セールステクニック

第30回リアルトップセールスインタビュー

西原さん
第30回のリアルトップセールスインタビューは(株)FPパートナーの西原さんです。

今回インタビューをお願いした西原さんの会社は「実は」私の保険を担当していただいている会社です。

当社は、あらゆる保険会社の商品を取り扱い、お客さんのライフプランに合わせて最適な保険会社とその商品を紹介してくれる、消費者にとっては非常にありがたい保険代理店なのです。

西原さんは元アリコの営業マンで、現在は当社の支店長としてマネジメントも行いながら営業マンとしても現役でご活躍されております。

営業マンとしては過去MDRTを3回受賞されており、会社の推薦で東洋経済からインタビューも受けたこともあるリアルトップセールスなのです。

それでは、そんな西原さんの営業の秘訣をご紹介いたしましょう!

■売るための秘訣
西原さんの売るための秘訣は、大きくは二つに分かれます。

ひとつは、「販売」そしてもうひとつは「集客」です。まずは「販売」での営業ノウハウからご紹介いたします。

保険というと一般的に「難しい」とか「ややこしい」というイメージが先行する商品です。
保険の営業はこの「難しい」とか「ややこしい」というイメージを払拭しなければお客さんは動いてくれません。

そのような商品特性の中で、西原さんは必ず以下の3点のポイントを押さえて説明をするようにしているのです。

1)簡単であること
2)入る時は真剣に考えること
3)今回限りであること

このポイントのひとつひとつに西原さんのノウハウが詰まっているのです。

1)簡単であること
保険はあらゆる企業の商品を数えてみるとなんと600種類以上もあるそうなのです。

この種類の多さが一般消費者にややこしいという印象を与える要因になっています。

しかし、西原さんはその複雑そうなイメージを払拭するために、まずお客さんのライフプランの確認や提案する商品の話をする以前に、必ずしておくべき話があるというのです。

その話とは、「保険のしくみ」の話です。

保険というのは何百種類も商品がありややこしそうなイメージがありますが、もとをたどっていけば「定期保険」「養老保険」「終身保険」の3種類しかないそうです。

「保険って色んな商品名がありますが、ぶっちゃけこの3つのどれかなんですよ」と話してあげると、とたんにお客さんが耳を傾け始めるのです。

2)入る時は真剣に考えること
しかし、保険がいかに単純なことが分かっても耳を貸してくれるかもしれませんが、実際に行動を起こすまでの動機付けにはまだ弱いものとなります。

そこで西原さんは、耳は貸してくれたものの動こうとしないお客さんに、保険が「いかに高い買い物であるのか」そしてその保険に対して「いかに無頓着であるのか」を伝えるというのです。

保険は月々の支払に分割されているのであまり意識されないのですが、実は生涯支払う金額は一般の人でも1千万を簡単に越える買い物であり、家の次に高い買い物となります。

しかし、分割の支払になっていることで高い買い物という意識が希薄になっているところをこんな質問をしてみるのです。

「今の保険って、いつまでお支払があるかご存知ですか?」
「保険で、いくつまで保証されているかご存知ですか?」
「解約返戻金はあるタイプのものですか?無いタイプのものですか?」

お客さんは毎月支払っている金額は良く分かっているのですが、それ以外のことを実はよく把握せずに契約がしている人が多く、ほとんどの方がこの質問に明確に答えられません。

そして答えられないお客さんに、

「家を購入されるときは色々な展示場に行って、めちゃくちゃ勉強して購入されますよね。保険は生涯で試算すると、家に次ぐ大きな買い物なのです。ほとんど理解できていない状態で支払い続けていることに不安を感じませんか?」

理解できていない事実を伝え、考える必要性を訴求するのです。

3)今回限りであること
そして最後に極めつけです。

必要性を感じていながら「う~ん」と考えている人に最後の一押しをするのです。

人はなかなか決断できない生き物です。

営業マンの中には断られることに恐怖を感じて、結論を確認しない人がいますが、それはお客さんにとって不親切です。

決断を迫られて悩んでいる時ほどその道の専門家である営業マンがそっと背中を押してあげるべきなのです。

心優しい西原さんはそっとこの一言を添えてお客さんを後押しするのです。

「保険というのは何度も考える必要はないです。1回だけ頑張って考えてみましょう」
と・・・。

この最後の一言で多くのお客さんが救われ、動き出していくのです。

■自動集客の仕掛け
続いて「集客」に関するノウハウです。

保険業界での見込み客に集め方として主流なのが、やはり「紹介」です。
紹介してもらえる人脈が多かったり、紹介を得られる仕組みを持っている保険営業マンは見込み客集めに圧倒的に有利になります。

西原さんは「紹介」を得るためにシンプルなことを実践しています。

それは「どのような人間なら紹介をもらえるか」ということに着目して契約後のアフターフォローで“あること”を実践しているのです。

この“あること”こそが自動集客の仕掛けを作り上げているのです。

その自動集客の仕掛けとは、

「手続き書類はもっていく」
「証券が届く頃に再度行く」

というシンプルな方法です。

手続き書類は記入方法が分かりづらく素人からすると面倒くさいものです。

その面倒くささを放置してしまうと手続きが大変だったイメージが残ります。

そのイメージをもたれてしまうと、いざ紹介をしてほしいとお願いしても、そのめんどくささから二の足を踏んでしまいます。

そのようなイメージをもたせないためにも、お客さんが何のストレスもなく手続きできるようにわざわざ手続き書類をもって行き丁寧に説明しながら記入をさせるのです。

そして契約後の証券が届いた頃にも仕掛けがあります。

証券が届いたであろうタイミングで再度、お客さんのお宅にお伺いし、証券やこれまでの見積り、保険の設計書など不要なものを整理して、必要な書類一式にファイリングしてあげるというのです。

