第30回リアルトップセールスインタビュー
第30回のリアルトップセールスインタビューは(株)FPパートナーの西原さんです。
今回インタビューをお願いした西原さんの会社は「実は」私の保険を担当していただいている会社です。
当社は、あらゆる保険会社の商品を取り扱い、お客さんのライフプランに合わせて最適な保険会社とその商品を紹介してくれる、消費者にとっては非常にありがたい保険代理店なのです。
西原さんは元アリコの営業マンで、現在は当社の支店長としてマネジメントも行いながら営業マンとしても現役でご活躍されております。
営業マンとしては過去MDRTを3回受賞されており、会社の推薦で東洋経済からインタビューも受けたこともあるリアルトップセールスなのです。
それでは、そんな西原さんの営業の秘訣をご紹介いたしましょう!
■売るための秘訣
西原さんの売るための秘訣は、大きくは二つに分かれます。
ひとつは、「販売」そしてもうひとつは「集客」です。まずは「販売」での営業ノウハウからご紹介いたします。
保険というと一般的に「難しい」とか「ややこしい」というイメージが先行する商品です。
保険の営業はこの「難しい」とか「ややこしい」というイメージを払拭しなければお客さんは動いてくれません。
そのような商品特性の中で、西原さんは必ず以下の3点のポイントを押さえて説明をするようにしているのです。
1)簡単であること
2)入る時は真剣に考えること
3)今回限りであること
このポイントのひとつひとつに西原さんのノウハウが詰まっているのです。
1)簡単であること
保険はあらゆる企業の商品を数えてみるとなんと600種類以上もあるそうなのです。
この種類の多さが一般消費者にややこしいという印象を与える要因になっています。
しかし、西原さんはその複雑そうなイメージを払拭するために、まずお客さんのライフプランの確認や提案する商品の話をする以前に、必ずしておくべき話があるというのです。
その話とは、「保険のしくみ」の話です。
保険というのは何百種類も商品がありややこしそうなイメージがありますが、もとをたどっていけば「定期保険」「養老保険」「終身保険」の3種類しかないそうです。
「保険って色んな商品名がありますが、ぶっちゃけこの3つのどれかなんですよ」と話してあげると、とたんにお客さんが耳を傾け始めるのです。
2)入る時は真剣に考えること
しかし、保険がいかに単純なことが分かっても耳を貸してくれるかもしれませんが、実際に行動を起こすまでの動機付けにはまだ弱いものとなります。
そこで西原さんは、耳は貸してくれたものの動こうとしないお客さんに、保険が「いかに高い買い物であるのか」そしてその保険に対して「いかに無頓着であるのか」を伝えるというのです。
保険は月々の支払に分割されているのであまり意識されないのですが、実は生涯支払う金額は一般の人でも1千万を簡単に越える買い物であり、家の次に高い買い物となります。
しかし、分割の支払になっていることで高い買い物という意識が希薄になっているところをこんな質問をしてみるのです。
「今の保険って、いつまでお支払があるかご存知ですか?」
「保険で、いくつまで保証されているかご存知ですか?」
「解約返戻金はあるタイプのものですか?無いタイプのものですか?」
お客さんは毎月支払っている金額は良く分かっているのですが、それ以外のことを実はよく把握せずに契約がしている人が多く、ほとんどの方がこの質問に明確に答えられません。
そして答えられないお客さんに、
「家を購入されるときは色々な展示場に行って、めちゃくちゃ勉強して購入されますよね。保険は生涯で試算すると、家に次ぐ大きな買い物なのです。ほとんど理解できていない状態で支払い続けていることに不安を感じませんか?」
と理解できていない事実を伝え、考える必要性を訴求するのです。
3)今回限りであること
そして最後に極めつけです。
必要性を感じていながら「う~ん」と考えている人に最後の一押しをするのです。
人はなかなか決断できない生き物です。
営業マンの中には断られることに恐怖を感じて、結論を確認しない人がいますが、それはお客さんにとって不親切です。
決断を迫られて悩んでいる時ほどその道の専門家である営業マンがそっと背中を押してあげるべきなのです。
心優しい西原さんはそっとこの一言を添えてお客さんを後押しするのです。
「保険というのは何度も考える必要はないです。1回だけ頑張って考えてみましょう」
と・・・。
この最後の一言で多くのお客さんが救われ、動き出していくのです。
■自動集客の仕掛け
続いて「集客」に関するノウハウです。
保険業界での見込み客に集め方として主流なのが、やはり「紹介」です。
