セールステクニック

第10回リアルトップセールスインタビュー

伊藤さん(シーケー)

第10回のリアルトップセールスインタビューはシーケークリーンアドの伊藤さんです。

伊藤さんは、日々飛び込みを次から次へとこなす、ここ最近ではあまり見なくなってしまった「新規開拓専門の営業マン」です。

同社では月間7~8件の開拓をするとトップセールスと認められる中で、月間15件以上の開拓実績をたたき出した経験のあるリアルトップセールスマンです!!

元々は技術職として採用されたのですが、ケガで技術職を続けることができなくなり、希望したわけではない営業職をやらざるを得なくなりました。

しかし、営業職に配置転換されたことが伊藤さんの隠れていた才能を開花させるきっかけとなったことは言うまでもありません。

ストレスが一番かかると言われている新規開拓の飛び込み営業を今では全くストレスを感じることなくこなしているのです。

■売るための秘訣とは?
伊藤さんの売るための秘訣をお伺いするとこのような答えが返ってきました。
それは、、、

「いかにお客様が困っていることを探し出し、解決するか」

ということです。

伊藤さんは、飲食店向けにグリスフィルターのレンタルやメンテナンスを提供しているお仕事なのですが、新規客に対してフィルターレンタルの商品説明や取引のメリットを語るのではなく、空調関係でお客様が困っていないかをまず確認するのだそうです。

「●●に面倒を感じたことはないですか?」とか「●●に不便を感じたことはないですか?」などを質問してお客様の状況を確認していくのです。

そこでお客様がその質問に反応すれば、自社の商品・サービスでの最善の解決方法を提案していくのです。そして、問題を抱えていなければ早々に話を切り上げて次の見込み客へと移っていくのだそうです。

伊藤さんは自社の商品やサービスで解決できる問題をよく把握しており、その問題を持っているかいないかで、新規客の見極めを行っているのです。

ただ、私はここであるひとつの疑問が湧いてきました。

それは新規客というのは、飛び込みセールスしてきた営業マンに素直に情報を出さないことがほとんどです。

もし、見込み客が売り込まれることを嫌がり正しい答えを返してくれなかったらどうするのかと考えたのです。

そして中には、問題を持っているものの、その問題を認識していないお客様もいるはずです。

そのような新規客に対してどのように対処しているのかを聞いたところこのような答えが返ってきました。

それはダクト火災のリスクを新規客にお伝えし、対処しないことの深刻さを伝えるのだそうです。

そんなことを伝えられると、正直素直にならざるを得ません(汗)

人は何か利益を得るよりも、痛みから回避することの方が強い反応を示します

この感情をうまく訴求することができれば、相手も耳を貸さざるを得なくなります。
その感情をうまく捉えたトークができているからこそ、新規客が伊藤さんの言葉に思わず耳を貸してしまうのだと思います。

そしてそのトークができたのも、伊藤さんが心底お客様の困っていることを解決してあげたいという思いがあったからこそではないでしょうか。

■成果を上げるために心がけていることは?
「付き合いたくないお客様とは付き合わない」

ことだそうです。

数字を追っている営業という職種上、なかなかお客様を選ぶという行為はできないものですが、伊藤さんは、はっきりと線を引いているようです。

伊藤さんの付き合いたくないお客様とは、「一方的にしゃべる人」「まったく聞く耳を持たない人」「上から目線で話す人」だそうです。

伊藤さんはお客様と営業マンという立場でも対等であるという信念を持っています。
営業だから媚びなければならないとはまったく考えておらず、お客様のビジネスのパートナーとして専門性を発揮して、お役に立つことが営業マンの役割だと考えています。

飛び込みをしていく中で、業者に対して横柄な態度をとるところもありますが、そういうお客様とはあえて付き合わないようにしているのだそうです。

営業マンは数字欲しさに、付き合いたくないお客様とも付き合っているケースは良くあります。

しかし、付き合いたくないお客様と付き合えば付き合うほど手間がかかり、本当にサービスを気に入っていただいて多くのお金を支払ってくれている優良顧客へのサービスがおろそかになるようであれば本末転倒です。