これは保険を契約したことがある人なら分かると思いますが、いくつもの保険商品を検討し、保険料の調整などをしている間に見積書、設計書が山のように増えていきます。

契約するときには、どれが必要でどれが不要なのかを整理せずに書類をまとめて保管して、いざ保険内容を見直そうとした時に何がなんだか分からないことがあります。

そのような状態を避けるために、わざわざ証券が届く頃にお客さんのところに伺ってその書類を整理してあげるのです。

「かゆいところに手が届く」

とは正にこのようなサービスではないでしょうか。

このようなサービスを提供することにより「この営業マンに任せると安心」という印象を与えることができ、その信頼の獲得が紹介へとつながっていっているのです。

■このノウハウをどこで手に入れたのか
西原さんのノウハウは具体的で非常に分かりやすいものです。

このような分かりやすいノウハウを構築したルーツはいったい何なのかをお伺いすると、このような話がありました。

西原さんは保険営業を始めた当初は、友人・知人などをあたって契約を取り続けていたそうです。

しかし、縁故による営業だけではいずれつながりの薄い人たちしか残らなくなってきて、契約を取り続けることは難しいと予想したのです。

そこで今までのやり方だといつか枯渇してしまう危険を回避するためにどうすれば良いかを考えたのです。

そこで思いついたのが先輩社員の存在です。

契約を取り続けることができず、やめる人が多いこの業界でずっと生き残り続けている先輩社員には何か理由があるはずと考えたのです。

そして、なぜ生き残っているのかを素直に聞き、そこで教えてもらった方法が今のやり方なのです。

先輩の成功要因を聞いて実践できるように体系化したからこそ、西原さんのノウハウは再現性のあるものになっているのだと分かりました。

なので、今のノウハウは当然今の部下にも教育しており、マネージャーとしても高い実績を上げ続けているのです。

■水田チェック
西原さんのノウハウは顧客心理をよく理解した営業手順になっています。

まず、保険の仕組みを伝えることで、複雑であるという先入観を取り払い、『耳を傾けさせて』います。

その後に、保険の支払総額とそれに対する無頓着さを指摘し、考える必要性を『感情に』訴えかけています。

そして検討すべきかを悩んでいるお客さんに、「一度きり」ですからという『理屈』で、「動き出すことを正当化してあげているのです。

人は「感情で買い、理屈で正当化する」とよく言われます。

「耳を傾けさせ」→「感情を刺激し」→「理屈付け」により相手に行動を起こさせることを促しているのです。

シチュエーション別に「お客さんが今なにを考えているのか」をよく考えたノウハウであり、その大切さを教えてもらえたインタビューでした。

我々も「今、お客さんが何を考えているのか」を考え対処していくことが必要なのです。

「ドアを開けた時」「話し始めたとき」「商品説明を聞いている時」「決断しようとしている時」などのシチュエーションを想定して、お客さんが何を考えているかを洗い出してみると西原さんのような営業ができるようになるのではないでしょうか。

■インタビュー企業
社名:株式会社FPパートナー
住所:愛知県名古屋市中区錦2-15-22
TEL:052-229-0826
URL:http://fppartner.jp/

第29回リアルトップセールスインタビューズ

津曲さん

第29回のリアルトップセールスインタビューは(株)アクセスの津曲さんです。

今回ご紹介する(株)アクセスは、求人サイトや雑誌などで求人広告の企画・制作を通して、企業の採用活動を支援している広告代理店です。

インタビューさせていただく津曲さんはこのアクセスという会社を27歳で立ち上げ、同社をリクルートトップパートナー代理店にまで押し上げました。

津曲さんは現在、社長という立場でありながら、まだまだ現役の営業マンです。
津曲さん曰く、「営業以上におもしろい仕事は他にない」とのことで、根っからの“営業大好き経営者”なのです。

そんな津曲さんの経歴をお伺いすると、最初は営業のエリート集団であるリクルートで勤務し、そして4年間の営業経験を積んだ後に独立したとのことでした。

リクルート時代でも求人広告の営業を行っておりましたが、その営業マン時代の実績を聞いて驚きました。

新規開拓の実績が
1年目:150件
2年目:200件
3年目:150件
4年目:50件※
※4年目は営業マネージャーとなり、部下育成に力点を置かざるを得ず、実績が50件となっています。

そしてこの後に独立したのですが、その後も
5年目:150件
6年目:200件

6年間で「累計900件」も新規を開拓したのです!!