紹介してもらえる人脈が多かったり、紹介を得られる仕組みを持っている保険営業マンは見込み客集めに圧倒的に有利になります。
西原さんは「紹介」を得るためにシンプルなことを実践しています。
それは「どのような人間なら紹介をもらえるか」ということに着目して契約後のアフターフォローで“あること”を実践しているのです。
この“あること”こそが自動集客の仕掛けを作り上げているのです。
その自動集客の仕掛けとは、
「手続き書類はもっていく」
「証券が届く頃に再度行く」
というシンプルな方法です。
手続き書類は記入方法が分かりづらく素人からすると面倒くさいものです。
その面倒くささを放置してしまうと手続きが大変だったイメージが残ります。
そのイメージをもたれてしまうと、いざ紹介をしてほしいとお願いしても、そのめんどくささから二の足を踏んでしまいます。
そのようなイメージをもたせないためにも、お客さんが何のストレスもなく手続きできるようにわざわざ手続き書類をもって行き丁寧に説明しながら記入をさせるのです。
そして契約後の証券が届いた頃にも仕掛けがあります。
証券が届いたであろうタイミングで再度、お客さんのお宅にお伺いし、証券やこれまでの見積り、保険の設計書など不要なものを整理して、必要な書類一式にファイリングしてあげるというのです。
これは保険を契約したことがある人なら分かると思いますが、いくつもの保険商品を検討し、保険料の調整などをしている間に見積書、設計書が山のように増えていきます。
契約するときには、どれが必要でどれが不要なのかを整理せずに書類をまとめて保管して、いざ保険内容を見直そうとした時に何がなんだか分からないことがあります。
そのような状態を避けるために、わざわざ証券が届く頃にお客さんのところに伺ってその書類を整理してあげるのです。
「かゆいところに手が届く」
とは正にこのようなサービスではないでしょうか。
このようなサービスを提供することにより「この営業マンに任せると安心」という印象を与えることができ、その信頼の獲得が紹介へとつながっていっているのです。
■このノウハウをどこで手に入れたのか
西原さんのノウハウは具体的で非常に分かりやすいものです。
このような分かりやすいノウハウを構築したルーツはいったい何なのかをお伺いすると、このような話がありました。
西原さんは保険営業を始めた当初は、友人・知人などをあたって契約を取り続けていたそうです。
しかし、縁故による営業だけではいずれつながりの薄い人たちしか残らなくなってきて、契約を取り続けることは難しいと予想したのです。
そこで今までのやり方だといつか枯渇してしまう危険を回避するためにどうすれば良いかを考えたのです。
そこで思いついたのが先輩社員の存在です。
契約を取り続けることができず、やめる人が多いこの業界でずっと生き残り続けている先輩社員には何か理由があるはずと考えたのです。
そして、なぜ生き残っているのかを素直に聞き、そこで教えてもらった方法が今のやり方なのです。
先輩の成功要因を聞いて実践できるように体系化したからこそ、西原さんのノウハウは再現性のあるものになっているのだと分かりました。
なので、今のノウハウは当然今の部下にも教育しており、マネージャーとしても高い実績を上げ続けているのです。
■水田チェック
西原さんのノウハウは顧客心理をよく理解した営業手順になっています。
まず、保険の仕組みを伝えることで、複雑であるという先入観を取り払い、『耳を傾けさせて』います。
その後に、保険の支払総額とそれに対する無頓着さを指摘し、考える必要性を『感情に』訴えかけています。
そして検討すべきかを悩んでいるお客さんに、「一度きり」ですからという『理屈』で、「動き出すことを正当化してあげているのです。
人は「感情で買い、理屈で正当化する」とよく言われます。
「耳を傾けさせ」→「感情を刺激し」→「理屈付け」により相手に行動を起こさせることを促しているのです。
シチュエーション別に「お客さんが今なにを考えているのか」をよく考えたノウハウであり、その大切さを教えてもらえたインタビューでした。
我々も「今、お客さんが何を考えているのか」を考え対処していくことが必要なのです。
「ドアを開けた時」「話し始めたとき」「商品説明を聞いている時」「決断しようとしている時」などのシチュエーションを想定して、お客さんが何を考えているかを洗い出してみると西原さんのような営業ができるようになるのではないでしょうか。
■インタビュー企業
社名:株式会社FPパートナー
住所:愛知県名古屋市中区錦2-15-22
TEL:052-229-0826
URL:http://fppartner.jp/
2013年07月04日トップセールスインタビュー