ある意味、「付き合いたくない顧客とは、付き合わない」と線を引くことが、本当に自社の商品・サービスを必要としている顧客に時間を割くための最良の方法になっているのではないでしょうか。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
今の伊藤さんを形成した源泉は、営業を始めた当初の経験が大きいようです。

伊藤さんは、営業に変わった最初の1ヶ月に上司との同行と鬼のロープレによって営業の基礎を築き上げました。

営業になった最初の1ヶ月は、毎日飛び込みのロープレを上司と行っていたそうですなのですが、そのお客役をする上司は、毎日飛び込み営業をしている海千山千の人物です。

たちの悪いお客役を演じることはお手の物で、伊藤さんはその手強すぎるロープレが嫌で嫌でしょうがなかったそうです。

しかし、そのような鬼のロープレを続ける中で、実際の飛び込みで会うお客様はロープレでお客様に扮する上司に比べると非常に優しく見えるようになり、1ヶ月でかなり飛び込み営業へのストレスを克服できたそうです。

この1ヶ月の体験が、今のストレス体性の高い伊藤さんを作り上げたのです!

あなたは、そこまでレベルの高いロープレを実践しているでしょうか?
ロープレの重要性をあらためて思い返させてくれるお話でした。

■水田チェック
伊藤さんの営業力の源泉は、「見込み客を見極める力」にあると思います。

「お客様が困っていることを確認すること」や「付き合いたくないお客様を明確にしているところ」などは正に見込み客を見極めるための方法です。

お客様が困っていることを確認するための質問は、自社の商品・サービスで解決できることから逆算しての質問になっています。

お客様のニーズが発生する背景には、必ずお客様が何か問題を抱え、それを解決するために商品やサービスを購入するのです。

その問題を持っているかどうかを確認することで、今後お客様となり得るかどうかを見極めているのです。

そして付き合いたくないお客様の話にも続きがあり、「一方的にしゃべる人」「まったく聞く耳を持たない人」「上から目線で話す人」など業者を大切にしない顧客は、来店したお客様に対する姿勢も本当の感謝の気持ちがなく、表面的な接客をしているとのことです。

表面的な接客はお客様に見透かされ、結局お客様が寄り付かなくなる店になっていくとのことなのです。

繁盛していない店はフィルターの清掃を外部に頼らなくても自分たちでやれる時間が十分あるため、営業を仕掛けていってもお客様になりにくいそうです。

このように伊藤さんの行動には、お客様を見極めるための方法論が隠されており、お客様になる可能性が高い顧客に時間を使うことで新規開拓を量産しているのではないかと思います。

 

第8回トップセールスインタビュー

紅谷さん

第8回のリアルトップセールスインタビューは東海オートメーションの紅谷さんです。

紅谷さんは、これまでに様々な業界の営業を経験しています。

まずは、消費者金融→保険会社→人材派遣→製造業(東海オートメーション)と多種多彩な業種で営業を経験された方で、経験した業種のうち人材派遣と製造業の企業においては、営業力を買われヘッドハンティングされています。

人材派遣時代では、200名いる営業社員の中でトップ30位以内に入り個人表彰、そしてマネジャー職では、5年間予算未達成だった営業所をわずか1年で予算達成店舗にした実績があります。

その他にも、今のお勤め先で、入社1年目にして名古屋営業所の出店を社長に心願し、技術者の方と2人で名古屋営業所の立ち上げに成功しています。
売上は1年目に2000万、2年目に9500万、そして3年目の今年は1.5億円(見込み)の売上を築き上げているのです(ちなみに同社の1人あたりの営業予算は平均8000万ですので、ほぼ2倍の実績です)

■売るための秘訣とは?
紅谷さんの売るための秘訣、それは、

「成果が出るまで継続する」

です。

成果が出るまで「とにかく」継続することだそうです。

紅谷さんは新規開拓の営業が中心であり、新規開拓で成果を上げるためには、とにかく会いに行くのだそうです。

電話やメールでは、印象に残りづらいため、たった一瞬であったとしても会いに行くこと、顔を見せることにこだわりを持っています。

とにかく継続するというお話で、いったいどこまで継続するのかをお聞きしたところ、経験値から18ヶ月~24ヶ月は継続するとのことなのです。

そして会う頻度も、お客様によって多少のバラツキはありますが、会ってまだ間もなくて状況があまり分からない頃は「毎日」に近い頻度で、そしてお客様とのコミュニケーションが取れ、状況が分かってくれば、そのスパンを「1週間に1回」「2週間に1回」などの頻度にしていくそうです。(但し、最長でも3ヶ月以上は伸ばさないというルールはあります)