こんな求人広告営業のプロフェッショナルである津曲さんに、売るための秘訣をお聞きすると「営業とは3つの方程式から成り立つ」とおっしゃいました。

その方程式とは、

「努力」×「好奇心」×「マーケティング」

この構成要素を一つひとつ分解してご説明します。

① 努力
津曲さんは営業のエリート集団といわれるリクルートで、最初の営業時代を過ごしています。

リクルートで華々しい営業マンデビューを果たしたかというと、実はそうではなく、最初は売れない日々が続いたそうです。

上司の教えで、1日100件以上の飛び込みを行えという指示を、愚直に実行していたのですが、飛び込めど飛び込めど、なかなか成果は上がりませんでした。

同僚が新規開拓でどんどん成果を出していくのを尻目に、まったく売れない日々が続いたのです。

そして毎日100件の飛込みをこなす中で成果が出ないことに虚しくなり、ある日突然、無断欠勤をしたのです。
「どうせ俺なんて、あいつらみたいに才能もないし、容姿がいいわけでもないから、いくら営業をやってもムダ」
と諦めムードでぼーっと「笑っていいとも」を見ていたのですが、そのうち…

「やっぱりダメだ!このまま諦めたらまたパチプロに逆戻りだ、会社に戻らなければ・・・」
※リクルートに勤務する前はパチプロだったそうです。

と思い立ち、会社に戻りました。

会社に戻って、当日アポを取っておきながら、ブッチした企業に謝りの連絡を入れたところ、なんとその企業と会話を進めていくうちに受注につながったそうです。

そしてその企業だけでなく、その翌日も受注があり、更にこれまでまったく反応がなかった顧客から、トントン拍子に問合せが増えていきました。

この出来事は、津曲さんが飛び込み訪問をし始めてから約1ヶ月半後の出来事であり、3000件の営業活動(稼働日30日×100件)を行った時期だったそうです。

この体験から津曲さんは「営業の閾値」を感じたそうなのです。
※閾値(いきち)・・・ある反応を起こさせる最低の刺激量

水が0℃になると氷になり、100℃を超えると水蒸気になるように、営業もある一定の値を超えると、反応が返ってくるということなのです。

この3000件という数字に閾値を感じた後、津曲さんは更なる反応を得るために、更に飛び込み訪問を増やしていったのです。

そして、「来年入ってくる営業マンがどこに行っても、『津曲』という名前が出てくるぐらい、ローラー作戦で名古屋市内の企業を全て回ってやろう!」と考えたのです。

結果的に名古屋市16区内の11区に関しては、当時の企業の全てを回り切り、ダントツの成功を収めたのです。

この経験から物事には「閾値」というものがあり、「ある反応に達するために、限界値までやりきる」ということが、自分自身の中での教訓になったそうなのです。

② 好奇心
「営業は好奇心を持つことによって自然と売れるようになる」と津曲さんはおっしゃっていました。

商品説明がうまくできなくても、相手のことに好奇心を持ち、話を聞いているだけで熱意を感じてもらえるというのです。

そして、こんな話もしていただきました。

「相手に60分間話し続けても、誰も営業熱心だとは思われないが、60分間相手の話を聞き続けると『あんた、熱心だね』と言われます」

なるほどその通り!と思わず唸ってしまうフレーズです。

「人はみんな教え好きであり、語り好きなんですよ」

とおっしゃる津曲さんは、商談時間の8割は聞くことに時間を当てています。

しかし、聞くことに多くの時間を割くといっても、話が詰まってしまう人のために私は、更に鋭く突っ込みを入れてみました。

水田「津曲さん、“聞く”といってもなかなか質問に答えてくれない無愛想な人もいると思うのですが、何を聞いているのですか?」

と質問すると、営業において極めて重要なことを話してくれたのです。

津曲氏「私は、まず『相手の仕事のこと』を聞きます、そしてその後は『会社の成り立ち』そして最後に『趣味や奥さんのこと』まで聞けるようになれば、もう信頼関係は構築されていますね」

私はこの話を聞いたときに、これこそまさにトップセールスの雑談の型ではないかと、心を躍らせました。

よく営業で、いきなりプライベートな話をする人がいます。
しかし、見ず知らずの人に「ゴルフ好きなんですか?」と言われても、「いったい何なの?」という反応をされるのもよくある話。
まず、相手と雑談をするのであれば、その会社の仕事内容や業務のことからスタートすると違和感がありません
そして相手の仕事の話で盛り上がってきたところで、会社のこれまでの生い立ち、そしてその将来の話を聞けるレベルにまで達して、ようやく趣味や個人の話ができるのではないでしょうか?

津曲さんは経験値で雑談の型を確立しており、そして雑談の内容で相手との信頼関係の深度を図る指標も持っているのです。

但し、これはテクニックですが、この手法が生まれた背景には好奇心が欠かせません。
「お客様を知ろう」という好奇心抜きで、うまくできる手法でありません。
好奇心はあるのだが、うまく話を聞くことができない営業マンには是非とも参考にしていただきたい内容です。

③ マーケティング
「初回訪問の目的は2回目訪問するべきかどうかをジャッジするためのもの」と津曲さんは断言します。

常にすべてのお客様に平等に営業をかけるのではなく、営業で実績を上げるためにお客様を選別して、営業を仕掛けているのです。

これは至極当然のことで、「営業たるもの実績を上げてナンボ」です。

当然のことながら、依頼をくれやすいお客様と、そうでないお客様に分けて“営業の濃淡”を変えていく必要があるのです。

そこで、求人広告営業としての見極めのポイントを聞きたい私は、津曲さんに聞いてみました。すると、次のような答えが返ってきました。

見極めのポイント、それは、

「事業への積極性」です。

求人広告は人材を増やす意志のある企業がよく活用します。

つまり、人材を増やす計画がある企業ほど、求人広告が必要とされます。
そこで確認するのは「将来のビジョン」です。

経営者の将来のビジョンを聞くことができれば、必然的に事業に積極性があるかないかを判断することができますし、拡大意欲のない企業に無駄な時間を費やすこともなくなるのです。

