、環境に合わせて変化させることができるため、常に好業績を維持できるのではないでしょうか。

また、飛び込み・テレアポ特有のモチベーションの維持についても「訪問件数に目標を設定する」「クロージングではなく種まきの時間を優先する」など、飛び込み・テレアポ営業の実践者は正に真似るべきところだと思います。

 

第12回リアルトップセールスインタビュー

田畠さん

第12回のリアルトップセールスインタビューは宗重商店の田畠さんです。

田畠さんは工務店や建設会社に対して、一般住宅やビル・工場などの解体工事の案件を受注する営業を行っております。

今回の田畠さんは、なんと社外の社長からの推薦でインタビューをさせていただいております。

そしてその社長と田畠さんとの関係は、取引先なのです!

これは、営業マンとして一番の評価ではないでしょうか。お客さんからあの営業マンはすばらしいから紹介すると言われているのです。

その社長に田畠さんのすばらしさをお伺いするとこのような返答がありました。

1. 問合せのレスポンスが早い
2. 気が利くので何でも先回りしてやってくれる
3. 誰に対しても丁寧な応対をする
でした。

そしてこのような表現をして田畠さんを賞賛していました。

「解体業界にリッツカールトンのホテルマンが来た」

そんな賞賛を受けている田畠さんに営業の秘訣をいろいろとお伺いしてみました。

■売るための秘訣とは?
田畠さんの売るための秘訣とは、、、

「あいさつをしっかりする!」

でした。

文章で書くとあまりインパクトがありませんが、田畠さんに会うとそのインパクトは絶大なものです。

私がこれまで会った営業マンの中で「1番」ではないでしょうか。
挨拶をされた瞬間にめちゃくちゃ好印象を持ったのです。

「大きな声」「満面の笑顔」「礼儀正しい姿勢」など本当に一流のものでした。

田畠さんに挨拶になぜこだわられているのかをお聞きしたところ、解体業といのはイメージが悪い業界なのでそれを払拭するためには、まずは挨拶が重要だとおっしゃっていました。

「人の印象は、最初の3秒で決まる」という言葉を実践に移し、最初の印象にこだわりにこだわりぬいているのです。

他の営業マンも当然、印象の良い方はいます。しかし、印象が良いといっても社交辞令的な要素はなかなか抜けないので、どこかに硬さは残ってしまいます。

しかし、田畠さんの挨拶はまったくその社交辞令的な要素が感じないのです。

とはいえ、人は感情に左右される人間です。気持ちが落ち込んでいる時にはやろうと思ってもなかなか元気な挨拶はできないものです。

そこで田畠さんにモチベーション維持の秘訣があるのではないかと思い、モチベーション維持の秘訣をお伺いしました。

返答は一言

「ない」

でした。

田畠さんは、「それは仕事としてやるべきことであり、こちらの気持ちがどうという話ではない」とこのことでした。

なるほど、挨拶をミッションにまで落とし込んでいるからこそできるのだと改めて感じさせられました。

そして、この基本中の基本と言われる挨拶にここまで追求することで、営業としての圧倒的な差別化ができることも改めて感じたしだいです。

あるトップセールスの行動指針にもありました。

行動指針のABC→A(当たり前のことを)B(バカにせず)C(ちゃんとやる)

もう一度徹底したいと思います。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために田畠さんが心がけていることは、

「お客さんとの会話で必ず自分の方からプライベートな話をする」

とのことです。

プライベートな話を自分の方からすることで、場の雰囲気が和み、相手がいろいろと話してくれるようになるので商談がスムーズにいきやすくなるとのことです。

これは自己開示が及ぼす「類似性」と「好意の返報性」の効果ですね。

人は似ている人に好意を持つ心理があります。
出身地が同じだったり、育った環境が同じだったり、年齢が同じなど、共通した事柄があると相手に好意を持ちやすくなります。

また、自分からプライベートな話をすることで「好意の返報性」も発生しており、場の雰囲気が和んでいるのだと思います。

そんな田畠さんですが、営業になりたての時は、ほとんど仕事の話しかしなかったようです。

しかしある日、お客さんを連れて解体現場まで行くきっかけがあったことで「自己開示」の重要性を感じたのだそうです。

それはこのような出来事でした。

ある解体現場にお客さんと一緒に行かなければならなくなったのですが、解体現場には駐車場がなく、2台の車ではなく、田畠さんの車にお客さんを乗せていくことになったのです。