今、新規開拓で一度断られると二度と訪問に行かないという営業マンがほとんどの中、2年間も通い続ける継続力に脱帽です。

しかし、一度断られた先にいけない営業マンが多い中、断られても何度も通い続けることができるだけで、圧倒的な差別化になっているのではないでしょうか。

しかし、更に掘り下げて継続してアプローチする手法をお聞きすると、ただの根性だけの営業でないことが明らかになってきました。

継続してアプローチをし続ける中にも、すべての見込み客に2年間、通い続けるわけではなく、あるポイントをしっかり掴み、通い続けるのか、見極めるのか、を決めているそうです。

それは「受付の方の応対」を見るのだそうです。

受付の方の応対を見て「よく教育されていそうな方なのか」を見るのだそうです。

受付の方はまず、会社に入るといちばんにお会いする方です。いわば会社の顔といっても過言ではない社員です。

その会社の顔であるという認識をもって会社側がしっかり教育をしているのかどうか、応対や言葉遣いになどを確認すれば、その姿勢が見えてくるとのことなのです。

そしてそのことをしっかり認識して教育している企業は、比較的業績が好調もしくは今後成長していく可能性が高く、取引が始まれば長いお付き合いになることも多いのだそうです。

逆に受付の方が雑であると、その会社自体が雑である可能性が高く、そのような企業はせっかく苦労して取引を始めたとしても、何かにつけてクレームを出してきて、結局取引が長続きしないのだそうです。

新規開拓ではこの見極めるポイントは非常に重要だと思います。
新規開拓で実績が出せない営業は、多くのケース「強く断られた」という理由で見極めます。

しかし、初対面で見知らぬ企業の営業に断りを入れることは、ある意味ごく正常な対応であり、断られたという理由だけで見極めることは、正常な対応をする見込み客を見極めていることと同じで、冷静に考えればおかしな話なのです。

しかし、新規開拓で実績を上げる営業マンの多くは、断り文句で見込み客を見極めません。もっと客観的なポイントで見極めていっているのです。

まさにそれを実践しているのが、紅谷さんではないでしょうか。

■成果を上げるために心がけていることは?
紅谷さんは、「顧客を第一に考える」ことを、いつも心がけているそうです。

今はどのような業界の営業をしても、商品力やブランド力だけで差別化できる企業は少なくなっています。
紅谷さんは、商品力や会社のブランド力で差別化できないのであれば、営業マン自体が付加価値となり差別化するしかないと考えています。

そこで紅谷さんはお客様に、常に「お役に立てることはないか」「何かお手伝いできることはないか」をお客様に聞きまわり、ビジネスに直接関係がないことが出てきたとしても、自分自身で対応できることであれば、そのお客様の要望に対応してあげるのだそうです。

一見、非効率なように思える活動をしている理由をお聞きするとこのような答えが返ってきました。

「自分の都合ばかりを考えてセールスをやっていた時期もありましたが、その方法では実績が上がったとしても、結局楽しくなく、続けていくことができません。急がば回れということわざがあるように、一見、この方法は非効率に見えますが、本当はいちばん近道なのですよ」
と話してくれました。

なるほど、実践者の言葉には重みがあります。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
紅谷さんは消費者金融時代に、営業の考え方を変えるきっかけとなる人物との出会いがあったそうです。

当時、紅谷さんが勤めていた消費者金融の会社は非常に数字に厳しいところだったそうです(私も同業界にいましたので良く知っていますが)

その厳しいノルマを達成させるために、半分強引な営業を行って貸付をしていたケースもあったようです。

そのような営業スタイルを見ていた当時の上司と紅谷さんでこんなやり取りがあったそうです。

上司「そんな営業のやり方だと続かないぞ。消費者金融という業界でも十分に社会的な存在意義はあるんだ。頼りにしているお客様もいる。お前にお客様の役に立っている感覚はあるのか?」