津曲さんは、この事業の積極性を先ほどの雑談の中から拾い出し、そしてその内容から、「A見込み、B見込み、C見込み、思い出名刺」とランク分けを行い、優先順位を付けていったのです。

この「努力」×「好奇心」×「マーケティング」が、津曲さんの経験値から得た営業のノウハウであり、この一つひとつの言葉に非常に深い意味と体験談があることが伺えました。

津曲さん、ありがとうございました。

■水田チェック
津曲さんの話で、私が特段興味を持った内容は、やはり「雑談の型」です。

これまで提案営業やヒアリングの手順などを解説しているノウハウ本はありますが、雑談だけにフォーカスして営業の型を持たれていたことは非常に興味深いことでした。

また、この雑談の型も非常に秀逸な手順になっており、よくよく考えるとこの手順がいちばん自然だし、相手も話がしやすいだろうなと感じました。

提案営業の仕方みたいなノウハウ本もありますが、提案営業も結局は信頼関係という土台がない限り、活用しても効果は発揮しません

このような信頼関係を構築するための「雑談の型」は、巷の営業本にはなく、リアルなトップセールスだからこそ、経験値から掴み取り、そして体系化できたノウハウではないかと思います。

■インタビュー企業
社名:株式会社アクセス
住所:愛知県名古屋市中区丸の内3-6-27 EBSビル3F
TEL:052-963-0521
URL:http://www.access2000.co.jp/

第28回リアルトップセールスインタビューズ

中村さん
第28回のリアルトップセールスインタビューは林木材の中村さんです

林木材さんは工務店や材木店、家具工場などに建材を販売している商社です。

住まい作り・店作り等、あらゆる空間に、快適で環境にやさしい商品を幅広く取り揃えており、神戸・姫路を中心として営業を行っています。

今回インタビューした中村さんは当社会長のご子息でもあり、12年前に当社に戻って家業を切り盛りされており、今は常務という立場です。

しかし常務という立場でありながら、管理よりも営業が大好きで、現役営業マンとして今でもガンガン売っているトップセールスなのです。

中村さんは12年前に戻った当初、新規開拓を行っていなかった当社の営業スタイルをみて「まだまだ拡販する余地がある」と思い新規開拓をスタートさせました。

新規開拓では、当時取引のあった材木店や家具工場の客数アップは当然のことながら、これまで着手していなかった異業種の工務店への販路も切り開き毎年30%前後の売上アップを続け、なんとたった6年で会社の年商を『2倍』にしてしまったのです!!

そんな新規開拓を得意とする中村さんに売るための秘訣を聞いてきました!!!!

■売るための秘訣とは?
私は中村さんの営業ノウハウを引き出そうと思い、「売るための秘訣って何ですか」とストレートに聞いてみました。

そうすると、中村さんこう答えてくれました。

中村氏「普通にやっていれば売れますよ」

水田「うっ!!(これはもしやトップセールスによくある売れているのが当たり前すぎて人と何が違うのか気づいていないタイプか?)」

そう思った私は更に中村さんに突っ込みを入れました。

水田「じゃあ、他の営業と中村さんとでは何が違うと思いますか?」

中村氏「う~ん・・・・、よく他の営業は話すネタがないって困っているな~~」

水田「(チャンス!何か分かりそうだ)新規開拓をしている多くの営業の方が2回目、3回目に行った時のネタがないって困っているのですが、中村さんは何を話しているのですか?」

中村氏「何を話しているって・・・別に何気ない雑談レベルの話ですけど」

水田「雑談ネタってどうやって探してますか?」

中村氏「名刺のことをネタにしたり、事務所にゴルフバックがあればゴルフの話したり、カレンダーに企業名が載っていたらだいたい取引先なのでそれを話題にしてみたり、建屋のこととか、場所柄とかの話かなぁ?」

中村氏「雑談のネタ元かぁ~、毎日こんなもので情報は収集していますけど、ちょっと待ってください」

そういって中村さんは自分の机からパソコンを持ってきてくれたのです。

中村氏「これで毎朝情報を収集していますね」

パソコンの画面を覗き込むと、「日経テレコン」の画面だったのです。

中村さんは日経テレコンのクリップ機能を活用して、取引先、業界などに関連するキーワードをクリッピングしておき、キーワードに関連する情報がアップされていないか毎日チェックしているというのです。
(こちらの機能は記事がアップされるとメールに転送される機能もあるようです)