最初は、仕事の話をしていたのですが、徐々に話すこともなくなり、無言の時間が続いたそうです。

その気まずい雰囲気に耐えられなくなった田畠さんは、思わず「私、金沢出身なんですよ」と、出身地の話をしたところ、そこから会話が弾み、車中の気まずい雰囲気を脱することができたそうなのです。

その時の気まずい雰囲気は今でも鮮明に覚えているぐらいで、この日以来、必ず自己開示してお客さんと仲良くなることに努めているようです。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
田畠さんがこのようなすばらしい応対、明るい印象を人に与えるルーツがどこにあるのかをお伺いしました。

水田「社会人で何かきっかけがあったのですか?」
田畠氏「いえ」
水田「中学・高校の時は暗かったとか」
田畠氏「その頃から結構こんな感じでしたね」
水田「う~ん、生まれつき?ですか」
田畠氏「そうかもしれません、私は石川県の能登で育った田舎者ですから」
水田「・・・・」

田畠さんの底知れぬ明るさは、生まれ育った環境がそのようにさせたようです。

田畠さんが子供の頃は、近所の人が当たり前のように話しかけてくる環境で、時にはよく知らない人の軽トラに乗せてもらってある目的地まで連れて行ってもらったりする程、オープンな環境で育ったようです。

そして父親もずば抜けて明るい人だったようで、(詳しくは話せないのですが)普通の人が体験すれば、不幸のどん底と思えるような出来事に遭遇しているのに、「何とかなるだろう」で切り抜けてきたそうなのです。

その遺伝子を引き継ぎ、田畠さんの口癖も「何とかなるだろう」を連呼しているらしく、どんなピンチがきたとしても「何とかなるだろう」の一言であまり気にしない性格だそうです。
時には、本当に何ともならない時も、「何とかなるだろう」と言うので部下も困っているとのことです(この情報は社内の人から入手)

■水田チェック
今回の田畠さんのインタビューで大きなことを気づかされました。

と言うのも、田畠さんの凄さは正にここにあると思います。

それは、、、「一点集中」

世の中には色々なスキルがあります。高度なスキルや目新しいスキル。
誰もがそのような目新しさに注目を集めがちですが、そのようなスキルを身につけなくても、ひとつのことにこだわり続けることで圧倒的な差別化を生むことができるのだということです。

冒頭にご紹介した社長以外にも、社内の朝礼で田畠さんを例にあげている社長もいる様子です。そして、同じエリアを営業している部下の方も、お客さんのところに行くと必ず田畠さんの話題がでるらしく、圧倒的なインパクトを与えているようなのです。

商品での差別化がしづらくなっている昨今、最初に思い出され、声を掛けられる営業になるかは非常に重要なことです。

そんな時代に小難しいことをやるのではなく、「挨拶」という一点に絞込み、磨きをかけてることで十分な差別化要因になるということなのです。

これは営業マンだけでなく、企業にも言えることかもしれません。

本当に勉強になりました。

 

第11回リアルトップセールスインタビュー

高田さん

第11回のリアルトップセールスインタビューは金陵電機の高田さんです。

高田さんは設備機器の販売を行っている企業のリアルトップセールスマンの1人です。

設備機器といえば、経済環境が悪くなると投資意欲が減退し、需要が縮小するといった景気の影響を非常に受けやすい業界です。

にも関わらず、リーマンショック後の2009~2011年において売上・利益とも「3年連続予算達成」をしている驚異の営業マンです。

そして、リーマンショック後といえば、どの企業も売上を大きく下げている中、利益を捻出するためにコストダウンに躍起になっていたはずです。

メーカー、商社に対して厳しい値下げ交渉を仕掛けてくるのが必然の時代に、なんと高田さんは、2011年度の粗利金額は5000万を稼ぎ出し、同じ職位の営業マンの約2倍の粗利実績をたたき出したのです!