紅谷さん「そんなことを言われても数字を求めてくるのは●●さんじゃないですか」

上司「言われたことすべて間に受けてどうする、開き直るぐらいのゆとりを持て」

と言われたそうです。

数字や社内評価をすべてとする企業文化の同社で唯一、お客様に目を向けろと唱えてくれた方だそうです。

最初のうちは、「何を言っているのだ?」と思いながら、その上司の指摘を無視していたそうなのですが、強引な営業を続けているうちに、取引したお客様が完済時に再度、融資提案をした際にそっぽを向いて二度と付き合ってくれなくなったり、すぐに返済してきたり、返済時に文句を言われるなどの経験が積み重なる中で、自分自身の存在意義を感じられず、落ち込んだそうなのです。

そのような体験を通して、上司の言葉を思い返し、今の営業スタイルを改める決意をしたそうなのです。

その苦い経験が「顧客を第一に考える」を心がけるきっかけとなったそうなのです。

■水田チェック
紅谷さんの営業力の強さの秘訣は、「継続力」に尽きると思います。

本来なら心の折れる新規開拓で、継続して企業にアプローチし、自分の経験値から18ヶ月から24ヶ月はどんな顧客でも(対象としたい顧客ではないと客観的に判断できた時を除き)接触し続けると決めて行動しているからではないでしょうか。

この経験値はある意味、紅谷さんのブレない軸となっており、ブレずにやり続けていることが他の営業マンとは一線を画す「差」になっているのではないでしょうか。

 

第7回トップセールスインタビュー

北澤さん

第7回のリアルトップセールスインタビューは自動車ディーラーにお勤めの北澤さんです。

北澤さんは「年間300台」の新車を販売してしまう超トップセールスマンです。

私も始めにその数字をお伺いした時に、会社のブランド力が働いたり、立地が良かったりなど営業の能力とは別のところに実績の要因があるではないかと疑っていたのですが、他の営業マンの実績を確認すると、更に驚きの事実がありました。

なんと他の営業マン(同部署)の実績は平均で年間60台程度だというのです。

北澤さんは他の営業マンの5倍!売っているのです!

要はブランド力や立地ではなく、完全に北澤さんだからこそ売ることができているのです。

昨年だけでなく、過去も販売実績をあげて様々な賞を受賞しています。

数百名いる営業マンのトップ5%に贈られる優秀賞を受賞したり、他にも年間優秀セールスマンを3度も受賞しているのです。

自動車販売の申し子といっても過言ではありません。

■売るための秘訣とは?
北澤さんに売るための秘訣をお伺いしました。

北澤さんの売るための秘訣、それは、、、

「必ず紹介をお願いする」

です。

お客様に車をご購入いただき、納車をする際に必ず紹介をお願いしているのです。

その紹介の仕方も具体的で「購入して良かったことを3人の知人に話をしてくれ」と具体的に人数を提示するのだそうです

そして納車1ヵ月後の点検でも必ず、その状況を確認するのだそうです。

紹介をもらえる人もらえない人のいちばん大きな差は、「紹介してくださいと言っているかいないかにあります。

多くの営業マンがお客様に紹介をお願いするのは申し訳ないと考え、「紹介」という言葉すら発していないケースがほとんどです。

そして紹介を促すためには、金銭などのお礼を用意する必要があり、それがなければ紹介を促すことなどできないと考えている人も多いようです。

しかし、実際に紹介してくれる人は、紹介によって金銭などの物理的な謝礼を求めている人は少なく、「おせっかい好き」の方が多いのです。

「頼りにされると何かしてやりたくなる」みたいな人です。

このような「おせっかい好き」の方が求めていることは、「ご紹介いただきありがとうございます」という言葉であり、役に立っているという自己重要感なのです。

北澤さんは、ご紹介いただいた際は必ずその商談の経過報告は欠かさずしていますし、商談がうまくいってもいかなくても、必ず紹介者への報告と感謝の意を述べているそうです。

そして、紹介いただいた方からまた紹介をもらうために、購入までのステップでお客様が喜んでいただける商談を常に心がけているとのことです。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

「お客様と親密に話せるようにする」

ということです。

そのために、携帯は24時間365日掛けてもらえる状態にしておきますし、電話が取れなかった際も、すぐさま空いた時間に折り返しの電話をかけるように徹底しているとのことです。