そして私はこのように質問すると更に情報収集のコツを教えてくれたのです。

水田「いつも検索されたすべての記事に目を通されているのですね」

中村氏「時間がない時は見出しぐらいしか見ないよ。それでも十分、雑談のきっかけにはなるけどね」

ここは超重要なポイントです。

そうなのです。記事すべてに目を通さずとも相手に話題を振るだけで、相手は自分に関連する情報ということもあり、勝手に話し出すのです。

雑談といえば何かこちらが話し続けないといけないというイメージがありますが、本当にうまい雑談はそうではないのです。

きっかけをうまく放り込むことで相手が自動的に話しだしてくれるのです。

そして雑談ネタがいつでも出せるのは、センスでもなんでもなく、日頃、情報収集の積み重ねをしっかりしているからこそできることなのだと中村さんを見ていて痛感しました。

(積み重ねといってもこの方法なら飛躍的に情報収集が楽になりますね。この方法はパクらせて貰います)

■成果を上げるために心がけていることは?
中村さんが成果を上げるために心がけていることは、

「モノ+情報」の提供です。

現在のビジネスは商品だけでは競合と差別化することはしづらく、かつ値下げもギリギリのところまできているため、いかに商品以外のところで付加価値を付けていくかが競争を制するポイントになります。

そして中村さんは商品に付加価値を付けるためにやっていることというのが「情報提供」なのです。

その情報というのは主に『国策』などで、ここ最近では地域型住宅ブランド化事業などの補助金制度を取引先に提供するのです。

取引先が大手になるとこのような情報は既に分かっているケースは多いのですが、相手が中小の工務店であれば、実はこのような情報をタイムリーに掴んでいないことが多いのです。

そして単に情報を提供するだけでなく、その申請の方法までをお客さんに提供してあげるのです。

このような情報をいち早くキャッチするために、中村さんはネット情報だけでなく、保険代理店など専門家が主催している勉強会に月1回は参加し、情報収集をマメに行っているのです。

「商品にどのような付加価値を付けるか」

これは昨今ではどの業界もテーマとしていることだと思います。

「いかに有益な情報を付加できるか」

業界は違ってもあなたは大きなヒントを得ることができたのではないでしょうか?

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
中村さんは今のように情報収集をしっかりするようになったのはある保険営業との出会いがあったからだそうです。

その保険営業とは九州に在住していた時の保険の担当者で、いつも会話をすると感心させられることがあったそうなのです。

それは

「話題が尽きない」

ことです。

普段は連絡しても常に外出しており、女手ひとつで子育てもしていたこともあり、非常に多忙な方だったそうです。

しかし、急がしいはずのその営業担当者とひとたび会話をすると、非常に業界に精通しており、話題に尽きなかったのです。

そして中村さんがなぜそんなに忙しいのに話題に尽きないかを尋ねたところ、教えてくれた情報収集方法が、あの「日経テレコン」での情報収集だったのです。

それ以来、中村さんも同じ手法で効率的に情報収集を行って話題の尽きない人物となっていったのです。

■水田チェック
中村さんの営業力の強さの秘訣は、もうお分かりのとおり効率的で、かつ効果的な情報収集の方法だと思います。

よく雑談ネタで天気の話をしたり現在の市況の話をしましょうというのがありますが、実はこのようなネタは、返事はしてくれるのですが、あまり話題が盛り上がらないことが多いのです。

なぜ、話が盛り上がらないかというと、相手に直接関係がない話が多いからです。

「人がいちばん興味・関心を持っていることは何かご存知でしょうか?」

人がいちばん興味・関心を持っているのは『自分』なのです。

他人のことよりも圧倒的に自分のことに興味があるのです。

税法という小難しい話でも自分のお金に関わるということになると途端に興味・関心が湧きます。

それと同じなのです。

なぜ、中村さんが日経テレコンの見出しだけを確認するだけで話題が続くのかというと、その話題が相手に関係することだからです。

だからこそ話が続くのです。

この情報収集の方法は非常に有用だと思います。

というか私はこの手法をすぐに真似しようと思いますので、早速登録いたします。

(ネット検索すると、楽天証券で口座を開設すると日経テレコンの情報が無料だと調べましたので、早速やってみようと思います!!)

■インタビュー企業
社名:林木材株式会社
住所:兵庫県神戸市兵庫区湊町2-4-1
TEL:078-575-3610
URL:http://www.hayashi-mokuzai.com/index.html

第27回リアルトップセールスインタビュー

山口さん
第27回のリアルトップセールスインタビューはアフラック生命の山口さんです。

山口さんは保険営業といってもお客様に直接販売しているのではなく、代理店を通しての販売です。

営業は主に保険代理店への販売促進であったり、代理店を開拓するという業務になります。

山口さんが勤務する会社の予算設定は非常にシビアで、市況の変化に関係なく、毎年、前年比+10%前後で組まれるとのことで常に右肩上がりを想定した予算設定になっています。

そんな厳しい予算設定の中、なんと山口さんは営業を始めてからの10年間で、ほとんど予算を達成しており、戦績は7勝3敗という輝かしい実績を残しているのです!!

それだけではありません。

過去に年間表彰5部門中3部門を、山口さんが総なめにするなど、数々のタイトルを獲得しております。

また、予算金額の大小は、担当する代理店の大きさ・数に左右されるのだそうですが、山口さんは10年間すべて支店で一番の大きな予算を設定されているそうなのです。

これは毎年、大口客を任せられているということであり、その事実から当社が山口さんに対して絶大な信頼を寄せている証拠でもあると考えられます。

そんな社内からも信頼の厚い山口さんに代理店営業のノウハウをお聞きしてきました!!