そんなリアルトップセールスの高田さんに営業の秘訣をいろいろとお伺いしました。

■売るための秘訣とは?
高田さんの売るための秘訣とは、、、、

「お客様の懐に入る」

です。

高田さんは設備機器の商社にお勤めですが、商社や問屋、卸に共通する課題は、どのように付加価値をつけるかです。

エンドユーザーから見るとどこの商社でも似たような商品を購入することができます。

なので、商品では差別化することはできず、商品以外の部分で差別化をしていかなければ必ず価格競争になるのです。

その中で、高田さんの取っている差別化戦略は、「営業マンでの差別化」です。
どこから買っても同じではなく、同じ商品ならあいつのところで買おうと言ってもらうために自分自身が差別化の要素となり、お客様の懐に入ることを徹底しているのです。

そして、お客様の懐に入るために具体的にやっていることは、「情報提供」です。

仕入先のメーカーから海外の情勢を、他業界の顧客から技術情報を、そして顧客と同業種・業界の動きなどを収集して顧客にその情報を提供しているのです。

おそらくこの情報というのは、ただの世間話レベルの情報ではなく、経営の意思決定に大きく左右する情報ではないかと考えています。

設備投資に関してお客様がいちばん気にしているのは投資に対する不安です。

誤った設備投資をして経営が傾くなどよくある話です。

設備投資への不安を常に持っているお客様が、不安を解消するためには、やはり情報収集が必要です。

しかし、インターネットでの情報収集では信憑性が担保されないですし、新聞や専門誌ではマクロ環境の情報は仕入れることができてもミクロ環境の情報を仕入れることはできません。

高田さんは、お客様が情報収集しづらいミクロ環境の情報を代わりに収集し、お客様の設備投資の意思決定の不安を解消できる情報提供ができているからこそ、お客様からの絶大な信頼を勝ち取っているのです。

設備投資の意思決定にあいつから情報を聞かないと安心できないという立場を築くことができれば、お客様はその営業マンに依存せざるを得ません。

それを実践しているのが高田さんであり、これが高田さんのノウハウなのです。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることをお伺いすると、「なるほど!」と思わず唸ってしまった回答がありました。

それは、

「苦手意識を持っている人にあえて会いに行く」

とのことです。

営業マンも人間ですので、すべてのお客様とうまくコミュニケーションが取れるかというとそうではありません。

中には苦手な人・担当者というのは誰でもいると思います。

営業マンとしては、そのような苦手な人物は、その企業が開拓の余地がある、ないに関わらず、無意識のうちに避けがちです。

そして得てしてそのような顧客の方が開拓の余地が多分に残っていることが多いのです。

高田さんも、経験値として苦手意識のある人にアプローチすると、最初は苦労するのですが、一度、関係性が構築できると非常に強力な販売ルートになり、意思決定も早く、長いお付き合いになる方が多いとのことです。

このお話を聞いた時に、私は「キーマンアプローチ」を徹底しているのだと判断しました。

苦手意識を持つ相手とは、多くのケース業者に厳しい人です。

なぜ、業者に厳しくなるかというと、そこに自分自身の責任が伴うからです。

意思決定に自分自身の責任が伴う人というと、多くのケースは企業のキーマンと言われる方ではないでしょうか。

これは先程の情報収集・情報提供のところにも通じるところだと思いますが、キーマンと会い意思決定への不安・悩みを聞いているからこそ、どのような情報を収集しなければならないのかを把握することができますし、キーマンと会っているからこそ、その情報提供が意味あるものとなっているのではないでしょうか。

業界情報を聞いて顧客に提供する営業マンは山ほどいます。しかし、その情報が本当に有益な情報なのか、そして本当に必要な人に届けているのか、までできているでしょうか。

ここが他の営業マンと高田さんとの大きな違いではないでしょうか。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
苦手意識のあるお客様にあえて行くという背景に、高田さんがトップセールスとなっている源泉がありました。