そして、電話に出る際にも、ひと工夫があります。

必ず、電話に出る前に、相手の名前を言って電話に出るそうなのです

例えば、私が北澤さんにお電話したとします。

その時にこう答えるのです。
水田さん、どうもお世話になっております。北澤です」
と必ず、冒頭に相手の名前を言うのだそうです。そうすることで親近感を感じてもらうことができ、相手との親密度が深まるのだそうです。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
北澤さんは営業マンになった当初から売れていたようで、何か転機になる出来事はなかったとのことです。

しかし、それ以前に遡れば、何かきっかけがあったはずだと思い、過去の学生時代の話なども確認していきました。

そうすると驚くべき事実があったのです。

営業マンをやる前は、役者をしており、ドラマや映画などにも出演していたというのです。
そして更に遡って学生時代の話を聞くと、またまた興味深い話が出てきたのです。

それは、学生時代にアルバイトをしていた場所です。

どのようなところでバイトをしていたかというと、雀荘です。
サウナと併設の雀荘に友達に誘われてバイトを始めたそうなのですが、その雀荘というのは「怖い筋の方」御用達の雀荘だったのです。

サービスに少しでも失礼があれば、何をされるか分からないような環境で、接客サービスを覚えたというのです。

その後も、その雀荘に通っていたその筋の方にホストの仕事も紹介してもらい、ホストという職で接客を学んだそうなのです。

そのような普通以上に接客サービスに気を使わなければならない環境の中で、仕事をすることで相手を気分よくさせる話術を覚えたようなのです。

※普通なら怖くて、そんなバイト続けないと思うのですが(汗)

■水田チェック
北澤さんの営業力の源泉は、「信頼関係構築を最重要視していること」だと思います。

・携帯を24時間365日対応にする
・かかってきて電話が取れなければすぐに掛けなおす
・紹介者に必ず進捗報告をする
・かかってきた電話の冒頭で必ず相手の名前を言う
・自分の過去を自己開示し、自虐ネタにしてしまう

など、すべては信頼関係構築につながる要素で、私も今回のインタビューで北澤さんに初めてお会いしたのですが、非常に楽しい時間を過ごすことができました。

帰る際には、またこの人と会ってみたいという気持ちまで芽生えてしまうほどの魅力的な方でした。

そのような心理にさせるのは、北澤さんの接客に対する姿勢であり、その姿勢を作り上げたのも「信頼関係構築を最重要視した営業スタイル」そしてその信念を持ち続けたからだと思えます。

 

第4回トップセールスインタビュー

中根さん

第4回のリアルトップセールスインタビューはラックの中根さんです。

中根さんは人材紹介会社を経営する経営者でもあり、今も自分自身で営業を行っている方です。

紹介業務を行っている営業マンの年間平均売上が2000万(15~16人の紹介)と言われる中、年間で4800万の売上(40人以上の紹介)をたたき出した人物です。

実は私もアタックスに転職する際にお世話になった方です。

きめ細やかなフォローをしていただき、極悪金融出身の私を敷居の高いコンサルティング会社に導いてくれた敏腕の紹介コンサルタントです。

■売るための秘訣とは?
転職の際にお世話になったついでに、また今回もこのようなインタビューをお願いさせていただきました。

中根さんの売るための秘訣。それは、、、

「価値観を教育すること」です。

採用という世界では、求職者と採用企業はお互いに表面的な側面で判断しがちです。

求職者は規模の大きな会社、有名な会社、イメージの良い職を求めがちですし、企業も学歴や職務歴で採用を判断しがちです。

しかし、求職者が希望している企業、そして企業が求めている人材をマッチさせたからといって良い採用になるかというと実際は違い、入社してからお互いにミスマッチを感じて離職してしまうケースも多々あるのだそうです。

中根さんはそのようなズレが生じてしまう転職マーケットで、求職者や企業の表面的なニーズを拾うのではなく、求職者の性格や志、企業の企業文化を判断して最適なマッチングを提供してあげることでミスマッチによる離職が発生しない転職を実現させているのです。

表面的な側面で高望みしがちな求職者や企業に対して、プロの視点で判断した本当に合う人や企業を紹介し、新たな価値観を教育することでクライアントの視野を広げ、本当にお互いが満足のいく転職を実現させているのだそうです。