■売るための秘訣とは?
今回は直接販売でなく、代理店営業というこれまでと違った切口ですので、代理店・問屋・パートナーを経由して販売している営業マンに非常に役に立つ内容ではないかと思い、私も興味津々で話をお伺いしてみました。

水田「山口さん、是非代理店営業の秘訣を教えてください」とお伝えするとこのような秘訣を教えてくれたのです。

代理店営業の秘訣、それは、、、

「解決策を提示しない」

当社では、代理店との癒着が万万が一にも発生しないように、2年周期ぐらいで代理店の担当変更を行うそうです。

2年程度で担当が変更されるのであれば、代理店に自社の商品の販売強化を促し、実績を上げるだけ上げたら、「サヨナラ」という割り切ったお付き合いをしている営業も現実的にはいると思います。

しかし、山口さんは短期的な業績アップを考えるのではなく、代理店がうまく営業できるようになることを常に最優先しているとのことなのです。

短期的な業績アップを追うよりも代理店の長期的な成長を考えて接した方が、結果的に業績が上がるというのです。

では、代理店がうまく営業できるようにやっていることは何なのかが気になった私は、その具体的な手法を聞いてみたのです。

そうすると山口さんは、代理営業のノウハウをシリアスに語ってくれたのです。

山口さん「私は代理店さんに対して『●●した方がいいんじゃないですか』とか『●●について聞いてみてください、●●保険の提案につながる可能性があるかもしれません』といった直接的なアドバイスはしません。直接アドバイスするのではなく、相手に気づいてもらうようにしています」

水田「へー、どうやって相手に気づかせるようにするのですか?」

山口さん「例えば、代理店さんと話をしていて、お客様の家族情報まで聞くことができれば色々な提案ができると分かっても直接、『ご家族の情報を聞いてください』とは言わないのです」

山口さん「こちらも気づいていないフリをしながら、自分が保険に加入した体験談や他のお客様での体験談を話題にしながら相手に気づいてもらうように示唆しています。相手に気づかせることができれば、その代理店さんはすぐに動きますし、次回同じようなシチュエーションに会った時に自然と気づくようになるのです」

水田「なるほど、でもよくそこまで我慢できますね。私だったら言ってしまいそうですけど」

山口さん「自分のことだけでなく、相手の今後のことも考えれば直接的なアドバイスよりも気づかせた方がより商品知識が身につきますし、実は遠回りに見えますが、結果的にはこちらの方が早いし効果は高いのです」

これは代理店に動いてもらわないと契約が増えないという制約のある営業スタイルで、非常に参考になる話ではないでしょうか。

実績を上げるためには、代理店に具体的にお願いして動いてもらうことを早いと発想してしまいがちです。

しかし、実際に手取り足取りやっていては代理店も育たないし、自分自身も手間がかかるばかりなのです。

代理店やパートナーの販売力を強化するためには、直接的なアドバイスで動いてもらうよりも「気づきを与えること」に専念した方が効率的なのです。

この事実をどれだけの代理店営業の方が気づいているでしょうか?

苦労ばっかりして予算がなかなか達成しない営業マンには大きな気づきがあったのではないでしょうか?

また、山口さんはお客様や代理店のニーズが自社の商品で満たすことができないと判断すると迷わずに、他社の商品や営業マンを、人脈を活用して紹介します。

そこまでして代理店のことを考えているのです。

解決策を提示しなかったり、結果的に他社商品がニーズを満たすことになろうとも、代理店のことを最優先に考えて活動することが山口さんの良さでもあり、代理店に支持される営業マンとなっている理由ではないでしょうか。

「代理店に育ってほしい」という姿勢が相手の好感を呼び、信頼関係を深めることで代理店がいの一番に相談する営業マンになっているのではないかと思います。

山口さん、ありがとうございます!!

■成果を上げるために心がけていることは?
気づきを与えるプロフェッショナルの山口さんが成果を上げるために心がけていることは、

「大量のコミュニケーション」

です。

山口さんは、お客さんとの接点をできる限り増やすことを心がけています。

過去1日1~2件のお客様との接触回数を、現在はその8倍にしているそうなのです。

そして、山口さんはマネージャーでもあるため個人予算だけでなく組織の予算達成の責任も持っています。

そこで山口さんが実践されていることは、お客さんだけではなく、部下とのコミュニケーション量もこれまでの2~3倍を心がけるようにしているとの事なのです。

山口さん曰く、
「部下とのコミュニケーション量を増やすことで飛躍的に相談される数が増えました。そのおかげかどうかは分かりませんが、部下の実績も向上して、前年対比7%アップの予算だったにも関わらず、予算は十分に上回りました」

「あと、昨年は組織の予算を達成させただけでなく、周りからの定性評価も非常に高く、コミュニケーション量って本当に大事だなと実感しちゃいました」

山口さんは、コーチング技術がなくとも、部下を見捨てない覚悟とコミュニケーションの量を担保すれば十分に部下は育つと確信しているようです。

そしてこんなことも話してくれました。

言葉は何を言うかよりも誰が言うかの方が大切です。なので私は部下に憧れられる存在になれるようにしていますし、憧れられる存在になるために2つのことを心がけています。ひとつは『自分が実績を出すこと』もうひとつは『逃げないこと』です」