高田さんになぜ、苦手意識のあるお客様にあえて行くのですか?とお尋ねすると、「私は負けず嫌いなんです」という回答が返ってきました。

しかし、高田さんは言う負けず嫌いは、他人に対してではなく、自分に対して負けず嫌いなのです。

このような考え方を持つようになったのには、あるきっかけがありました。

それは、中学・高校時代のことです。

ある日、家の中から父親の学生時代のアルバムが出てきて何気なく中を見たのだそうです。

そのアルバムを開くと父親の写真とある言葉が載っていたのです。

そのある言葉とは「克己」という二文字でした。

この言葉の意味を父親に聞いたところ、父親が好きな言葉で、この言葉にはこのような意味がありました。

「克己」=「自分に勝つことができなければ、他の人にも勝つことはできない」

当時、水泳部でなかなかタイムが縮まらずに苦しんでいた時に目にしたので、非常に自分を奮い立たせる衝動に駆られたそうなのです。

それから、高田さんもこの言葉が非常に好きになり、何かあると自分を奮い立たせるためにこの言葉を思い出していたそうです。

その甲斐あって水泳部では県大会を勝ち抜け、東北大会にまで出場できたのです。

ここに、苦手意識がある人でも立ち向かう精神を培ったルーツがあるのだと思いました。

あらためて「言葉の力」は凄いと感じてしまいました。

■水田チェック
高田さんの営業力の源泉は、何といっても「キーマンアプローチ」にあると思います。

本当に悩んでいる人に会っているからこそ、何に悩んでいるのかが分かりますし、その悩みを解消するために情報のアンテナを張り巡らせているので、本当に有益な情報を収集できているのではないでしょうか。

トップセールス集団と言われているキーエンスの話で、キーエンスの営業マンは決裁者かユーザー(実際に使っている人)にしか会いに行かないという話を聞いたことがあります。

この意図は、「他の人と会っても本当の悩みは聞けないから」です。

高田さんは、まさにこの本当に悩んでいる人に会っているからこそ高い業績を上げているのではないでしょうか。

 

第10回リアルトップセールスインタビュー

伊藤さん(シーケー)

第10回のリアルトップセールスインタビューはシーケークリーンアドの伊藤さんです。

伊藤さんは、日々飛び込みを次から次へとこなす、ここ最近ではあまり見なくなってしまった「新規開拓専門の営業マン」です。

同社では月間7~8件の開拓をするとトップセールスと認められる中で、月間15件以上の開拓実績をたたき出した経験のあるリアルトップセールスマンです!!

元々は技術職として採用されたのですが、ケガで技術職を続けることができなくなり、希望したわけではない営業職をやらざるを得なくなりました。

しかし、営業職に配置転換されたことが伊藤さんの隠れていた才能を開花させるきっかけとなったことは言うまでもありません。

ストレスが一番かかると言われている新規開拓の飛び込み営業を今では全くストレスを感じることなくこなしているのです。

■売るための秘訣とは?
伊藤さんの売るための秘訣をお伺いするとこのような答えが返ってきました。
それは、、、

「いかにお客様が困っていることを探し出し、解決するか」

ということです。

伊藤さんは、飲食店向けにグリスフィルターのレンタルやメンテナンスを提供しているお仕事なのですが、新規客に対してフィルターレンタルの商品説明や取引のメリットを語るのではなく、空調関係でお客様が困っていないかをまず確認するのだそうです。

「●●に面倒を感じたことはないですか?」とか「●●に不便を感じたことはないですか?」などを質問してお客様の状況を確認していくのです。

そこでお客様がその質問に反応すれば、自社の商品・サービスでの最善の解決方法を提案していくのです。そして、問題を抱えていなければ早々に話を切り上げて次の見込み客へと移っていくのだそうです。

伊藤さんは自社の商品やサービスで解決できる問題をよく把握しており、その問題を持っているかいないかで、新規客の見極めを行っているのです。

ただ、私はここであるひとつの疑問が湧いてきました。

それは新規客というのは、飛び込みセールスしてきた営業マンに素直に情報を出さないことがほとんどです。

もし、見込み客が売り込まれることを嫌がり正しい答えを返してくれなかったらどうするのかと考えたのです。

そして中には、問題を持っているものの、その問題を認識していないお客様もいるはずです。

そのような新規客に対してどのように対処しているのかを聞いたところこのような答えが返ってきました。

それはダクト火災のリスクを新規客にお伝えし、対処しないことの深刻さを伝えるのだそうです。

そんなことを伝えられると、正直素直にならざるを得ません(汗)