かなり高度な技ではないでしょうか。

住宅販売の営業マンが、住宅の間取りばかりを気にする夫婦に、住宅の構造にこだわる重要性を教育し、信頼を勝ち取った結果、物件が自然に売れてしまう手法と似ています。

要は、間違いの起きやすい転職マーケットで求職者には企業の新たな選択基準、企業には求職者の新たな選択基準を教育することで信頼を勝ち取っているからこそ結果が出せているのではないでしょうか。

■成果を上げるために心がけていることは?
成果を上げるために心がけていることは、

「ファンになること」

だそうです。

これは求職者のファンになる、求人の依頼をしてきた企業のファンになるということです。

価値観を教育するためには、求職者や求人依頼のあった企業から価値を見出すことができなければ、実現できません。

求職者や求人依頼のあった企業のファンになれば、その人やその企業の良さや価値は自ずと見えてくるようになり、見出した価値が明確になれば、求職者や企業に価値を正しく伝えることができます。

中根さん曰く、営業マンは自分のファンを作れとよく言われるが、お客さんが自分のファンになったかどうかはよく分からないし、ファンを作るよりもお客さんのファンになった方が楽しいし、話が早いとのことです。

好意の返報性を無意識のうちに実践している素晴らしい方です。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
転機となったきっかけは特になく、厳しい環境が自然と今の自分を導いてくれたとのことです。

厳しい環境とは、中根さんが就職活動を行った時代にまで遡ります。

中根さんが就活を行ったのは1995年。当時は就職氷河期と言われていた時代です。

中根さんは苦労して就職してつまらないサラリーマンをやるぐらいなら、いっそのこと独立してやろうと考え、某大手生命保険会社で営業のノウハウを学んだ後、24歳の若さで知人と一緒に事業を始めたのです。

会社を立ち上げるとサラリーマンのように保証された給与はなく、稼がなければ生活もできなくなる状況に自らを置くことで自分自身を成長させていったのです。

就職氷河期という時代が自立の精神を生み、独立という環境が自らを成長させていったということなのです。

■水田チェック
私が判断する中根さんの営業力の強さは「伝える力」ではないかと思います。

一見、不利と思えるような事象も、見る角度を変えることで有利に見せることもできます。

例えば、「学歴が低い」も一見、求職者としては就職に不利な情報です。
しかし見方を変えると、“学歴で不利な評価を受けているはずなのに前職の企業で一定の評価を得ているということは、通常の評価よりも高い能力を持っているのではないか”とか求職者が「業界未経験」であれば、“違った角度で意見を述べることができるので組織の活性化になる”などの価値を見出し、伝えていたのではないかと考えます。

その証拠として、中根さんはこのようなことを口にしていました。

「1つのことを何通りの切口で表現できるかを常に考えている」

と言っていたのです。

これは正にリフレーミングの訓練を常にしている証拠であり、この訓練が相手に新たな価値観を教育するための「伝える力」と変わっているのではないでしょうか。

 

第3回リアルトップセールスインタビュー

第3回のリアルトップセールスインタビューは電算システムの柴田さんです。

過去に大手システム会社で営業を行っていた時に、提案書を提出した案件に対して40戦39勝成約率97.5% と常人ではできない記録を打ち立てた人物です。

年間予算が4億円に対して7億円の実績をたたき出し、予算達成率が175%という大幅達成を3年間継続したのです。

今も電算システムで営業支援システムを販売しているバリバリの営業マンです。

■売るための秘訣とは?
売るための秘訣を単刀直入にお聞きしました。

売るための秘訣、それは

「売ろうとしない」

ということです。

売るのではなく、お客様の価値を最大にすることに努めることに力点を置くのだそうです。
そしてお客様の価値を最大にするために欠かせないことは「お客様を徹底的に知る」ということです。

お客様のニーズは、お客様にとって本当に必要なものでないケースがほとんどでそのニーズを修正してあげることが営業マンとしての役割なのだとおっしゃっていました。

お客様にとって本当に必要なものを知るためにいつも3段階のヒアリングを実施しているようです。
まず、第1段階は「ニーズ」を聞く、第2段階はニーズの元となっている「課題」を聞く、そして第3段階は、その課題を発生させた「問題」をお客様にヒアリングするということです。