保険業界では保険適用外のケースでも保険金を求められトラブルとなるケースが多いようです。

そのようなクレームが部下にあった際に自分から出て行き、そのトラブルを解決するようにしているらしいのです。

「男前ですね」と私が話すと、

「結構ムリしてますけどね(苦笑)」

と。

その表情から「本当に大変そうだな(汗)」と思わず思ってしまいました・・・

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
トップセールスになるにあたってのきっかけは沖縄で営業していた時のことです。

山口さんは沖縄で営業していた時に、うまく沖縄の地域特性を捉えることができず2年間実績が低迷していました。

2年前後で転勤になる仕組みの会社ですので、山口さんはそろそろ異動になるだろうと考えていたのです。

しかし、沖縄での実績は思わしくなく、このままでは代理店さんに「何も残せないまま離れてしまうことになる」と思いふけったのです。

そこで山口さんは実績を残すことができなくても最低でも営業ノウハウは伝えていこうと思ったのです。

営業ノウハウを学んでもらえれば、自分自身が転勤になった後でもその代理店のためになると思ったのです。

そこで短期的に実績を上げるのではなく、どのようにすればノウハウを伝えることができるのかを考えたのです。

そこで考え出した答えが、「気づきを与えること」だったのです。

気づきを与えることができれば、吸収するペースも早くなると考えたのです。

そして実績を上げることではなく、ノウハウを吸収してもらうことに専念していると、なんと実績がこれまでの2倍に跳ね上がったのです。

この失敗&成功体験が、今の山口さんの「気づきを与える」営業手法の源泉になっていったのです。

■水田チェック
山口さんの営業手法は、まさに「傾聴」のテクニックだと思いました。

「傾聴」とは、

①相手の話を相手の語るままに聞き取っていく。
②相手の言葉の意味を正しく聞き取るだけでなく、相手の感情を受けとめる。
③言葉の背景にあるもの、沈黙の中に語られているものを理解しようとする。
③アドバイスしたり、問題解決しようとしない。

というものです。

私は直接話していたので分かりますが、非常に会話しやすいように気遣ってくれていましたし、相手が何を考え、どのような意図で話しているのかを常に考えているとも話してくれました。

そして話す割合も営業とお客さんで1:9の割合になるようにしているそうなのです。

解決策を提示しない姿勢といい、まさに山口さんの営業手法は、「傾聴」ではないかと分析しております。

■インタビュー企業
社名:アメリカンファミリー生命保険会社
住所:東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル
TEL:0120-5555-95
URL:http://www.aflac.co.jp/

第21回リアルトップセールスインタビュー

朝野さん

第21回のリアルトップセールスインタビューはシステムアートの朝野さんです。

今回インタビューした朝野さんは非常に異色の経歴を持った方でした。

現在は光回線の営業を法人やマンション経営者などに対して行っておりますが、以前の職業を聞くと驚愕の事実を聞かされることになったのです。

実は朝野さんの前職はなんと!なんと!『団体職員』だったのです。

団体職員といえば準公務員のような立場で、非常に安定した職業です。

そんな安定した企業の中で、かつ事務職をやっていたにも関わらず、いきなり営業職の中でもかなりきつい通信系の営業の世界に飛び込んだのです

(なんて極端な・・・・)

そんな転職を成し遂げた理由を朝野さんに聞いてみると、おもむろにこう語ったのです。

「団体職員時代の先輩の姿を見て、何か先が見えてしまっている人生に、『本当にこれでいいのか』と思ってしまった・・・」

そこで朝野さんは、先が見えてしまっている人生よりも、どうなるかは分からないが何かに挑戦し続ける人生の方が楽しいのではないかと考え、安定した収入を捨て、この世界に飛び込んだのです。

このような異色の経歴を持つ朝野さんですが、今ではこの業界の経験年数は10年と超ベテランの域に達しています。

この10年という数字は一般の企業では普通に思えますが、このフルコミッションの通信業界で10年と営業し続けられるのは稀です。

おそらく10年も生き残っているのは約1割程度

多くの人が途中で稼ぐことがままならなくなり辞めていくのだそうです。

その中で10年間売れ続けていること自体、恐ろしい事実であり、業績なのです。

そんな朝野さんに営業においてのノウハウをお聞きしてきました!

■売るための秘訣とは?
朝野さんの売るための秘訣、それは、、、

「あえて商品の話はしない」

ということです。

光回線の業界では、商品説明やいかにメリットがあるかを伝えようとする営業マンが多くいるようです。

お客さんもそのような営業が多いので、NTTとか光などの言葉を聞くだけで毛嫌いしてくる先も多いようです。

そのようなお客さんに提案技術を磨いて、どんなにうまくメリットを伝えたところで、そもそも聞く耳を持ってくれないため無意味なものとなってしまいます。

一番重要なのは「いかに聞く耳を持たせるか」ということであり、ここが肝でありかつ最も難しいところなのです。

朝野さんはこの「いかに聞く耳をもらせるか」ということに対して、「あえて商品の話をまったくしない」という方法をとります。

営業マンが現れて商品説明や売り込みが始まるのかと思わせといて、いっさいその話には触れずに終始、雑談をするのだそうです。

雑談がだんだん長くなると、お客さんは「この人は何の用で来たのだろうと疑問に感じ始めます」

そして思わず朝野さんに質問するのだそうです。

「今日はどのようなご用件で来たのですか?」と

朝野さんはこの言葉を引き出すことができれば営業の90%は終わったと言います。

この言葉がでれば、お客さんは話を聞くことを承認したのと同じことになり、その後、商品説明を行っても自分から質問したこともあって必ず話を聞くようになるのです。

「軽い自己紹介」→「雑談」→「雑談」→「雑談」→「商品説明の承認を貰い」→「営業」

というのが朝野さんの勝利の方程式なのです。

朝野さんは光回線の営業では、いかに売り込み色を消すかということが大事であり、相手に質問されるでは商品のことはいっさい説明しないという方法で、最初で最大の難関を突破し、契約数を量産しているのです。