人は何か利益を得るよりも、痛みから回避することの方が強い反応を示します

この感情をうまく訴求することができれば、相手も耳を貸さざるを得なくなります。
その感情をうまく捉えたトークができているからこそ、新規客が伊藤さんの言葉に思わず耳を貸してしまうのだと思います。

そしてそのトークができたのも、伊藤さんが心底お客様の困っていることを解決してあげたいという思いがあったからこそではないでしょうか。

■成果を上げるために心がけていることは?
「付き合いたくないお客様とは付き合わない」

ことだそうです。

数字を追っている営業という職種上、なかなかお客様を選ぶという行為はできないものですが、伊藤さんは、はっきりと線を引いているようです。

伊藤さんの付き合いたくないお客様とは、「一方的にしゃべる人」「まったく聞く耳を持たない人」「上から目線で話す人」だそうです。

伊藤さんはお客様と営業マンという立場でも対等であるという信念を持っています。
営業だから媚びなければならないとはまったく考えておらず、お客様のビジネスのパートナーとして専門性を発揮して、お役に立つことが営業マンの役割だと考えています。

飛び込みをしていく中で、業者に対して横柄な態度をとるところもありますが、そういうお客様とはあえて付き合わないようにしているのだそうです。

営業マンは数字欲しさに、付き合いたくないお客様とも付き合っているケースは良くあります。

しかし、付き合いたくないお客様と付き合えば付き合うほど手間がかかり、本当にサービスを気に入っていただいて多くのお金を支払ってくれている優良顧客へのサービスがおろそかになるようであれば本末転倒です。

ある意味、「付き合いたくない顧客とは、付き合わない」と線を引くことが、本当に自社の商品・サービスを必要としている顧客に時間を割くための最良の方法になっているのではないでしょうか。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
今の伊藤さんを形成した源泉は、営業を始めた当初の経験が大きいようです。

伊藤さんは、営業に変わった最初の1ヶ月に上司との同行と鬼のロープレによって営業の基礎を築き上げました。

営業になった最初の1ヶ月は、毎日飛び込みのロープレを上司と行っていたそうですなのですが、そのお客役をする上司は、毎日飛び込み営業をしている海千山千の人物です。

たちの悪いお客役を演じることはお手の物で、伊藤さんはその手強すぎるロープレが嫌で嫌でしょうがなかったそうです。

しかし、そのような鬼のロープレを続ける中で、実際の飛び込みで会うお客様はロープレでお客様に扮する上司に比べると非常に優しく見えるようになり、1ヶ月でかなり飛び込み営業へのストレスを克服できたそうです。

この1ヶ月の体験が、今のストレス体性の高い伊藤さんを作り上げたのです!

あなたは、そこまでレベルの高いロープレを実践しているでしょうか?
ロープレの重要性をあらためて思い返させてくれるお話でした。

■水田チェック
伊藤さんの営業力の源泉は、「見込み客を見極める力」にあると思います。

「お客様が困っていることを確認すること」や「付き合いたくないお客様を明確にしているところ」などは正に見込み客を見極めるための方法です。

お客様が困っていることを確認するための質問は、自社の商品・サービスで解決できることから逆算しての質問になっています。

お客様のニーズが発生する背景には、必ずお客様が何か問題を抱え、それを解決するために商品やサービスを購入するのです。

その問題を持っているかどうかを確認することで、今後お客様となり得るかどうかを見極めているのです。

そして付き合いたくないお客様の話にも続きがあり、「一方的にしゃべる人」「まったく聞く耳を持たない人」「上から目線で話す人」など業者を大切にしない顧客は、来店したお客様に対する姿勢も本当の感謝の気持ちがなく、表面的な接客をしているとのことです。