システムの販売も今は機能で差別化することは難しく、他社との差別化を図るためには、「この業者がいちばん理解してくれている」と思っていただけるかどうかだということです。

そしていちばん理解してくれる業者だと思っていただく方法として、この3段階ヒアリングを徹底しているのです。

そして3段階ヒアリングと同様にもうひとつ重要視していることが「キーマンに会う」ということです。

柴田さんはどのような企業規模であっても社長と会うということを第一に考えています。

企業規模がかなり大きな企業ですと、事業部長などが決定権者の場合もありますが、それでも社長とお会いすることでキーマンを特定できたり、キーマンへのプッシュにもなるため、まず企業のトップである社長にお会いすることにこだわっているというのです。

柴田さんの経験からトップへアプローチする方法が結果的にもっとも商談プロセスを縮めることに効果的ということを感じてのことなのだそうです。

■成果を上げるために心がけていることは?
「徹底的に事前準備をする」ということだそうです。

初めてお会いする企業様であれば、HPから「今期(中期)の経営方針」「IR情報」「社長の言葉」「取扱商品」などの情報をくまなく確認し、その情報から対象企業がもっていると思われる問題点を想定して面談に望むのだそうです。

特に「初回面談の印象ですべてが決まる」ということを経験値で認識しており、初回の事前準備の徹底振りには驚かされるところがあります。

そして事前の情報収集を徹底することで、ある法則も見つけ出しているようです。

それは、以下の条件が重なると変革意欲が旺盛でシステム投資をする可能性が高いということなのです。

その条件とは
1.リーマンショック以後に大きく業績を下げている
2.その後に少し業績を回復させている
3.少し業績が回復した後、頭打ちとなり業績が横ばいになっている
4.2の業績の回復が自助努力によるもの
なのだそうです。

お客様を知ろうという執念がこのような法則まで導き出してしまう力になっているのです。

■トップセールスになるにあたって何か転機となった出来事はありますか?
それは最初の勤め先での先輩営業社員に同行したことが大きなきっかけになったようです。

今ではシステムの販売を行っている柴田さんですが、いちばん最初に行った営業は、百貨店の外商だったそうです。

富裕層に対して、宝石・絵画などの高級品を営業して販売していたとのこと。

そこで出会った先輩社員の営業に同行したところ、まず驚いたのが前日にスーツでなく、「軍手・ジャージ・スニーカーで訪問先にこい」という指示があったそうです。

そこでその姿で訪問先に行くと先輩社員も同じ格好をしており、その先輩社員はせっせと訪問対象先のご自宅で庭の手入れをし始めたそうです。

その時間はおよそ5時間、営業をかける訳ではなく、ただお客様の庭を丁寧に手入れしていたそうです。

その姿を、家に帰ってきた見込み客が見て、その先輩社員に少し話をした後、すぐに注文を出したそうです。

また、他にも息子にアイススケートの習わせるのに、オリンピックに出場した経験のあるコーチのもとでやりたいという見込み客の声を聞けば、そのコーチを探し出し紹介することで1000万円のピアノを受注するなど、まったく営業をしていないにも関わらず商品が売れている様をみてあることに気づいたというのです。

それは、商品を売り込まなくてもお客様は商品を買ってくれるという事実があり、そのいちばん大きな要素は「信頼関係」だという気づきです。

この気づきが「売ろうとするのではない、お客様の役に立つ」という信念を確立した源になっているのです。

■水田チェック
柴田さんの営業マンとしての強さは「共感による信頼関係の構築」にあるのではないかと考えています。

HPなどの情報源から仮説をたて、お客様に幾度となく問題提起をし続けて、その仮説を検証することにより、仮説力が上がり、今となっては顧客があまり状況を説明しなくても問題を発見できるようになっているのではないかと思います。

よく霊能者が会ったこともない人の過去や抱えてる問題を言い当てると、言い当てられた人と霊能者との間で一気に信頼関係が築かれるのと同じように、お客様が自社の問題を伝えていない中で、柴田さんが言い当ててしまうことで信頼関係を高速で築いてしまっているのではないかと思います。

それができるのも常に事前準備を怠らず、仮説をたてて商談に挑んだ経験がなせる業ではないでしょうか。