他にも売り込み色を消すために、スーツではなく作業着で営業するなど、その徹底ぶりには感心せざるを得ません。

話を聞いてもらうために本当に知恵を絞っている姿に脱帽です。

このテクニック、完全にパクらせて貰います!

ありがとうございます!

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

毎回、面談で

「お客さんを教育すること」

を常に意識して営業活動を行っているそうです。

営業活動では最終的には契約を取ることが目的ですが、契約にならなかったとしても一度の面談でどこまで顧客に商品の内容を教育できるかにもこだわっているのです。

そして顧客を教育するために朝野さんが行っていることというのは、

「あえて専門用語を活用する」

という方法です。

お客さんへの説明に専門用語を活用することで、お客さんに「それはどういう意味?」と質問させるのです。

そしてその質問に答える形で、お客さんに商品知識を教育していくのだそうです。

ここでも先程と同じように相手に疑問に思わせて、「あえて質問させる」ように誘導しています。

この「あえて質問させる」という手法こそ朝野さんの得意とする手法であり、売るための秘訣なのです。

但し、専門用語を活用するといっても注意点もあります。

それは「専門用語を乱発することはしない」ということです。

専門用語は、あえて相手の興味を惹かせる程度の1つ2つぐらいのキーワードに留めておき、相手が訳が分からなくなって聞く気が失せてしまわないように気をつけているそうなのです。

また、どのレベルの専門用語を使うかなども、雑談の中で相手のレベル感を掴みながら選定していくのだそうです。

「専門用語を活用」→「相手が質問」の営業手法でお客さんを教育することができれば、だんだん商品への認識が深まり、商品への認識が深まればその良さを理解することができてきます。

そして商品の良さを理解させることができれば、購入される確率も高くなっていくという理論なのです。

お客さんを教育することにもあえて質問させる方法を使い、聞く耳を持たせてから説明していく方法を取っています。

「相手にいかに聞く耳を持たせるか」

ここに異様なほど気をつけていることがこの心がけからも感じ取ることができ、聞く耳を持たせる手法こそ朝野さんのノウハウなのだと感じ取れた瞬間でした。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
朝野さんが今のノウハウに気づいたのは、普段の何気ない部下との会話がきっかけになったそうなのです。

それは部下が朝野さんに売れない悩みを相談に来た時です。

部下は商品知識をしっかり身につけ、お客さんにしっかり説明しているのになかなか伝わらないという悩みを持っていました。

そしてどうすれば相手に伝わるような営業ができるのかを朝野さんに相談したのだそうです。

その質問をされた朝野さんは、ふと熱心に質問する部下をみてこう思ったそうなのです。

「部下は一通りの商品説明はできる」

「しかし、お客に伝わらない」

「伝えるためにはどうすれば良いのだろうか?」

「そういえば、今こいつは俺の話を聞こうとしている、この関係をそのまま営業とお客との間に持ち込めば良いのではないか?」

「こいつはなぜ俺に話を聞こうとするのだろうか?」

「それは答えを教えてくれるから」

「そうか!教えてあげる立場になればお客は営業の話を聞くようになるのか!」

この発想から営業はお客さんに対して教育する立場になれば、話を聞くようになり、話を聞くようになれば必然と伝わりやすくなる、という結論に達したのだそうです。

この経験が「相手を教育する」という営業スタイルを確立させてきっかけになり、方法論が確立したことで、部下の育成にも磨きがかかったそうなのです。

朝野さんは個人で1日8件の契約をとるという偉業を成し遂げる傍ら、このノウハウで部下を教育することで8人の部下をすべて月間20件以上取れる営業へと育成した実績も持っているのです。
(※この業界では月間20件以上取れればトップクラスの成績になります)

■水田チェック
朝野さんの営業手法は「ツァイガルニック効果」を活用したノウハウではないかと考えております。

「ツァイガルニック効果」とは、人は不完全なものが気になるという心理的効果です。

よくクイズ番組で「答えはCMの後で」というフリがよくあります。

視聴者はそのクイズの答えが気になってチャンネルを変えられなくなる、というのが「ツァイガルニック効果」です。

朝野さんが行っている「あえて商品の話はしない」というのも同じ効果がもたらされていると思われます。

営業マン=売り込む人という固定概念がお客さんの中にあります。

そんな中、まったく商品の話が出てこない状況にヤキモキしだします。

「いつになったら商品の話になるんだ」

こんな心理がお客さんの中にあるのではないでしょうか。

そして答えを早く知りたいお客が「ご用件は一体何なのですか?」と自分から質問してしまう。

「何の営業なのか、早く答えを教えてくれ」という心理効果が生まれるように営業をしているのではないかと私は分析しています。