表面的な接客はお客様に見透かされ、結局お客様が寄り付かなくなる店になっていくとのことなのです。

繁盛していない店はフィルターの清掃を外部に頼らなくても自分たちでやれる時間が十分あるため、営業を仕掛けていってもお客様になりにくいそうです。

このように伊藤さんの行動には、お客様を見極めるための方法論が隠されており、お客様になる可能性が高い顧客に時間を使うことで新規開拓を量産しているのではないかと思います。

 

第9回リアルトップセールスインタビュー

伊藤さん

第9回のリアルトップセールスインタビューは日立ソリューションズの伊藤さんです。

伊藤さんは企業に対してグループウェアやセキュリティに関するシステムを直販及びパートナー販売をしています。

商談単価は数百万から数千万円と非常に大きく、どうしても実績に波が出やすい業態の中で、なんと3年連続予算を達成しております!!

3年連続予算を達成しているのは全営業の中でもトップ2割程度、しかも今期の上半期も予算達成見込みと4年連続での予算達成に王手をかけております。

また、ある業種向けの直販案件としてチーム内で過去最高の大型受注に貢献した経験もあるリアルトップセールスマンです!!

■売るための秘訣とは?
伊藤さんに売るために秘訣をお伺いしました。それは、、、

「チームプレーに徹する」

です。

伊藤さんの取り扱う商談は、商談規模が大きく、案件発掘からプレ提案、本提案、受注後のフォローなど1人ですべてをこなそうとすると大変な作業になります。

しかし、営業というのは手掛けた案件を受注にまで持っていくプロセスをすべてこなすことが仕事と考えがちな中、伊藤さんは自分の役割をしっかり認識して「任せるものは任せる」という強い信念を持っています。

自分自身の役割は「案件発掘」に特化して、発掘したあとのプロセスはサポート部隊やSEなどの社内の人材に徹底的に協力を仰いでいるのです。

このように案件発掘のプロセスに自分自身の時間を特化させることにより、案件量が圧倒的に豊富になり、成約率が他の営業よりも低くなったとしても十分に補えるだけの案件が準備できるようになったとのことです。

しかし、世の中には仕事の質が落ちてしまうことを懸念したり、楽していると思われたくないという感情から、なかなか仕事を任せられない人がいます。

そんな中、任せる技術についてお尋ねしたところこんな答えが返ってきました。

私は「のび太戦略」を使っているとのことです。

「のび太戦略」とは、のび太君がドラえもんにお願いするがごとく、頼む戦略なのだそうです。

私は感心しながらも、「のび太君のように泣きながら弱々しくお願いするのかなぁ?」と考えていましたが、話をよくよく聞いてみるとまったく別物でした。

「のび太戦略」とは、ただ単に「のび太君のように泣きながら弱々しくお願いする」のではなく、自分一人では解決できない状態を素直に認め、解決できる人とフォーメーションを組んで、あらゆる難題を解決する在り方のことなのです。

もちろん、一人一人が頑張るのは当然です。

しかしながら、それではどんなに頑張っても「一人力」の力でしかありません。一人でやれる仕事に大きな仕事はなく、チームとして機能することで初めて1+1が3にも4にもなるのです。

目的は、個人的な達成感を得ることではなく、チーム全体の、ひいては自分がお世話になっている会社全体としての成果の達成なのです。

その点を、のび太君がドラえもんにお願いするがごとく、「心の叫び」として相手に伝えるのです。

伊藤さんは予算達成に完全に焦点があたっています。

予算を安定的に達成するためには、各々が役割を十分に認識して、本当にやるべき仕事に特化すべきという信念があります。

そして仕事をお願いするときは、正論を語って話すこともあれば、情に訴えかけることもしています。たとえ、相手と言い争いになっても、共通の目的を見出し、その点にフォーカスを当て、粘り強く周囲を口説いて周ります。

本来であれば、もう面倒なので自分でやってしまおうと考えてしまいますが、安定的な予算達成にはチームプレーが不可欠であり、予算の絶対達成に焦点が当たっているため、いっさいブレない姿勢に周りが折れていくようなのです。

「信念の勝利」です。

自分自身の役割を使命に転換し実践することこそが、伊藤さんの売るための秘訣なのです。

■成果を上げるために心がけていることは?
伊藤さんは数字の積み上げ方に自分自身の理論を持っています。

その理論とは、予算達成させるための数字のベースは既存顧客で作り、余力で新規を行うということです。

伊藤さん曰く「人類史を俯瞰すると、まっとうなやり方で長期的全体的に豊かになるには、このやり方しかないように思えるんです。それに気づくのに時間が、かかり過ぎました(笑)。」とのお話です。

今の仕事は基本的には新規開拓チームです。数字のフォーカスも新規に偏りがちです。

営業マンとしては、1件でかい新規案件を受注すると目立つので、そのような華やかな活動に集中しがちですが、華やかさだけを追い求めていると安定的に予算達成することはできません。

うまく行けば予算達成、うまく行かなければ予算未達成というバクチ打ちのような営業活動に終始してしまいます。

伊藤さんは「常に予算達成」をするために、ベースの積み上げが必要不可欠であることを認識しているため、安定的な受注構造となる既存顧客からのストックビジネス(保守費用)の維持、積み上げを常に意識して既存客へのフォローも欠かさずに行っているのです。

通常の営業マンは案件発掘から受注までのプロセスを一人でやっているケースも多く、新規開拓に時間を費やすと、既存顧客のフォローに時間を割くことができなくなります。

しかし、伊藤さんはチームプレーを徹底し、活動時間のほとんどを案件発掘だけに費やしているので、既存顧客へのフォローも十分にできる体制になっているのです。

また、既存顧客も1回だけの取引だけでなく、他にも販売できるポテンシャルはいくらでもあります。

定期的なフォローを行うことでストックビジネス(保守費用)の維持だけでなく、クロスセルからの拡販も行い、安定した予算達成を実現しているのです。

実際に、同じ部署で既存のお客様からクロスセルのリピートオーダーをいただいているのは、伊藤さん以外には、ほとんどいらっしゃらないご様子です。

結果として、営業スタイルを変える前より、残業は減らせたにも関わらず、成果は出せるようになったそうです。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
伊藤さんが新規開拓チームに居ながらも既存顧客のフォローを重要視するきっかけとなった出来事がありました。

それは過去に数億円規模の大型の受注をした時のことです。

その受注金額は当時かなり大きな金額だったようで、その受注に社内は喜んでいたようです。

しかし、そのシステムがお客様に導入された直後、、、

大きなトラブルが発生したのです。

チーム営業だったとは言え、直接の担当者だった伊藤さんは、そのお客様の会社にほとんど張り付いてトラブル解決ために奔走しました。

その期間はなんと5ヶ月です。

しかし、5ヶ月間必死のフォローの甲斐あってなんとかトラブルを解決することができたのです。

そしてそのトラブルに対する真摯な姿勢にお客様からの信頼を得ることができ、トラブルを発生させたにも関わらずこの後に更に大きな金額の発注をいただいたのです。
(その時の受注金額が過去最高となる受注金額を記録した案件です)

本来ならシステムトラブルの原因は自分ではないので、「何でオレが・・・」という気持ちも多少あったのですが、それでも当時のチームで必死に開拓したお客様なので、やはり営業担当者である自分がすべての責任を負うことは当たり前だと考え直し、トラブルに対処したのです。

このトラブルの対処からお客様に喜んでいただいたことがきっかけに、お客様とは1度きりの関係ではなく、生涯付き合っていく気持ちでビジネスをしなければならないと思い直したそうです。

このきっかけから、既存顧客のフォローも大切に行うようになり、その行動が予算達成をする上でも大きく寄与していることは前述の通りです。

■水田チェック
伊藤さんの強さの秘訣は何といっても「選択と集中」にあると思います。

自分がやらなければならない業務、予算を達成するためにいちばんの重要な活動にフォーカスしていることです。

その役割をきっちり担うために、私情を捨て使命をまっとうしているからこそ、最高のパフォーマンスが出せているのだと思います。

なかなか分かっていてもできないことですが、それを割り切ってブレずに実行していることがすばらしいところだと思います。

ここ最近、自分の生産性ばかりを上げようとしていた私には大きな衝撃があったインタビューでした。

自分の役割を考えてどこにフォーカスすべきかを改めて考えたいと思います。